穏やかな春晴れの午後、田原ふるさと公園(秦野市東田原999)の中丸広場に多くの人が野外劇『実朝出帆』を観ようと集った。3月17日と18日の2日間で観客は約500人。夕暮れが近づくと気温が下がり、時折強い風が吹くこともあったが、観客らはじっと若手俳優陣の熱い演技を見守った。
県が文化芸術の魅力で地域のにぎわいを創出しようと進める文化芸術振興の取り組み「マグネット・カルチャー」の一環で、マグカル・フェスティバル実行委員会が主催した。鎌倉三代将軍・源実朝が没後800年ということもあり、実朝を主人公とした山崎正和さんの戯曲『実朝出帆』を御首(みしるし)塚に隣接する田原ふるさと公園で上演した。主演は秦野市出身の俳優・清水優譲(まさのり)さん(25)が務めた。市内での野外劇は珍しく、清水さんにとっても初めての経験だったという。
御首塚を背に
関係者らは15日から現地に入り、舞台の設営や稽古に励んだ。舞台は御首塚を背に役者が中丸広場の観客席に向かうよう設置され、実朝の造船事業を連想させる帆柱が立てられた。
劇では、北条氏や朝廷との政治闘争にもまれながらも造船に夢を託し、精一杯生きる前向きな実朝像を清水さんが演じた。北条義時役の熊野晋也さん、実朝の妻・梓役の津内口淑香さんらほかの俳優陣も迫力ある演技で観客を魅了。公演の最後、舞台の前に並んだ出演者は、まず実朝の御首塚に向かい一礼。そして観客席に向かい礼をすると、大きな拍手が贈られた。
公演終了後、清水さんの周りに集まった観客たちが「実朝を演じてくれてありがとう」「これからも頑張ってね」などと声をかけた。清水さんは「野外劇は難しい部分もあり、全力投球でした。多くの地元の方に励まされ本当にありがたいです」と笑顔で話した。
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田原ふるさと公園野菜直売研究所0463-84-1281/そば処東雲0463-84-1282 https://www.kankou-hadano.org/pointinformation/pointinformationguide/point_tawarafurusatokouen.html |
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