さがみはら緑区版【12月19日(木)号】
事業に使われた車両(相模原市提供)

中山間地域 オンライン診療に手応え 市が実証事業の結果公表

 相模原市は中山間地域(津久井、相模湖、藤野地区)の在宅医療の充実、医師の負担軽減などを目的とした車両を用いた訪問型オンライン診療の実証事業の結果を11月27日に公表した。患者の86%が訪問型オンライン診療は在宅医療の充実に必要とアンケートで回答した。一方で、通信環境の整備など今後に向けた課題が浮き彫りになった。

 今回の実証事業は、6月10日から7月22日のうち23日間実施。慢性的な疾患で市所管の診療所に通院しており、医師が実施可能と判断し事前に合意を得た42人が対象。看護師が情報通信機器を持って車両で患者宅を訪問し、患者と診療所の医師がウェブ会議システムでつながり、看護師が補助をしながら診療を実施した。車内での診療を基本に、状況に応じて患者宅内で実施。車内は31人、患者宅内は11人だった。

 今回の事業のねらいは3つ-【1】オンライン診療ができる環境の確認と体制の構築、【2】オンライン診療に対する医療従事者と患者双方の理解促進、【3】事業を実施して把握できる課題の確認と改善策の検討-。実証事業に参加した患者は、一連の流れについて90%が「満足・ほぼ満足」と回答。医師は70%、看護師は71%が同様に回答した。患者の負担軽減について効果があったと答えたのは患者が76%、医師が83%、看護師が64%だった。

 一方で、通信ができない、不安定な場所がある、車両の乗り降りがしにくいなどの意見が挙がったほか、実際に車両に乗って診療を補助する看護師の負担が大きいというような声もあった。薬の受け渡しに関しては、オンライン診療後に改めて診療所に処方箋を受け取りに行き、院外薬局で薬を受け取る患者もいた。

 今回の実証事業の結果を受けて市医療政策課地域医療対策室の担当者は、「オンライン診療を初めて実施してみて体制や診療の一連の流れについて、一定の手応えがあったと考える。一方で初めての実施ということで、今後につながる課題も抽出できた。今後は浮き彫りになった課題の解消に向けて取り組んでいきたい」と話した。

 市では、今回の検証結果を踏まえ、来年度以降は新たなねらいを定め、期間を今回よりも延長して実証事業を実施していくという。

 今回の実証事業の結果、検証内容については、公文書館、各区の行政資料コーナー、各図書館などで閲覧できるほか、市ホームページの「中山間地域における車両を用いた訪問型オンライン診療の実証事業」(https://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/kosodate/kenko/1026630/iryo/1030662.html)のページから見ることができる。

集まった関係者約220人が開店を祝った

相模大野小田急電鉄 宴会場が「念願」の再開 飲食提供2025年9月から

 小田急電鉄株式会社は11月15日、コロナ禍で2021年に閉鎖した小田急センチュリーホテル相模大野の大型宴会場を来年9月に再開すると発表した。閉鎖以来、市内に大型宴会場はなく「待望」の再開となる。これに先駆けて同所に飲食店などが集まる「ゲートウェイ・さがみはら」が12月7日に開所した。

 宴会場を含む「ゲートウェイ・さがみはら」は7、8、10階に開所した。町田市を拠点に飲食店のコンサル業などを行う株式会社キープ・ウィルダイニングが運営を担う。

 宴会場の最大収容人数は900人。音響、照明などの設備を備えパーティーや会議などに利用できる。今月7日に場所貸しの受け付けを開始。食事提供は立食形式が25年9月、着座式は26年3月に開始を予定している。

 宴会場のほか、ビュッフェランチや本格イタリアンを提供する「レストランMONDO」、焼きたてパン・焼き菓子を販売する「こがさかベイク相模大野」、しゃぶしゃぶや土鍋飯の「とき綴る」などが入る。7日から来年2月にかけて段階的に開所していく。

「相模原盛り上げる」

 4日にキープ・ウィルダイニングにより行われた「ゲートウェイ・さがみはら」のお披露目には、本村賢太郎市長をはじめ関係者約220人が参加した。

 あいさつに立った小田急電鉄の星野晃司会長は「コロナ禍などでやむなく宴会場、レストランを閉鎖し、地元の方から大変熱烈な再開への要望、期待をいただいていた」と振り返り、「再開できうれしく思う。キープ・ウィルダイニングさんと連携し、相模原を魅力ある町にしていけるよう尽くしたい」と語った。

 キープ・ウィルダイニングは03年、保志真人社長が南区東林間で焼鳥店「炎家」を開店したことが始まり。保志社長は「こうした機会をもらい大変感謝している。私も相模原で育った。町田、相模原を中心とした『武相』エリアを盛り上げていきたい」と語った。

経済活性化に期待

 小田急センチュリーホテル相模大野の業態変更やホテルラポール千寿閣(南区)の閉館で相模原市内には21年から大型宴会場がなかった。経済団体関係者は「会合や集まりは町田市や海老名市のホテルへ消費が流れていた」という。

 相模原商工会議所も相模原市に対し、大型宴会場の誘致や再開の要望書を提出。同会議所の杉岡芳樹会頭は「地元待望の復活。宴会場などを今後積極的に利用していき、相模原での経済の活性化に期待したい」と話す。

相模原市消防局北消防署で署長を務める 水野 秀代さん 中央区在住 55歳

チームワーク強化に邁進

 ○…能登半島地震発生から間もない今年4月に就任。市民の災害への不安を強く感じ取り、着任あいさつでは「市民が望む安心安全のため一緒に取り組んでいこう」と署員に呼び掛けた。「消防に大切なのはチームワーク。良い関係性を築くのが私の役目」と語る。実は北署配属は2度目。「消防団員たちに『おかえりなさい』と言われて」と頬がほころぶ。「消防は地域に溶け込むことも大事。地域の1つのアイコンとして安全活動に取り組みたい」

 ○…市で初めての女性「消防職」として32年前に入庁。以降、「初めて」を幾度も経験してきた。女性の深夜業務が解禁となり、24時間3交替で職務にあたったことも。4年目で配属された指令課では現場未経験で判断に悩むことも多かったが、いつも先輩たちに助けられた。「経験だよ、と励まされて何とか乗り越えられた」と振り返る。火災調査や救急、消防大学校など、さまざまな部署を経験。「女性の職域拡大を担う立場だった」。新しい職場に立つ度に「後進のために頑張らなければ」と、常に自らを奮い立たせた。

 ○…生粋の相模原人。生まれ育ったまちへの思いも強く、「お世話になった人たちに少しでも恩返しできれば」と日々職務にあたる。休日は家庭菜園で野菜作り。「土に触れると落ち着きますね。今は大根やネギが美味しいですよ」と笑顔。

 ○…過酷な現場で働く署員たち。地域の安全を守るためにも職場環境整備や体調管理に注力する。「PTSDの発症も想定し体制を整えている。そういう厳しい仕事です」。今後もチームワーク強化のため信頼し合あえる関係づくりを目指す。そして「市民にも職員に対しても『魅力ある職場づくり』をしていきたい」と力を込めた。

映画のチケット(主催者提供)

金次郎の村復興描く 来年1月 橋本で映画

 村の復興を手がけた二宮金次郎の姿を描いた映画「二宮金次郎」が来年1月22日(水)、橋本駅すぐの「杜のホールはしもと」で開かれる。「水戸黄門」で格さん役を務めた合田雅史が主演し、午後6時から(5時30分開場)。参議院議員で前神奈川県知事の松沢成文氏の金次郎に関する講演(20分間)あり。

 入場料は一般1500円、高校・大学生は千円。中学生以下は無料で全席自由。申し込み・問い合わせは主催する裸の金次郎の会・小関さん【携帯電話】090・5751・0482へ。チケットは当日会場でも購入できる。

運転認知機能検査 津久井で模擬体験 神奈川トヨタが協力

 75歳以上の運転免許更新者に必要とされている運転認知機能検査を「模擬体験」する講座が12月5日、津久井総合事務所で開かれた=写真。

 10人が参加したこの日の講座は緑区が主催し相模原市内でも販売店を展開する「神奈川トヨタ自動車」が協力。2021年に神奈川県警と高齢者運転者等の支援協定を結んでおり23年からは一部店舗が同検査の公式会場となっている。当日の検査は教習所などで実施されている本番と同じ仕様で行われ、運転認知機能調査や視覚・聴力検査も実施。安全運転サポート車に体験乗車した。

中学生が本村賢太郎市長や大川亜沙奈副市長、椎橋薫区長、河津代表らとともに円になり意見交換を行った(相模原市提供)

中学生が市長と意見交換 相模湖地区まちづくり懇談会

 自治会や地区で活動する団体らで構成され、地域の課題について話し合う「まちづくり会議」。同会議の委員と市長が対話する「地区まちづくりを考える懇談会『地域の未来を語ろうwith市長』」が11月24日、相模湖地区で開催され、懇談会に初めて中学生が参加した。

子ども目線で

 同地区では少子化が激しく、中学生への参加を呼び掛けた経緯に関し河津暁代表は「地域の課題解決には、さまざまな世代の意見が重要。未来を担う子どもたちの目線で足りないもの、疑問に思うことを市長に直接投げかけるタイミングが必要と考えた」と話す。

 テーマは「中学生が考える相模湖地区の未来像」。事前にアンケートを実施し、結果を踏まえて懇談会が行われた。「交通事情が悪い」「買い物が不便」などが課題にあげられ、生徒からは「移住者を増やすためにSNSを活用しては」「PRに学生が参加した方が良いのでは」といった意見があがっていた。

 終了後、参加した生徒からは「相模原をより詳しく知れる機会になった。普段、市長と話す機会もないので貴重な経験になった」と述べた。

 河津代表は「このような機会は今後も必要。大人の目線と子どもたちの目線で地域課題を捉えることで、見えてくる解決策がある。次につなげていきたい」と話した。

川柳募集

 タウンニュース相模原支社では毎月月末号に掲載される「タケシの万能川柳」の川柳を募集しています。投句いただいた作品は毎日新聞「仲畑流万能川柳」などでおなじみの水野タケシさんが選句します。応募方法は左記枠内に。

審査委員特別賞 橋本小学校 「橋本小オリジナル『相模原つめこみ弁当』づくり」

 さがみはらSDGsアワードで初の2年連続、2度目の受賞となった橋本小。昨年は家庭から出るプラごみを「HEROのかけら」と称し全校で回収、地域企業の協力を得て再商品化する取り組みが評価された。

 今年は児童考案のオリジナル弁当づくり。リニア中央新幹線の新駅ができる橋本に下車してもらうため、「地域の特産品をつくろう」と、相模原産の食材を盛り込んだ弁当づくりを考案。「神奈川県の名物と言えば崎陽軒のシウマイ弁当」という発想で、同社の広報担当者を学校に招き話を聞くなど準備を進めた。

 アリオ橋本での販売会でも児童が接客を行い、200食がすぐに完売となった。アワードの表彰式であいさつした鎌田まなみさんは「この賞をいただけてすごくうれしい」と受賞を喜んだ。続けて、「大変だったことはお米を最初から作り、稲刈り、脱穀までしたこと。最終的にお米が少し足りなくなってしまい、先生が少し分けてくれて無事完成することができました。私は崎陽軒さんにお手紙を書いて、授業をしてもらうことができてすごくうれしかったです。ありがとうございます」と感想を述べた。

【了】

取組概要 児童が相模原特産の弁当をつくるのであれば、なにがよいかを調べ・考え、児童の夢の実現に向け、お弁当の容器から中身まで地域の事業者等と連携し「相模原つめこみ弁当」をつくり、児童と一緒に販売を行う取組。

 

評価のポイント 郷土愛を育む取組で、200食を完売させたという地域経済の視点でも足跡を残すことにつながり、発案した児童、支えた周りの大人たちの体制にも魅力を感じた。今後、児童のアイデアを起点に新たなSDGsの取組が生まれ広がっていくことに期待。

大会に関わった各チームの選手や関係者ら。閉会式ではこれまでチームを支えてきた6年生に記念品が贈呈され、これまでの活躍をたたえた

3チームが気迫のプレー  少年野球 津久井中央R(ロータリー)杯

 2024津久井中央ロータリー杯6年生送別大会(兼相模原市少年野球協会津久井支部秋季大会)が12月15日、ウィッツひばり球場(中央区)で開催された。

 津久井支部に登録する川尻クラブ、スピリッツジュニアBBC、中央イーグルスが出場。3チームによる総当たり戦が行われ、各チームが気迫あふれるプレーで優勝を目指した。今年の優勝は中央イーグルス。メンバーは金メダルを手に「良いプレーができて勝てて良かった。やっと金が取れてうれしかった」と感想を話した。

 主催の津久井中央ロータリークラブの山口弘一会長は「全力プレーや仲間を信頼してやりきる姿に勇気をもらった。これからも野球を続けて素晴らしい人生を歩んでいって」とエールを送った。

 結果は以下の通り。

優勝▽中央イーグルス

準優勝▽川尻クラブ

3位▽スピリッツジュニアBBC

双眼鏡で空をのぞく子ども

望遠鏡に感動 橋本で星空観望会

 橋本駅南口前のイノベーション創出促進拠点「FUN+TECH LABO/ファンタステックラボ」で12月13日、橋本星空観望会が行われた。

 当日は約40人が参加。星座表を使った星空の見方や双眼鏡、望遠鏡の紹介など、早稲田大学宇宙航空研究会の学生と株式会社ニコンビジョンのスタッフが会を進行していった。その後は参加者が星空を観望。しかし、あいにくの曇り空で星は見えにくかったが、遠くの建物がはっきり見えるなど「すごい。よく見える」と望遠鏡に感動する児童の姿が見られた。また、会場では望遠鏡づくりのワークショップも行われた。

 ファンタステックラボの担当者は「今後も子どもたちが喜ぶ企画を展開し、橋本に関わる人を増やすことで、より橋本が魅力的なまちになっていけば」と話した。

かどや食堂が登場 ドラマ「下山メシ」

 テレビ東京系で放送中のドラマ「下山メシ」に石老山とJR相模湖駅前のかどや食堂が登場する。

 同作は、登山ガイドでフリーライターの西野淑子さんが山麓のグルメを紹介する「関東周辺美味し愛しの下山メシ」(山と渓谷社)が原案。ドラマでは俳優の志田未来さんが演じる主人公・いただきみねこが山を下りた後に食べる「下山メシ」を食べる様子が描かれる。12月19日深夜の第6話では、みねこが石老山に登り、かどや食堂で食事を楽しむ。撮影に協力したさがみはらフィルムコミッションつくい事務局の担当者は「かどやさんに協力いただき休みの日に撮影した。テレビに映る地元をぜひ楽しんでもらえれば」と話す。

 放映は19日の深夜24時40分(20日(金)午前0時40分)から。

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信号待ちのドライバーに呼び掛ける、山川署長(左)と平栗会長

津久井署管内 『ゆず』り合いで交通安全 川尻交差点で注意喚起

 津久井警察署は12月20日まで実施中の「年末の交通事故防止運動」の初日となる12月11日、津久井交通安全協会(平栗文夫会長)や交通安全関係団体らのメンバー約30人とともに、川尻交差点付近で啓発活動を行った。

 「安全運転は『ゆず』りあいから」をテーマに、地元名産の『ゆず』と啓発物をドライバーに手渡しながら、交通安全を呼び掛けた。

 山川満署長は「年末は事故に直結する飲酒運転も増える。飲酒運転根絶を目指し事故防止に取り組んでいく」と述べた。