▼市民の選択は継続より刷新だった。1月21日の市長選で3期12年を務めた古谷義幸氏を破り新市長となった高橋昌和氏は、政治経験はないものの、38年間に渡り市職員として勤めてきた行政マン。市政運営における経験は豊富だ。そんな高橋氏は、選挙戦を通じいくつかの公約を掲げ、市民に支持を訴えてきた。
▼中でも未来を担う秦野っ子のための大切な政策が多く挙げられる。その1つが「中学校給食」だ。これまで市議会の中でも度々議論されてきたにも関わらず、具体的な進展が見えなかった「中学校給食」に対する子育て世代の保護者の期待は高い。共働きの家庭や母子・父子家庭などの家庭事情を考えれば、一刻も早い実現が望まれる。高橋氏の試算によれば、自校方式を採用した場合、34億円の投資が必要だという。厳しい財政状況の中、果たして予算がしっかり確保できるのか?そうしたところは財務部長を務めたこともある、新市長の腕の見せ所だ。
▼秦野市の教育水準の向上も重要な問題だ。秦野市では、これまで全国学力テストの平均正答率が、小・中学校ともに国語・算数(数学)どちらも全国、神奈川県平均を上回ったことがない。昨年11月に秦野市教育委員会が明らかにした2017年度の結果も同様だ。若者世帯に「住んでみたいまち」と思わせるなら、教育水準も重要なファクターだ。宮城県東松島市では、子どもの学力向上のため、夏休みを5日間短縮して授業時間を増やす試みが始まるという。これは手法の一つではあるだろうが、重要なのは「政治の役割」であり、選挙戦を通じて自ら主張し続けてきた市長が強いリーダーシップを発揮するところと、言えるのではないだろうか。
▼秦野市ではここ数年にかけて「工事発注に係る落札決定の誤り」「事務処理ルールによらない物件補償契約の締結」「土地収用手続きにおける法令違反」「下水道事業債過大借入」「公共下水道使用料の賦課漏れ」など、市役所に対する市民の信頼を揺るがすような不適切な事務処理が相次いで明らかとなった。行政に精通する新市長には、こうした事態が続かぬようしっかり目を光らせ、今一層の職場の雰囲気づくりを進めていただきたい。
▼選挙で獲得した3万3000余の票は、掲げた公約が「高橋市長ならできる」という期待に他ならない。ただ、秦野赤十字病院の分娩業務の再開は、現状では並大抵のことではない。ほかにも、新東名高速道路の周辺整備など早急に取り組むべき課題は山積している。これまでの行政運営の良いところをいかに発展させ、変えるところはドラスティックに変革するのか、難しい判断を求められることもあるだろう。舵取りの方向は今はまだ見えないが、高橋昌和新市長のリーダーシップと行動力に期待する。
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田原ふるさと公園野菜直売研究所0463-84-1281/そば処東雲0463-84-1282 https://www.kankou-hadano.org/pointinformation/pointinformationguide/point_tawarafurusatokouen.html |
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