ともに生きる社会かながわ

7月25日~7月31日は「ともに生きる社会かながわ推進週間」です。|ともに生きる社会の実現をめざし、地域で様々な取り組みを行っている県内10の団体・個人の活動を紹介します。

ともに生きる社会かながわsp画像 ともに生きる社会かながわpc画像
ともに生きる社会の
実現をめざして

県内のプロスポーツチーム等に「ともに生きる社会かながわ憲章」の普及啓発にご協力いただいています。

特設ページ限定配信

アレックス・ラミレスさん

憲章ポスターを持つアレックス・ラミレスさん

憲章ポスターを持つアレックス・ラミレスさん

アレックス・ラミレスさんはベネズエラから来日して、日本がやさしい国であり、困っている人がいればみんなが助けてくれる社会である一方で、事情のある子を「かわいそう」などとみなして優しくしすぎる面があるとも感じています。

「私の息子のケンジ君はダウン症です。それで時々、『かわいそうだな』という感じでお手伝いしましょうかとお声がけいただくこともある。でも、ケンジ君はダウン症という事実があるにせよ、すくすくと元気に育っています。ほんの少しの手助けが必要かもしれないけれど、ちょっと違いがあるだけでなんでもできます。私たちには何の問題もありません。

一緒に楽しむことで身につく「生きる力」

ラミレスさんは現在、スポーツや、アート、地域活動などを通じて、いろんな子どもやその親御さんが一緒になって活動することで、スペシャルニーズの才能と個性を最大限に引き出し、自立した社会を目指す「Vamos Together」の活動に取り組んでいます。

Vamosとはスペイン語で「Let's go」のことを意味するといいます。障がいなどの事情のあるなしにかかわらず、一緒に行こう、一緒にやろうという思いが込められているようです。

Vamos Togetherでのプログラミング教室の様子

Vamos Togetherでのプログラミング教室の様子

「世の中にはスペシャルニーズがある子ども、健常の子ども、いろんな子どもがいます。できることに少しの違いはあるけれど、同じ子どもであって、スペシャルニーズのある子にも優れた才能があります。いろんな子どもが一緒になってイベントを楽しんでもらう機会をつくるのは、まずその違いはあるけれど、その違いはあってもいいということを理解してほしい。そして、これからともに生きていくためにチャレンジする力をもってほしい、という思いで活動に取り組んでいます」

一緒になって楽しむことで、それぞれの違いがあることを理解し、誰一人取り残すことなくともに生きていく社会の実現につながればとラミレスさんはいいます。

「スペシャルニーズがあってもずっと親御さんの力を借りていきていくわけにはいきません。独立して1人で生きていく力を養うことがいちばん大事です。ですから、優しいだけではいけない、時には厳しさ、しつけもおろそかにしてはいけません」

相互理解はまず「知ること」から

障がいや病気などの事情がある子どもに、どう接していいか分からない人もいるでしょう。

ラミレスさんもダウン症の子がいるからダウン症のことが理解できたし、その理解できたことを知らない人に伝え、共有したいと考えています。

そのためにも、スペシャルニーズのある子どもたちでなく、そのきょうだい、親御さん、またそうでない人にも広く活動に参加してほしいと願っているそうです。

「スペシャルニーズがあるからといって、いろんなことを諦める必要はないんです。子どもたちがチャレンジする意欲を伸ばしたいし、親御さんにもぜひそう思ってほしい。

スポーツのよさは、一緒に参加しやすくて、みんながやりたがるところだといいます。「子どもはみんな体を動かすのが大好きです。かけっこをすると、速い子のことをスペシャルニーズの子も真似して走ろうとします。もちろん同じようには走れないのだけれど、懸命にやっているのが伝わるし、少しずつでも速くなっていくのもわかります。そうした経験が、挑戦しようという気持ちを育む良いモチベーションにつながります。

将来的には横浜に活動の拠点となる「Vamos Center」をつくりたいというラミレスさん。

スペシャルニーズのあるなしにかかわらず、また、国籍、ジェンダーなどの垣根を超えて、センターにくればいろいろな情報が得られ、交流できるホームのような存在になりたいそうです。ラミレスさんが描く「誰一人取り残さない社会」の実現は、港町として世界との交流の歴史をもつ、ここ横浜で確かな一歩を歩み出しています。

中央から長男ケンジ君、妻の美保さんと

中央から長男ケンジ君、妻の美保さんと

横浜ビー・コルセアーズ

地域密着で共生社会推進

啓発ポスターを持つ河村勇輝選手

啓発ポスターを持つ河村勇輝選手

バスケットボールBリーグ1部に所属する「横浜ビー・コルセアーズ」は、憲章の理念に共感し、啓発チラシの配架やポスターの掲出といった協力を決めた。同クラブではバスケットボールを通じて、共生社会の実現にも努めていく考えだ。

車いすバスケの魅力発信に一役

同クラブではこれまでも、車いすバスケットボールチームとコラボしたイベントを定期的に行うなど、共生社会の実現に努めてきた。2021-22シーズン・ホームゲーム最終戦では、エキシビジョンゲームとして神奈川県内を拠点に活動する車イスバスケットボールチーム「パラ神奈川SC」と「相模フォース」の試合を開催。集まった来場者に車いすバスケの魅力を伝える機会を創出した。

エキシビジョンゲームとして車いすバスケの試合を開催

エキシビジョンゲームとして車いすバスケの試合を開催

車いすバスケ体験のイベントも

車いすバスケ体験のイベントも

2022年には観戦を通じて夢や感動を与えることを目的に、ホームゲーム招待シート「YOHOシート」を新設。児童養護施設の子どもを招待するなどの活動を行った。

選手自ら子どもたちを指導

今年4月からは、横浜市磯子区の文化・体育施設「たきがしら会館」の指定管理を担当。6月10日に同会館で行われたバスケットボールクリニックでは、河村勇輝選手、キング開選手、松崎裕樹選手がスペシャルコーチとして参加。集まった小学生らにドリブルやシュートの技術を伝え、子どもたちと一緒に試合も行った。

クラブではこれからも、より多くの市民がスポーツに興味・関心を持つ機会と場所を提供し、施設や地域の活性化に努めるという。

子どもたちにドリブルを教えるキング選手

子どもたちにドリブルを教えるキング選手

クラブの担当は「学校や福祉施設などへの訪問、ホームゲーム招待など様々な活動を行ってきました。今後も地域に根ざしたプロバスケットボールクラブとして、バスケットボールを通じて地域を盛り上げていくとともに、共生社会の実現に貢献していきたいです」と話している。

湘南ベルマーレ

地域連携で共生社会実現へ

啓発ポスターを持つ鈴木章斗選手

啓発ポスターを持つ鈴木章斗選手

県湘南ベルマーレは、ともに生きる社会かながわ憲章の理念に共感し、このほどクラブオフィスやホームスタジアムに憲章の啓発ポスターを掲出したほか、オフィス内に啓発チラシを配架した。チームの公式SNSで憲章をPRすることも予定している。

偏見や差別のない地域づくりを目指す

日本プロサッカーリーグのJ1に所属する「湘南ベルマーレ」は今年5月、平塚市内の4つの特別支援学校などと共生社会プログラム「INCLUSIVE HUB SHONAN(インクルーシブ・ハブ・ショウナン)」を立ち上げた。スポーツを通じ、高い発信力を有する同クラブを中心に、地域企業や団体、自治体などと、地域課題の解決や共生社会実現に取り組んでいる。

神奈川県立特別支援学校と連携し、教育現場の課題・学校地域における関連課題・子どもたちの教育課題や日常に寄り添い、課題解決に向けた提案や支援を行うほか、障害や障害福祉に対する理解を深め、共生社会推進の啓蒙活動やイベントなどを実施する方針だという。

立ち上げにあたって同クラブは、「湘南ベルマーレが地域のハブとなり、多くの方を巻き込みながら、様々な地域課題と向き合っていけたら」とコメントを寄せた。

共生社会プログラム「INCLUSIVE HUB SHONAN

共生社会プログラム「INCLUSIVE HUB SHONAN

クラブではこれまでも、子どもたちに向けた小学校体育巡回授業や、中高年を対象とした健康づくり教室を行うなど地域貢献活動に注力。Jリーグの理念のひとつである「豊かなスポーツ文化の振興及び国民の心身の健全な発達への寄与」を具現化すべく、総合型スポーツクラブとして多くのスポーツを展開している。

ごみ拾い活動の様子

ごみ拾い活動の様子

小学校体育巡回事業

小学校体育巡回事業

地域の子どもたちと地元企業をめぐる「まなべるまーれ」

地域の子どもたちと地元企業をめぐる「まなべるまーれ」