川崎区・幸区版【12月27日(金)号】

家庭系可燃ごみ 有料化導入は21% 県内自治体アンケート

 家庭系可燃ごみの有料収集(※1)を行う神奈川県内の自治体は2024年11月14日現在、6市1町あり、県内33自治体に占める割合は21%であることが、タウンニュース社のアンケート調査で分かった。国は有料化を推進しており、22年時点で全国の実施率は62%(※2)。

 アンケート調査は、11月1日から11月14日までの期間で実施。家庭系可燃ごみの有料収集の実施状況や開始時期などを問い、全ての自治体から回答を得た。

 全33自治体のうち、有料回収しているのは11月14日現在で7自治体で、全体の21%だった。

「排出量減少した」

 県内で最も早く有料化に踏み切ったのは、二宮町で1997年。2006年以降は有料化を始める自治体が増え、近年では、茅ヶ崎市が22年に有料収集を開始した。7自治体はいずれも指定のごみ袋を使い、有料化で得られた収入を指定ごみ袋の製造や処理施設の運営費などに活用している。また、今回のアンケート調査では有料化導入後のごみ排出量は、全自治体が「減少した」と回答した。

「予定ない」48%

 有料化していない26自治体のうち、10自治体が「有料化を検討中」と回答。検討理由について「ごみの減量化・資源化を進めるための効果的な施策の1つ」(相模原市)、「ごみ減量が想定通りに進まない場合の対応策の1つ」(松田町)などが上がった。

 一方、「導入予定はない」と回答したのは16自治体で、全体のほぼ半数の48%だった。「ごみの排出量が計画どおり、減少しているため」(厚木市)、「ごみ減量対策の最終手段と捉えているため」(綾瀬市)などを主な理由としている。

 川崎市も「導入予定はない」と回答。その理由について「市民の協力により、1人1日あたりごみ排出量が政令指定都市最少となるなど、減量化・資源化に向け順調に推移していることから、粗大ごみを除く家庭系ごみについては、現状、導入予定はない」とする。ただ「国や他都市の動向・実施状況等の調査研究を進めているところ」ともしている。

 ごみ問題に詳しい東洋大学の山谷修作名誉教授(経済学)は神奈川県内の状況を「総排出量が減っている模範的な例」とした。その上で有料収集については「近年開始した自治体も多いが、導入前の審議や調整に壁を感じている場合もあるのでは」と分析している。

(※1)ごみの有料収集とは、自治体へ処理手数料を支払っていることを指す。単に自治体がごみ袋を指定している場合とは異なる。

(※2)全国の家庭系可燃ごみの有料収集率は「一部有料」としている自治体を除く。

【アンケート調査の詳細は次のURLまたは二次元コードからご確認ください】

https://docs.google.com/spreadsheets/d/1gd4m5mdaf-S6BLZP49HHxgtiRkhd_ZCi74mhenRhBK8/edit?gid=516651857#gid=516651857
光量や養液の量などの管理が自動制御されている栽培台

20代続く農家・森さん 食用花の栽培に挑戦 「新しい農業の形」発信

 川崎市内で代々農業を営んできた農家の20代目が、エディブルフラワー(食用花)の生産に取り組み始めた。「キラナ・ファーム」園主の森彰人さん(32)。エディブルフラワーを個人農家が生産・出荷するのは川崎で初めてという。

 エディブルフラワーは、食用に改良・栽培された花で、レストランや結婚式場で料理をカラフルに彩る食材として人気だ。観賞用の花とは栽培方法が異なり、人が安全に食べられるように無農薬や低農薬で育てられることが一般的だ。

 森さんの実家は高津区久末地区で代々続いてきた農家で、父で19代目、自身で20代目という歴史がある。

 「幼いころから農家を継ぐと決めていた」という森さん。大学卒業後にJAセレサ川崎で7年間勤務した後、3年前に退社し、父や祖母を手伝う形で農業に従事し始めた。家族と共に約70 haの畑を管理しながら、今年9月から新たな挑戦として、エディブルフラワーの栽培を始めた。

気候変動が契機に

 きっかけは近年の気候変動だった。森家の畑ではキュウリやトマト、ブロッコリーなどの野菜を年間25〜30種類ほど栽培してきたが、猛暑や大雨の影響で収量が安定しなくなったという。森さんは「おそらくこの傾向は今後も続き、そう遠くない将来、この気候が普通になると思う」。気候に左右されない安定的な農業を目指し、考え付いたのがエディブルフラワーだったという。

 エディブルフラワーの栽培方法は様々だが、森さんは専門の業者から、花のタネから養液、栽培機材や栽培ノウハウまでをパッケージで購入した。農地の一角に建てた栽培施設(約36平方メートル)内に機材を導入。温度や湿度、二酸化炭素濃度などを制御した状態で、5色のビオラとアリッサムなどのエディブルフラワーと、バジルなどのハーブを栽培している。

 11月中旬からはJAセレサ川崎の直売所「セレサモス宮前店」で試験販売も始まり、12月からは区内のステーキハウスでエディブルフラワーを使った特製サラダがメニュー入りした。今後は首都圏のレストランや結婚式場などへも販路を広げていくという。森さんは「この方法なら新規就農者も挑戦しやすい。新しい農業のスタイルとして発信し、都市農業を盛り上げていきたい」と意気込んでいる。

様々な絵馬を前にする市川宮司

有名人揮毫 恒例の絵馬展いよいよ 稲毛神社で元日から

 川崎区宮本町の稲毛神社(市川和裕宮司)で新春の恒例行事「有名人慈善絵馬展」が2025年も元日(水)から7日(火)まで開催される。来年で47回目を迎える同展示に向けて準備が進んでおり、芸能界やスポーツ界などの著名人や文化人から直筆の絵馬が到着している。

 絵馬のデザインは来年の干支「巳」をあしらったオリジナリティーの高いものが多い。中には新年にふさわしいおせち料理、竜や桜といった縁起の良いものを描いた作品などユニークなものも届いている。

 『コスプレ☆アニマル』『女神のリーブラ』『ハニー・ホリック』などの代表作がある漫画家の栄羽弥(さこうわたり)さんは、白いヘビをくわえるように口元で持つ男性のイラストを妖艶なタッチで描いた。漫画家で『熱笑‼花沢高校』などの作者どおくまんプロさんは、大きなヘビに脅かされた3人のサラリーマンらしき男性をコミカルかつ軽妙な筆で捉えた。他にもスポーツ界からは競馬のクリストフ・ルメール騎手、パラリンピック競泳金メダリストの成田真由美選手など、枚挙にいとまがない。川崎ブレイブサンダース、川崎フロンターレ、NECレッドロケッツ川崎といった地元チームの選手からも趣向を凝らした作品が寄せられている。

 市川宮司は「今年は能登の地震に始まり、自然災害も多く起こっていますが、ぜひ参拝と絵馬展を機に新しい年を迎えてほしい」と話す。

収益は社会福祉支援に

 元日から境内には特設コーナーが設置される。気に入った作品があれば入札でき、最高価格の人が落札となる。収益は社会福祉活動に役立てられる。9日(木)から31日(金)は川崎モアーズ(川崎区駅前本町)でも展示され、同様に入札することができる。

 詳細や問い合わせは同神社【電話】044・222・4554。

詐欺を防いだ佐野さんと加藤署長

郵便局員が詐欺防止 川崎署 佐野さんに感謝状

 川崎本町郵便局(川崎区本町)の佐野憲也さんが特殊詐欺を阻止して、川崎警察署の加藤和男署長から12月12日、感謝状を受け取った。

 佐野さんは10月8日、84歳の女性客が連日ATMで出金する様子から詐欺被害を疑い、声掛けをした。具体的な確認を行うと、警察官をかたった特殊詐欺であることが判明した。女性は携帯電話に刑事を名乗る者から着信があり、「あなたは事件の犯人として疑われている。通帳に大金を保管しているのはまずいので、定期的にお金を引き出しておいてほしい」と言われ、連日50万円ずつ出金して自宅に保管していたという。

 感謝状を手にした佐野さんは「被害に遭う前に詐欺を防げて本当によかった。金融機関の職員として、今後も犯罪被害の防止に努めていきたい」と話した。

<PR>
【川崎葬祭具協同組合 Vol.4】「使用済みろうそく」の提供で、川崎市から表彰
【川崎葬祭具協同組合 Vol.4】「使用済みろうそく」の提供で、川崎市から表彰
川崎葬祭具協同組合は1955年に川崎市長の認可により設立され、市から指定を受けた創業40年以上の実績を持つ葬儀社8社と、賛助会員26社で構成されています。市... (続きを読む)
救護措置を行った4人と関係者ら

AEDで同僚救助 幸消防署が感謝状

 幸消防署(幸区戸手)は12月18日、南部学校給食センター(同区南幸町)で起きた救急事案に対応した配送業者のセントラル総業株式会社(中原区上小田中)の4人に感謝状を授与した。我妻俊一さん(56)、松村崇年(たかとし)さん(51)、小門浩さん(66)、西田治さん(71)の4人。

 小門さんは着替えの際に同僚が突然倒れたことに気づき、すぐに気道確保と胸骨圧迫を開始。「講習を受けていたので冷静に動けた」と当時を振り返る。AEDも処置し、救急車が来るまでの10分ほどの間、4人で胸骨圧迫を続けた。

 西田さんは「意識が戻るまで9日かかったが、生き返ってくれて本当によかった」と安堵する。

 永岡敦司署長は「そばにいる人の処置で助かるかどうかが決まる。地域の訓練等に参加して救護措置を学んでほしい」と話した。
プロジェクトのメンバー

「子どもの権利」の学び舎 小中高生「リーカレ」始動

 子ども自身が「子どもの権利」を共に学び、伝えあうためのプロジェクト「Leaf College Project」(リーフ・カレッジ・プロジェクト/略称リーカレ)が本格始動した。子ども自身が「子どもの権利」について啓発活動をしたり、子ども同士で勉強会を重ねることで、子どもから子どもへと、自分たちの大切な権利をつなげていくことを目指している。

 リーカレのリーフレットの「団体紹介」には、こうある。

「活動を通じてひとりでも多くの子どもに子どもの権利を使えるようになってもらうことを目標にしています」 

 リーカレを立ち上げたのは、市の「子ども会議」の子ども委員などを務める小学生から高校生の6人と事務局の大人1人。7月に団体として発足し、秋から市内外のイベントなどで「子どもの権利」の啓発活動を始めた。今後は子ども同士で勉強会を開く予定だ。

 創設メンバーの一人、高校2年の高木萌伽さん(幸区)は活動の目標について「子ども自身が『これが私の権利が守られている状態なんだ』と実感でき、何かあった時に『自分の権利が侵害されている』と気付き、意思表示できることが大事。そのためにも大人任せではなく、子どもから子どもへ、この権利を伝えていけるようになりたい」と語る。

権利を使えるように

 発端は2022年に那覇市で開かれた「子どもの権利条約フォーラム in 那覇/沖縄」だった。川崎から共に参加した高木さんと中学2年の柴田ももさん(多摩区)、そして多摩区で菅中学校区地域教育会議の議長を務める羽鳥祥子さんが、福祉のために寄付を集める法人を立ち上げた沖縄県の高校生の話に刺激され、「自分たちも何かやろう」と一致団結。高木さんが「子どもから子どもへ、この権利のことを脈々と伝えられるようにしたい」という自身の思いをプロジェクトの素案に組み入れた。

 中学1年の内村愛望(あいみ)さん(多摩区)は「自分たちの大切な権利なのに、実際に使えている子どもは少ないはず。『へー、こんな権利あるのか』で終わらずに、実生活の中でしっかり使える力を身に付けたい」と語る。高木さんは「子ども同士が安心して失敗しながら学ぶ『学び舎』のような活動にしたい。そして私たちの権利を、主体的に意味のあるものにしたい」と意気込みを語る。問い合わせは【メール】leafcollegeproject2024@gmail.com

<PR>
【LINE読者限定プレゼント】
【LINE読者限定プレゼント】
  毎月15名様に抽選で『Amazonギフト券1,000円分』をプレゼント!ギフト券以外のプレゼントもあるかも!是非チェックしてみてください。 (続きを読む)
こま遊びを体験する様子

GO!GO!!フロンターレ

冬の遊びを家族や友達と楽しもう

 川崎フロンターレは子どもやファミリー向けのイベント「冬のあそび場in富士見公園」を開催する。2025年1月25日(土)正午から午後4時、場所は富士見公園。(川崎区富士見)入場無料(一部有料)、有料駐車場あり、雨天実施。

 同イベントでは昔から日本で親しまれてきた羽根つきの絵付けやこま、けん玉、めんこなど、家族一緒に楽しむにはピッタリな遊びが体験できる。他にもマスに書かれたミッションをクリアしながらゴールを目指す「子ども体幹すごろく」や、文字そのものが笑っているように見える笑い文字を描く教室など、楽しめるブースが盛りだくさん。

 物販ブースでは沖縄小物、レジンアクセサリー、キーホルダー、ボールペンなどの販売やワークショップを実施する。遊び疲れたら、焼き団子やから揚げ、アイシングクッキーなどの飲食でお腹を満たそう。

 富士見公園で家族や友達と冬の遊びを体験しよう。詳細は富士通スタジアム川崎の公式ウェブサイトまで。

画像はいずれも川崎フロンターレ