鎌倉版【12月20日(金)号】
支柱に取り付けられた防犯カメラ(写真左上)=12日

鎌高前踏切に防犯カメラ 安全確保と犯罪抑止へ

 アニメ『スラムダンク』のオープニングで登場する江ノ島電鉄・鎌倉高校前駅そばの踏切。映画上映で人気が再燃し、2年が経った現在も国内外の観光客が連日訪れ、混雑が常態化している。近隣住民と観光客の安全確保や犯罪抑止を目的に、鎌倉市は防犯カメラを設置し、12月6日から運用を開始した。

 防犯カメラが設置されたのは、踏切から陸地側を見て右側にある三角地帯。新たに設置した支柱にカメラを取り付け、24時間体制で踏切周辺を録画する。

 「車道に入っての写真撮影やごみのポイ捨て、住宅敷地内への無断侵入など、近隣住民からの苦情があった」と話すのは、市地域のつながり課。同課は、防犯カメラの設置に向けて昨年から検討を進め、今年11月20日に工事が完了。12月6日の通電により本格的な運用が始まった。撮影した動画は、トラブルや事件が発生した際の確認ツールとして利用する。

地元の要望形に

 同地帯には、地元自治会によって5年ほど前から住宅側を見渡せる防犯カメラが設置されている。周辺住民は、「踏切側へのカメラの設置要望が自治会内でもあったので、実現してよかった。今は夕日が海に沈む時間帯に混み合うので、少しでも対策につながれば」と期待する。

 スラムダンクのアニメが放送されていたのが1990年代。2000年代には、中国や台湾などでも放映されるようになり、市によると「踏切付近が混むようになったのは16年頃から」と言う。

 混雑対策として、市と江ノ電が費用負担し、17年から警備員1人を配置。今年4月からは1人増員し、2人体制となった。防犯カメラについて市は、「動画で常時記録することで、迷惑行為を抑止したい」と話す。

 また同日には、鎌倉駅東口の横浜銀行鎌倉支店付近の支柱にも防犯カメラが設置された。

箱根駅伝初出場を狙う栗原さん=3日・明学大グラウンド(横浜市)

栗原舜さん、箱根駅伝へ 連合チームに初選出

 来年1月2日(木)と3日(金)に行われる第101回東京箱根間往復大学駅伝競走で、手広中出身の栗原舜さん(明治学院大4年)が関東学生連合チームに選出された。連合チームは、今年10月の箱根駅伝予選会で上位10校に入らなかった大学の成績上位者16人で編成。栗原さんは予選会のハーフマラソンを個人63位(16人中7番目の順位)で走り、初のメンバー入りを果たした。

 強い日差しが照り付け、体感気温が30度に近い悪条件でスタートした10月19日の箱根駅伝予選会(東京都立川市)。栗原さんは「天気予報からスローペースを想定していたので、最初でタイムを稼ぎたかった」と、序盤から日本人上位集団に付き、積極的にレースを進める。10〜15キロでペースを落とすも、終盤に待ち構えていた母校の大応援団から力をもらい、チームトップで21キロを走り切った。

 2020年度から本格的に強化を始めた明学大は、今年の予選会で過去最高の19位。栗原さんは「チームで箱根駅伝を目指していたので悔しい。それでも次につながる順位」と話す。個人としては連合チームに選ばれ、「箱根駅伝を走るのが入学時の目標だったので、うれしさと安堵感がある」と笑みを浮かべる。

転機は1年前

 陸上競技を始めたのは手広中1年時。中学では目立った成績を残すことができなかったが、県内の強豪校として知られる三浦学苑高に進学した。「入学当初はアップに付いていけず、女子部員よりも遅かった」と言うも、先輩や同じ手広中の同級生と切磋琢磨しながら、力をつけてきた。

 転機が訪れたのは、大学3年時の箱根駅伝予選会。当初の目標を65分台としていたが、いざレースが始まると調子が良く、10キロ地点で自己ベストを1分半上回る29分20秒。目標タイムから2分近く縮めた個人91位の63分50秒で走破した。

 しかし、前回の箱根駅伝では連合チームが結成されないことが決定。例年どおりの選考基準だと16人中9番目の順位だっただけに、栗原さんは悔しさをにじませるも、「これだけのタイムで走れると思わなかったので、今までで一番の自信になった」と振り返る。

希望区間は3区

 前半から積極的に攻めて、終盤まで粘る走りが特徴の栗原さん。希望区間は戸塚〜平塚を走る3区で、「遊行寺までが下り基調で、その後も平坦が続くので持ち味が発揮できる」と意気込む。

 12日1日に走った1万mでは、28分47秒98の明学大記録を樹立し、好調を維持している栗原さん。個人目標は、区間5位相当のタイムで走り切ることで、「これまでお世話になった方々への感謝の気持ちを走りで伝えたい」。

「かまくら冒険遊び場・梶原」を運営するNPO団体の理事長を務める 坪井 玲子さん 藤沢市在住 53歳

支え合うより助け合う

 ○…今年11月にオープン5周年を迎えた「かまくら冒険遊び場・梶原」。ブランコやアスレチックの手作り遊具に、卓球や読書が楽しめる館内を備え、子どもが主役の遊び場を運営する。コンセプトは、自然と人との距離が近い「鎌倉らしさがあふれる空間」。遊ぶ時にはすぐ手を差し伸べず、ちょっと遠くから見守る。「やってみたいことに挑戦して、いろいろな経験を身に付けてほしい」

 ○…運営に携わるきっかけは、娘2人が通った青空自主保育。自然の中で親同士が見守り合うのが特徴で、「子育ての手助けがほしかった時期にともに助け合った」。娘の卒業で込み上げたのは、保育や自然から離れる寂しさ。「恩返しがしたい」と思っていた矢先、青空自主保育の仲間から声がかかった。

 ○…スタッフに加わったのはオープン前年の2018年。開設以前は、市内の公園や緑地で2週に1回企画していたが、旧梶原こども会館の閉館に伴い、鎌倉市と協働運営の常設施設として整備することになった。今では年間8500人が利用し「スタッフ、子どもたち、地域の方々。みんなで作り上げている」と胸を張る。

 ○…新潟県出身で、自然は身近な存在。趣味のDIYは、遊び場のウッドデッキを設計するほどの腕前だ。行動の原動力は、設計事務所に勤めた時の上司の言葉「つま先で歩くような気持ちでいなさい」。力を蓄えながら、いつでも動ける体制を整える。

 ○…支え合ってきたからこそ、「子育ては完璧でなくて良いんだよ」と伝えたい。乳幼児の親子や近隣の小学生など、それぞれが思い思いの時間を過ごす冒険遊び場。「支え合うというよりは、助け合えるハブ(拠点)でありたいですね」

「駅前で手渡し」に疑問 大川さんへ詐欺防止感謝状

 オレオレ詐欺の被害を未然に防止したとして、鎌倉警察署は12月6日、横浜銀行鎌倉支店の大川聡子(あきこ)さんへ感謝状を贈呈した=写真。

 11月19日午前10時40分頃、来店した80代夫婦に支店窓口で対応。200万円の引き出し依頼に対し、大川さんは会話を進めていく中で「駅前で手渡し」に疑問を持つ。警察と連携して確認を進めると、高齢夫婦は「おいが友人の車を運転して事故を起こし、その費用を鎌倉駅前で手渡ししようとしている」ことが判明。おいに連絡するとその事実はなく、詐欺であることがわかった。

 感謝状を受け取った大川さんは、「詐欺が身近で起こっていることを身に染みて感じた。これからも注意深く接していきたい」と話した。

鶴岡八幡宮大石段下で披露された御神楽=16日

800年前を再現

 鶴岡八幡宮で12月16日、800年前の鎮座を記念した「御神楽(みかぐら)」が、今年も披露された。

 午後5時30分、境内の灯が消える。松明に照らされた大石段下で、巫女による「宮人舞」と神職の「人長舞」が行われ、観客たちは悠々とした時間の流れに身を委ねた。

 御神楽は、1191年に火災で焼失した同宮を源頼朝が再建した際の儀式をもとに、当時を彷彿とさせる歌や舞を再現。再建した旧暦11月21日を新暦に換算した12月16日に、記念祭が実施されている。

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宣誓者の名前を記載し、市長印を押したカード型の受領証を交付。相互利用ができる4市1町内での転居であれば、そのまま利用も可能(市提供のサンプル)

パートナーシップで変化は 5年間で29組が宣誓

 性別や性的志向、性自認を問わず、日常生活を経済的、精神的に支え合う関係の2人を、「人生のパートナー」であることを公に証明する「パートナーシップ宣誓制度」。鎌倉市では、2019年12月に同制度を開始し、5年が経った。制度によって当事者の生活に変化はあったのか、課題はあるのか取材した。

*   *   *

 鎌倉市で5年間に宣誓したのは、29組。市地域共生課によれば、同性カップルのほか、事実婚状態の異性カップルの利用も多いという。

 扶養義務や相続権、税の控除などの法的効力はないが、病院や不動産など、2人の関係性が重要な場面での証明のためにという人や、婚姻という形にこだわらない人、現在の制度に疑問を抱いている人など、理由はさまざま。「関係性を公的な形として認められたい」というケースもあるという。

 制度開始に合わせ、市が病院や不動産会社などに働きかけた際は理解ある反応が多く、現状でトラブルなどは聞いていないという。

当事者「理解早い」

 「日常生活では特段変わりはないが、住宅の契約時などで理解いただくのが早く楽になった」。そう話すのは、40代と30代の男性カップルだ。

 住宅ローンや契約などで必要性を感じ、23年に宣誓。友人や家族にも喜ばれたという。「特別な権利を主張したいという気持ちはない。こんな人たちもいるんだと、ただ理解していただけるだけでうれしい」と話す。

相互利用拡大なるか

 中には宣誓受領証を返還するケースもある。パートナー関係の解消、転居、入籍を理由に、3組が返還している。

 鎌倉市は現在、横須賀市、逗子市、葉山町、三浦市と相互利用協定を結んでおり、4市1町内の転居であれば継続して受領証を使用できる。

 市は「転居での返還者は、相互利用ができない地域への転出だった。神奈川県では、23年7月にすべての市町村で制度が整った。県全体で相互利用の動きが進めば」と期待する。

 また、「『尊重されることが当たり前』という考え方を市民や事業者に周知をし続けることが重要」とし、今後当事者の声の聞き取りや事業者向けの啓発にも取り組みたいとする。

記者が鎌倉で気になった物事を調査する連載「その後を追ってみました」。不定期で掲載しています。

自動ボタンで搬出入が可能に=12日・大船消防署

今泉救急に電動担架導入 患者・隊員の負担軽減へ

 鎌倉市消防本部は12月13日、今泉出張所で電動ストレッチャーを搭載した新しい救急車の運用を開始した。

 従来の手動担架に代わるストレッチャーで、県内での導入は箱根町に続き2例目。隊員は担架の上げ下げを自動ボタンで操作し、車内に搭載されたレールを用いることでスムーズに搬出入できるようになった。また手動に比べて搬送時の上下動も抑制され、患者の負担軽減だけでなく転落事故防止にもつなげていく。

 「患者だけでなく隊員の負担も軽減される」と話すのは、今泉救急隊の武山美里隊長。手動担架では、上げ下げ時に相当の重さがかかっていたが、昇降がボタン式になり腰への負担が大幅に軽減される。ストレッチャーの先端には、光量を調整できるライトも搭載され、夜間や暗い場所でもスムーズに搬送を行える。

 鎌倉市は、市街地などの平坦な地域が多いことから大船地区を管轄する今泉救急隊に先行配備。救急車の車両更新に合わせて、電動ストレッチャーの順次導入を検討している。

新人芸術家のコンサート 29日 鎌倉教会

 下馬交差点そばの鎌倉教会(由比ガ浜2の2の6)で12月29日(日)、「新人芸術家支援コンサート」が開催される。午後2時開演。

 今年で3回目の支援コンサートには、東邦音楽大学の学生とOBで結成した音楽団体「グランツクァルテット」が出演。ボロディンの『弦楽四重奏曲第2番ニ長調』などを披露する。

 一般3千円、大学生以下は千円。申し込みは実行委員会【携帯電話】090・9249・3970。

小中学生が描く「町の宝」 25〜27日に絵画展

 NPO法人鎌倉ユネスコ協会主催の「絵で伝えよう!わたしの町のたからもの」の応募作品展が、12月25日(水)から27日(金)まで鎌倉生涯学習センター(きらら)地下ギャラリーで開催される。

 21回目の今年は、市内の小中学校22校から167点の作品が寄せられた。歴史的な建造物や残したい風景のほか、近年ではSDGsの取り組みも描かれている。

 鎌倉市長賞に熊倉莉良さん(御成小学校6年)、市教育委員会賞に菊一あかりさん(御成中学校2年)、日本ユネスコ協会連盟会長賞に石井万尋さん(第二中学校3年)、鎌倉ユネスコ協会会長賞に江頭晴継さん(山崎小学校5年)、審査委員特別賞に鈴木紬基さん(第二小学校3年)が選ばれた。

 展示は、午前10時から午後5時まで。入場無料。きらら鎌倉での展示後は、12月28日(土)から1月6日(月)まで鎌倉駅地下道ギャラリーで展示。

25日 参加募集 鎌倉駅周辺でクリーン大作戦

 鎌倉市観光協会は12月25日(水)、鎌倉駅周辺で「年末クリーン大作戦」を開催する。午前9時30分〜10時。ボランティア募集中(予約不要)。

 参加者には電子地域通貨サービス「まちのコイン500クルッポ」進呈。鎌倉駅西口時計台広場集合。小雨決行、雨天中止。軍手持参(トングあれば尚可)。(問)【電話】0467・23・3050

財団の襟川恵子代表(右)と襟川芽衣評議員

襟川教育財団 母子家庭の子に学資金 返済不要、来年度から

 (公財)襟川教育財団=横浜市港北区=はこのほど、シングルマザー家庭で、経済的な理由から進学や受験を諦めざるを得ない子どもたちのために、返済不要の給付型奨学金「えりかわ学資金」の募集を2025年度から始めると発表した。

 対象は県内在住のシングルマザー家庭の子どもで、中学生(2、3年生)、高校生、大学1年生で5人ずつ。応募には前年度の成績や学校長の推薦などが必要。給付額は中学・高校生が月5万円(年60万円)、大学生が同6万円(同72万円)。学習塾や通信講座、家庭教師などの受講料、参考書などの購入費などに使用可能(大学生は制約なし)。給付は卒業まで継続される。募集は25年3月17日から5月15日。7月に採否が通知される。

 同財団は、大手ゲーム開発会社・株式会社コーエーテクモホールディングス会長の襟川恵子代表が23年3月に設立。自身もシングルマザー家庭で育った襟川代表は「同じ一人親世帯でも母子家庭の年収は父子家庭の半分以下。大学進学率は通塾率と比例していることから、その負担解消に役立てば」と学資金の意義を語った。襟川代表の娘で財団の評議員を務める芽衣さんも「シングルマザーの子どもたちが安心して勉学に励んでもらえるよう支援したい」と話した。

 募集要項に関する問合せは同財団公式サイト(https://foee.or.jp)から。

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松永会長(左)とイラストレーターの島さん

大蔵頼朝商店会 「大蔵」は見どころ満載 史跡と店のマップを配布

 源頼朝が開いた「大蔵幕府」があったエリアの商店からなる大蔵頼朝商店会(松永匠一会長)では、史跡と店舗情報をまとめた新マップを作成し、配布を始めている。

 同商店会では、2022年にも大河ドラマ『鎌倉殿の13人』放送に合わせ、大河ゆかりの史跡マップを作成。今回は、11月に初開催したマルシェに合わせ、店舗情報も盛り込み完成させた。

「ヨリトモくん」も

 マップには、商店会のキャラクター・ヨリトモくん=左写真=が大蔵エリアを満喫する姿も描かれている。

 ヨリトモくんが誕生したのは、約10年前。鎌倉宮での祭りで着る商店会のTシャツにイラストを入れようと話が持ち上がった時、イラストレーターの島西太郎さんに白羽の矢が当たった。「商店会のアートイベントに出展したのをきっかけに声をかけてもらった」と島さん。以来、グッズやLINEスタンプの作成など、商店会のPRに協力してきた。

 店舗が点在する同商店会では、統一感を持たせるため、ヨリトモくん入りのぼり旗の設置やイベント開催、SNSでのPRなど、活性化に取り組む。「春には桜道の桜も楽しめます」と松永会長。マップは、三条屋大谷商店前などで配布中。

1月末まで 鎌倉文章コンクール五行歌の作品募集中

 コピーライター木村吉貴さんが代表を務める木村文章学校(市内梶原)は、「第2回鎌倉文章コンクール」の作品を1月末まで募集している。

 誰でも文章を書いて発信できる時代に、正しい日本語を見直すことを目的に実施。作品形式は、思ったことを5行の文章で表現する「五行歌」で、テーマは「友」。受賞者には賞状と副賞。前回は1066作品の応募があった。

 詳細は木村文章学校ホームページ。

28日 食料・日用品無料で配布

 物価高で生活に影響を受ける市民を対象に鎌倉市は12月28日(土)、スマイルフードプロジェクトを市福祉センター(御成町)で開催する。正午〜午後1時。予約不要。

 主食や副菜の食料パック、洗剤などの日用品を無料配布。数に限りあり。エコバッグ持参を。(問)市生活福祉課【電話】0467・61・3958

講演「被災地支援の現状」 1月18日 市福祉センター

 鎌倉市社会福祉協議会は1月18日(土)、講演会「大規模災害における被災地支援の現状〜救える命があればどこまでも〜」を鎌倉市福祉センター(御成町20の21)で開く。午後1時30分から4時まで。

 当日は、紛争による避難民や災害の被災者へ緊急支援と復興支援活動を展開するNPO法人AMDA難波妙副理事長が講師を務め、能登半島地震をはじめとした災害対応について語る。

 市内在住・在勤・在学者が対象で、定員100人。先着順。参加無料。申し込みは市社協【電話】0467・23・1075。

第77回実朝忌俳句大会 1月15日まで投句受付

 「第77回実朝忌俳句大会」を主催する(一社)鎌倉同人会が、投句を募集している。

 寄せられた句の中から、実朝賞、県知事賞、県教育長賞などを選出。句会は開催されず、入賞者には3月2日(日)以降に連絡予定。投句者全員に入賞作品一覧表を3月末までに郵送。応募作品は、源実朝をまつる白旗神社に供えられる。

 未発表の作品(ルビなし)で実朝忌、当季雑詠合わせて2句1組で、投句料は1組千円(郵便定額小為替を同封)。200字詰原稿用紙に作品と〒住所・氏名・電話番号を記載。応募は何組でも可能。

 宛先は、〒240―0033横浜市保土ケ谷区境木本町66の2の107正谷民夫さん方 実朝忌俳句大会事務局。締切は1月15日(水)(当日消印有効)。

 (問)正谷さん【電話】045・721・8570

建長寺の桜

鎌倉のとっておき 〈第176回〉 かまくら花めぐり(建長寺:早春から)

 建長寺は、1253年5代執権・北条時頼が建立した日本初の禅宗寺院。鎌倉五山第一位、所蔵する開山・蘭渓道隆(らんけいどうりゅう)を描いた頂相(ちんぞう)(絵画)、法語規則(書蹟)及び梵鐘は国宝に指定されている。裏山には、招福や火除け・厄除けなどにご利益のある半僧坊(はんそうぼう)大権現も祀られている。

 ここに咲く花といえば、早春には梅。仏殿周辺や唐門前で紅白の花がほころび始め、境内は春の甘い香りに包まれていく。

 陽春の頃は桜。三門前では、阿亀桜(おかめざくら)が濃桃色の可愛らしい花を付ける。そして染井吉野。三門前では、枝ぶりも見事な木々が量感も豊かに咲き揃い、また散りゆく様はまさに圧巻である。また半僧坊の参道、虫塚近くの桜並木も、薄紅色に輝く桜のトンネルへと変わっていく。染井吉野が盛りを過ぎる頃には、三門前や唐門前などの枝垂桜が薄紅色の花々を咲かせてくれる。

 初夏の頃は皐月(さつき)。三門前や半僧坊周辺で真紅の花々が咲き乱れる。さらに創建750年を記念して植えられた牡丹(ぼたん)。総門から仏殿までの参道や西(せい)来庵(らいあん)などで、赤や紫、黄色などの多彩な花々が競うように咲き、境内を彩る。

 この頃、半僧坊や天源(てんげん)院(いん)の参道などでは、陽光を浴びた新緑の紅葉(もみじ)が目にも眩い光を放つ。かたや方丈庭園裏の石垣では、岩煙草が紫色の清楚な花を付ける。さらに半僧坊や回春院の参道では、群生する射干(しゃが)が白い花々を一斉に咲かせてくれる。

石塚裕之