継承240年
地域住民の手で240年以上受け継がれ、市指定無形民俗文化財にも指定されている「鶴巻下部大山灯籠行事」。この行事を継承している鶴巻下部大山灯籠保存会(関野行夫会長・会員数29人)が、今年も7月25日に灯籠建てを行い、8月17日(月)まで大山への献灯を行っている。
大山灯籠行事は大山詣りが盛んな「夏山」と呼ばれる期間(旧暦6月27日〜7月17日)に灯籠を組み立て、大山を詣でる旅人たちの夜道を照らす道標として灯明をともす行事のこと。
大山への信仰が庶民に広まったのは17世紀初めごろからといわれ、各地に大山への参詣講である「大山講」が形成されたという。大山講のひろがりとともに各地の大山信仰をめぐる民俗習慣が出来上がった。そのひとつが、今も鶴巻下部大山灯籠保存会によって継承されている「大山灯籠」だ。大山への献灯習俗は、昭和50年代までは大山の周辺地域で盛んに行われていたという。一般的には木製の灯籠を立てて献灯を行っているが、鶴巻下部の灯籠には「覆屋」が存在している。
大山信仰伝える貴重な習俗
灯籠の竿部には「明和6年(1769)建立、文政5年(1822)再建」の刻銘があり、江戸中期には献灯行事が行われていたと考えられている。大山灯籠自体に覆屋が設けられる例は類例がなく、鶴巻下部の大山灯籠は、貴重な大山献灯習俗といわれている。この貴重な習俗行事を後世に遺していくべきだとして、2015年には秦野市の指定無形民俗文化財に指定された。
地域で繋ぐ
この大山灯籠を受け継ぎ、継承しているのが「鶴巻下部大山灯籠保存会」。会員数は50代〜80代の29人。昨年4月から会長職を受け継いだ関野行夫さん(74)は、「この地区に生まれ育った人が自然に会員になっているんだよ」と話す。昭和30年代ごろまでは、灯籠を建てるとその足で、大山に詣でるのが習慣でもあり地域の楽しみのひとつでもあったそうだ。
灯明に火がともるのは午後6時ごろから。ろうそくが尽きる7時過ぎ頃まで灯っている。また、同保存会が行う、灯籠の解体は8月18日(火)の午後5時ごろから約1時間程度。どちらも見学は自由にできる。場所は、鶴巻第一自治会館敷地内(秦野市鶴巻南4の8の2)。
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田原ふるさと公園野菜直売研究所0463-84-1281/そば処東雲0463-84-1282 https://www.kankou-hadano.org/pointinformation/pointinformationguide/point_tawarafurusatokouen.html |
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