「小さい頃に入院してばっかりで、たくさんの人にいっぱい助けてもらったから、自分も助けたいと思った」。医療用ウィッグの製作に役立ててもらいたいと髪を伸ばしている近藤大隼(だいしゅん)君(秦野市立東小2年)は、きらきらと輝いた眼差しで語った。
病気などで髪の毛を失った子どもに人毛の医療用ウィッグを届けるため、髪の毛を寄付することを「ヘアドネーション」という。近藤君は重度の小児ぜんそくで、小学校に上がる前何度も入退院を繰り返していた。担当医や看護師が家族のように接してくれたり、近所の人が両親のかわりに迎えに来てくれたりと多くの人に支えてもらったという。
幼稚園年長の頃に見たテレビ番組がヘアドネーションを始めるきっかけに。「女の子みたいな男の子がドネーションしているのを見て、自分もしたいと思った」。たった一人、自分自身で決断し、髪を伸ばし始めた。そうとは知らず、両親は「そろそろ髪切ろう」と声をかけた。なぜか嫌がる近藤君と2週間程の押し問答があったという。母・貴子さんは「まさかドネーションを始めているとは思わず驚きました。大隼はマイペースでおっとりしていて入院中もあまり自分の意見を言わない子だったのですが、初めて自分で決めてやりたいとかたくなでした。きっと自分は病気だけでも大変だったのに、髪の毛もっていうのはつらいだろうと感じて力になりたいと考えたんだと思います」
人のために自分のできることに黙々と励んできたものの、”男の子が髪を伸ばす”ということはあまり見る光景ではない。友人や上級生から好奇の目を向けられることもある。そんな時近藤君は自らの口で説明を繰り返す。「分かってもらえるまで話す。まだまだ上級生の人に聞かれることもあるけど、周りの友達が守ってくれる」と屈託のない笑顔で話した。
学校側もそんな近藤君をサポートする。1年生の時には「人の身体的特徴に対し、相手が嫌がることを言ってはいけない」というテーマで道徳の授業が行われた。現在の近藤君の担任教諭は「周りの子にからかわれた時も『自分の言葉で言いたい』と言える芯のしっかりした子です」と話す。
ヘアドネーションに必要な長さは31cm以上。短い髪もその長さになるまで伸ばすため、近藤君が髪を寄付するにはあと半年ほどかかるという。「切るのが楽しみ。切ってもたぶんまた続けるかな」とにこっと話した。
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