平塚市美術館市民ギャラリーでパッチワーク・キルト展を開く 谷口 淳子さん 千村在住 54歳
想いをキルトに込めて
○…「この作品をただ眠らせておくべきじゃない」という職場の先輩の思いつきと実行力から、今回のパッチワーク・キルト展が実現。パッチワークをしなくなって数年経っていたため「仰天しましたが、一生懸命針を運んでいた頃を思い出し、作品に想いを込めたことを振り返っているうちに熱い思いが湧いてきました」という。「友人や仲間がいろいろな面で協力してくれて、本当にありがたい。当日も人との出会いが楽しみです」と目を細める。
○…パッチワークを始めたのは20代後半。地域活動が縁で知り合った先生から基本を教わり、家族や娘たちの日用品を作り始めた。その用途が一段落した頃、作品は「何かを表現したくて作るもの」に変わり、物語性の持つものになった。例えば『ピースハウスホスピス 命の光のなかで』というタペストリーには、12年ほどボランティアとして通ったホスピスでの出会いや交錯した感情などさまざまな想いが込められている。これらの作品は権威あるキルトのコンクールで優秀賞などを受賞、専門誌でも掲載された。しかし、輝かしい経歴より「ホスピスで掲示したとき、じっと見つめたり、作品がきっかけで話が弾んでいる方たちがいた。それが幸せだった」と優しい表情で振り返る。
○…静岡生まれ。幼い頃から本を読むのが大好きだった。大学は北海道で植物学を専攻、大学助手を務めた後、結婚を機に関東に移り、秦野に定住した。子育てをしながら、パッチワークやお菓子作り、ガーデニング、学校や地域のボランティアなどに励んだ。パッチワークについての友人との会話がきっかけでホスピスのボランティアを始め、それがきっかけで大学で臨床心理を勉強、40代で知識をいかした仕事に再就職。「みんな無駄になることはなく、つながっていると感じます。作品も10年経って日の目を見ることになるなんて」と微笑んだ。作品展は7月31日から8月5日まで。
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