秦野市上大槻にある上智大学短期大学部のサービスラーニングセンターで週に1回、南米国籍の親を持つ子どもたちが、母語であるスペイン語やポルトガル語を習得するための教室が開かれている。スペイン語母語保持教室の場合は、スペイン語圏出身の外部講師がスペイン語のみで授業を行う。子どもたちは参加する大学生とペアを組み、交流を深めながら、無料で参加できる。
秦野市の外国人登録者は約3000人。そのうちブラジルやペルーなど南米国籍の市民が3分の1以上を占める。外国籍児童生徒は300人弱で、その半数以上は日本生まれだ。
市内では1960年代以降、カトリック教会やボランティア団体、大学などが、外国籍市民への日本語教室やその子どもたちを対象に学習支援を行ってきた。
一方で、日本で生まれ育った子どもや幼い頃移住してきた子は生活の中で日本語に触れる機会が多いため、南米出身の親が話すスペイン語やポルトガル語などの「母語」を十分に習得できないという現状もある。その場合、親子間でのコミュニケーションの中で、微妙なニュアンスが伝わらなかったり、社会問題などやや難しい話題について、日本語でも母語でも理解できないために、学習に支障をきたしてしまう例もある。
言語学博士で同大准教授の宮崎幸江氏は「親に叱られた時や心配されている時、その微妙なニュアンスが理解できないと、子どもの心に響かない。認知的発達やアイデンティティにも影響を与えます」と話す。
同大の母語保持教室は、日本語教室へ通う子の保護者から依頼され2014年度から始まった。和やかな雰囲気の中、歌やゲーム、写真などを通して単語、発音、文法、会話を学ぶ。放課後に開くため、教室が始まるのは午後6時以降。秦野ロータリークラブが児童生徒の送迎や講師料の寄附などの支援を行っている。
親がペルー国籍の男子児童は「友達に会えるし、覚えやすい歌で教えてもらえるから面白い」とにっこり。大学生の米山裕佳さん(英語科1年)は「ここでは生のスペイン語が聴けるし、仲良くなった子どもたちから教えてもらえる。楽しく語学が習得できます」と話す。
今年度の教室はあと2回。「もともと賢くコミュニケーション力の高い子でも進学や学校生活で苦労が多い。子ども世代は秦野に定住することも多いので、地域を支える人材を育てていくという意味でも、母語や日本語の習得を助けることが重要では」と宮崎准教授は話す。
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