秦野市と公益社団法人秦野市シルバー人材センターが6月25日、「空家等の適正管理の推進に関する協定」を締結した。市長応接室で締結式が行われ、高橋昌和市長と宮嵜陸朗理事長が協定書を交わした。
同協定は遠方に住んでいる人や高齢などの理由で家の手入れができない人の代わりに、同センターが管理を行うもの。管理不全の空家の所有者に市が連絡を取る際、このサービスを周知する。サービス希望の場合は、所有者とセンターとの間で直接契約を交わす。
受けられるサービスは家の見回り、庭木の剪定、除草、ハチの巣撤去、大工修繕・塗装。それぞれに料金が設定されており、高所作業や大規模修繕、その他危険を伴う作業は受けていない。
市内の空家は約1100戸
秦野市シルバー人材センターでは、2年ほど前から独自事業として空家管理の仕事を行っていた。他市ではすでに実施しているセンターがあり、秦野市シルバー人材センターも鎌倉市など先進事例を視察。空家増加傾向にある秦野市での需要を鑑み事業として立ち上げていた。
市が昨年度、家屋情報と住民票を照合し現地調査を行った結果、約1100戸の空家と思われる家屋があった。うち、管理されていないであろう状態の悪い家屋は、約460戸確認されている。
また、市民からは「草がかなり茂っている」「隣の木が敷地まで伸びてきている」「屋根が飛びそうで危ない」などの情報が、担当部署に年間150件ほど寄せられている。これらの所有者を調べて連絡を取り、状況是正を要請したところ6割は改善されているが、残り4割はまだ手付かずの状態だという。
これを改善するため、市は今回の協定を締結。これまでも簡単な情報提供としてシルバー人材センターの事業を伝えていたが、今後はサービス内容を盛り込んだチラシの送付など、状況の改善に向けたより具体的なマッチングを行政側ができるようになる。
協定を受け高橋市長は、「様々な事情で空家になっているのだと思いますが、これを放置することは市民の安全・安心に不安をもたらすことに繋がってしまいます。シルバー人材センターの組織の力を借りて行政と連携し、適正管理ができれば」と期待を寄せた。
宮嵜理事長も「空家管理サービスを通して期待に添えられるよう、より一層がんばっていきたい」と話した。
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