秦野市シルバー人材センターの理事長に就任した 水谷(みずのや)勝(まさる)さん 平沢在住 73歳
今も昔もそばに友達
○…「60歳以上の会員らが人生の第2のステージとして働くことで、地域貢献とともに生きがいを見つけるところ、それがシルバー人材センターだ」と力を込めた。副理事長を経て6月から理事長に就任。日頃の会員らの様子を「元社長も元サラリーマンも関係ない。みんな平等に活躍しているよ」と声をワントーン上げて話した。
○…百貨店で働いていた会社員時代。その頃は家と会社の往復の繰り返し。「その2つの場所以外の人を知らなかった。だからもっと人との交流を持ちたいと思っていた」。それが入会のきっかけだ。退職後62歳で会員となり、自動改札になる前の戸川公園の駐車場で料金徴集の係をしたり、水無川の河川敷でゴミ拾いをするなど仲間と共に穏やかに、そしていきいきとした日々を送ることができた。
○…生まれは秋田県。八郎潟のすぐそばの村で豊かな自然の中で育った。湖だった八郎潟で泳いだり、神社で草野球をしたり、雪が積もればソリで滑ったり…。「近所中に同級生が住んでいて、みんな友達だった」。少年時代の自分を「遊び好き」と笑い、暗くなるまで友達と駆けまわっていた頃に思いを馳せた。高校では野球で汗を流し、甲子園では一回戦突破の経験もある。卒業後、18歳で就職のため小田原へ。秋田駅へ行き、上野駅まで夜行列車で12時間の長旅。一大決心だった。「今では新幹線で4時間ほどで帰ることができるけどね」と、便利になって嬉しく思う反面、少し寂しげな表情だ。最近ではたまに、兄弟に会いに故郷へ赴いている。
○…今も昔も友人と過ごす時間は欠かせない。シルバー人材センターでは仕事はもちろん、グラウンドゴルフや親睦旅行など、会員同士が趣味を通して交流を深めている。「友達がいるというのは、ありがたい」。様々な人生経験を積んできた人が集まって賑わう空間が、活力の源となっているようだった。
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