地域の社交場として自身の店を提供している 山上 太一さん Mountain records(ヤマレコ)経営 38歳
人を繋ぐ喜び
○…本町四ツ角近くに佇むヤマレコは、音楽が流れる街の社交場。2年前の開店当初は、音楽・映画好きが集う場を目指したが、来店客へ人や地域の情報を紹介するうち、話し相手を求める人や子ども連れにも愛される店に。本場帰りの料理人に教わり研究したインド風カレーが人気メニュー。地域の人を招くパーティーも好評で、13日にもバレンタイン企画を予定。「人が人を呼び、繋がっていくのが楽しい」と笑顔で語る。
○…父は相模原市出身、母が沖縄県出身。高校時代、地元・沖縄に出来たレコード店で、テレビのトップチャートでは知り得なかった曲の多さに衝撃を受け、店へ通うように。店長と交流を深める中で60〜70年代の名曲に触れ、映画や本等とリンクし社会へメッセージを発信する音楽の力を知った。「あの人がいなければ今はない。目標です」。
○…開業と上京を夢見て、地元で必死に働いたアルバイト時代。辛い時は小沢健二の『天使たちのシーン』を聴き励まされた。「音楽の偉大さを歌ってる。それが本当に沁みるんです」。今でも大切な一曲だ。
○…23歳で上京。CDショップに就職し、下北沢、町田、渋谷の店舗で働いた。6年後、ジャスコ秦野店(現イオン)内への進出を機に「店長になれるなら」と新妻を連れ秦野に移住。豊かな自然と人情深い土地柄が肌に馴染んだ。「水無川沿いを眺めて通勤するのが好きでした」。退店が決まった2011年、秦野での独立を決意。「慕ってくれる人がいたからです。お客さんも同僚も、秦野の人は良い人ばかり」。いつしか秦野が大切な場所になっていた。
○…現在は妻の両親の元、都内で妻子と暮らす。NBAの試合は必ず録画する程のバスケ好きで、商店仲間と総合体育館で試合をしたことも。「でも営業時間を拡大してからは難しくて」。時代の波はCD業界全体に厳しくはあるが、「市外からも人が集まる店にしたい」と瞳は前を見ていた。
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