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伊勢原 文化

公開日:2023.08.04

僕らの戦争は終戦後に始まった
西田さん原作のNHK特集ドラマ

  • 「軍港の子 〜よこすかクリーニング1946〜」(NHK提供)

  • 原作者の西田さん

 伊勢原市出身で自修館中等教育学校卒業生の西田彩夏(本名=佐々木彩夏)さんが原作を手掛けた特集ドラマ「軍港の子 〜よこすかクリーニング1946〜」が8月10日(木)、NHK総合(午後10時から11時13分)で放送される。

 太平洋戦争が終わって間もない横須賀を舞台に、戦争孤児たちが貧困と混乱の時代をたくましく生き抜く姿を描いたもの。西田さんは主人公のモデルで、横須賀市内に実在したクリーニング店店主の孫にあたる。

 当時の横須賀は、浦賀港が引揚港だった影響もあり、戦争犠牲者があふれていた。その中には親を失い、社会からも見捨てられた子どもたちが存在したという。家もなく、食うや食わずの生活の中で米兵相手の靴磨きやたばこ拾い、時には犯罪に手を染めてその日その日の糊口をしのぐ。そんな生活から抜け出すためにクリーニングの技術を学び、仕事を得て、自らの選択と意思で生きる場所をつくりだしていく──。

 物語は未来をあきらめず前に進もうとする子どもたちの成長譚として展開していく。

  *  *  * 

 本人が1歳の時に祖父は亡くなっていたため記憶はないが、生い立ちに興味を抱き記録をたどると、誰も知らないこの地でひとり働き、生活していたことを知った。「祖父と同じように戦後を自力で生き抜かなければならなかった子どもたちはたくさんいたはず」と西田さんは話す。戦争の被害は広島・長崎に投下された原子爆弾や東京大空襲などで語られることが多いが、「子どもたちにとっての戦争は、終戦後に始まった」ということに思い至った。

 「大人と社会を頼れず生きた子どもたち。戦争の残酷な一面を伝えることが平和を考えるきっかけになる」と考え、1枚の企画書にしたためた。今回のドラマは、祖父の生きた時代を下敷きに、横須賀や日本の各地で実際にあった出来事を題材にしたフィクションとして描かれているが、「子どもに対する大人たちの姿は現代の私たちにも通じるメッセージ」と西田さん。軍港の子が問いかける。

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