1月〜3月期の概況
全業種総合の業況判断D.I.値は、▲4・9を示し、前回調査(2016年10月〜12月期)から2・5ポイント悪化した。季節需要の反動減とともに、人件費の増加などへの懸念や、長引く仕入れ価格の高止まりによる収益環境の悪化が足かせとなった。一方で、製造業や建設業で安定した受注を確保する企業が多く、業況判断D.I.値はプラス域となる他、一部の企業においては生産能力の増強に向けた設備投資などを検討する動きがある。
4月〜6月期の見通し
来期の業況判断予想は、2・2ポイント改善の▲2・7。売上額D.I.は3・0ポイント改善の2・1、収益D.I.は3・9ポイント改善の▲0・6の予想となり、製造業、卸売業、小売・飲食業で改善の見込み。
【調査概要】
■調査時期/2017年3月上旬
■調査地域/秦野市、伊勢原市、平塚市、厚木市、開成町
■調査企業数/346社
■回答企業数/330社
製造業
業況判断D.I.は前回調査比4・3ポイント改善の4・3となり、2年ぶりにプラス域となった。約4割の企業が、昨年同期と比べ売上・収益が増加したと回答していることから、自動車部品関連を中心とした生産の持ち直しの様子がうかがえる。また、一部の企業においては生産能力の増強に向けた設備投資を検討する動きや、自社の技術力を活かした商品開発を行い、新規取引先の開拓などを目論む企業が見受けられる。
来期の予想業況も6・5ポイント改善し、10・8と予想されている。
卸売業
業況判断D.I.は前回調査比3・9ポイント悪化の▲23・1となった。建設業の受注状況にやや一服感見られ、建築材料卸売業を中心に売上が減少。為替レートの変動を懸念する企業も見受けられる。原材料などの仕入れ価格上昇による収益の圧迫も足かせとなった。一部の食料品卸売業においては、業況改善に向け、販売先との価格交渉を行う企業や、新たな取引先と連携した取り組みを行う企業なども見受けられる。
来期の予想業況判断は23・1ポイント改善の0・0。
小売・飲食業
業況判断D.I.は前回調査比2・5ポイント悪化の▲23・1。季節需要の反動減に加えて、一部では不採算店舗の閉鎖が見られたことから、売上額D.I.が1年ぶりに悪化。人手不足や最低賃金の引き上げに伴う人件費の増加など、厳しい収益環境がうかがえる。一部企業において広告宣伝の強化に向け、新たに電子媒体などを活用する動きや他店との差別化に向け独自の店舗づくりに取り組む動きがみられる。
来期の予想業況判断は7・7ポイント改善の▲15・4となっている。
サービス業
業況判断D.I.は、前回調査から20・0ポイント悪化の▲18・0。秋の観光シーズンや年末需要の反動により、宿泊業や美容業を中心に売上が減少したことに加え、消費者の節約志向が根強く、人件費などの経費上昇分を料金価格に転嫁できていない状況がうかがえる。問題点に店舗・設備の狭小・老朽化を挙げる企業が増加したが、今後の業況見通しは横ばいで、設備投資に慎重な様子がうかがえる。来期の予想業況判断は横ばいの▲18・0。
建設業
業況判断D.I.は、前回調査比8・4ポイント悪化の15・8。大型の民間工事や公共工事の安定した受注を確保する企業が多く、約3割強の企業が前年同期に比べ売上が増加したと回答していることから、受注が堅調に推移しているとみられる。その一方、人手不足に伴う受注機会の損失や労務費の上昇に苦慮する様子がうかがえることから、景況感は落ち込んだものと思われる。
来期の予想業況判断は、5・2ポイント悪化の10・6と予想されている。
不動産業
業況判断D.I.は、前回調査比19・4ポイント改善し、調査開始以来初めてプラス域となった。湘南地域を中心に保有していた商品物件の売却が進んだこと加え、賃貸収入による安定した収益の確保を目的とした物件購入に動きがみられたものの、景況感は一進一退で推移しており、先行きは厳しい見通しとなっている。一部企業においては自社の不動産の有効活用に向けて新たな事業を検討する動きもみられる。来期の予想業況判断は18・9ポイント悪化の▲16・2。
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