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東海大学前「ゴロー」 「家庭のカレー」提供し半世紀 惜しまれつつ歴史に幕

社会

掲載号:2022年1月21日号

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「おばちゃん」と親しまれてきた山崎さん
「おばちゃん」と親しまれてきた山崎さん

 半世紀超にわたり東海大学の学生の胃袋を満たしてきた「カレーとコーヒーの店ゴロー」。惜しまれれつつ今年1月末に閉店するという。

 この店をずっと一人で切り盛りしてきたのが山崎静子さん(85歳・南矢名)だ。東京生まれの山崎さん。戦争中は長野への疎開生活を経験し戦後は仙台で農業を始めた。裁縫が得意だったことから再び上京し、都内で洋裁教室に携わった。ホテルマンの夫と結婚し、農業時代に知り合った女性との縁で、秦野の地へ。「この場所なら飲食店しかない。学生が食べたいものと言えばカレーだ」という夫からのアドバイスでお店を始めたのが1968年。

 「全くの素人から始めたんだから」と元気に笑う山崎さん。夫に連れて行ってもらい各地のカレーを食べ歩いて研究、辿り着いたのは「やっぱり家庭の味、お母さんのカレー」だった。看板メニューは野菜とチキンの「ヘルシーカレー」とスパゲッティーミートソース。飾らないその味を楽しみに、これまでに数えきれない学生たちが足繁く通った。

 カウンター越しに食事する学生たちの相談にも乗ってきた。常連客の中には大学の職員もいるため、悩める学生との橋渡しをしたこともある。付き合いは卒業後も続く。ある日OBのひとりが突然店を訪ねてきて「おばちゃんのカレー食べて元気を付けて、これから彼女にプロポーズしてくる」と宣言して店を出ていった人もいたそう。年賀状のやり取りは毎年150枚にも及ぶ。今年の年賀状で閉店を知らせたら、その反響は全国から続々。「これなんか、わざわざ送っていただいたのよ」と、店に飾られた花を見せてくれた。

 「東海大学の学生はみな優しい。お店がいやだと思ったことは一度もないし、体調が悪くてお休みしたこともないの。でも多少余力があるうちにね...」と少し安どの笑顔を見せつつ話した。

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