秦野市蓑毛の宝蓮寺大日堂で、白、赤、ピンクなど約80本のシャクヤクが開花時期を迎えている。
大日堂や周辺で文化財の保全などを行っている秦野みのげ文化の会(加藤仁美会長・120人)では5年ほど前、「大日堂の周りを花でいっぱいにしよう」という声が上がり、寒川町の実家でシャクヤク園を営む一人の男性会員が協力を申し出た。
しかし、実現に至る前に、その男性は事故により30代で急逝。その後、ほかの会員が思いを継ぎ、シャクヤク園の経営者である男性の父親に協力を受けながら、2014年に2回、2015年に3回、数十本ずつを植えてきた。現段階では、当初から描く「花でいっぱい」とまではいかないが、仁王門の前などでは、可憐に咲く花が人びとを楽しませている。
会員らは毎月1回、境内の整備などに合わせて、シャクヤクの周りの雑草を刈り、芽が鹿に食べられないよう網を張る。花が咲き終われば「おつかれさん肥え」。シャクヤクへの感謝の気持ちを込めて、肥料を与えるのだという。
同会会員で宝蓮寺の東島礼美(あやみ)住職(48)は、「ここを訪れた人に楽しんでもらえれば、彼も喜んでくれるかもしれません。今後も少しずつ増やしていきたいです」と話している。
シャクヤクはボタン科の多年草。漢字で芍薬と書き、根は漢方薬にも使われる。初夏、大きな花を咲かせる。
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