4月から県立秦野養護学校の校長を務める 鈴木 正一さん 厚木市在住 56歳
力まず心を尽くして
○…教育モットーは「心を尽くして」。ただ一生懸命というよりは、肩の力を抜き、教員が目の前の子と向き合うことを願う。2016年度に知的障害教育部門小中学部の設置を控え、準備に追われる要の年。「それぞれの持ち味を生かし、子どもたちのために力を発揮していきましょう」と着任初日、職員に呼びかけた。
○…秦野高校卒業後、日本大学国文学科で国語科の教員免許を取り、県立高校で教鞭を執った。教師生活15年目のとき、人事交流で伊勢原養護学校に転勤すると、現場の違いを目の当たりにした。「指導の工夫によって子どもたちが伸びていく姿を目にし、刺激を受けました」。働きながら通信制の学校で学び、小学校教諭の免許を取得。養護学校の高等部や小学部で担任を持ち、充実した日々を送った。「本当に子どもたちが可愛くて」と教え子の顔を思い浮かべ微笑む。
○…2015年3月まで県立総合教育センターで教育相談部長として、障害のある子やその保護者の不安の聞き取りに努めてきた。養護学校が地域全体の特別支援教育を支える今の時代。「自分が直接担当するクラスはないけれど、学校や地域の子どもたちみんなが自分の生徒」と話す慈愛に満ちた表情から、柔和な人柄が伝わってくる。
○…家族は妻と娘3人。娘たちは成人し、休日一緒に買い物に出かける機会も減ってきた。そんなここ数年で始めた趣味がサイクリング。「中学時代に友達と房総半島を一周したこともあり、前から自転車が好きだったのかも」。先日も厚木の自宅から江ノ島まで片道30Kmの小さな旅をゆったり堪能した。「視界がぱっと開けて海が見えてくるときが、とても気持ち良いんですよ」。たまに落ち込んで俯いて帰る夜もあるが、『いかん、いかん』と空を見上げる。「上を見なければ、きれいな星が出ていることにも気付かないですよね」。強い心から生まれる笑顔が周りを安心させている。
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