秦野市が近年大型化する台風や頻発する局地的豪雨に備え、市内7カ所に河川水位などを確認できるIoT型水位計を設置した。7月から市ホームページ内の防災気象情報から情報を公開している=6月29日起稿。
秦野市内の河川には、大根川など県が管理する二級河川に9カ所、水位計を設置している。近年、市が管理する準用河川や普通河川といった小規模な川でも災害が発生していることから、市は防災・減災対策を進めてきた。2018年に高橋昌和市長が気象水文観測機器の開発・製造・販売などを手掛ける株式会社YDKテクノロジーズ(旧横河電子機器株式会社・東京都渋谷区・大竹眞代表取締役社長)の秦野事業所を訪問したことを機に2020年6月、市は同社と東亜建設技術株式会社(福岡県福岡市)、コネクシオ株式会社(東京都新宿区)の3社と「災害対応における河川水位等観測に関する協定」を締結。水位と雨量の観測とカメラ画像で河川の状況を「見える化」する地域独自の観測システムを構築し、災害対策の現場で活用して防災・減災につなげる「IoT多点観測システム」の共同実証実験を開始した。
同年6月に葛葉川にかかる小羽根橋と室川にかかる堀田橋の2カ所に水位計を設置して実験を開始したところ、「リアルタイムな画像で河川状況を知ることができ、一定の効果があった」(市防災課)ことから新たに古堂橋(横野・唐沢川)、四山橋(菩提・葛葉川)、宮開戸橋(東田原・金目川)、渋沢児童館横(渋沢・室川)、南矢名宮田(南矢名・大根川)の5カ所にも設置して7月から市ホームページを通して情報を公開することにした。
水位の確認をリアルタイムで
市防災課は「既存の河川監視カメラと併用することで、きめ細やかな水位監視ができる」と話す。「情報公開することで誰もが危険を察知できるようになり、避難にかかる時間や経路などを踏まえた的確な避難行動につなげられるのでは」と期待を寄せる。
またYDKテクノロジーズは「パソコンやスマホからインターネットを通じて閲覧することが可能で、これまで現地へ行かなければわからなかった河川の状況がどこからでも見えるようになる。河川の状況確認や避難の判断に活用し、安全確保に役立てていただければ」とコメントした。
河川情報は市ホームページ内の防災気象情報から「防災マップ」をクリック、地図内に表示された観測箇所のアイコンから最新の情報を確認できる。(問)市防災課【電話】0463・82・9621。
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