秦野版 掲載号:2015年5月30日号
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本町四ッ角近くの大正時代に建てられた洋館で雑貨店を始めた 荒川 政幸さん 寿町在住 57歳

おおらかな心で見据える

 ○…3・11で被災後、故郷の福島県浪江町から秦野に移り4年が経った。福島へ戻れない現状に悩んだ末「家族のいるところが故郷」と秦野での永住を決断。本町四ッ角近くにあるモルタル造りの洋館を改修し自宅の一部で4月から雑貨店を始めた。「避難してきた頃は秦野の人にお世話になった。今は多くの人がお店を覗いてくれて。ありがたいこと」と優しげに微笑む。実はこの洋館、大正時代に建設中、関東大震災で倒れ、その1年後に完成した、いわば「秦野の復興のシンボル」。震災を乗り越え人々を見守ってきた姿は、自身の今後と重なるものがある。

 ○…生まれ育った浪江町の請戸(うけど)は漁師の住む港まち。父は船大工で、子どもの頃は仕事の手伝いをしたこともあった。「自分の陽気な性格や木工が好きなところは、父譲りかもね」と亡き父を想い出す。大学進学を機に上京し、家具作家を夢見て秦野の職業訓練校で木工を学んだ。勤め先の大塚家具秦野店で妻の淳子さんと出会い結婚。一男一女に恵まれた。2002年に両親の老後を案じ家族で浪江へ移り自宅を構えた。

 ○…被災したのは、妻といわき市で雑貨店を始めた矢先だった。浪江の自宅は津波で流され、自宅から7Km先では原発事故が発生。「ものごとは突然終わりを迎えるよね」と遠くを見る。「でもだからこそ、辛いことが続いた時に『意外とこの苦しみの終点も近いかも』と考えるようにしているよ」。おおらかな口ぶりで語られる言葉に、聴き手の心を掴む重さがあった。

 ○…淳子さんとはおしどり夫婦。家族のため家事をこなしながらも制作活動に勤しみ、優しい色合いのガラス作品をつくる妻の姿を見守ってきた。現在は息子と3人、店内の工房でステンドグラスをつくる日々だ。「秦野の人の生活に潤いを与えることができるような面白いものを提供していくのが今の目標」と言いながら浮かべた笑顔は、穏やかに前だけを見つめていた。

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