宮前区版【12月20日(金)号】
子ども食堂の運営メンバー下段真ん中が代表の平嶋さん

「お腹いっぱい食べて」 向丘地区で子ども食堂

 成長期の子どもたちにおいしい食事を提供しようと、向丘地区に「犬蔵中学校区子ども食堂 にじいろポカポカ」(平嶋和佳子代表)がオープンした。南平台第一集会所を会場に毎月第2金曜日に開いていくという。

 平嶋代表は、主任児童員として、地域で子どもや子育てなどの相談や支援を行っている。活動の中で、困窮家庭や個食、ネグレクトなどの社会問題を身近に感じたことが、立ち上げのきっかけとなった。

 子育てが落ち着いた昨年から、本格的に動き始め、区内で運営している子ども食堂にボランティアとして通いノウハウを学んできた。活動を知った仲間や知り合いから、寄付や食材の提供なども受け13日にオープンを迎えた。

 運営メンバーには、PTAで共に活動したママ友の5人が協力。中には、野菜ソムリエの資格を持つ人やパン教室の講師もおり、「おいしいものが提供できる」と話す。初日は、ボランティアなど4人が加わり、調理や接客、皿洗いなどを行った。訪れた16人の親子に提供したのは、カレー。お手製マヨネーズのサラダや大根の葉でスープも手作りした。訪れた子どもたちは「おいしい」とおかわりする姿もあり好評だった。

 平嶋代表は「おいしいものをお腹いっぱい食べてほしい。学校の宿題をしたり遊んだり、子どもたちの居場所にもなれば」と抱負を語った。

 子ども食堂は、午後3時30分にオープンし、5時30分から食事の提供をはじめる。こども無料、大人は200円。

作成したポスターと梶組合長(右から2番目)ら役職員

セレサ川崎 「カスハラ」方針を制定 県内JAで初

 セレサ川崎農業協同組合と関連会社のセレサ不動産(株)、セレササービス(株)(以下JA)は12月2日、「カスタマーハラスメントに対する基本方針」を制定した。神奈川県内のJAでは初めて。グループの一体性を示すため、従業員だけでなく役員も対象とした。

 顧客からの過大な要求や言いがかり、暴力や暴言などの迷惑行為「カスタマーハラスメント」が社会問題となっている。こうした状況下、同組合らは県内のJAとして初めて基本方針を策定した。安心して暮らせる豊かな地域社会の実現に貢献するという経営理念に基づき、質の高い最適なサービスを提供したいという思いが込められた。

定義と対応を明文化

 一部の客からの苦情・言動のうち、要求内容の妥当性が認められないものや、要求を実現するための手段・態様が社会通念上、不相当なものであり、同組合で働く役職員の就業環境が害されるおそれがあるものを「カスタマーハラスメント」として定義。該当すると判断した場合は、毅然とした対応を行うとした。

 梶稔組合長は「わずかな事象を放置しておけば、全体の職場環境が悪化する事態に発展しかねない。本方針の制定は、セレサで働くすべての従業員を守る一助につながると同時に、利用者と役職員の信頼関係をさらに高めるための一歩である。今後も全ての関係者が安心できる環境づくりを行っていきたい」とコメントした。

エディブルフラワ―を生産するKiranah Farm(キラナ・ファーム)園主 森 彰人さん 高津区久末在住 32歳

食用花で食卓に笑顔広げる

 ○…川崎市内の個人農家としては初めて、食用の花「エディブルフラワー」を生産・出荷している。温度や湿度などが制御されているクリーンルームの中で、カラフルなビオラや個性的な苦みのあるアリッサムなどを栽培。今年11月から本格的な収穫が始まり、首都圏の飲食店などに出荷している。

 ○…高津区久末で代々続く農家の20代目。自宅前に広がっていた水田で泥んこになって遊ぶ傍ら、歴史ある農業従事者としての両親や祖父母の姿を見て育った。そのため農家を継ぐ選択は「ごく自然なものだった」という。「小学校の卒業文集にも『将来は農業をやる』って書いてましたから。始める年齢も漠然と、30歳ぐらいって決めてましたし」

 ○…大学を卒業すると、まずJAセレサ川崎に就職。市内全域の農家を回りながら、都市農業の厳しい現実を目の当たりにした。高齢化と後継者不足、そして猛暑や集中豪雨などの異常気象。特に気候変動の影響は年々深刻さを増していることから、「いま『異常』と呼ぶ状態が、いつか普通になる日がくる。それならば最先端の技術も取り入れ、持続可能な都市農業の形を考えていこう」と決意。20代最後の年にJAを退社し、農業従事者の道に進んだ。

 ○…自然に左右されない形を考えた結果、室内で通年栽培できるエディブルフラワーにたどり着いた。選択肢は複数あったが、鮮やかな花に彩られた食卓を想像し、「これだ」と直感した。「食べる人が笑顔になり、会話が弾む様子が目に浮かんで、自分までうれしくなった。幼いころから周りの人を喜ばせることが大好きだったから、自分にぴったりだなと」。手掛ける花々で笑顔が広がる日を夢見て、挑戦を続けていく。

表彰式に参加した子どもたち

宮前地区青少年作品展 書道、絵画で入賞者決定

 宮前地区青少年作品展の表彰式が12月14日、区役所4階大会議室で開催され、入賞者に賞状などが手渡された。39回目を迎えた同展は、宮前地区青少年指導員会と区子ども会連合会が共催。区役所とタウンニュース社が後援した。

 作品展には、宮前地区在住・在学の小中学生から、絵画・ちぎり絵・イラストデザイン・書道条幅・書道半紙の253点が集まった。

 宮前地区青少年指導員会の山本友彦会長は「皆さんの作品から元気をもらった。一期一会を大切にしながら、作品展を継続していきたい」とあいさつした。

 区長賞、青少年指導員会会長賞、タウンニュース賞は以下の通り(敬称略)。

 書道の部…区長賞▽寒川心陽(小5)、青少年指導員会会長賞▽安岡莉那(中2)、タウンニュース賞▽水谷凛(小1)

 絵画の部…区長賞▽名古屋美織(中1)、青少年指導員会会長賞▽橋本げん樹(小3)、タウンニュース賞▽小笠原美咲(小4)

時折ユーモアも交え話した山口さん

山口達也さん 「自分と未来は変えられる」 アルコール依存症 語る

 アイドルグループTOKIOの元メンバー・山口達也さん(52)が12月6日、アルコール依存症をテーマとした講演会を川崎市総合福祉センター(中原区)で行った。川崎市社会福祉協議会川崎市福祉人材バンクの地域課題研修として実施され、会場には約160人が集まった。

 山口さんは2018年に不祥事により旧ジャニーズ事務所を退社後、20年に酒を飲んでオートバイを運転、事故を起こし現行犯逮捕された。現在はアルコール依存症を公表し、講演活動を行っている。

 4年前の交通事故後、医師から「アルコール依存症」と宣告。完治することはなく、克服するには「アルコールを一生飲まないこと」を知った。「依存症を認めてから4年間、たまたまお酒が止まっている状態。治す薬はなく、治すのは自分の心」と話した。

 20代の頃は仕事の付き合いやコミュニケーション形成のために酒の場を楽しんでいたが、「飲み方がおかしくなった」のが35歳から40歳の時期。煩わしさから飲み会を断り、自宅で一人で飲むことが次第に増えたという。「一人飲みは周囲に気を使うこともないので効率が良かった。記憶をなくすまで浴びるように飲んでいた」

 アルコール依存症を認め、自助会にも参加し、自己を見つめ直した山口さん。現在は過去を冷静に振り返ることができるようになったと言い、日ごろ抱えていた不安感から生じた「生きづらさ」を、「酒に酔うことで自分を殺し生きてきた」と客観視している。「過去や他人は変えられないけど、自分と未来は変えることができる。心が潰れていたのに気づけたことで、導き出せた答え」と語った。

のぼり旗やプラカードを持ち交通安全を呼びかける参加者

区交通安全対策協議会 東名ICで交通安全

 宮前区交通安全対策協議会(持田和夫会長)などのメンバーが12月11日、東名川崎インターチェンジ周辺で年末の交通事故防止を呼びかけるキャンペーンを行った。

 この日は、関係者らがIC周辺の道路に立ち、「ながらスマホダメ!」「飲んだら乗るな 乗るなら飲むな」などと書かれた、のぼり旗やハンドプレートを掲出。ICから高速を利用する運転者や、通行人に交通安全を呼びかけた。

 持田会長は「笑顔で新年を迎えられるよう、地域皆で交通安全を呼び掛けていきましょう」と話していた。

宮前署で行われた表彰式の出席者

交通安全功労者を表彰 長年の功績称え

 宮前警察署で11月29日、交通安全功労者・優良運転者表彰が行われた。主催は宮前交通安全協会と宮前安全運転管理者会。

 長年にわたり地域や職場で交通安全活動に取り組み、功績がある人や団体、無事故無違反を継続している人などを表彰するもの。

 賞者は以下の通り(敬称略・順不同)

▽神奈川県知事表彰〈交通安全功労者(個人)〉都倉良治▽神川県警察本部長表彰〈交通安全協力者(個人)〉石川幸夫▽警察本部長顕彰〈優良運転者(自家用)〉中村孝史▽神奈川県警察本部長・神奈川県交通安全協会会長連名表彰〈交通安全功労者〉吉田義一/〈優良運転者〉宇都野久子▽神奈川県交通安全協会会長表彰〈交通安全功労者〉藤田文昭、石坂洋子/〈優良運転者20年〉宮下昭男、伊東勝弘、小泉俊輔、小滝廣、本間美由紀、福島礼子、鶴田稔、輕部剛志、山本昌代/〈同15年〉西陽子、下山田明、園山哲也、平木眞利子、三浦順子、大木賢次、上野浩正、江川厚、新倉宏幸、増井文子、保坂幸男▽神川県警察本部長・神奈川県安全運転管理者会連合会会長連名表彰〈交通安全功労者〉齋藤淳/〈優良運転者〉松浦悟、芳賀昭二/〈優良事業所〉有限会社松島造園、有限会社増川工業所、聖マリアンナ医科大学▽神奈川県安全運転管理者会連合会会長表彰〈交通安全功労者〉石渡英之/〈優良安全運転管理者〉船橋英明、鈴木高志、千屋雄大/〈優良事業所〉川崎市社会福祉事業団れいんぼう、株式会社潮見台グリーン、有限会社斉藤造園、川崎市宮前生活環境事業所

市危機管理部長が講演

区全町内・自治会連合会 地域防災テーマに勉強会

 宮前区全町内・自治会連合会(持田和夫会長)が12月13日、学習会を宮前区役所4階大会議室で開催した。

 宮前区内の町内会や自治会の関係者の交流を兼ねて行われている年2回の学習会。今回は、川崎市危機管理本部危機管理部長の大村誠さんが「地域における防災」をテーマに講演。大村さんは集まった約60人の会長を前に、「トイレの備蓄は必須だ」など、能登半島地震などの被災地を視察した経験から、豪雨時の浸水状況予測や震災時の対応について解説した。

 各種表彰の紹介のほか、「民生児童委員の一斉改選」「空き家の利活用・予防」「新ミュージアムの状況」「大相撲川崎場所」など、行政からの情報も共有された。

 持田会長は「学習会は地域の課題解決のため実施している。大きな災害はいつ起きるかわからない。講演で学んだことを各エリアで生かしてほしい」と述べた。

有馬在住の塩澤直美さん

塩澤さん弾き歌い 12月22日 アリーノで

 有馬在住の声楽家・塩澤直美さんが12月22日(日)、川崎市有馬・野川生涯学習支援施設アリーノ2F集会室でクリスマスコンサートを行う。午後2時30分開演。

 39回目を迎えるアリーノ音楽コンサート。今回は、アルト特有の深い声と豊富なレパートリーで独特のステージを披露しているソリスト・塩澤さんが、「もろびとこぞりて」「ドレミの歌」「雪の降るまちを」「もみの木」「川のほとりで」など、クリスマスを華やかに彩る名曲をピアノで弾き歌う。

 定員は先着120人。入場料は1000円。申し込みはアリーノ1F事務室または【電話】044・853・3737。

プロジェクトのメンバー

「子どもの権利」の学び舎 小中高生「リーカレ」始動

 子ども自身が「子どもの権利」を共に学び、伝えあうためのプロジェクト「Leaf College Project」(リーフ・カレッジ・プロジェクト/略称リーカレ)が本格始動した。子ども自身が「子どもの権利」について啓発活動をしたり、子ども同士で勉強会を重ねることで、子どもから子どもへと、自分たちの大切な権利をつなげていくことを目指している。

 リーカレのリーフレットの「団体紹介」には、こうある。

「活動を通じてひとりでも多くの子どもに子どもの権利を使えるようになってもらうことを目標にしています」 

 リーカレを立ち上げたのは、市の「子ども会議」の子ども委員などを務める小学生から高校生の6人と事務局の大人1人。7月に団体として発足し、秋から市内外のイベントなどで「子どもの権利」の啓発活動を始めた。今後は子ども同士で勉強会を開く予定だ。

 創設メンバーの一人、高校2年の高木萌伽さん(幸区)は活動の目標について「子ども自身が『これが私の権利が守られている状態なんだ』と実感でき、何かあった時に『自分の権利が侵害されている』と気付き、意思表示できることが大事。そのためにも大人任せではなく、子どもから子どもへ、この権利を伝えていけるようになりたい」と語る。

権利を使えるように

 発端は2022年に那覇市で開かれた「子どもの権利条約フォーラム in 那覇/沖縄」だった。川崎から共に参加した高木さんと中学2年の柴田ももさん(多摩区)、そして多摩区で菅中学校区地域教育会議の議長を務める羽鳥祥子さんが、福祉のために寄付を集める法人を立ち上げた沖縄県の高校生の話に刺激され、「自分たちも何かやろう」と一致団結。高木さんが「子どもから子どもへ、この権利のことを脈々と伝えられるようにしたい」という自身の思いをプロジェクトの素案に組み入れた。

 中学1年の内村愛望(あいみ)さん(多摩区)は「自分たちの大切な権利なのに、実際に使えている子どもは少ないはず。『へー、こんな権利あるのか』で終わらずに、実生活の中でしっかり使える力を身に付けたい」と語る。高木さんは「子ども同士が安心して失敗しながら学ぶ『学び舎』のような活動にしたい。そして私たちの権利を、主体的に意味のあるものにしたい」と意気込みを語る。問い合わせは【メール】leafcollegeproject2024@gmail.com

(上)過密気味のホンシュウジカの獣舎(下)多目的室やベビールームを備え、10月に新設されたパークセンター

夢見ヶ崎動物公園 飼育種を見直しの方針  再整備計画骨子案

 川崎市は開園50周年を迎えた夢見ヶ崎動物公園(幸区)の再整備計画骨子案をこのほどまとめ、市民からの意見を募集している。骨子案では、持続可能な飼育環境の整備を目指し、飼育種を段階的に減らし、管理運営を官民共同で推進する方向性を打ち出している。

 夢見ヶ崎動物公園は、1950年に標高約35mの丘陵地(加瀬山)に開設された公園内に、市が政令指定都市となった72年から動物の展示エリアを新設、74年に開園した。ピーク時の80年代終盤には約60万人の来園者があったが、2010年代後半からは10万〜20万人程度で推移する。

 園内に民有地が混在するため、動物園エリアを囲えないことから、開園当初から入場無料で運営を続けてきた。そのため直近5年間の平均収入は一時使用料などの約14万2千円、平均支出は人件費や飼料代などで約1億5千万円に上る。

 市は18年から再整備に向けた検討を進め、市民アンケートなどを実施のうえ、今年10月31日に「再整備計画骨子案」を公表した。

いのち感じる施設へ

 骨子案によると、施設の老朽化や市民ニーズの変化などの蓄積した課題を解消するため、「持続可能な管理運営の仕組み」や「動物福祉などに配慮した飼育環境の改善」を目指すとしている。そして再整備の結果、動物とのふれあいや傷病動物の保護などを通じた「いのちを感じる」施設という将来像を掲げている。

 具体的には、設備の状態に応じて修繕や建て替えの必要性を検討する▽アンケートで要望の多かった「動物とのふれあい」ができる施設などの導入を検討する▽繁殖が難しい種などの飼育を終了し、将来的に飼育種を52種から28種へと縮小する▽飼育業務や施設の維持管理、接客サービスなどの部門で民間の力も活用する▽寄付やサポーター制度の拡充など、付加的な形での収入を検討する、などの方針が盛り込まれた。

 市は25年度の「再整備計画」策定に向け、骨子案への幅広い意見を募集している。詳細は市のサイト【URL】https://www.city.kawasaki.jp/530/page/0000170530.html

<PR>
【LINE読者限定プレゼント】
【LINE読者限定プレゼント】
毎月15名様に抽選で『Amazonギフト券1,000円分』をプレゼント!ギフト券以外のプレゼントもあるかも!是非チェックしてみてください。 (続きを読む)
トークショーやビンゴ大会などイベントが盛りだくさんの「2024川崎フロンターレ展」

GO!GO!!フロンターレ

1年間の戦いをイベントで振り返ろう

 川崎フロンターレは今シーズンの戦いを振り返る「2024川崎フロンターレ展」を12月26日(木)から2025年1月17日(金)まで、JR川崎駅前の商業施設川崎ルフロンで開催する。午前10時〜午後9時。入場無料。

 12月28日(土)午後1時開始のオープニングセレモニーでは、お笑いコンビ「アルコ&ピース」の酒井健太さんが出演。酒井さんは川崎市出身でフロンターレとも縁が深い。スタジアムMCの小森すみ恵さん、クラブスタッフとのトークショーに登壇する。

 1月12日(日)午後1時には、クラブ特命大使の中西哲生さん、鄭大世(チョンテセ)さんの両OBによるスペシャルトークショーを開催する。

 3階ポップアップスペースでは、川崎フロンターレ写真展「戦いの軌跡」を展示。クラブオフィシャルフォトグラファーの大堀優さんによって厳選された迫力ある写真で今シーズンを振り返る。

 他にも同展示会ではフロンターレグッズが当たるビンゴ大会などイベントが盛りだくさん。詳細はオフィシャルウェブサイトまで。

画像はいずれも川崎フロンターレ