金沢区・磯子区版【8月21日(木)号】
発表するグループ

金沢区 子どものアイデア施策に 7つの「夢」が実現へ

 子どもたちが考えるアイデアを地域づくりに生かす「地域で実現!金沢子どもの夢プロジェクト」アイデアコンテストが8月6日、金沢公会堂で行われた。コンテストでは、小学生から高校生まで7つのグループが提案内容を発表。子どもと大人の審査員が審査を行った結果、全7グループの活動が助成対象に選ばれた。

 同プロジェクトは今年4月に「横浜市こども・子育て基本条例」が施行されたことを受け、金沢区として初めて実施。区の未来を担う子どもの意見を聞き、施策に反映させようと「地域づくりのアイデア(夢)」を形にするための支援を区が行う。

 プロジェクトには7つのグループが応募。コンテストでは、【1】小柴自然公園で区にまつわる謎解きウォークラリーとコスプレコンテスト、【2】金沢まつりいきいきフェスタでエコに関するゲームブースを出店し、ゴミ削減で世代を超えた交流の場づくり、【3】金沢東部地区のイベント「葉っぴぃフェスタ」で缶バッジのワークショップなどのブース運営、【4】金沢文庫芸術祭などで衣装づくりワークショップ、【5】能見台中央公園で子ども100人で「逃走中」を実施、【6】中部でつながるふれあいマルシェで「こどもマルシェ」コーナーをつくる、【7】高齢者施設や子育て支援施設などでバイオリンやピアノの訪問演奏を行うといった提案が発表された。

子ども審査員も

 当日は、公募の子ども審査員として岩崎文音さん(富岡中3年)、永井蓮さん(富岡東中1年)、荒谷陽樹さん(六浦南小4年)の3人と、地域選出審査員として金沢南部地区連合町内会会長の鈴木正徳さん、富岡第一地区社会福祉協議会事務局長の米山博美さんが各発表の後、質疑応答を行い審査をした。

 発表したグループの一つ、「葉っぴぃにししば」は西柴中3年の田村実維さんと相澤翔太さんの2人で参加。それぞれ地域でボランティアをしていたことをきっかけにグループを結成した。金沢区から転居し中1で戻ってきた田村さんは「小さいときに町内会のイベントに参加していたことを覚えてくれている人がいて、認知されているってうれしい。地域の顔見知りを増やせたら」。相澤さんは「近所で庭の木を切るのを手伝ったりごみを拾っている人を見てかっこいいなと思った。困った時にすぐに助け合えるような関係づくりができれば」と話した。

 審査後に鈴木さんは「グループの提案発表はとても分かりやすかった。無理をせず活動を展開してほしい」、米山さんは「本番に向けて困ったこと、楽しいことがあるかもしれませんが、どれも大切な思い出になる。将来、地域の担い手になってください」などと講評した。

 各グループには最大7万円の補助金が交付され、来年2月末まで活動を実施する。

横浜市内保育所 保育士不足で定員割れ 慢性的に厳しい採用

 横浜市の保育所に関する調査によると、今年4月時点で定員割れした市内保育所は1220園中525園。うち1割以上にあたる66園が保育士不足を理由とした。市は採用と定着の両面から支援策を講じるが、経年の数字は横ばいで、改善に至ってないのが現状だ。

 同調査は毎年行われており、今年は人数で181人足りなかった。例年、同程度の園数が保育士不足で園児を受け入れられず定員割れしており、慢性的に不足している状況が伺える。

 全国的にも不足は深刻だ。こども家庭庁が今年3月にまとめた全国調査によると、直近3年程度で人材の不足を感じている施設は全国で8割以上にのぼる。また今年1月の有効求人倍率では、全職種1・34倍に対して保育士は3・78倍(神奈川県3・51倍)と、引き続き高い水準で推移する。

 市内保育所はここ10年間で400以上増加。一方、市内保育士数も毎年増加しているが、需要に追い付いていないのが現状だ。24年度に配置基準が見直され保育士1人が担当できる園児数が減ったほか、来年度から「誰でも通園制度」が全国的に開始されるなど、さらに需要増が見込まれる。

 市内で複数の保育所を運営する法人は、実習生を積極的に受け入れるなど日頃から学校との関係を密にし、採用を安定させてきた。「それでも卒業生の数自体が減少し、新卒採用が厳しくなっていると感じる」と危機感を示す。年度途中での採用はさらに深刻で、「小さな民間保育所はかなり難しいと聞く」と話す。

処遇改善を支援

 市は、保育士不足の一因とされる給料などの処遇を改善しようと、支援を拡大してきた。保育士を目指す学生に対する修学資金の貸し付けは5年間、保育士業務に従事するなど条件を満たすと全額返還免除に。また、採用から10年間は月上限8万2000円の家賃補助を行うなど、様々な施策を講じる。また希望施設に保育士確保コンサルタントを派遣するなど施設への支援も力を入れる。市担当者は「複数年にわたり課題を解決する必要があり、一気に保育士を増やすことは難しい。雇用と定着の両面で取組を続けていく」とする。

森浅間神社神輿保存会横濱森睦の会長を務める 内苑 英昭さん 磯子区森在住 51歳

神輿の活気を次代へ

 ○…森浅間神社例大祭での神輿渡御を中心に活動する神輿会の8代目会長。約30人の仲間をまとめ、神輿を通じて地域を盛り上げる。例大祭での渡御が中止となった今年は、毎年の渡御に協力する関東病院への慰問を初めて企画した。「周りの方が見てくれるとうれしいし、より力が入る。一緒に神輿を担いでくれる人は、いつでも歓迎」。神輿でつながる縁を大切に、5月から9月頃までは近隣や市内外の祭礼で「肩の貸し借り」を行う忙しい日々を送る。

 ○…屏風浦小学校、森中学校、磯子高校の卒業生。先に始めていた兄の影響で、小学生の頃に森浅間神社神田囃子森保存会で囃子を始めた。囃子で例大祭に参加する中で神輿がある風景が身近にあり、「大人に混じって担ぎたかった」と、20歳手前で横濱森睦の一員に。地元にとどまらず、つながりのある地域の神輿会からの声掛けに積極的に応じ、各地で神輿を担いで回った。

 ○…普段は金沢区幸浦の(株)ナカジマ商事で、トラックドライバーとして勤務する。神輿のない時期には、趣味のキャンプで月に何度か山で過ごす。「何をするわけではないけど、山の中で過ごすのが好き」

 ○…15年ほど前に会長を引き継ぎ、今では歴代で最も長く務める会長となった。就任当初は周囲の団体より若い30代での会長で、「年上の会長たちと肩を並べるのは苦労もあった」。それでも「祭りがなくても一緒にいる」仲間たちと団結し、活動を続けてきた。会の発足50周年の節目を数年後に控え、会長を引き継ぐ準備も進めている。「昔から神輿がある風景が当たり前だった。自分が手をひいて、なくなるのは寂しい」。仲間と一枚岩となり、まちに神輿のある風景を残していく。

車いすに乗る患者らの前で披露された神輿や囃子

患者に祭り気分を 神輿会が関東病院を慰問

 磯子区の森浅間神社神輿保存会横濱森睦(内苑英昭会長=人物風土記で紹介)は8月15日、同区森の関東病院前で神輿を担いで同院の患者やスタッフらを慰問した。

 毎年8月14日・15日に同神社の例大祭が開かれ、例年は神輿の渡御が行われてきた。同院は神輿休憩所の一つとして10年以上前から協力。しかし、今年は酷暑のために渡御が中止になったため、森睦が森浅間神社神田囃子森保存会の協力で慰問を企画した。午後2時頃に神輿が同院前に到着すると車いすに乗った患者やスタッフたちを前に、森睦や近隣の神輿会などから集まった人々が威勢のいい掛け声に合わせて神輿を担いだ。「患者さんにとっても良い思い出になると思う」と同院の梅川淳一院長。内苑会長は「いつも快く協力いただく皆さんに、少しでも喜んでもらえら」と思いを語った。

たきがしら会館 体育室を無料開放

 たきがしら会館=磯子区滝頭=は夏休み企画として、体育室の無料開放を行っている。日程は本日8月21日と26日(火)・28日(木)の午後3時10分から4時40分。事前申し込み不要。対象は小学生とその保護者や監督者。

 バスケットボール・バドミントン・卓球の用具貸し出しもある。室内履きは各自が持参。26日には同館を練習拠点とする横浜ビー・コルセアーズの選手も参加するバスケ体験会も実施。申し込みは前日25日から同館HPで受付。(問)同館【電話】045・752・4050

ソーラン節を踊ろう 8月28日、金沢地区センター

 障害児者や家族、支援者のこころをつなぐ居場所を作る「ここまる」は8月28日(木)、金沢地区センター体育館で、「ここまるソーラン節体験」を行う。午前10時から正午。冷房完備。

 レッスンは10時から11時半で、踊れなくても参加可能。水分補給のための飲み物、タオル持参、動きやすい服装で。参加費1人100円。申し込みは専用フォームから。

 (問)ここまる【メール】cocomarucocomaru888@gmail.com

富岡で商店街プロレス 31日、観戦無料

 金沢区の富岡みどり会商店街で8月31日(日)、商店街プロレスが開催される。はまと脳神経外科クリニック駐車場=富岡西7の19の13=が会場で、午後3時からイベント開始。観戦無料。

 大日本プロレスと横浜市内の商店街がタッグを組む企画。レスラーによる迫力のある試合を間近で観戦できるだけでなく、子どもプロレス教室なども行われる。当日直接会場へ。

水風船を投げ合う児童たち

水風船投げ合う熱い夏 汐見台小に児童200人

 磯子区の汐見台小学校で8月2日、大量の水風船で遊ぶイベント「スプラバルーン2025」が開かれた。浜小学校おやじの会が主催、汐見台小学域の青少年指導員、山王台小PTAが共催。

 3年目を迎えた今回から山王台小が加わり、浜、汐見台、山王台の3校から児童約200人が集結。約2万個の水風船が用意され、児童たちは水風船や各自が持参した水鉄砲などを使ったゲームを楽しんだ。同会の横山昌平会長は「子どもたちの笑顔がたくさん見られた。お手伝いいただいた皆様に感謝の気持ちでいっぱい」と話した。

優勝した高舟台レッドソックスの選手たち=同チーム提供

高舟台が初の県制覇 小学生ソフトボール

 金沢区の小学生ソフトボールチーム「高舟台レッドソックス」がこのほど、「第46回夏季神奈川県少年ソフトボール大会」で優勝し、チーム創設以来初めての県制覇を成し遂げた。

47年目で悲願

 同大会には県内から43チームが出場。トーナメント戦で優勝を争った。高舟台小の開校に合わせて創設された同チームは創設47年目。現在は同校や大道小の子どもたちを中心に年長から小学6年まで19人が所属する。夏の県大会では準優勝が最高成績で、悲願の優勝を目指して今回の大会に臨んだ。

 高舟台は初戦から順調に勝ち上がり、準決勝で同じ金沢区内の六浦睦スネークスに8対1で勝利。決勝戦では熱中症やけがで離脱する選手が出たものの、チームで団結して乗り切って富水ジャガーズ=小田原市=を5対1で下した。大会を振り返り「選手たちがバントや走塁、守備などやるべきことをコツコツやってきた成果。誰か一人ではなく、皆が均等に活躍してくれた」と本田英男監督。キャッチャーでキャプテンの福本宗谷さん(高舟台小6年)は「熱中症とかで出れない選手がいても、冷静になるように意識して声をかけられた。皆で目指してきた舞台で勝ててうれしかった」と喜びを語る。

 次に目指すのは、11月に行われる秋の県大会だ。夏の覇者として、夏秋県連覇に挑む。福本さんは「皆が率先して練習に取り組み、声を掛け合えるチーム。県で夏秋連覇を目指したい」と話した。

杉田劇場でオペラ公演 9月1日、入場無料

 声楽家団体アンフィニは磯子区民文化センター杉田劇場で9月1日(月)、公演「オペラを歌おう」を開催する。午後2時開場、2時30分開演。入場無料、当日先着順で申し込みは不要。同公演は、「オペラの名曲を楽しく歌いたい」という声楽愛好家が集った講座で、市内7区で開催している。

 今回の公演では磯子区、南区の受講生と、オペラ講師、ピアニストが演奏する。第1部では全体の演奏、2・3部では受講生のソロ演奏、4部では講師による演奏を実施。磯子区の講座は毎週同所で行われている。同団体の秋山泰一代表理事は「オペラの素晴らしさと参加者の情熱を感じてみてください」と来場を呼び掛ける。問い合わせは同団体【電話】045・433・5510。

受付フォーム画面の一部=横浜市提供

横浜市 盗撮事件で相談窓口 専用フォームなどで受付

 横浜市立小学校教諭が性的な画像の撮影等で逮捕された事件を受け、市教育委員会は7月22日から学校で発生するセクハラ(セクシュアル・ハラスメント)の相談窓口を開設した。不安を持つ児童生徒が相談できる専用フォームで、心のケア充実へ対策を講じた。

 市教委はオンラインと電話で受け付ける相談窓口を新設した。悩みを抱える児童生徒に寄り添うため、窓口対応はスクールソーシャルワーカーが行い原則として、翌営業日中に相談者に対し、架電で対応していく。

 窓口開設後の7月29日までに、受付フォームからの相談は2件あった。市は、小学生低学年でも質問の意味が分かるように、平仮名等で記した受付フォームと主に中高生向けの2種類を用意。市教委不登校支援・いじめ対策課担当者は「寄せられた相談には、内容を精査して必要な支援につなげていく」と話している。

教職員向け研修実施へ

 市は同事件を受け、子どもの心理や犯罪学、教育専門家ら5人からなる対策検討委員会を7月中旬に設置。夏休み中の対応を急いでおり、逮捕された教諭が直近まで勤務していた学校内を専門業者が点検する。また、学校内で使う隠しカメラ捜索用機器を試験的に導入し、全校での安全点検に活用していく。さらに、教職員向けに、犯罪学に詳しい公認心理師による不祥事防止研修と、服務規律等を専門家に学ぶ研修が8月下旬と9月に行われる予定。委員で講師を務める(学法)桐蔭学園の溝上慎一理事長は教職員向けの緊急的な研修に理解を示した上で「情報倫理の問題であり、児童生徒を対象にした研修、授業等もあわせて必要ではないか」と語る。

増える懲戒処分

 文科省によると、23年度に全国で性犯罪・性暴力等で懲戒処分などを受けた教育職員は320人で、そのうち児童生徒性暴力等は157人。22年度の119人と比較すると、38人増え、状況は悪化している。市立小に通う娘を育てる30代の母親は「目視と探知機などで対策を取り保護者に報告してほしい」と話した。

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講師の山田氏=同センター提供

「側弯症」の無料講演会 9月6日、南公会堂

 横浜市立脳卒中・神経脊椎センター=磯子区滝頭=は9月6日(土)、市民講演会「いま知っておきたい小児と成人の側弯」を開催する。会場は南公会堂(阪東橋駅徒歩約8分)で、午前10時から正午まで。入場無料。

 講演は3部制。第1部は同センター副病院長・整形外科部長・手術部長の山田勝崇氏が、小児から成人・高齢期まで幅広い年齢層の人が発症する「側弯症」について解説。続く第2部は南消防署警防課の救急救命士・中山哲司氏が「救急隊からみた家庭内の事故予防」、第3部は理学療法士の駒場佳世子氏が「ロコモティブシンドローム予防」について話す。

 定員500人。事前申し込みは不要、当日直接会場へ。

 問い合わせは同センター地域連携総合相談室【電話】045・753・2500。

緑ケ丘高校卒業生 混声合唱団が団員募集 磯子区で月2回練習

 横浜緑ケ丘高校の卒業生を中心としたメンバーで構成される混成合唱団「牧陵合唱団」は現在、団員を募集している。

 月2回、日曜日の13時〜15時30分に磯子区の横浜市社会教育コーナーで卒業生の指導のもと練習している。「経験がない方も安心してスタートできます」と団員。(問)松原さん【メール】bokuryouchorus@gmail.com

山中氏再選 市政の先頭で語る姿を デスク・レポート

 ▼横浜市長選挙は現職の山中竹春氏が約66万票を得て再選された。得票率は52%で、ほかの新人5人を大きく引き離しただけに、圧勝と言っていいだろう。市民は山中市政の継続を選択した。

 ▼選挙戦で山中氏は、就任以降進めてきた子育て支援策などにより、転入者が増えて人口増につながったことを成果として強調。それを次の4年間でさらに進めたいと訴えた。街頭で山中氏が配るビラを受け取った子育て世代から、支援策に感謝する言葉も出ていたという。全国で人口減少と少子化が進む中、定住や移住を目的にした自治体間の子育て支援策競争は激しさを増している。山中氏が公約に掲げていた18歳までの小児医療費無償化は、すでに周辺自治体の多くで実施されているが、横浜での実施には財政面の課題がある。今回も争点となった中学校給食は、来年度から工場で作られた弁当を学校に運ぶ形式を全員実施する予定。ただ、選択制の現時点でも温かさの課題や異物混入が相次ぐ衛生面の懸念がある。

 ▼掲げた公約を進めるには、市の財政基盤を整え、安定的な財源を確保することが求められるだろう。今年度は過去最高の市税収入を見込むが、約半数は個人市民税。その割合はほかの政令市に比べて高く、将来の人口減少に不安を残す。山中氏の就任前から市が進めてきた企業誘致だけではなく、中小企業をはじめとした足元の経済を支える努力も必要だ。

 ▼選挙期間中には民間企業などが主催した討論会が2回行われた。いずれもネットで生配信され、それぞれ、リアルタイムで数千人が視聴。しかし、候補者6人のうち、山中氏だけが不参加だった。その理由を「市民と直接ふれあうため」と説明したが、堂々と議論してほしかった。山中氏は告示日の第一声で「横浜の力を結集し、今生まれている好循環をさらに発展させていく。その先頭に山中竹春を立たせてください」と勇ましく語った。2期目の市政の先頭に立つならば、批判の矢面に立ってでも、自らの言葉で議論する姿を見せてほしい。

ヘリを使った連携訓練=横浜市大提供

横浜市立大学と横浜市が災害対応へ連携協定 航空消防隊のヘリに医師が同乗へ

 横浜市立大学と横浜市は8月5日、「航空消防活動における医療連携に関する協定」を締結した。

 協定は災害や重大事故発生時に、医療と消防の連携体制を強化することを目的とするもの。協定に基づき、同大附属病院の医師が市消防航空隊のヘリに同乗して救命・災害対応を行うことで、搬送中に高度な救命措置が可能となり、救命率の向上が期待される。

 同日に横浜ヘリポート=金沢区福浦=で協定締結式が行われた後、ヘリの実機を使った消防航空隊と医師による連携訓練も実施された。同大附属病院の遠藤格病院長は「患者さんファーストをモットーにしているので、ヘリに医師が同乗して現地に赴き救命活動を行うことでお役に立てることを大変うれしく思う」と話した。

教員(左奥)の話を聞く学生ら

教員と教員志望学生が語り合う 横浜市が対話企画

 横浜市立学校に勤務している教員と教員志望の学生らが語り合う企画が8月19日、市役所で開催された。

 市教育委員会は、学校現場で働く教員を「地上の星」と例え、参加者に横浜市の教員として働くことを具体的にイメージしてもらうことを期待して、この場を設けた。

 イベントには、会場とオンラインを合わせて大学生と高校生24人が参加。旭区の若葉台小学校と若葉台特別支援学校の教員4人が、両校で取り組むインクルーシブ教育について説明したほか、教員の一日のスケジュールを紹介した。その後、学生たちは4グループに分かれ、教員に直接質問するなどして交流を深めた。

 参加者から「子どもとどのようにコミュニケーションをとれば良いか」といった、より現場に即した質問が出た。これに対し、教員からは「子どもと同じ目線で話すこと」「子どもと全力で遊ぶこと」などの実践的なアドバイスがあった。

 すでに横浜市の教員採用試験に合格しているという大学4年生は「子どもの前に立つことに不安があったが、教員がチームとしてクラスを支えていることを知り、安心できた」と感想を述べた。若葉台小学校の教員は、「学生の『先生になりたい』という強い意欲が伝わってきて、私たちも刺激を受けた」と語った。

 市教委の担当者は、「今後も学生に『横浜市で働きたい』と思ってもらえるような企画を続け、同時に教員にも活力を与えられるような取り組みを進めたい」と話した。

特撮ヒーローが登場した

宇宙刑事が横浜で緊急通報の適正利用を呼び掛け

 神奈川県警察、海上保安庁、横浜市消防局は8月7日、緊急通報の適正利用を呼び掛ける合同キャンペーンをそごう横浜店地下2階正面入口前で行った。

 市によると、2024年の緊急通報は、県警の110番が約107万件、海上保安庁第三管区の118番が約17万件、市消防局の119番が約37万件。だが、そのうち緊急性の低い通報は県警が約30%、海上保安庁第三管区が約99%、市消防局が約20%だった。無言電話やいたずら電話のほか、「お弁当を買ってきて」などの常識を逸脱した要求もあったという。

 県警はこうした不適切な緊急通報を減らそうと、同じ悩みを持つ海上保安庁と市消防局に啓発活動を提案。特撮ヒーローと共に緊急通報の適正利用を呼び掛ける合同キャンペーンを実施することにした。

 当日は、特撮ヒーローの宇宙刑事シリーズに登場するキャラクターの「ギャバン」「シャリバン」「シャイダー」が一日緊急通報アドバイザーとして登場。ヒーローポーズを決め、警察官らと共にボードなどを用いて緊急通報の適正利用を通行人に訴え掛けた。

 キャンペーンを見学した男性は「より多くの人命を救うためには、一人ひとりの思いやりのある行動が大切だと改めて実感した。身近な人に呼び掛けたい」と話した。

星稜中戦を終えてスタンドにあいさつする横浜クラブの選手やコーチら

「中学生の甲子園」 横浜クラブは準々決勝敗退 横浜スタジアムで全日本少年軟式野球大会

 中学校の軟式野球日本一を決める「第42回全日本少年軟式野球大会ENEOSトーナメント」が8月11日から15日まで横浜スタジアムで行われ、開催地代表の「横浜クラブ」は1回戦を突破したが、13日の準々決勝で石川県の星稜中学校に敗れた。

 大会は全国12ブロックの予選を勝ち抜いた16チームによるトーナメント戦で争われ、「中学生の甲子園」とも呼ばれている。「横浜クラブ」は市内150校の中学野球部から選抜された選手20人で構成されている。昨年秋に選考があり、そこから練習を重ねてきた。

 12日の1回戦は静岡県の東海大学付属静岡翔洋高校中等部と対戦し、2―0で勝利。先発の青木佑真選手(丸山台中3年)が5回無失点の好投を見せ、捕手の渡部海翔選手(市場中3年)が連続で盗塁を阻止するなどして守り勝った。

 13日の準々決勝は2024年大会で敗れている星稜中との対戦。星稜中は春の全国大会を制しており、優勝候補と見られていた。試合は横浜クラブが3回に集中打を浴びて5点を失い、主導権を奪われた。打線も相手エースの服部成選手の速球に苦しんで得点できず、0―7で敗れた。

 主将としてチームをまとめた岸凛太郎選手(本牧中3年)は「1勝できたが、もっとできたかなという思いもある。チームでは人間的にも成長することができた」と話し、高校でも野球を続けたいとした。横浜クラブの福元博紀監督(上永谷中教諭)は星稜中戦を「微妙なズレで守り切れなかった」と振り返った。チームに関しては「戦いの中で一歩ずつ成長につなげられた」と評価し、横浜の中学野球全体のレベルアップを図りたいとした。

 大会は栃木県の作新学院中等部が星稜中との決勝戦を制し、初優勝を飾った。

全国学力調査 横浜市の児童生徒 算数・数学 全国正答率上回る ICT機器使用との関連性も

 横浜市はこのほど、4月に行った「全国学力・学習状況調査」の結果を公表した。この中で算数・数学の正答率が全国平均に比べて高いことが分かった。

 調査は市内の小学6年生(約2万7千人)と中学3年生(約2万3千人)を対象に、国語、算数・数学、理科の3科目で実施。小学生の算数は、全国平均の正答率が58%だったのに対し、横浜市は60%だった。中学生の数学は、全国平均が48%だったのに対し、横浜市は52%と4ポイント上回った。国語と理科の正答率も全国平均と同等か、やや上回った。

 調査では、タブレットなどのICT機器の授業での使用頻度と学力の関連性も分析された。その結果、機器の使用頻度が高い児童生徒ほど、算数・数学の正答率が高い傾向が明らかになった。

小学生の使用頻度高く

 市では小学生はiPad、中学生はノートパソコン(クロームブック)を使っている。特に小学生で「ほぼ毎日」使用している児童は半数を超えており、全国平均に比べて約28ポイントも高い。市教育委員会は「ICT機器の使用頻度と算数・数学の正答率には関連性がある」とみている。

 市は児童生徒が持つICT機器を通して学習状況を把握する試みを続けている。また、機器で見られる学習に役立つ動画も増えており、市教委は「教員の時間確保にもつながっている」と利点を強調する。調査結果から「ICT機器の有効活用によって、多様化する児童生徒の課題に寄り添った授業改善を進めることが大切だと分かった」としている。

「一点透視図法のまち」=区役所提供

金沢区役所と横浜市大がタッグ 学生が地域の魅力を写真で発信 抽選でプレゼントが当たるキャンペーン実施中

 横浜市立大学の学生たちが見つけた「金沢区の隠れた魅力」をインスタグラムで発信し、気になる写真に「いいね!」をすると賞品が当たる「金沢区Instagramフォロー&いいねキャンペーン」が行われている。主催は金沢区役所、共催に横浜市立大学。

 キャンペーンは、金沢区役所の職員と同大の教員による「金沢区研究会」の合同ミーティングをきっかけに企画。同大国際教養学部の角田隆一准教授の「社会学入門」の授業で、学生たちが金沢区を実際に歩き、撮影した写真を通して地域の魅力を発信する。インスタグラムでは制作者の作品説明や角田准教授の講評と共に12点の写真が掲載されている。

 参加方法は金沢区公式インスタグラムをフォローし、キャンペーン対象写真のいずれかに「いいね!」する。参加資格は非公開でないインスタグラムアカウントを持ち、日本国内に賞品を届けられる人。抽選で「ぼたんちゃんオリジナル図書カード(30人)」や横浜市市立大学公式グッズ(5人)をプレゼント。締め切りは9月1日(月)午前9時。

 詳細は金沢区役所のホームページで確認を。問い合わせは同区役所区政推進課【電話】045・788・7721。

「核兵器や戦争のない世界の実現へ」 戦後80年で山中市長がコメント

 終戦から80年の節目となる8月15日に合わせ、横浜市の山中竹春市長がコメントを発表した。コメントは次の通り。

 本日、戦後80年の節目となる終戦の日を迎えました。私たちは、先人の方々が経験してこられた苦難と私たちが享受している平和の尊さを心に刻み、核兵器や戦争のない世界の実現に向けて取り組んでいかなければなりません。

 分断や対立が深まる国際情勢において、戦争の悲惨さ、平和の尊さを次世代に語り継ぎ、平和の実現に向けて行動していくことは、今を生きる私たちに課せられた責務です。

 国連に認定されたピースメッセンジャー都市である横浜市はこれからも、あらゆる核実験への抗議を行うとともに、子どもたちが国際平和について考えるプログラムなどを通じて、平和の尊さを若い世代へと受け継いでまいります。そして、姉妹都市をはじめとする国際交流、新興国への国際協力、国際機関との連携、多文化共生など多岐にわたる取組を進め、誰もが心豊かに暮らせる平和な世界の実現に向けて、力を尽くしてまいります。

画像提供:横浜ビー・コルセアーズ

横浜ビー・コルセアーズ 横浜アリーナで初のホーム戦

 横浜ビー・コルセアーズは今シーズン、横浜アリーナ=港北区=を会場にホームゲームを初開催する=写真。日程は来年3月7日(土)・8日(日)。レバンガ北海道を相手に、クラブとして新たな歴史を刻む。

 Bリーグファイナルの舞台として、約1万3千人の大観衆が詰め掛けた実績のある横浜アリーナ。2026年に開幕するBプレミアを見据え、国内最大級の多目的アリーナでクラブとして新たな試みに挑戦する。7月の新体制発表の場で白井英介代表取締役は「ファイナルで使われている舞台で選手・スタッフたちの経験値を蓄えて、チャンピオンシップ出場の先のステージを目指していく」と語った。

たまプラーザ駅前での合同演説会に参加した(左から)田中氏、福山氏、小山氏、斉藤氏(7月20日)

2025横浜市長選・回顧〈中〉 山中市政2期目へ 候補者並ぶ 異例の演説会

 市長選が告示された7月20日の午後、青葉区のたまプラーザ駅前には候補者4人が車上に並び立ち、「合同演説会」が開かれた。真夏の日差しが照りつける中、小山正武氏、田中康夫氏、福山敦士氏、斉藤直明氏の順にマイクを握り、主張を聴衆に訴えかけた。その後は横浜駅前でも同じメンバーで演説会が行われた。当選者が1人だけの首長選で、ライバルとなる候補者同士が合同演説会を開くのは極めて珍しい。

参院選投開票日で演説場所制限

 この状況は、市長選告示日が参議院議員選挙の投開票日という異例の日程によって生まれたものだった。公職選挙法では、2つ以上の選挙が行われる場合、投票所が開いている時間帯には、投票所を設けた場所の入口から300m以内で街頭演説を行うことが禁止されている。投票に影響を与えないための制限だが、事前に各陣営からは「どこが禁止区域なのか分からない」との声が出ていた。そこで、陣営が協議し、「安全地帯」での合同演説会を企画。賛同した4人が参加し、高橋徳美氏と現職の山中竹春氏は不参加だった。参加した陣営は「有権者が候補者の政策を聞く機会を提供したかった」と口をそろえ、演説を聞いていた人からは「複数の候補者の話が聞けて比較がしやすい」との感想が聞かれた。

ネット討論会「投票の参考になった」

 選挙期間中、討論会が2回開かれた。7月24日、ビジネス動画メディア「リハック」の運営会社が行ったネット討論会には山中氏を除く5人が参加。それぞれが主張を述べた後、候補者同士で質問をぶつけ合った。この様子はユーチューブで生配信され、約5千人が視聴。録画も見られ、30万回以上再生された。視聴者からは「こういう討論会が見たかった」「投票の参考になった」などのコメントが寄せられた。2日後にも中区で合同個人演説会・公開討論会が開かれ、リハックの時と同じ5人が出席。約100人の来場者の前で議論した。

 合同演説会、討論会ともに当選した山中氏は参加しなかった。山中氏はその理由を「市民と直接ふれあう時間を作るため」と説明したが、他の5人からは「ともに討議をしながら(政策を)伝えてほしかったので残念」(斉藤氏)との声が相次いだ。

 市長選の投票率は41・64%で前回を7・41ポイント下回った。ネット上では「直前にあった参院選に比べて市長選の情報が少なすぎる」という意見も多く見られた。愛知県新城市は、2020年に市長選立候補予定者による公設の政策討論会を制度化する条例を設けるなど、新しい動きもある。横浜市の有権者は300万人を超える。今後も情報を届ける工夫が求められる。