鶴巻下部大山灯籠保存会会長を務める 久保寺保美(やすよし)さん 鶴巻南在住 71歳
伝統、チームワークで繋ぐ
○…地元住民の手により240年以上脈々と受け継がれてきた「鶴巻下部大山灯籠行事」。灯籠と覆屋の部材を、声を掛け合い組み立て、夏山が終われば解体する民俗行事が今年、秦野市の文化財に指定され、本日、また歴史の新たな1頁を刻む。「これからが責任重大」と身を引き締める。
○…保存会の前身組織には10年前に入会。38年間務めたインテリア関連の会社を退いたことで、地域との関わりがより深くなり誘われた。「せっかく声をかけてもらったから」と義理人情に厚い。仲間と汗を流して数年、会長への打診を受けた。「先輩を差し置いて自分がというのは気が引けた」というも、「会長になったからには仲間に気持ちよくやっていただく」ため、目を配り、気を配る。「みんな責任を持ち自発的に動いてくれる。こういうのも文化財指定に好印象だったのかも」と仲間を思い、何よりチームワークを大事にする。揃いのTシャツをこしらえた今年、28人のスクラムはより確固たるものになるに違いない。
○…自宅には手入れの行き届いた立派な庭。鉛筆ほどの太さから50年以上かけて育てた松は、一番の思い入れ。ただ上に伸びるのではなく、横に広がるよう手を入れた趣のある存在感を醸し出す。自ら剪定したマキは客人を迎え、四季折々を楽しめる花など様々な植物が彩る手塩にかけた「自分が楽しむ自慢の庭」。小鳥の餌箱も自作し、清々しい鳴き声が絶えず、家の中からは孫の楽しそうな声も庭園に華を添える。
○…会社員時代の楽しさを開口一番「仲間がいたから」。会長になった今もいい仲間に支えられ大役を務める。伝統に「重みを感じる」といい、「守ってきた先人達がいる。しっかり繋いで如何に継続していくか」が責務。会員は40〜80代。「農家の方が多いから皆力自慢。だけど、未来のためにはやっぱり若い人が必要」と存続のため入会しやすい雰囲気作りを心掛ける。
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