「ふたり猫展」を開くフェルト作家 あべ かずこさん 東田原在住 49歳
肩肘張らず ゆったりと
○…猫好きのハートに刺さる肉球付きのペンケースや三毛猫・トラ猫の柄の椅子の座面。他にもマフラーやバッグ、ブローチ等をカラフルで温かみのある羊毛フェルトで作り上げる。「羊の種類によって羊毛のクセや手触りが全然違うんです」と魅力を穏やかに語る。
○…「運動音痴で、手芸や漫画が好きでした」と振り返る子ども時代。町田や川崎を経て、小学3年生から秦野市東田原ヘ。幼稚園の頃から布で人形を作り、小学校でもビーズのマスコット作りに熱中し、手芸クラブに加入。大人になっても手芸への熱は冷めず、会社員として働く傍ら続けていた。
○…あるとき自分の手で羊毛からフェルトを作る方法があると知り「やってみたい」と思った。2006年から玉川大学継続学習センターのフェルト講座でフェルト造形作家の若井麗華氏に作り方や染め方を学び、その後、若井氏が所属するクリエイティブ・フェルト協会で研究会やワークショップに参加。「北欧での勉強会ではシルクの布に羊毛で模様を描いたドレスを見せて頂きました」。新たな知識や技術、他の作家の作品に刺激されている。
○…「”猫つながり”で人との出会いがあった」という。愛猫のキャットシッターに渡した小物が評判となり、猫用ミトン「猫磨き」等が商品化された。東日本大震災のあと「何があるか分からないから好きなことをやっておきたい」と、2013年春に脱サラ。猫好きの人や、猫をモチーフに制作する作家たちと引き合わされるように出逢い、展示発表の場も増えた。
〇…羊毛で型紙を包み石鹸水で濡らして圧力をかけていくと優しく丸み帯びた縫い目のない形ができあがる。自身の創作活動も「肩肘張らずゆったりふんわりと続けていきたい」という。「これまでは自分が学ぶ事が多かったので、これからは今まで触れた事のない方に体験して貰える機会を作れたら」と控えめに語った。
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