さがみはら南区版【11月6日(木)号】
今年行われた相模の大凧まつり=新磯まちづくりセンター提供

相模の大凧まつり 物価高、運営資金募る 市がふるさと納税活用

 相模原市を代表する伝統行事「相模の大凧まつり」の運営費確保のため、相模原市はふるさと納税制度を活用したガバメントクラウドファンディング(GCF)で寄付を募っている。昨今の物価高騰や警備費増加などにより、財源確保が課題となる中、伝統文化と大凧製作技術の継承に向けて、広く支援を呼びかけている。

 相模の大凧まつりは、天保年間(1830年ごろ)から続き、子どもの成長、五穀豊穣、社会の安寧などを祈念し行われてきた。新戸・上磯部・下磯部・勝坂の4地域の各保存会が大凧を作り、毎年5月4日と5日に相模川河川敷で揚げている。毎年揚げられる凧のサイズとしては日本一の大きさとされ、2025年度には2日間で延べ16万5000人が来場した。

 運営するのは、相模の大凧文化保存会の会員らで構成される実行委員会。運営費は相模原市からの補助金と企業の協賛金、地元住民からの寄付、各地区保存会の会費などで捻出してきた。しかし、近年の物価高や会員減少などにより、財源確保が課題となっている。同実行委員会の八木亨委員長は「これまで通りのやり方で、来年も継続してできるという状況ではなくなってきた」と危機感を募らす。

 ここ数年は観客の増加に伴い安全面から警備員を増員。今年は2日間で80人以上動員している。また、大凧で使用する和紙の価格は10年前と比べて2倍になったという。

 こうした状況から同実行委員会も協賛企業集めに奔走した。3年で倍増し、現在15社に上る。

 八木さんは「あと5年ほどで相模の大凧まつりは200年の節目を迎える。今回の制度を活用することで、支援もそうだが大凧まつりを全国的にPRできることにも期待たい」と話す。

目標200万円

 募集期間は12月14日まで。目標金額は200万円に設定されている。寄付金は準備・開催経費や製作費、広報宣伝費などに充てられる。

 GCFは、自治体や返礼品から寄付先を選ぶ従来のふるさと納税とは違い、寄付の使い道から寄付先を選ぶことができる。市内外を問わず寄付が可能。詳細や申し込みは相模原市のウェブサイトから確認できる。
表彰式に参加した中和会の会員たち

中和田 ゴルフコンペが500回 愛好家で発足58年

 中和田地域で結成されたゴルフ愛好会「中和会」のゴルフコンペが10月31日、開催500回を迎えた。会発足から58年、時代に合わせた会則の改定など、会員たちの「ゴルフが好き」という思いが運営を支えている。

 中和会は、中和田地域を中心としたゴルフ愛好家たちによる団体。現在の会員数は24人。月に1回、コンペを開催している。

 同会が発足したのは1967年10月23日。中和田在住、在勤、出身者を入会条件として結成した。「中和田ゴルフ第1回大会」と称し、5組20人で「藤沢パブリック」(現在・小田急藤沢ゴルフクラブ」(綾瀬市)を回った。

 同会で最も古く、80年頃に入会した藪下千秋さん(85)は発足の経緯について「中和田のゴルフ熱が高かったのでは」と推測する。当時、中和田には近隣の相模カンツリー倶楽部に勤めるキャディが多かった。また、戦後の日本ゴルフ界を牽引した名手・中村寅吉さんの親族が「中和田出身だった」という。

 80年代には、会員数は過去最多の42人となった。入会希望者の多さに、総会で会員の審議を諮るほどだった。

 バブル崩壊後に会員は9人に減少。それに伴い、入会条件を見直し。中和田の近隣地域の住民や会員の紹介による入会が可能となった。

地域交流の場に

 10月31日に行われた500回記念コンペは偶然にも第1回目と同じ小田急藤沢ゴルフクラブで行われた。同会の古木幸一会長が「心配していた天気も晴れ、500回記念を無事に終え良かった」とあいさつした。

 記念コンペで優勝した山村秀彦さん(55)は親子2代で在籍している。山村さんは「自分が生まれる前から行われているコンペ。私設クラブでこれだけ続いているものは珍しいのでは。ゴルフを通じて地域の方と交流できることは素晴らしいことだと感じる」と語る。

 同会には55歳から85歳まで、性別問わず在籍している。「誰でも優勝の可能性があるように」同会独自のハンディキャップやルールを定めている。

 藪下さんは「誰でも平等にゴルフ楽しめる。ゴルフが好きだからここまで続いた」と語った。

創立25周年を迎える男声コーラス「ラルゴ」で会長を務める 阿部 義宏さん 御園在住 89歳

歌があれば元気

 ○…「メンバーが高齢化しているけれど、よくここまでやってこれた」と四半世紀の思いを語る。自身は約20年前、近所の仲間に誘われたことがきっかけ。若い頃から歌うのが好きだったこともあり、コンサートを見てすぐに入会した。続けられたのは、歌うことの楽しさとそこから活力が得られたのが理由。その楽しさとは歌詞に沿った情景を考えたり思い出を重ねたりしながら声を響かすことだという。

 ○…東京都世田谷区出身。銀行員として働き、定年後は地域ボランティアに尽力した。読書や散歩など張り切って作ったタイムスケジュールが狂ってしまうほど。保育園の子どもたちと遊んだり、高齢者施設で歌ったりしていた。「みんなの楽しそうな顔を見ていると『やってて良かった』と思う」と振り返る。「長生きの秘訣は歌とボランティア」

 ○…趣味は園芸や旅行だが、2年ほど前から膝を悪くしているため、外出が難しい。最近は「間食は良くない」と思いつつ、ビスケットやチョコレート、あんこなど甘いものを食べるのが好き。妻と共に月に数回、地域のサロンに参加し、交流を楽しんでいる。「歌集の企画をしたり、みんなで話したりして充実している」

 ○…年数を重ねるごとに平均年齢が上がっているため、会員を増やすことが目標。コロナ禍以降止まっていた老人ホームでのコンサートも再開したい。「聴いた人が泣いたり、一緒に歌ってくれたりしてくれるのが嬉しい。特にそれが軽度の認知症の人だと、こっちまで泣いてしまう」と話す。「1年1年しっかり生きていたい。すぐに歌を辞めることはないだろうが、体力がなくなるまで何とか頑張っていきたい」とその声はこれからも思いを乗せていく。
フェア告知チラシ

参加無料 相模原市とカインズが連携する「消防・防災フェア」 11月15日、カインズ相模原愛川インター店で

 相模原市は、包括連携協定を締結している株式会社カインズと連携し11月15日(土)、「くみまち消防・防災フェア in さがみはら」をカインズ相模原愛川インター店駐車場で開催する。

MR専用ゴーグルを着けて消火体験

 全国の消防本部で初めて導入されたMR(複合現実)初期消火体験をはじめ、地震の揺れを体験できる起震車体験、消防車・救急車の乗車体験、消防士防火服の着用体験など、盛りだくさんの内容となっている。

 感震ブレーカーや家具転倒防止器具、防災に役立つ新製品などの展示もある。

イベント体験者にはガチャチャンス

 午前10時から午後2時まで。参加無料。イベント体験後に景品がもらえるガチャへのチャレンジ権など、参加特典も用意されている(景品の数には限りあり)。消火器を購入すると、1点購入につき、同等の消火器1点を無料で引き取るサービスも実施される。

 問い合わせはMR初期消火体験やフェア全般など防火に関することは市消防局予防課【電話】042-751-9117、感震ブレーカーや家具転倒防止器具など防災に関することは市危機管理統括部【電話】042-769-8208。
合同作品の出演者

相模原市洋舞連盟 12団体が合同公演 11月23日 グリーンホール

 相模原市洋舞連盟が11月23日(日)(祝)、相模女子大学グリーンホール(南区相模大野)の大ホールで公演会を行う。

 この公演は相模原市民文化祭の一環で、同連盟に所属する12団体が出演。フラメンコ、クラシックバレエ、モダンバレエなど10団体による発表と8団体による合同作品「木靴の踊り ナポリターナ『ライモンダ』よりマズルカ」を披露する。

 午後5時開場、5時30分開演。入場無料。全席自由。観覧には整理券が必要。問い合わせは同連盟の北島さん【携帯電話】090・1426・2278へ。
昨年の様子=主催者提供

介護ウィーク 高齢者施設で催し 11月11日から 市内17施設

 高齢者福祉施設による地域貢献イベント「介護ウィーク」が11月11日(火)から18日(火)まで市内各所で開催される。一般社団法人相模原市高齢者福祉施設協議会などが主催。

 今年は市内17事業所が参加。福祉器具体験や防災士による講演、バザーなどの催しが行われる。

 南区内の参加事業所は、特別養護老人ホーム東林間シニアクラブ(上鶴間)、特別養護老人ホーム相模原敬寿園(磯部)、シルバータウン相模原特別養護老人ホーム(大野台)、たけのうち福祉会古淵デイサービスセンター(中央区東淵野辺)、はなさか(磯部)。認知症予防の講演や芋煮会、コグニサイズの体験などが行われる。

 各事業所の日程や会場は同協議会ウェブサイトで確認を。問い合わせは同事務局【電話】042・707・1136。
練習熱心な団員たち

25年の歴史を響かせる 11月22日、南市民ホールで

 区内を拠点に活動する男声コーラス「ラルゴ」(阿部義宏会長=人物風土記で紹介)が「創立25周年記念コンサート」を11月22日(土)、相模原南市民ホール(相模大野5の31の1)で開催する。

 同団は2000年に設立。現在は18人が所属し、団員の平均年齢は84歳。第74回相模原市合唱連盟合唱祭では「あじさい賞」を受賞している。

 曲目は「Ombra mai fu(Largo)/樹木の蔭で(ラルゴ)」や中村八大作曲の「遠くへ行きたい」など日本歌曲や外国の民謡など。指揮は小黑健裕さん、ピアノは大熊かをりさんと湯山京子さん。

 午後1時開場、1時30分開演。入場無料。問い合わせは阿部さん【電話】042・743・7265。

 「歌だけでなく、シニアの元気な姿もぜひご覧ください」と同団。

さがみはらフェスタ テーマは「遊園地」 11月8・9日

 昨年7万人の来場があった大規模屋外イベント「さがみはらフェスタ」が11月8日(土)・9日(日)に開催される。会場は相模総合補給廠一部返還地。遊園地をテーマにした多彩な企画が予定されている。

 当日は特設ステージで『おかあさんといっしょ』の「ファンターネ!とあそぼ」をはじめとするショーが展開されるほか、夜空を彩る幻想的な「サガミハランタン」=写真=などフォトジェニックな企画がある。飲食・物産エリアには定番グルメやご当地料理、激辛フードなどの多くの店が並ぶ。

 エアー遊具など子ども向けの企画が充実しているのも今年の特徴で、東正充実行委員長は「子どもが遊んでいるのを見ながら大人は美味しいものをたくさん食べてください」とにっこり笑う。また、「祭りのあとも周辺地域で遊んだり、気に入ったお店に後日足を運んだりしてもらってまちが賑わったら嬉しい」と話した。

 なお、さがみはらフェスタは相模原商工会議所青年部を中心に、市青年工業経営研究会や津久井地区4商工会青年部など多くの団体が協力しており、市内全体で作り上げる祭りとなっている。

完全キャッシュレス

 今年のさがみはらフェスタは完全キャッシュレスでの開催に挑戦する。詳細はさがみはらフェスタのホームページから確認を。

相模原市内でインフルエンザ「注意報レベル」に 定点報告数10.06人で基準超え

 相模原市感染症情報センターは10月30日、第43週(10月20日〜26日)のインフルエンザ定点あたり患者報告数が10.06人となり、従前の「注意報レベル」の基準である10.0人を超過したと発表した。今後大きな流行となる可能性があるとして、基本的な感染予防対策の徹底を呼びかけている。

学級閉鎖が急増

 インフルエンザとみられる集団かぜによる学級閉鎖の件数も急増している。10月20日〜26日の期間で、小学校・中学校合わせて16学級が閉鎖となり、欠席者数は128人に上った。特に大野南地域で4学級、大野中地域で4学級の閉鎖が報告されている。

 同センターの発表によると、インフルエンザ予防のためには、「早めのワクチン接種」が推奨されており、発病や重症化の予防に一定の効果が認められている。また、外出後の手洗いや手指消毒、咳やくしゃみが出る場合のマスク着用(咳エチケット)も有効な対策としている。

 また、空気が乾燥するとインフルエンザにかかりやすくなるため、加湿器などを使用して適切な湿度(50〜60%)を保つことや、体の抵抗力を高めるための十分な休養とバランスのとれた栄養摂取も大切である。流行時には、高齢者や妊婦、体調の悪い人は人混みや繁華街への外出を控えることが望ましいという。
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