住宅街の一角、一軒家の中に広がるのは200年前の名家の名残--。山梨県北杜町から江戸時代後期の和室を移築したギャラリー「obi gallery」(村岡東3の12の7)が今春オープンした。11月21日(月)まで企画展を行っており、キュレーターだったオーナーの小尾久美子さん(55)は「古き良き物と現代美術が合わさる空間を楽しんでほしい」と呼び掛けている。
和室は、久美子さんの夫で漆職人の庸太郎さん(73)の実家の一部。呉服商だった小尾家は1842(天保13)年頃、三代目・小尾兵右衛門が約3年の歳月をかけて、木造かやぶき入り母屋造りの住宅を建設した。庸太郎さんによると、総ケヤキ造りで当時の代官も宿泊し、戦時中は海軍元帥・山本五十六の家族も疎開していたという。
その一部(二間)を1975年に解体し小尾さん夫妻と子ども2人、庸太郎さんの母が住む村岡東の一軒家の中に移築。子どもが独立し庸太郎さんの母が亡くなった後は活用方法を考えていた。
その中、キュレーターとして活動していた久美子さんが、懇意にしていた老舗ギャラリーがコロナ禍を機に閉じてしまうなど、「歴史ある展示空間が失われていく中で何かできないか」と考え自宅に思い当たった。
「状態は良く書院造で作品展示に活用できるのでは」。敷地内に趣きの異なる三角形の近代的な展示スペースも新築し、今年5月にギャラリーとしてオープン。今年は1年を通じてお披露目の展示を行い、11月21日(月)までは小野田賢三さんの作品を展示している。午前10時から午後7時。
入場無料。金曜から月曜開廊。火曜、水曜予約制。木曜休廊。駐車場なし。問い合わせは同ギャラリー【電話】0466・25・7581。
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