勇壮なる旧盆の火祭り 伝統の瓜生野百八松明（うりゅうのひゃくはったい）
松明を振り回し、炎が噴き上がる（昨年）
秦野市南矢名瓜生野地区の盆の伝統行事「瓜生野百八松明」。市の無形文化財に指定されているこの火祭り行事が、今年も８月14日（木）、南矢名上部町内会館や権現山山頂、龍法寺などで行われる。
このお祭りは五穀豊穣と悪疫退散を願うもので、一説によると室町時代に始まったとされる。現在は地域のお祭りとして、南矢名上部自治会を中心とした瓜生野百八松明保存会実行委員会（山口多美子委員長）が、毎年旧盆に開催。１９７５年には市の無形文化財に指定された。
権現山山頂で長さ２〜３ｍ、直径30cm程の松明に火を灯し、同会のメンバーや子どもたちが肩に担いで掛け声を上げながら下山する。麓の龍法寺の門前に着くと勢いよく松明を振り回し、噴き上がる炎と飛び散る火の粉が祭りを活気づける。闇夜に描かれる大迫力の炎の舞はまさに圧巻。その後には、江戸時代から伝わる「瓜生野盆踊り」も催される。地元の女性たちが「若松様」や扇を持って踊る「おっちょこちょいのちょい」などを披露。この盆踊りも１９７７年に市無形文化財に指定され、瓜生野盆踊り保存会（小林理恵子会長）によって受け継がれている。
当日は、午後３時から南矢名上部町内会館周辺で麦わらを用いて50〜60本の松明作りに取り掛かり、午後７時に権現山山頂で点火する予定。盆踊りは同会館で午後８時から。同実行委員会の山口委員長は「歴史ある伝統行事。今年も多くの人に楽しんでもらえれば」と話している。
会場には駐車場が無いため公共交通機関での来場を呼び掛けている。問い合わせは市生涯学習課文化財班【電話】０４６３・８７・９５８１へ。
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