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秦野版 公開:2016年2月18日 エリアトップへ

故 小野利光さん 写真で遺した昭和の秦野 遺志継ぎ生徒が市に寄贈

文化

公開:2016年2月18日

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生前の小野さん
生前の小野さん

 モノクロ写真に浮かび上がる、昭和の秦野。いきいきした日常風景を記録したのは、昨年10月にこの世を去った小野利光さん(南足柄市・享年82)。今年1月、小野さんが講師を務めた写真サークルの生徒が、パネルとネガを秦野市に寄贈した。

 1933(昭和8)年に千村で生まれた小野さん。若い頃からカメラ小僧で、生前の記録によると「身近な人々の記念写真から始め、5〜6年が過ぎてようやく写真らしい写真が写せるようになった」という。

 寄贈した作品を撮影したのは昭和30年代、自身は20代後半。牛を使って田をならす代かきや、住民の手作業での道普請(みちぶしん)、秦野の特産であったタバコの栽培―。写真愛好家としての原点である故郷・千村と、通勤路だった渋沢上地区の風景にシャッターを切り続けた。

 小野さんは富士フイルムに入社後も、職場である足柄工場に通勤しながら、新宿にある写真の学校に通い写真の技術を学んだ。西公民館を拠点とした写真サークル「ふるさと写友会」では、一昨年まで20年以上講師を務めた。

 「写真は人生の貴重な記録なり。また、その時代の生き証人としての価値観がある」という思いを長年変わらず持ち続けていた小野さん。2007年、同サークルの生徒だった佐藤節夫さん(渋沢在住・64)の協力を得て渋沢公民館と渋沢小学校で個展を開催。今回寄贈した作品を展示した。作品を鑑賞した人からは「懐かしい思いでいっぱい」「祖母が写っていて感動した」など、昔を懐かしむ声や小野さんへの感謝の言葉が多く寄せられたという。

 小野さんは2008年、市へ写真パネルの寄贈を申し出たが、ネガを含めた寄贈の打診を受け「命ともいえるネガは手放せない」と断念したことがあった。小野さんの他界後、佐藤さんが「先生の思いを引き継ぎたい」と、告別式で親族に改めて市への寄贈の話を持ちかけたという。その思いに同意した親族から委任状をもらった佐藤さんは、写真41点とネガを寄贈。現在、桜土手古墳展示館に保管されている。市担当職員は「日常生活の写真はとても貴重なのでありがたい。一般公開も検討している」と話す。

 佐藤さんは小野さんについて、「何歳になってもチャレンジ精神がある勉強家」と振り返る。70代後半で「時代に合った指導の仕方をしなければ」とデジタルカメラを始めたり、プロ写真家の試験に挑戦するなど、カメラに対する情熱はとても強かったという。佐藤さんは「私の惚れた男です」と、恩師の顔を思い浮かべ微笑んだ。

寄贈写真の一部。左から上段「お嫁入り門出」「町民大会」「代かき」下段「実るタバコ葉」「道普請の共同作業」「水くみ」/撮影は昭和30年代中頃
寄贈写真の一部。左から上段「お嫁入り門出」「町民大会」「代かき」下段「実るタバコ葉」「道普請の共同作業」「水くみ」/撮影は昭和30年代中頃

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