秦野市民百人一首かるたの会の代表を務める 津久井 勤さん 南が丘在住 76歳
まっすぐ、とことん
○…「秦野では初めてです」。3月1日開催の第1回秦野市民百人一首かるた大会に、目を輝かせた。最近では少女漫画でかるたが題材にされるなど、全国的に競技かるたが脚光を浴びている。しかし「秦野は空白地域」と、普及を目的に子どもから大人まで誰でも参加できる、初の市民大会を企画した。縁のあるメンバーに声をかけ結成した、秦野市民百人一首かるたの会。「多くの人にかるたの魅力を知ってもらいたい」を合言葉に、メンバーの心を繋ぎ合わせていった。
○…名刺には全日本かるた協会理事、神奈川県かるた協会副会長などいくつもの肩書が並ぶ。著書も数多く、これまでのかるた人生の深みを感じた。特に全日本協会の機関誌には約20年間寄稿し続けており、「百人一首の歴史や、海外でデモンストレーションをした事を書きました」と思い出が溢れ出す。
○…生まれは三重県で、茨城県の日立製作所に就職。社内の交流イベントの中に競技かるたがあり、幼少期から家で遊んではいたが、本格的に魅了されたのはこの頃からだ。秦野に来たのは1993年、東海大学の教授に就いた時。燃料電池など電子工学を研究してきた。65歳で定年退職した今でも、学会に出るなど探究心は枯れない。競技かるたの科学的解析も行っており、「札を取る時など、選手の動作と脳反応の関係に注目しています」と楽しそうだ。他にも短歌や万葉集、バロック音楽など趣味は多彩。「何でも興味のある事に突っ込んでいくんです」と、フットワークの軽さは年齢を感じさせない。「趣味や仕事を通して、全国に友達ができました」と顔がほころぶ。人との交流が元気の源のようだ。
○…かるたは7段の腕前だが、「競技は弱いんです」と恥ずかしそうに笑う。今の目標の1つは、10年以上前から温めている百人一首検定の実現。これからも、かるたの歴史に足跡を残していくだろう。
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