小田原市根府川の山林を切り拓きそば栽培を始めた 久下(くげ) 雅史さん 曲松在住 41歳
夢を追いかける開拓者
○…「片浦ミカンてあるでしょ。ああいう風になるのが夢」と、少年のような澄んだ瞳で笑う。母が所有する小田原市根府川のミカン畑を中心とした山林は、20年くらい前からほぼ手付かず状態となっていることは承知していた。その土地の一部を整備し、今年初めてそばの栽培に挑戦した。8月に撒いた種はしっかり芽を出し、相模湾を望む小高い山の中腹に、緑の絨毯のように広がる。
○…小田原市から「新規就農者」と認められたことで夢への扉が開い開いた。山林に重機を運びおよそ300本もの木を自ら整備し畑を作った。根気が必要な作業。仕事の傍ら何度もコツコツ根府川まで出向いた。
○…市内で土木工事会社や飲食店などを経営。「本当に従業員に恵まれた。良い仕事をすることが、次の仕事につながる一番大切なこと」。そう信じて、従業員にも徹底している。皮肉にも新型コロナウイルスがきっかけとなった。「空いた時間がもったいないと思った」。目の前に起こった問題さえエネルギーへと変えまっすぐに突き進む、バイタリティーの持ち主だ。
○…家庭に戻れば、上は22歳から下は7歳まで、6人の子どもの良き父親だ。「あいつも頑張ってるんだ」と話す自慢の長男は、すでに就職。「いつも応援してくれる妻に本当に感謝しています」と少し恥ずかしそうにニッコリ。表情から家族の仲の良さが伝わってくる。
○…「そばは手始め。色々育ててここを観光農園にしたい」と、一番言葉に力がこもる。「建物を建てたり水を引いたり、やりたいことはまだこれから」と瞳が輝く。これからどんな困難が待ち受けていようとも、持ち前のフロンティアスピリットで乗り越える芯の強さが伝わってきた。
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田原ふるさと公園野菜直売研究所0463-84-1281/そば処東雲0463-84-1282 https://www.kankou-hadano.org/pointinformation/pointinformationguide/point_tawarafurusatokouen.html |
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