5月14日(日)の「母の日」に向けて、秦野市内のカーネーション農家では、摘み取りや出荷作業に追われている。市内の年間出荷量は約250万本で、県内シェア第1位。県内外の市場から全国各地へ流通している。
秦野市内のカーネーション生産農家は、現在12軒。小田原、東京、川崎、横浜などの大きな園芸市場へ出荷しているほか、はだのじばさんず等での小売り販売、全国各地への宅配も行っている。カーネーションは12月〜5月の間、市場に出続けるが、繁忙期は5月。母の日の1週間ほど前から摘み取りと出荷の作業が大詰めを迎え、11日・12日は宅配が忙しくなるという。
この時期人気なのはやはり赤色だが、ピンクや黄色などデザイン性に富んだ品種もニーズがある。また、同じ赤色でも品種はさまざま。以前は一輪の「コーラル」という品種が主流で、秦野の特産だった時期もあったが、現在は1本に多くの花が付くスプレーカーネーションが全国的に人気で、市内でもコーラルから移行が進んだ。
JAはだの花き部会カーネーション部で部長を務める小野孝允さん(71)は50年前から秦野市千村でマルタ園芸を営んできた。300坪のハウスでは25品種が栽培されており、鮮やかな赤色をした「レッドアイ」や大輪の「オズボーン」、ほかにも花弁の色が次第に変化するものや、独特の香りを放つ種類もある。
摘み取りは早朝に行う。気温が比較的低い時間帯の方が、茎がピンと真っ直ぐに伸びているからだ。日中は出荷に向けての作業。花を剪定して束ね、大規模市場用に100本ずつ箱詰めし、小売り用には4本で花束を作っていく。夜にはギフト用のアレンジメント作りの仕事がある。小野さんは「農家の奥さんたちはフラワーアレンジメントを習って、手の込んだ母の日ギフトを毎晩20個以上作る人もいる」と話す。
カーネーションの開花には日照時間が不可欠でハウス栽培でも天候に左右される。昨年の夏から秋口にかけての日照不足で今年の生育が遅れ気味だったが「母の日には間に合いそう」と小野さんは話している。
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