秦野市文化団体協議会の会長を務める 片野 靖山(せいざん)さん(本名:靖さん) 桜町在住 89歳
粘り強く、前向きに継続
○…市内で活動する文化団体が日頃の活動の成果を披露する秦野市文化祭を、1971年から主管する。今年は新型コロナの影響で加盟17団体のうち、8団体のみの参加に留まった。「このような経験は初めて。残念ではあるが、コロナ対策を講じて発表者も来場者も安心して楽しめる時間にしたい」と話す。
○…寺山出身。高校生の時に4歳上の兄の影響で教員を志し、横浜国立大学に進学した。在学中は友人に誘われ陸上競技部に入部。長距離選手として、4年連続で箱根駅伝を走った。「大学に入学するまで陸上経験はなかったけれど、何事にも燃えるタイプでね。練習に練習を重ねて大変な思いをした」と笑う。卒業後は小田原市内の中学校で国語を教えた。箱根路の経験は教員生活に大きな影響与え、「タスキを渡すまでの粘りや根性、そして頑張ることの大切さは、生徒の指導に生かされたと思う」と振り返る。これまでも正月に小田原へ行き、沿道で選手にエールを送ってきた。
○…趣味は尺八。子どもの頃にラジオから流れる尺八の音色に惹かれたことを思い出し、40代半ばで一念発起して普化(ふけ)尺八(虚無僧(こむそう))の先生に師事した。40年ほど前に他の流派にも触れたいと「秦野邦楽会」に入会。市文化振興大会や文化祭、伊勢原観光道灌まつりなどに参加している。「尺八は深遠な響きが魅力。邦楽を通じて仲間ができたことも嬉しい」。
○…7年前から協議会の会長を務める。「この会は一人ひとりが積み上げて秦野に根付いた長い文化の歴史そのもの。今後も会員一同団結し、前向きな姿勢で継続したい」と熱意がみなぎる。課題は会員の高齢化。「文化祭を通じて若い世代に魅力を伝え、興味を持ってもらえれば嬉しいな」と顔を綻ばせた。
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