青葉区版【12月19日(木)号】
学校関係者と泉谷市長(中央)

桐蔭横浜大学 珠洲市長に活動報告 支援金や応援メッセージも

 桐蔭横浜大学の学生と学校関係者は12月12日、能登半島地震で被害を受けた石川県珠洲市の泉谷満寿裕市長とZoom会談を行った。学生有志による復興支援活動「桐蔭能登プロジェクト」の活動報告を行った他、支援金と応援メッセージを送り、珠洲市とさらなる関係強化を目指すとした。

マルシェで寄付募る

 能登半島地震を受け、同大学の学生有志9人が復興支援を目的に「桐蔭能登プロジェクト」を始めたのがきっかけ。今年4月の「桐蔭マルシェ」では、珠洲市への寄付の呼び掛けやフードドライブを実施。その後、集まった約19万円の支援金と食品を6月に直接珠洲市へ持参した。

 以降、イベントなどで度々寄付を募った他、参加者から応援メッセージの収集などを行ってきた。また秋頃には、Zoomで珠洲市職員とつながり、現地の状況や復旧・復興の取り組みを知るなどして関係性を深めてきた。

 来年2月にも学生が現地へ赴き、ボランティア活動を行うとしている。

支援の継続誓う

 会談には学生や学校関係者の他に、珠洲市職員、石川県人会関係者など約20人が出席した。

 冒頭、河本達毅副学長は「(この大学が)能登と青葉区という離れた場所をつなぐ拠点になれれば」とあいさつ。「今後も学生、教職員ともにプロジェクトに取り組みたい」と話した。

 その後、学生がスライドショーを用いてこれまでの活動を紹介した他、応援メッセージ動画を泉谷市長に贈った。

 泉谷市長は学校関係者へ向けて感謝の言葉を述べ、「珠洲市の復旧・復興に全力で取り組んでいく」と決意を口にし、「引き続きの支援をお願いしたい」と呼び掛けた。プロジェクトに参加した同大学法学部の大長凜さん(4年)は「今年6月に能登へ行き、ニュースで目にすることのない現状が見られた。自分は卒業になってしまうが、後輩たちに支援の意思を引き継いでほしい」と述べていた。

 最後には、石川県の郷土料理「めった汁」が参加者に振る舞われ、歓談を行っていた。

対象となる江田駅前公衆トイレ

横浜市 公衆トイレに命名権 環境向上へ、年40万円から

 横浜市は市内76カ所の公衆トイレのうち、駅周辺の7区15カ所で企業や団体が愛称を付けられるネーミングライツ(命名権)制度を導入し、12月27日まで公募を受け付けている。契約金額は年間40万円からで、得られた財源でトイレの清掃回数を増やすなどし、快適な環境を整えていきたい意向だ。

 現在、市資源循環局が管理する公衆トイレは泉区を除く17区の駅前を中心に76カ所ある。同局によると、今年度は光熱水費や修繕費を含めて約8500万円を計上。1カ所あたり約110万円の予算が投じられている。

 日常清掃は利用者が多い場所では毎日、少ない場所でも週4日行っている。建物や設備が老朽化していたり、周辺で再開発が行われているトイレは建て替えや改修を行う一方、地元の意見などから継続の必要がないと判断した野毛山プール前公衆トイレと洪福寺公衆トイレ(いずれも西区)は今年度末までに解体される予定だ。ただ、同局は公衆トイレを「市民や横浜を訪れる人の移動を支える重要なインフラ」と考えており、必要に応じて維持していく方針だ。

壁面に企業名

 ネーミングライツの対象は視認性が良く、多数の往来がある等の条件を満たし、地域の関係者と調整が済んだ15カ所。契約金額は近隣駅の乗降者数を参考に年間40万円以上、60万円以上、80万円以上の3ランクにした。契約期間は3年間で、一定の条件内で企業名や商品名、ロゴマークなどを建物壁面に表示することができる。また、トイレ内部にポスターなどの掲出も可能だ。公募には、トイレや周辺地域の美化につながる提案も含まれており、快適な環境づくりにつなげていく。公募は12月5日に開始し、27日まで受け付け。同局によると、興味を示している企業はあるとし、審査を経て契約が結ばれれば、来年4月から愛称の使用が始まる予定だ。

 青葉区内で対象となるのは江田駅前公衆トイレと、こどもの国駅前公衆トイレの2カ所で、契約金額は各40万円以上。

 同局は「契約を結べたトイレは現状のメンテナンスに加えて清掃回数を増やしたり、設備の更新を行って、より快適な環境を整えたい。地元に愛されるトイレとして地域の団体や企業に参加してもらえたら」と話す。

フランスの絵本『字のよめる牛』を翻訳し、自費出版した あだち みちこさん(本名:足立 路子) 青葉区在住 73歳

「子どもたちに届けたい」

 ○…「最初は、かわいらしい絵に惹かれて手に取ったんです」と表紙をなでる。自身が翻訳したフランスの絵本『字のよめる牛』が11月15日に発刊された。コロナ禍の影響を受け、紆余曲折を経てこぎつけた自費出版。「通訳の仕事はしていたけれど、翻訳は初めて。日本語らしい表現にこだわりました」

 ○…絵本に出会ったのは2020年、フランス大使館で開催された「フランス児童文学のブックフェア」でのこと。何気なく参加したが、実は絵本の翻訳者探しを兼ねたイベントだった。ページをめくれば、ほのぼのとした絵と共に語られる少女と若い牝牛の友情の物語。「日本の子どもたちにも読んでほしい」と翻訳を名乗り出た。その矢先、コロナ禍が始まり、進展がないまま4年近くが経過。それなら自分で出版社を探そうと昨年動き出し、ようやく自費出版での発刊に至った。

 ○…東京都世田谷区の出身。中学からミッション系のスクールに通い、そこでフランス語を学んだ。その後、フランス大使館の保護留学制度を使って2年間フランスの大学に留学。帰国後、フランス大使館に14年間勤めた。晩餐会などの場で日仏通訳なども経験したそう。当時、一緒に働いていた人々とは今でも交流がある。「上司・部下の距離が近く、すごく仲が良い職場でした」と思い出に浸る。

 ○…『字のよめる牛』は、素朴なストーリーの中に空想的な一面もあり、「結末の解釈は人それぞれ。子どもの想像力を掻き立てる絵本」だと話す。「言葉は一生懸命見て、聞いて覚えるのよ」と教えてくれるさりげないメッセージ性も。「読み聞かせにもぴったりのかわいらしい物語。本屋さんや図書館から、たくさんの子どもたちのもとに届いてほしい」

関根会長(右)

防犯栄誉章に区内2人 銀章1人、銅章1人

 長年にわたり防犯活動に従事し、地域の安全安心なまちづくりに貢献したとして、青葉防犯協会の関根宏一会長と澁谷要さんが、全国地域安全運動中央大会で防犯栄誉銀章と銅章を受章し、12月10日と11日に青葉警察署で伝達式が行われた。

 関根さんは「警察の方も人数が限られている。これからも防犯活動の先頭に立ち、住民が安全安心に暮らせる街づくりに貢献したい」と話した。

後列左から文田選手、日下選手、清岡選手、パリオリンピックに出場した曽我部京太郎選手。前列左から藤波選手、樋口選手

日体大レスリング部 金メダリスト5人を称え 健志台キャンパスで祝賀会

 日本体育大学レスリング部など主催のパリオリンピック金メダル獲得祝賀会が12月8日に横浜・健志台キャンパスで行われ、同大出身、在学者の金メダリストら6人が参加した。当日は同大の松浪健四郎理事長や石井隆憲学長、(公財)日本レスリング協会の富山英明会長の他、選手の家族も参加し、偉業を称えた。

 全競技を合わせ、海外開催のオリンピックとしては最多となる20個の金メダルを獲得した日本選手団。中でもレスリングは8個の金メダルと日本の強さを見せつけた。同大出身・在学者からは文田健一郎選手(男子グレコローマンスタイル60kg級)、日下尚選手(同77kg級)、藤波朱理選手(女子53kg級)、樋口黎選手(男子フリースタイル57kg級)、清岡幸大郎選手(同65kg級)の5人が金メダルを獲得し、祝賀会に参加した。

 あいさつに立った選手たちは同大の練習環境やレスリング部の松本慎吾部長兼監督に感謝の言葉を述べた。また、同大学3年生の藤波選手は「パリオリンピックで絶対に優勝するという強い思いを持って日体大に入学した。ケガがあったり悔しい思いもしたけれど、大学のサポートやチームメイト、家族のおかげで夢を叶えることができた」と話し、2028年のロサンゼルスオリンピックでも連覇を狙いたいと力強く話していた。

保木公園に1800人 ペットと学び、楽しむ

 「地域の共生」をテーマに、地域住民とそのペットたちが主役のイベント「保木公園フェス」が12月8日、開催された=写真。主催は保木公園愛護会、後援は青葉区、美しが丘西保木自治会、協賛は平和会ペットメモリアルパーク。

 今回で4回目を迎えた同イベント。当日は過去最多の28の店舗・団体が参加。青葉区役所による講演「ペットと家族の防災対策」をはじめ、犬・猫の譲渡会や聴導犬の紹介、さらに地元の子ども会や障害福祉サービス事業所によるグッズ販売等が行われ、1800人以上の来場者で賑わった。

 同愛護会の赤野孝之会長は「今年は全国的に自然災害や凶悪犯罪等が多発し、この地域でも防災・防犯意識が高まった。これまで以上に地域住民同士の顔が見えるコミュニティーが大事であると認識している」とした。今後も地域力向上のため、定期的に開催したいと意気込みを語った。

混声♪青葉がコンサート 27日 アートフォーラムで

 あざみ野駅徒歩3分に専用スタジオを持つシニアコーラス団体「混声♪青葉」が、12月27日(金)午後1時30分からアートフォーラムあざみ野で「年忘れお楽しみコンサート」を開催する。

 当日は60代から80代の団員約30人が参加し、歌や音楽劇などを披露。主宰の酒井沃子さんは「35年の歴史を持つ混声合唱団です。やりたいことをやり、そこからハーモニーが生まれれば」と話している。団員募集中。

 入場無料。観覧希望者は当日直接会場へ。(問)オフィス・バルーン【電話】045・902・7402

区内在住あだちみちこさん 仏絵本を翻訳・出版 かわいい絵に一目ぼれ

 青葉区在住のあだちみちこさん=人物風土記で紹介=はこのほど、自身が翻訳したフランス絵本『字のよめる牛』(文:ジョー・オストランド/絵:ルシー・マイヨ)を自費出版した=写真。

 小さな女の子ジャンヌは、飼っている若い牛のミラベルが大好き。リンゴの木の下で、毎日大きな声で本を読んであげる。そんなある日、ジャンヌは風邪をひいて部屋から出られなくなってしまう。寂しいミラベルはどうするのか。仲良しな1人と1頭のほのぼのとした物語だ。

 「牧歌的でかわいらしい絵に一目ぼれしました。少しファンタジックなストーリーとさりげないメッセージ性がすてき」とあだちさん。絵本はAmazonで購入可能(税込1320円)。「字のよめる牛」で検索を。一部書店でも販売している。

青葉台産ハチミツ販売 区内11局で23日から

 青葉台郵便局の屋上で採れたハチミツが、12月23日(月)から販売予定だ=写真。同局など区内11の郵便局で購入できる。

 同局屋上では「ハニービープロジェクト」と題し、2021年から養蜂を行っている。ミツバチを地域の緑化のシンボルとして、青葉台駅周辺を蜜源となる草花で「花と緑がいっぱい」の笑顔あふれる街にしていく取組だ。

 今年は約180kgのハチミツを採取。同局の神長義博局長によると、採取時期によって色や味、香り等が異なり、時期が進むにつれて濃厚になるという。瓶に採取時期のタグが付いているので、「ぜひお気に入りの味を探して」と神長局長。

 取扱局など詳細は、インスタグラムの同局公式アカウント(左記二次元コード)で今後発信していく予定。

ぱんだ組がオペレッタ あざみ野ベビールーム

 横浜市認定・横浜保育室「あざみ野ベビールーム」(飯塚真由美園長)で12月14日、クリスマス会が開催された。

 当日は0歳児から2歳児までの3学年がダンスなどを発表。2歳児クラスの「ぱんだ組」は「おおかみと7ひきのこやぎ」のオペレッタを披露した。「7ひき」ではなく、職員手作りの衣装に身を包んだ「20ぴき」のこやぎたちが登場すると歓声が上がった。サンタクロースの登場や職員のダンスもあり、会場を楽しませていた。

 飯塚園長は「行事は日頃から安全な保育ができているから開催できる。今日出勤していない職員を含めた努力も知ってもらえたら」と語った。

出演する横浜市消防音楽隊

横浜みなとみらいホールで「避難訓練コンサート」 2月17日、5年ぶりに復活へ

 観客を実際に招いた形でコンサート中に行う避難訓練が横浜みなとみらいホール=西区=で2025年2月17日(月)に行われる。コンサート中に地震が発生したことを想定した訓練で、来場者、演奏者、ホールスタッフが協働して行う。

 訓練は同ホールが「避難訓練をもっとリアルに、観客を入れて行う」という趣旨で2007年に横浜市消防音楽隊の協力のもと始まった。今回はホールの大規模改修工事による休館期間を経て、5年ぶりの開催。

演奏中に地震が発生

 当日、同音楽隊によるコンサートの途中に地震が発生する想定だが、来場者は何曲目で起きるかは知らされない。地震発生後はホールスタッフの誘導によって避難を行う。実際のコンサートで地震が起こった場合と同様に、来場者だけではなく、出演者の避難誘導も行う。訓練終了後は、再びコンサートを楽しむことができる。

 コンサートは無料だが、公演チラシを入場口で提示する必要がある(スマートフォン等の画面提示も可)。定員は先着500人程度で、未就学児は入場不可。車いすを利用する場合は、横浜みなとみらいホールチケットセンター(【電話】045-682-2000)に電話で申し込む必要がある。

 午前10時開場、10時30分開演、正午終了予定。 問い合わせは同ホール【電話】045-682-2020。

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ユニフォームを着用した子どもと度会選手(中)、山崎選手(右)(球団提供)

ベイスターズ山崎選手・度会選手 みなと赤十字病院で子どもと交流 球団が39カ所にキッズユニフォーム寄贈

 横浜DeNAベイスターズの山崎康晃選手と度会隆輝選手が12月12日、市立みなと赤十字病院=中区=を訪問し、小児病棟に入院する子どもたち約10人にユニフォームを手渡し、リハビリテーション室で交流を行った。

 ベイスターズは、球場に足を運ぶのが難しい子どもに野球を身近に感じてもらおうと、同病院のほか、福祉施設や病院計39カ所にキッズユニフォームを寄贈した。

 同病院を訪れた山崎選手は「応援してくれている人たちに勇気とエネルギーを与えられるよう頑張りたい」と語り、度会選手は「子どもたちが頑張る姿を見て、自分ももっと頑張らないといけないと思った」とコメントした。

 ユニフォームを受け取った10歳の男子小学生は「選手はいい人たちでうれしかった」と笑顔を見せ、12歳の女子小学生は「山崎選手に応援してもらったので、退院後はバスケットボールを頑張りたい」と語った。

 同日、京山将弥選手、東妻純平選手、蓮選手が障害福祉施設「みどりの家」=緑区=を訪問。施設利用者約30人と野球体験や写真撮影などで交流した。

 京山選手は「野球を通してふれあうことができて良い経験になった。活躍する姿を見せたい」と述べ、利用者の男性は「選手が来てくれてとても楽しかった。来年も頑張ってください」と日本一に輝いた選手たちにエールを送った。

子ども向けの動画(市提供)

地震火災のリスク 市が動画で啓発 子ども向けも製作

 横浜市はこのほど、地震に伴う火災の被害やリスク、対策を伝える動画を製作し、市の公式You Tubeチャンネルなどで公開を始めた。

 大地震が発生した場合、市では木造密集地域を中心に、地震に伴う火災被害が最も大きいと想定されている。動画は地震火災を自分事として捉えてもらうことを目的に、子ども向けと大人向けの2種類を作った。

 子ども向けは、キャラクターとクイズを楽しみながら防災を知ることができる内容。大人向けは、躍動感あるドキュメント調で、過去の災害事例や個人でできる対策を紹介している。

 動画は市の公式YouTubeチャンネルや市民防災センターで公開されている。今後、製作した都市整備局は防災イベントや民間企業と連携した広報活動の場、学校の出前授業などで放映していく予定。キャラクターを使ったグッズ作成も検討している。

 同局防災まちづくり推進課の米森勝行課長は「大地震の直後は市民の関心も高いが、それが継続できていないと感じている。今回の動画やキャラクターによって、若い世代や多くの方が地震火災に関心を持ってもらえれば」としている。

神奈川県青少年交響楽団

神奈川県青少年交響楽団が12月22日に県立音楽堂で演奏会

 公益財団法人神奈川県青少年交響楽団による演奏会が12月22日(日)午後1時30分から県立音楽堂で行われる。

 同楽団は音楽を愛する青少年を育てようと、1957年に「朝日ジュニアオーケストラ横浜教室」の名で誕生。72年に財団法人となり、現在の名称に。2013年に公益財団法人になった。演奏会を年2回行う。

 今回はベートーベンの「交響曲第7番」やザイツの「バイオリン協奏曲5番」などを演奏する。公募で集まった児童による演奏もあり。指揮は戸塚克郎さん、松本博樹さん。

 入場無料。問い合わせは同楽団【電話】045・324・1840。

教えて!職人さん vol.18 「雨漏り対策」についてのアドバイス【2】

 Q...地球温暖化などの影響で降水量が増えている昨今。今回はプロが作業で使用している「屋根の雨漏りを防ぐ塗料」について教えて下さい。

 A...雨漏りを防ぐための塗料として現在、私たちプロの塗装業者が使用している塗料は主に2種類あります。1つ目は「ウレタン」です。ウレタン防水は、液体ウレタンを複数回塗ることで防水層を形成する工法で、雨漏り対策として最も多くの現場で使用されています。ウレタンは、柔らかい性質のため、様々な形状の屋根や外壁の継ぎ目にも密着し、防水層を形成します。また施工期間が短いことなども利点に挙げられます。

 Q...もう一つは?

 A...雨漏りを防ぐ2つ目の代表的な塗料は「FRP」です。FRP防水は、ガラス繊維強化プラスティックを用いて防水層を形成する工法です。5つの防水層が高い防水効果を発揮し、外壁のひび割れからの雨漏りを防ぎます。この塗料を用いるメリットとして、軽量であることや高い耐久性を誇ることなどが挙げられます。こうした種類の塗料の特徴を把握し、外壁の形状に適した塗料を雨漏り対策として使用するようにしましょう。

 Q...雨漏り対策は塗料だけなのでしょうか?

 A...いいえ。実は雨漏りは施工の仕方で防ぐことも出来ます。次回はこの「タスペーサー工法」について詳しくお話させて頂ければと思います。

コラム(52)専門医が分かりやすく解説 目のお悩みQ&A 『ロービジョンケアとは何でしょうか?』

 高度の視覚障害で見え方が悪くなっている状態を"ロービジョン"と言い、そのような患者さんに対するケアが"ロービジョンケア"です。

 手術しても視力が十分に改善できない、手術が適応にならないといった病気もありますが、治すことはできなくても、僕ら眼科医がサポートできること、患者さん自身がすべきことはあります。残っている視機能を最大限に活かし、様々な援助を借りて少しでも見えるように、生活しやすいようにしましょう。

 ロービジョンの方は視覚の身体障害者に該当することが多く、役所に申請することで様々な公的援助を受けられます。文字の読み書きは、老眼鏡や、文字の拡大、白黒反転ができる拡大読書機を使うことで可能になることがあります。タブレット端末も視覚サポート機能が充実しています。

 神奈川県ではライトセンターや七沢自立支援ホームなどの公的な施設で、歩行訓練や日常生活訓練が可能です。視覚障害者の就労支援団体や、様々な悩みを相談し合い、困難を乗り越えるための交流を目的とした当事者団体もあります。

 全く見えなくなり、外出が難しい方がいる一方、色々な道具やサポートによって、健常者と同じように就学、就労している方もいます。治療はできなくてもロービジョンケアを受け、少しでも楽しく明るく生きていって欲しいと思います。

■たまプラーザやまぐち眼科/青葉区新石川3の14の14/【電話】045・913・0333/https://tamaplaza-eyeclinic.com

コラム「学校と社会をつなぎ直す」㊱ 自分事にするために必要なこと 桐蔭学園理事長 溝上慎一

 脱炭素、生物多様性、資源循環等をテーマとする「サステナビリティ人材育成」プロジェクトに有識者として参加している。先日、自動車会社等従業員の1泊2日の研修会を視察した。テーマはCO2削減に向けた生活をどのように作るかであった。雪山に入り、木を切ってCO2の吸収量を測定し、割り箸を作り、具体的に体を動かして考える。活動を通して各自の日常生活の工夫が考えられる。

 問題はこの工夫をどのように自分事にするかである。研修プログラムには2つの特徴があった。1つは、自分の言葉で「書く」「話す」「発表する」のアクティブ・ラーニングが徹底的になされたことである。サステナビリティに関する考えや気持ち、経験などを可視化し、頭の中の知識世界を再構成するのである。頭の中で本音で分かっていないことは行動にも移せない。もう1つは参加者同士のネットワーキングである。サステナビリティに関する考えや工夫を、「あの人がこういうことを言うのだ」といったように、具体的な他者と繋げて理解することである。プログラムには、参加者の人となりが分かるようになるための食事やレクリエーションの時間がかなり盛り込まれていた。人は、内なる他者を心に留めて行動するといわれる。あるテーマを「自分事」としていくポイントが分かりやすく実践された研修であった。

日本ナポリタン学会会長 田中健介さん【プロフィール】1976年戸塚区生まれ。その後、南区や中区で育つ。2009年から「日本ナポリタン学会」の会長としてナポリタンの面白さを発信。ライターとしても活動し、著書に「麺食力―めんくいりょく」(ビズ・アップロード)。「はま太郎」(星羊社)、Yahoo!ニュースエキスパートなどへの寄稿も多数。大のベイスターズファン。

横浜「注目の人」インタビュー 日本ナポリタン学会会長・田中健介さん「横浜からナポリタンを通して洋食文化が広がった」

 横浜が発祥の地と言われる「ナポリタン」。横浜のソウルフードを愛する市民団体「日本ナポリタン学会」の会長を務める田中健介さんが2024年7月、ナポリタンの歴史や地域的な広がり方などをまとめた著書「ナポリタンの不思議」(マイナビ新書)を発行した。会の活動やナポリタンと横浜の関係などについて話を聞いた。

◇ ◇ ◇

――まず日本ナポリタン学会の活動について教えてください。

「横浜発祥のナポリタンを食文化として再認識し、横浜から元気な日本をつくっていくことを目指して2009年に設立したものです。現在の会員は約40人で、ナポリタンが好きなことはもちろん、横浜が好きという人が多いです。愛着を持ってナポリタンを提供している洋食店や喫茶店などを認定する取り組みも行っています」

――今回、ナポリタンに関する本を書こうと思ったきっかけは。

「2023年11月に出版社の方から学術的なものを書かないかと話がありました。それを受けて、ナポリタンにまつわる自分の見解を示せればと思い、取材を始めました」

――ホテルや洋食店、喫茶店などを取材し、どんなことが分かりましたか。

「ナポリタンはホテルニューグランドで誕生しましたが、そこで修業を積んだ人が独立して店を開き、ナポリタンがアレンジされていることが分かりました。ナポリタンの広がりは洋食文化の広がりとも重なります」

――ナポリタンを取り巻く今の状況をどう見ていますか。

「バブル期のグルメブームで本格的なイタリア料理を求める流れがあり、日本式のスパゲティ料理が影を潜めました。その中で2013年にカゴメが『日本一のナポリタン決定戦』として『ナポリタンスタジアム』というイベントを始めました。それ以降、ナポリタンをメインにして勝負する飲食店が増え、ナポリタン専門のチェーン店『パンチョ』(スパゲッティーのパンチョ)が全国的な存在になりました。一方、いわゆる『街の喫茶店』が大きく減り、いいナポリタンを出す店が少なくなったとも感じています。古くからあるナポリタンが消えつつある状況は寂しいです」

――飲食店が後継者不足で閉店する話をよく聞きます。

「後継者不足は深刻です。それでも『地元に愛された喫茶店を残したい』と20代の方が立ち上がって受け継いだ京急鶴見駅そばの『山百合』のような例もあり、いろいろな形で店が残り続けています」

――田中さんが好きなナポリタンはどのようなものですか。

「やはり、よく炒めたものですね。少し焦げ付いた感じでケチャップの旨味が出た感じが良いです」

――横浜全体に対して、どのような印象を持っていますか。

「以前は『ランドマークが見えないと、横浜じゃない』と思っていましたが、今では横浜全体が好きです。南区の中村橋から磯子区の八幡橋あたりの風景は何とも言えない魅力があります」

――今後の目標を教えてください。

「横浜の全区から認定店を出せるようにしたいです。また、全国各地にナポリタンがあり、その一部しか探っていませんが、その土地の魅力をナポリタンを通じて知る面白さを含めて提案していきたいです」