大日堂の五官王像 修復へ 寄付集まり約1年かけ補修
蓑毛地区の宝蓮寺内にある、大日堂境内の閻魔堂に安置されている市重要文化財「五官王像」が6月15日、修復のため東京都世田谷区に運ばれた。修復師で武蔵野美術大学客員教授の明珍素也さんにより、補修が行われる。
閻魔堂には中心の地蔵菩薩を囲むように閻魔大王像など十体の仏像などが安置されており、これらは木造十王像等諸仏として平成15年に市の重要文化財に指定された。しかし経年のため痛みが激しく、修復が必要となっている。これまでに閻魔大王像など修復を完了させた像もあるが、一体あたりの修復費用が数千万円かかることもあり市指定重要文化財の補助金では修復資金が足りず、現状では寄付に頼らざるを得ないという。
修復師の明珍さんは、過去に十王像の一体「平等王像」の修復を手がけた実績がある。この日は五官王像を木枠に梱包し、一帯を管理している宝蓮寺の東島礼美住職の立会いのもと運び出した。明珍さんは「1年ほどかけて、適切に修復する」と説明。東島住職は「寄付していただいた方には感謝の気持ちでいっぱい。他の半分ほどの十王様はまだ修復できていないので、いつかは直してあげたい」と話した。
十王像の十王は死者の生前の行いの裁判を行う十人の王を表すもので、閻魔大王が代表的。かつては全国に多くの十王像があったが明治期の廃仏毀釈で多くが失われてしまった。大日堂の十王像には1721年(享保6年)の年紀と江戸神田の大仏師左近という作者の墨書銘が確認でき、十体全て揃っているのは貴重とされる。
蓑毛地区の建物や仏像群などの保存活動をする「秦野みのげ文化の会」では、保存の必要性や観光資源としての重要性を理解してもらおうと、定期的な公開や講演会など様々な催しを開いている。
同会の事務局長を務める田代茂洋さんは「蓑毛には多くの文化財が眠っているが、意外と知らない人が多い。蓑毛の歴史や文化を多くの1人でも多く知ってもらい活性化を図り、将来的には少しでも修復が進めば」と話した。
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田原ふるさと公園野菜直売研究所0463-84-1281/そば処東雲0463-84-1282 https://www.kankou-hadano.org/pointinformation/pointinformationguide/point_tawarafurusatokouen.html |
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