秦野市には乗馬クラブが2つある。1970年創業の秦野国際乗馬クラブ。そしてもう1つは、全国展開する乗馬クラブクレイン神奈川。現在、馬とともに過ごす人たちの想いは…。午年にちなみ、2つの乗馬クラブを取材した。
歴史と伝統背負い秦野国際乗馬クラブ
秦野国際乗馬クラブは今年で43周年。創始者の小泉俊久さんは、もともと、落花生やたばこの栽培、牛の飼育などをしていた。北海道出身だった畜産関係の知人に勧められ、同クラブを開業。当時、日本ではまだ乗馬は珍しく、県内にもクラブはほとんどなかった。軌道にのるまでの10年間、俊久さんは平日サラリーマンとして働き、その間は妻がクラブを守った。「仕事は難しいことに当たるもの。乗り越えていけばいい」。息子の卓次さんは、父と母が苦労をしながらも、前向きに進んでいた姿を見続けてきた。
卓次さんが馬に出会ったのは小学生のとき。クラブ開業と同時に馬に乗り始め、「それ以来ずっと馬に夢中」だという。動物プロダクションが主流になる前は、「馬運車を持っている数少ない乗馬クラブ」として、馬に映画出演依頼が来た。「エキストラが足りないから」と、急きょ卓次さんにも声がかかり、甲冑を身に着け、黒澤明監督の映画「乱」に出演したこともあるという。
乗馬クラブと共に育った卓次さんは、その後、俊久さんから経営を任された。俊久さんは3年前に亡くなったが、「高校生のときに息子が後を継いで乗馬の仕事をすると言ってくれたときは嬉しかった」と、話していたという。2代目は、今もクラブを守り続ける。
午年生まれの夫婦会員も乗馬クラブクレイン神奈川
三廻部にある乗馬クラブクレイン神奈川は、1995年に開校した。全国に32カ所、国内最大の会員数を持つ乗馬クラブクレインの拠点の1つだ。休日を過ごすため、市外から通う会員も多いという。
同クラブの会員には、午年生まれの青木さん夫婦(世田谷在住)がいる。5年ほど前の4月のはじめ、初めて秦野に来たという。「その時期は秦野市内の街道の桜並木と菜の花が満開。とてもきれいで、もう一度足を運びたくなった」と妻の孝子さん。2度目のレッスンのあと、夫の荘太郎さんが「面白いね」と気に入り、乗馬を始めることにした。今は月に3回、休日にレッスンを受けている。
乗馬を始める以前は仕事の忙しさから、夫婦でゆっくり過ごす時間が少なかった。「週末に秦野へ来ている間は、仕事のことを忘れられる」という。レッスンの前には、糞の掃除や毛並みの手入れなど馬の世話からする。「非日常を体験できるので、心がおちつく」と孝子さんは話し、荘太郎さんも、「なかなか馬が言うことを聞いてくれないこともある。でも、生の感触を味わえるのも楽しさの一つ」と笑顔で話す。
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