恵泉女学園大学(南野)で講師を務め、ノーベル平和賞を受賞した国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」の国際運営委員・川崎哲氏らで構成される実行委員会は5日、被爆者が授賞式に参加するための渡航費を募る「川崎・オスロ・被爆者キャンペーン」に関する記者会見を同大学で行った。
このキャンペーンは12月10日にノルウェーの首都・オスロで行われるノーベル平和賞の授賞式に被爆者2人と世話人1人を招き、3人の渡航費120万円を市民の力で集めることが目的。11月末までに、同大学内などで募金を行う。
記者会見当日は、川崎氏のほかにキャンペーンを後援している多摩市の阿部裕行市長、同大の大日向雅美学長、実行委員長を務める同大の上村英明教授が出席した。川崎氏は会見で「大学で募金活動が始まったことは非常に嬉しく思います。今回の受賞を土台で支えてきたのは被爆者の方々で、その方々の受賞とも言える。授賞式でも重要な役割を担って頂ける」と話し、キャンペーンの意義を説明した。続けて川崎氏は「授賞式は全世界に配信され、多くの人に関心を持ってもらえる。これをはじまりに核兵器廃絶のムーブメントを起こしたい」と話した。
阿部市長はICANの受賞を祝福し「市としてこのキャンペーンに名前を連ねられるのは非常に嬉しい」と話し、同大学と連携してキャンペーンを推し進めて行くことを確認した。
「ゼミ生」からの提案
市を巻き込んだ今回のキャンペーンの発端は、上村教授のゼミで学ぶ大学院生からの提案だった。ICANのノーベル平和賞受賞を受け、学内では川崎氏への祝福の声で溢れる中、ある学生から「川崎先生が本当に必要としていることをしよう」と提案があった。
上村教授が川崎氏へ相談したところ、被爆者の渡航費が問題になっていることが浮上した。また大学へ協力を相談すると、大日向学長はこれを快諾。毎年被爆地である広島などへ小中学生を派遣するなど、平和学習に積極的に取組む多摩市からも協力を取り付けた。
実行委員会では「費用を募るだけでなく、キャンペーンを通じて核廃絶を願う市民の声を伝えていきたい」と意気込みを話す。募金の振込先などは下記の通り。