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秦野版 公開:2013年1月1日 エリアトップへ

2期8年、集大成の年に 防災、行革に重点おく

公開:2013年1月1日

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インタビューに答える古谷市長
インタビューに答える古谷市長

 2013年の年頭に当たり、本紙では古谷義幸市長にインタビューを行った。市長は、昨年の事業の振り返りや今年の市政展望などともに、自らの任期が2期8年目の最終年にあたることから、「集大成の年にしたい」などと語った。(聞き手は須藤一成、野口康英)

 ―まずは昨年を振り返っての感想をお聞かせください

 「政治的にも経済的にも波瀾万丈の1年だったと言えるのではないでしょうか。国の方向性が定まらず、こんなにも皆が右往左往した年はなかったのではないかと感じています」

 ―昨年末の総選挙で政権が交代しました

 「今回の政権交代の原因は、3年間の民主党政権が国民との約束を守らなかったことが大きかったと思います。加えて解散時期も見誤ったかもしれません。新政権は、国としての大きな決断の際、国民に信を問うという常道を忘れないでほしいと思います。とはいえ、暫くは見守りたいという気持ちです。米国などでは新政権が誕生すると、100日間はハネムーン期間といって、国民やマスコミも性急な評価をしません。日本もそんな空気があってもいいのではないかと思います。新しい政権を国民が選んだわけですから」

 ―さて、昨年の市政では、いくつかの大型事業が完成する節目の年となりました。まずは大根川ポンプ場についてお聞かせください

 「大根川ポンプ場は鶴巻地区の浸水対策の一環として、2007年から6年の歳月と総事業費約27億円をかけ昨年11月に完成しました。ゲリラ豪雨などへの対策はもちろん、災害緊急時にも非常用電力による運転が可能です。この地域の浸水対策が大きく向上するものと期待しています」

 ―はだのクリーンセンターも供用開始が間近となりました

 「スタートから実に15年の歳月を費やしました。7年前に市政を引き継いだ当初は、建設反対の集会に出席し市長職の重みをずっしりと感じたものでした。ようやく、今月30日に竣工を迎える予定です。ここまで来ることができたのも、地元をはじめ多くの皆様のご理解とご協力の賜物と、深く感謝申し上げる次第です」

 ―一方で公共施設の再配置など取り組む課題も多いと思います

 「公共施設再配置計画は昨年から取り組みを開始し、今年は第1期基本計画前期実行プランの折り返し点です。昨年4月には障害者日中サービスセンター『ひまわり』の民営化が完了し、10月には保健福祉センター内に秦野緑郵便局が移転し新規開局しました。そして今年は、西中学校体育館と西公民館を複合化した施設の建て替えについても基本的な枠組みをお示ししたいと考えています」

 ―市民サービスの低下はありませんか

 「安い税負担でいかに高いサービスを提供するか、がこの計画の目的です。当然のことながら次世代に大きな負担を残さず、本当に大切なサービスを続けていけるようにするためのものです。市民の皆様には少し我慢をお願いすることもあると思いますが、ご理解をいただきながらしっかりと進めていきたいと考えています。財政状況が急に好転するということはありません。公共施設再配置計画を含め、行革をさらに前へ進めることは今年の大きなテーマとなります」

 ―行革という意味では、部の統合や副市長のあり方など、組織体制の見直しに取り組むことを求める決議が議会側から出され、採択されました。どのように受け止めていますか

 「組織体制がどうあるべきかという問題は、どのような社会情勢にあっても永遠の課題です。このたびの決議は、その課題に一石を投じるものであり、議会からの貴重なご意見として受け止めます。私たち執行部だけで決めるのではなく、外部の人の意見も聴くなどして、議論していきたいと思っています。副市長については私自身、仕事の守備範囲の広さや専門性から二人は必要だと考えており、政治的な問題です。これまでも人件費削減などの課題は着実に実行してきたという自負はあります。これまで取り組んだ行革の検証を市民にオープンな形で進めていきたいと思います」

 ―財政が厳しい中でも防災分野については万全の態勢が望まれます。インフラの整備について、考えをお聞かせください。

 「市民の安全安心を確保する役目がある首長としては、一刻も早く整備ができました、と報告したいところです。しかしながら昨今の財政状況を鑑みますと、 一気にあれもこれもという訳にはいきません。優先順位をつけ一歩ずつ前進できるよう対応を検討していきます。また、市だけの対応ではなく関係する様々な事 業者のお力も借りなければなりません。事業者との連携を含め、災害に負けない体制を整備していきたいと思っています」

 ―具体的な取り組みは何ですか

 「先ほどの大根川ポンプ場も風水害対策としてインフラ整備の一つですし、災害時避難所となる学校施設の耐震化についても今年度で全ての取り組みが終了す る予定です。建設部では橋の長寿命化を推進する方針を立てましたが、同時に地震災害に対応できるよう耐震化計画を検討することとしています。水道や下水道 についても管路などの耐震化に取り組んでいます。さらに来年度から始まる緊急防災・減災事業につきましても、2015年度までの3年間で消防南分署への消 防自動車用給油所の整備、防災無線の整備、消防団の車庫待機室の整備、消防救急無線のデジタル化などに取り組んでいきます」

10月に報徳サミット

スマートインター開設に「総力」

 ―今年、目玉事業としてはどんなことがありますか

 「1つには10月に秦野を会場に行う全国報徳サミットがあります。不景気な時代ですから、尊徳思想、報徳仕法に学ぶことも多く、子どもたちにも学習の場 を提供したいと思っています。それから4月に大秦野高校跡地に、県立西部総合職業技術校が開校します。本市は厳しい誘致合戦に勝ち抜きました。完成が楽し みです。500人くらいの生徒さんが入学するとのことですから、街も賑やかになるのではないでしょうか。また学校から地元の工場への優秀な労働力の提供 や、産学協働の研究など夢も広がります。このほか、鶴巻駅南口広場の整備や今泉地区の組合区画整理事業などがハード面の目玉事業としてあげられます」

 ―新東名秦野サービスエリア(仮称)へのスマートインター実現の見通しはいかがでしょうか

 「スマートインターの設置は産業や地域経済発展の絶好のチャンスです。昨年、県や国の協力により、スマートインターの実現に向け、検討準備会を設置しま した。今年は関係機関と具体的な協議を進める重要な1年になります。商工会議所、農協、地域からも大きな期待があります。新東名の開通と同時の開設を目指 し総力を挙げて取り組んでいきます」

 ―今年は市長にとって2期目の最後の年です。7年間の市政を振り返っての感想をお聞かせください

 「早いもので2期目の任期も最後の1年となりました。顧みれば、長引く景気低迷により市政は厳しい財政環境におかれ続けました。そうした中でも健全財政 の維持に努めつつ、様々な施策を行うことができたと思っています。特に植樹祭は感慨深いものがあります。開催に向けての様々な活動を通じて市民の力や地域 の力の確かな高まりを感じました。皆様の力が市政運営に大きな力となっていることに市長として大変感謝するとともに、頼もしく思っています。今後も市民の 力、地域の力、市の職員力も結集し、ふるさと秦野の一層の発展に努力して参ります」

 ―来年1月には改選が控えます。自らの進退について考えをお聞かせください

 「2期8年の集大成としてとりあえずは今ある仕事をしっかりと仕上げることが大事です。私の進退については市民の皆様の判断にゆだねたいと思います。任務の最終日まで市民のため懸命に、与えられた仕事を行っていきたいと思っています」

 ―最後に市民へのメッセージを

 「近年大きな災害が続きました。今年はどうか穏やかな年となりますように、そんな思いでいっぱいです。市民の皆様にとりまして笑顔の多い1年になりますことを心からご祈念申し上げます」

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来年改選を控え「進退は市民の判断に委ねる」と古谷市長


 

 

 

 

 


 

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