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古谷市長インタビュー 「行(ゆ)くに径(こみち)に由(よ)らず」 未来見据えた積極投資も

掲載号:2016年1月1日号

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インタビューに答える古谷義幸市長(市役所市長応接室)
インタビューに答える古谷義幸市長(市役所市長応接室)

 2016年の年頭に当たり、古谷義幸市長にインタビューを行った。市長は今年の抱負について「行くに径に由らず」との論語を引用。厳しい財政状況下、防災、子育てなど喫緊課題のほか、定住促進策など将来を見据えた投資にも積極的に取り組むことに意欲を示した。(聞き手・本紙編集長須藤一成、野口康英)

―昨年を振り返り感想をお聞かせください

 「鬼怒川決壊による茨城県常総市の大規模水害をはじめ、集中豪雨による被害が、全国各地で発生しています。さらに、大地震や市内でも一昨年大きな被害を出した大雪対策など、様々な危機管理への対応が求められると思います。このため、今年4月から『危機管理監』を設け、これまで分散していた市役所内の指揮系統の統一化を図っていきたいと考えています」

―昨年は市制施行60周年の年でした

 「還暦となる節目の年を市民の皆さんと一緒に祝うため、様々な記念事業を実施しました。11月3日の『市制施行60周年・市民の日』には、映画『じんじん』の主演俳優・大地康雄さんも出席し、花を添えていただきました。また、昨年、特に印象深かったのは、西大竹堀川線の県内一長い桜並木を『はだの桜みち』と愛称をつけるなど、桜の名所秦野を発信したことです。市内外から大勢の方が秦野の桜を見に来ていただきました。文化会館が舞台となったNHKのど自慢では、SMAP、坂本冬美さんをゲストに迎え、昨年一番の視聴率だったそうです。全国各地に、秦野をPRできたのではないかと思います」

―新東名高速道路の(仮称)秦野SA内へスマートICの設置が決定しました

 「現在の秦野中井ICを含めますと、市内に3カ所のインターチェンジを有する都市となります。『神奈川西部の陸の玄関口』として、中部圏につながる御殿場や、圏央道につながる海老名ジャンクションとの広域アクセスが飛躍的に向上し、『まちづくり』『人づくり』『仕事づくり』の観点から大きな効果を期待しています。この好機を逃すことなく、地域産業の活性化、観光、農業振興に取り組んでいきます」

―便利になる反面経済流出も懸念されます。ヒト・モノ・カネを呼び込む施策は

 「都市間競争にさらされることにもなりますが、前向きにとらえたいと思います。秦野は東京から近く、豊かな自然があります。都会の憩いの地としてのポテンシャルは非常に高い。秦野戸川公園、キャンプ場など魅力ある観光資源も多いです。また、市長に就任してから5年かけて構想を練り、5年をかけて整備を進めてきたカルチャーパークは、3月に整備が完了します。駐車場を完備し、公園内はバリアフリーで子どもからお年寄りまで誰もが楽しめる施設に生まれ変わります。既存施設を生かし、観光だけでなく定住化促進にもつなげたいと考えています」

―昨年夏の市議選では変化を求め、新人が乱立しました。市長はどのような感想をお持ちですか

 「多くの方が出馬したこと、新人3人の方が当選したことは、市の変化にもつながり良かったと思います。特に若い方が政治にチャレンジするのは大歓迎です。政治は地道な活動の積み重ねです。ぜひ若い人に勇気をもって、政治に参加していただきたいですね」

―子育て支援策で小児医療費助成拡大についてお聞かせください

 「私の3期目の市長選に向けたマニフェストにも重要施策の1つとして小児医療費助成対象の拡大を位置づけました。平成24年度に小児医療費助成の通院対象を小学4年生までに拡充しましたが、医療ペナルティとして本来であれば国が実施すべき国民健康保険の国庫負担金が毎年1千万円減額されています。小児医療費助成は本来、国が一律に負担すべきものですが、今では都市間競争の象徴のような扱いがされています。本市財政も引き続き厳しい状況ではありますが、議会や市民からも多くの要望をいただいており、新年度から拡充できるよう、財源確保を含め検討しているところです」

―秦野赤十字病院の産科分娩再開の見通しはいかがでしょうか

 「難しい状況が続いています。現在、昭和大学と神奈川県、日赤神奈川県支部との間で交渉を続けています。秦野赤十字病院には市民病院としての機能を果たしてもらうべく、多額の資金を入れています。産科医が不足している現状は理解できますが、秦野赤十字病院にはその責を果たしていただきたいと思います。いずれにしても28年度からの再開に向け、市では最善の努力をしていきます」

―八木病院が鈴張町に新築移転し、産科を開設することについて市と協定を締結しました

 「同病院の産婦人科開設や本市の支援などを盛り込んだ協定書を、昨年9月に締結しました。産科の開設を含め、新病院には地元に貢献し、歓迎される医療施設になることを期待しています。秦野赤十字病院の分娩業務が早期に再開するとともに、八木病院の新築移転計画が実現することで、両病院が本市及び周辺地域の受け皿となることができるように努めていきたいと思っております」

―最後に今年の抱負をお聞かせください

 「『行くに径に由らず』。困難な課題であればこそ、小道や脇道を行かず、正面から堂々と取り組めという孔子の言葉です。これまで、プライマリーバランスの維持を第一に考えてきましたが、『本市が将来にわたり輝き続ける都市であり続ける』ため、小道に寄らず、強い意欲を持って、将来の秦野の礎となる事業に積極的に投資をしていきたいと思っています。こうした意味からも今年を『未来へ繋ぐまちづくりを前進させる年』にしたいと思います。
 

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