秦野市平沢の和田大(はじめ)さん(88)が、自宅裏庭に古くからある湧水を生かしたナノ水力発電の水車を設置した。6ボルトの電圧で1ワットの発電が可能で、裏庭に設置したLEDのカンテラ3本の点灯に活用している。
和田さん宅の裏には明治初期からある井戸と、1971年に掘った新しい井戸の2つがあった。1日最大1500tの湧水量がある後者の井戸を生かし、初代・和田兵庫の名を冠した「兵庫の泉」を2015年に製作。誰でも気軽に湧水を汲めるようにした。
しかし、湧水の勢いで井戸の周囲の小石や赤土などが巻き上げられ、徐々に地盤が沈下。母屋の基礎にまで影響が出始めたため防水工事と周辺整備を行い、水路を整え水流を一つにまとめた。
「この水の力を活用したい」と和田さん宅で湧水環境の研究をしていた大学の名誉教授に相談したところ、千村にある日立のITエコ実験村の人を紹介され、手作りの水車と発電機を設置してくれたという。電力を受けるカンテラはセンサーで暗くなると自動で点灯し、防犯灯の役割も果たしている。
「秦野は美味しい水があるいいところ。この恵まれた環境を多くの人が知ることで、若い人が増えてくれたら嬉しい」と郷土愛を語る和田さん。今後は兵庫の泉がより良い憩いの場となるための整備も考えている。
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