秦野市名古木のJT(日本たばこ産業株式会社)の安全性研究所が2019年5月末を目途に移転する予定であることが分かった。設備の老朽化に伴うもので、横浜市にある同社の医薬探索研究所内に新たに建設される建物に移転する。かつて葉タバコ耕作で栄えた秦野からJTの施設が閉鎖することに、「歴史が消えないように」という声も出ている。
JT安全性研究所(菅井象一郎所長)は、秦野たばこ試験場跡地に中央研究所生物実験センターとして1973年に設立された。現在はJTの医薬事業における研究開発部門のなかで安全性試験を担っている。敷地面積は1万9千507平方メートル。研究所にはJT社員や関連会社社員など約80人が勤務する。
同社によると移転の理由として「研究所は建築後20数年から50年の建物があり、設備の老朽化に伴う維持管理費が膨大になってきた」とその経緯を説明する。同様にJT医薬探索研究所(横浜市)の建物も建築後20数年が経過しており、設備の老朽化が見られることから、医薬探索研究所内の空地に安全性研究所と医薬探索研究所が同居する建物を建設することが合理的と判断し、安全性研究所の移転を決定した。安全性研究所敷地内での建て替えも検討されてきたが、同地には用途地域(第一種低層住居専用地域)の制約があり断念するに至った。
移転スケジュールは、2019年1月ごろより順次開始し、2019年5月末を目途に完了する予定。敷地、建物は同社の所有。跡地については売却の有無を含め現時点では未定であるという。
秦野とタバコ耕作
秦野はかつて葉タバコ耕作で栄え、発展してきたという歴史がある。明治時代には秦野葉煙草専売所や秦野煙草試験地が開設され、生産量でも全国的に有数の産地であった。なかでも耕作技術の優秀さに特徴があった。タバコ栽培は1984年(昭和59年)に終止符が打たれるが、タバコ耕作者の慰労から出発した「たばこ祭」は名前が継承され、「火」をテーマにした市民参加型の祭りとして昨年70回を迎えた。
「歴史を残したい」
秦野商工会議所の佐野友保会頭は「高い技術でまちの産業を支えた、たばこという足跡を何らかの形で残したい」とコメント。市も「産業の礎であり歴史あるJTさんとのつながりが消えないように働きかけていきたい。商議所とも連携したい」と話している。
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