金沢区・磯子区版【1月1日(水)号】
レース用のスーツを着た将輝さん(右)と龍星さん

磯子から「F1」目指す 森在住・村田きょうだい

 磯子区森在住の村田将輝さん(20)と龍星さん(13)は、モータースポーツで世界の舞台を目指して戦っている。昨年9月の磯子まつりでパレードにも参加した2人。世界最高峰の「F1」での活躍を夢に掲げ、全国各地のレースに参戦している。

 昨年9月に行われた磯子まつり。産業道路でのパレードに登場したレース用のフォーミュラカーとレーシングカートに乗っていたのが、将輝さんと龍星さんだ。

 初めは子どもから大人まで楽しめるレーシングカートから始めた2人。車が好きだった将輝さんの影響で、約5年前に龍星さん、続いて将輝さんも競技を始めた。

F4からの挑戦

 将輝さんは昨年、フォーミュラカーによる国際自動車連盟(FIA)公認の国内大会「FIA―F4選手権」に参戦。世界最高峰のF1の下位カテゴリーで、プロドライバーへの登竜門の位置付けにあたる。

 初挑戦の年は、5月から12月にかけて富士スピードウェイや鈴鹿サーキットなど全国各地のサーキットでレースに出場。レーシングチーム「ZAP SPEED」の一員として、7大会で14戦のレースを走り抜いた。思うような結果は出せなかったというが、「成長はできたと思う。春からどこまでできるか楽しみ」と振り返る。

 一方、レーシングカートチーム「73R」に所属する龍星さんは、カートでさまざまな大会に参戦してきた。昨年は「ROTAX MAXチャレンジ」シリーズに挑戦。上位進出はできなかったが、実戦で経験を積んだ。世界大会出場につながる可能性があるため「まずはカートで世界大会に出て、フォーミュラで兄と一緒に戦いたい」。今年は御殿場のサーキットを拠点に、大会参加を重ねる予定だ。

 息子2人の挑戦を応援する父の貴洋さんは「敷居が高いイメージのモータースポーツ。2人には地域に根差したドライバーを目指してもらいたい」と話す。普段はエアコンなどの空調工事を施工する企業を営むが、2人が所属するチームと一緒に磯子まつりや各種イベントなどの機会を通じてモータースポーツの普及も願っている。

 将来について将輝さんは「やるなら一番上を」と話し、F1のモナコグランプリを含む世界三大レースの制覇を夢に掲げる。龍星さんも「夢はF1のワールドチャンピオン」。世界最高峰の舞台を目指し、きょうだいで挑戦を続けていく。

取材に答える山中市長

人にやさしいまち、横浜へ 山中市長が新年の抱負

 本紙では新年を迎えるにあたり、山中竹春横浜市長に2025年の抱負を聞いた。山中市長は、子育て支援や防災・減災対策、防犯対策などの取組を積極的に進める姿勢をみせるとともに、市民の声を大切に「人にやさしいまち」の実現に向け力を尽くす考えを示した。質問に書面と対話で答えた。(聞き手/木曽祐司・添田守男)

 ――市長就任時より、子育て支援に力点を置いてきました。

 「一昨年は子どもの医療費を無料化し、長年市民の皆様から望まれていた中学校での全員給食の導入を決定しました。全員給食は2026年4月の開始に向けた準備が着実に進んでおり、小学生の保護者向け試食会のアンケートでも75%の方に『良い印象を持った』と回答いただいています。

 昨年は、出産や妊婦健診に係る費用への市独自の助成を新たにスタートさせました。出産費用については、国の出産育児一時金50万円に加えて最大9万円を市独自で助成することで、市内公的病院での出産に係る基礎的費用を100%カバーできるようになりました。妊婦健診の助成額は5万円を上乗せし、政令市トップの水準となりました。46万人もの子ども(中学生以下)が暮らす『日本最大の子育て支援都市』として、皆様が安心して子育てをしていただけるよう取り組んでいます」

 ――子育て支援では公式アプリのリリースや保育の負担減、いわゆる「小1の壁」対策等にも取り組んでいます。

 「10月にリリースした全国初の総合的な子育て支援アプリ『パマトコ』は、現在5万人以上の方にご利用いただいています。例えば出産費用助成の申請は、ほぼすべての方が『パマトコ』から申請されています。また、アプリには母子手帳機能や予防接種のスケジュール管理、イベント情報のプッシュ通知など、さまざまな機能を搭載しています。ユーザーの皆様のお声を聞きながら、これからもどんどん進化させていきます。また、保育園に持参するおむつなどの準備や持ち帰りの負担を減らす『にもつ軽がる保育園』も、導入する施設が広がっています。さらに、『小1の壁』の代表例である夏休み中のお弁当づくりの負担を軽減するため、すべての学童等での昼食提供をモデル実施し、95%以上の保護者から『ゆとりを感じた』との満足の声をいただきました」

市民目線の地震防災戦略

 ――防災・減災対策は、横浜市にとって喫緊の課題です。

 「能登半島地震など大きな災害の経験を、横浜でもいつ起きてもおかしくない大規模地震への備えに生かすため、地震防災戦略を刷新し、災害対策を大幅に強化します。

 【1】市民や地域の"発災前からの備え"の強化【2】誰もが安心して避難生活を送ることができる仕組みの構築【3】救援活動や緊急物資輸送の要となる横浜市初の広域防災拠点の整備【4】上下水道の耐震化や緊急輸送路の整備などを加速化する災害に強いまちづくり――の4つの柱に沿って徹底的に『市民目線』に立った取組を進め、市民の皆様の命と暮らしを守るための災害対策を進めていきます」

 ――地域の防犯対策も急務です。

 「地域での平穏な暮らしを守るためには、行政と地域の皆様が連携して取り組むことが必要です。地域からいただいたLED防犯灯の設置要望について、当初予定を拡充し、設置基準を満たすものは全て年度内に整備するなど、スピーディーに対応します。

 また、市内すべての不審者情報をGoogleマップで確認できる市独自の『こども安全・安心マップ』の活用や、学校と家庭との連絡アプリ『すぐーる』を活用した適切なSNS利用の情報発信など、ハード・ソフトの両面から地域防犯の取組を強化します」

市民・企業の行動変容促す

 ――脱炭素社会の実現に向けた取組みについてお聞きします。

 「気候変動を食い止め、環境にやさしい循環型の社会にしていくためには、市民の皆様の行動変容が鍵になります。横浜市は、市民の皆様の身近なアクションを後押しし、環境にやさしい社会につながっていることを実感していただけるような取組を進めています。

 プラスチック資源のリサイクルを拡大するため、昨年10月に先行9区でごみの分別ルールを変更しました。今年4月からは、全18区で新たな分別ルールがスタートします。他にも、消費期限が近くなったパンをお得な値段で販売するロッカーを設置して食品ロスを減らす取組や、ご家庭で揚げ物などに使った油(廃食油)を回収し、飛行機の燃料に生まれ変わらせる取組も進めています。

 昨年12月には、『地球1個分で暮らそう STYLE100』プロジェクトを始動し、地球にやさしい新しい暮らしを市民や企業の皆様と一緒に発信していく取組がスタートしました。

 市内企業の99・6%を占める中小企業の皆様の行動変容につなげるため、『脱炭素取組宣言』制度を昨年6月に創設し、環境に配慮した経営、脱炭素経営に取り組む中小企業の皆様のチャレンジを、積極的に後押ししていきます」

「環共」テーマの国際博覧会

 ――旧上瀬谷通信施設で開かれるGREEN×EXPO 2027まで、いよいよあと2年です。

 「『GREEN×EXPO 2027』は、環境と共生し、皆様と共につくる『環共』がテーマの世界で初めての国際博覧会です。

 会場では、まず、皆様を圧倒的な花と緑でお迎えします。脱炭素技術を体験したり生物多様性への理解を深めたりできるエリアをはじめ、農と食が近い暮らしの体験や、子どもたちが自然の大切さを楽しみながら学べるエリアなど、国内外のあらゆる世代の皆様にお楽しみいただける場所となるよう、着実に準備を進めています。

 今後、各エリアの出展内容など、会場計画についてタイムリーに市民の皆様にお伝えし、開催への期待感を高めていきたいと考えています」

 ――会場周辺交通への影響について、対策は。

 「会場および周辺の整備は、地元の皆様の生活に影響がでないことを大前提に、多くの皆様が安全・円滑に来場できる環境を整えていきます。

 会場周辺の道路整備や主要ルートの交通円滑化をはじめ、環境にやさしいシャトルバスの導入など環境に配慮した対策を関係者と連携して進めています」

 ――2025年度予算編成の方向性を聞かせてください。

 「地震防災戦略を刷新し災害対策を大幅に強化するとともに、子育てしやすさを実感できる更なる取組の推進、医療・福祉の充実などあらゆる世代の暮らしを支えてまいります。また、地域交通の拡充に本格的に着手するほか、公園や学校のトイレの洋式化、学校体育館の空調整備など、市民の皆様からの改善要望が多かった身近な環境の整備を大幅に加速させます」

 ――今夏の市長選について再選出馬の考えは。

 「市民の皆様から託された任期の中で、成果をしっかりとお返ししていくことに全力を尽くしていきます」

 ――市民へのメッセージをお願いします。

 「地域に足を運ぶといろいろなお声をいただき、その一つ一つがとても大切なものです。今年も、市民の皆様の『声』を第一に、人にやさしく、誰もが安心してくらせるまちの実現に向けて、力を尽くしてまいります」

2月に全館リニューアルオープンする横浜美術館の館長を務める 蔵屋 美香さん 西区在勤

全市民が楽しめる空間に

 ○…生まれも育ちも千葉県千葉市。幼いころから「絵が上手」と周囲に褒められ、ずっと絵や漫画を描いていた。高校時代は美術部に所属し、東京の女子美術大学洋画(油絵)専攻に進むが「漫画家になりたい」という思いが強く、全力で取り組めなかった。卒業後はパッケージデザイナーとして外資系企業に就職するも会社が日本から撤退。アルバイト生活を経て一念発起し、千葉大学大学院に進学する。

 ○…大学院では芸術学を専攻。初めて批評を書いた時に「私はこれが得意なんだ」とすぐに自らの武器に気付いた。修士課程修了後、28歳で東京国立近代美術館に採用され、作品への独特の視点を生かし、名物キュレーターとして多くの企画展を開催したほか、13年にはヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展で特別表彰を受賞するなど、国内外に知られる存在に。「やれることはやり切った」と思った頃、横浜美術館前館長の逢坂恵理子氏から誘いを受けて、20年4月、館長に就いた。

 ○…横浜美術館は「開館以来、実施された企画展の8割には来ていた」と振り返る。就任以降、「横浜市民は美術館で『学ぶ』より『楽しむ』生き方をしている人が多い」と分析。「一人ひとりのニーズが、より具体的に分かるようになった」と話し、エレベーター新設や授乳室の増設、調乳器の導入など、子育て世代も障害がある人も気軽に楽しめる空間づくりを心掛けた。

 ○…読書、音楽、映画などの趣味はすべて仕事に結び付けてしまうが、8年前に始めたヨガは別。「普通はしない体勢をするから余計なことは考えられない。だから頭がスッキリして生活全体をリセットできる」。スッキリした頭で市民を喜ばせるアイデアを次々と生み出していく。

榊原良平 画

金沢・磯子の七福神をめぐろう 開運招福、健康ウォークに

 7つの福神を巡り、開運を祈る「七福神めぐり」。金沢区と磯子区でも新年の恒例行事として今年も開催される。

金沢区ではスタンプラリーも

 金沢区では、「第21回横浜金澤七福神御開帳」が本日1月1日から8日(水)まで開催される。午前9時から午後4時(お詣りは通年可)。

 「1DAYスタンプラリー」は、1月5日(日)午前9時から午後4時まで。7つの寺社(富岡八幡宮、長昌寺、正法院、伝心寺、龍華時、瀬戸神社、寶蔵院)を巡り、横浜・八景島シーパラダイスのゴールを目指す。回る順番は自由で、最初の寺社で無料のシートを受け取り、すべてのスタンプがそろった人先着1千人に記念品をプレゼント。参加無料、荒天中止。ゴール開設は5日のみ。5日以外の1月1日から31日までは八景島旅客ターミナルでスタンプが押せる。問い合わせは横浜金沢観光協会【電話】045・780・3431。スタンプラリーの当日の開催可否は【電話】050・3159・6791。

磯子区は5コースで実施

 1918年に磯子区・南区の7つの寺社を巡礼する七福神めぐりとして始まった「横浜磯子七福神」。戦争により一時途絶えたが、78年の磯子区制50周年を契機に同区青少年指導員協議会が各寺院・神社と磯子区体育指導委員連絡協議会(当時)の協力を得て復活。歴史・文化の研究保存や体力・健康保持などのために約9Kmの参拝コースがつくられた。

 現在は寶生寺(寿老人)、宝積寺(恵比寿神)、密蔵院(布袋尊)、弘誓院(福禄寿)、金蔵院(弁財天)、真照寺(毘沙門天)、金剛院(大黒天)に、岡村天満宮を加えた8カ所となっている。今年は1月5日(日)に開催(詳細左記)。荒天中止。5つのコースが設けられ、順番に8カ所を巡ることができる。

奈良美智《春少女》 2012年 アクリル絵具、カンヴァス 227.0 × 182.0 cm 横浜美術館蔵 ©YoshitomoNara

横浜美術館が全館営業に 2月から記念展

 大規模改修工事のために2021年3月から休館し、今年11月に一部開館していた横浜美術館=西区みなとみらい=が2月8日(土)に全館営業を開始する。これを記念したリニューアルオープン記念展「おかえり、ヨコハマ」が同日から6月2日(月)まで行われる。

 横浜にゆかりのある絵画や写真、工芸、映像などの作品や資料を通し、新たな視点で横浜の歴史を掘り下げるもの。セザンヌ、ピカソ、マグリット、奈良美智など、横浜美術館所蔵のコレクションのほか、横浜市歴史博物館や横浜開港資料館など、市内施設が所蔵する作品や資料も展示する。

活動理念に多様性

 改修後の活動理念の柱とする「多様性」の観点から、開港以前の横浜に暮らした人々や女性、子どもなど、これまで注目されることがなかった存在に光を当てる。子どもも楽しめるように、会場内には「子どもの目でみるコーナー」を設ける。

 タイトル「おかえり、ヨコハマ」には、同館が完全な形で帰ってくることやさまざまな地域から横浜に来た人々を迎え入れたいという思いがある。蔵屋美香館長=人物風土記で紹介=は、「横浜の歴史を深掘りすると、世界の歴史もきっと違って見えてくる。たくさんの新しい発見をしてもらいたい」と話す。

 今回の改修では、無料で入れるギャラリーを2カ所増設。グランドギャラリーにはテーブルやいすを配置し、アート作品を見ながら休憩できるようになった。

 午前10時から午後6時。木曜休館(3月20日(祝)は開館し、翌日休館)。観覧料一般1800円。詳細は同館【電話】045・221・0300。

「8ッピー」が印刷されたパッケージ

80周年「コアラのマーチ」 OBのロッテ前社長寄贈

 「コアラのマーチ」などの菓子で知られる(株)ロッテの前社長で特別常任顧問を務める牛膓栄一さんは、大道小学校の卒業生。昨年度は同校6年生67人に向け自らが教壇に立ち、菓子やアイスクリームを題材とした、食育に関する出張授業を実施した。

 牛膓さんは80周年記念コアラのマーチ「だいどうっこのマーチ」を児童約350人と教員約30人に贈呈した。パッケージの中央には同校80周年を記念し誕生したキャラクター「8ッピー」が印刷されている。

同校正門前に飾られている手作りの門松

正月飾りを手づくり 学校周辺から材料調達

 金沢区大道の昔ながらの風景を継承する活動などを行う、地域住民からなる団体「ふるさと大道村」は昨年12月14日、大道小学校で正月飾りづくりを実施した。同団体メンバーや同校児童やその家族、地域住民、教員など約80人が参加した。

 午前中は正月飾り、午後は門松を作成。門松に使用される松と梅は校内から、竹は同校の裏にある山から、同団体メンバーらが自力で担いで調達した。中心に据えられる3本の竹はすべて1m以上の高さがある。年明け頃まで同校正門に飾られる予定。

 正月飾りは通常より長い黒米の稲わらが使用され、分かれた上部が三つ編みになっている。ユズリハ、きんかん、松ぼっくりが使われており、これらもすべて自力で採集した。飾りは全部で120個以上作成された。

 同団体の相川澄夫代表は「昔は正月になると必ず門松があった。ふるさと大道の歴史や文化を子どもたちに感じとってもらえれば」と話した。

東川町内会館で的当てゲームに挑戦する児童

大道小学校が創立80周年 学区内でポイントラリー

 市立大道小学校=金沢区大道=は今年度で創立80周年を迎えた。昨年11月30日には学区を回るポイントラリーと記念式典を実施。ポイントラリーでは、児童たちが学区内の町内会館等を巡り、地域住民が用意したさまざまなゲームを楽しんだ。

 大道小学校は、太平洋戦争中の1944年、地域の児童増加に対応するため、他校の校舎を移築し「大道国民学校」として開校した。終戦を迎え、47年に現在の「横浜市立大道小学校」へ名前が改められた。現在は地域との連携を深め、「ふるさと大道村」プロジェクトなど、昔ながらの大道の姿を校内に再現する取り組みなどを実施している。

縦割りで地域回る

 ポイントラリーでは、学区内5つの町内会とふるさと大道村によって用意された6つのポイントを、全校児童345人が学年が混ざった縦割りグループごとに回った。

 西大道町内会は町内会館でクイズや昔あそび、大道町内会は町内会館でナンプレや言葉の並び替え、川町内会は諏訪神社で宝探し、三艘町内会は六浦白梅公園で輪投げ、東川町内会は町内会館で的当てゲーム、ふるさと大道村は校内のとんぼ池でクイズを用意。各町内会・ふるさと大道村のメンバーがそれぞれゲームの企画・準備をし、子どもたちを迎えた。児童たちはそれぞれのポイントでミニゲームを楽しみ、スタンプを集めた。

 低学年の児童が道を逸れたときに、高学年の児童が手をつなぐなど、学年を超えて協力し合っていた。普段から通学時に危険箇所に立つ地域の「見守り隊」の人々が、ポイントラリーでもいたるところで児童の安全を見守っていた。

記念式典も

 ラリー終了後、児童たちは縦割りクラスのまま式典に参加。式典では、地域住民の協力を得て作成された、ドローンで大道小を映した動画や、同校の80年間の振り返り動画の鑑賞、縦割りクラスで作成した大きな画用紙に描かれたバースデーケーキのお披露目、「大道っ子マーチ」の斉唱などが行われた。

 同校の加藤和之校長は「こんなに素直で優しい子たちはいない。大道っ子らしく自然体で、大人を信じられる子に育ってほしい」と話した。

地域の人々から

 式典を終えた後、お手玉3つと竹とんぼ、紙とんぼがプレゼントされた。これらの昔のおもちゃは、地域住民の有志たちが児童のために一つ一つ手作りで作成したもの。約25人が1カ月間かけて作成し、全児童・教員に配られた。作成されたお手玉の個数は約1200もの数に上った。

感謝状を渡した佐藤署長(右)

詐欺被害防ぎ感謝状 昨年は8件に贈呈

 金沢警察署をはじめ、神奈川県内各警察署では特殊詐欺等の被害抑止に貢献した金融機関や店舗などへ感謝状を贈呈している。

 金沢署管内では、昨年1年間で合計8件の感謝状を贈呈した(11月末時点)。贈呈先は郵便局や銀行などの金融機関、コンビニエンスストアなど。高額の預貯金引き出しや、インターネット上で使う電子マネーを購入する利用客に、窓口やレジで対応した担当者が声掛けを通して理由などを確認し、不審な点があった場合に警察へ通報して被害抑止につながる例が多い。全体の阻止件数は42件となっている(11月末時点暫定値)。

 同署の佐藤良一署長は「皆さんのおかげで、多くの被害を防げています。今後もご協力をお願いします」と話した。

金沢警察署 「闇バイト」は犯罪 「簡単」「高額収入」には応募しない

 近年、ニュースでも話題となることが多いいわゆる「闇バイト」。犯罪の実行役となる人を言葉巧みに勧誘し、応募してしまった人を犯罪へ加担させてしまう例が増えている。こうした状況から金沢警察署では「闇バイト」への警戒を強めている。被害を防ぐためのポイントを、同署生活安全課の中野祐一さんに聞いた。

 SNS上で「簡単」「高額収入」といった言葉で募集をかけ、人を集める闇バイト。甘い言葉に誘われて応募してしまうと、特殊詐欺の受け子や強盗の実行役をさせられてしまう上、応募時に出した個人情報から脅されて犯罪行為を繰り返してしまう事例も多い。

 「『受け取るだけ』など、あたかも簡単に高額のお金が稼げるように誘いますが、こうした闇バイトは犯罪です。甘い言葉にだまされてしまうと、犯罪に手を染めることになってしまいます」と中野さん。怪しい求人には応募しないことが大切だが、「もし一度闇バイトを受けてしまった場合でも、繰り返さずにすぐに警察へ相談してほしい。相談された方や家族の方は、警察が保護します」と呼び掛ける。

各自で防犯対策を

 また、闇バイトに関連する強盗などの不安が広がる中で、犯罪の被害を防ぐためには自主的な防犯対策も重要となる。

 例えば窓ガラスへの防犯フィルムの張り付けや、防犯カメラの設置といった各家庭でできる対策に取り組むこと。その他、日頃から地域で顔の見える関係や不審なことがあれば通報する環境をつくることも防犯対策につながる。

 「不審者などを見かけた際は、積極的に110番通報してください。まちの人の目があるということを示す事で、犯行グループにとって犯罪をしづらいまちにすることができます」。個人での対策だけでなく、地域全体で犯罪をさせないまちづくりに取り組んでいくことで、犯罪被害抑止につながっていくという。

特殊詐欺被害も続く

 闇バイトが関連する犯罪の一つである特殊詐欺についても、各地で被害が続いている。金沢署管内での昨年の被害件数は61件、被害額は約1億8300万円(11月末時点暫定値)。中野さんは「電話でキャッシュカードやお金の話が出たら、それは詐欺。すぐに警察へ相談してください」と話している。

アカウントのフォローを呼び掛ける署員。写真内の二次元コードで検索できます

SNSで防犯情報など発信 Xでタイムリーに

 金沢警察署はこのほど、X(旧ツイッター)の公式アカウントを開設。安全・安心に役立つ情報を発信している。

 区内の各地でかかっている詐欺の前兆電話や不審者の出没情報などをタイムリーに発信。同署の担当者は「多くの人に情報を届けて防犯や交通安全につなげたい。ぜひフォローして最新情報をチェックしてください」と呼び掛けている。

校舎裏にある「とんぼ池」

校内でふるさとの風景 自然身近に 学び深める

 大道小学校の校庭の一角に、地域住民と学校が共同で作り上げた「とんぼ池」がある。手すり付きの橋や大きな水車、井戸が立ち並び、昔ながらの大道の風景を再現している。約30年前に、地域の人々からなる「ふるさと大道村」と教員・児童らが「昔の大道」を作り上げた。

 約10年前、工事などの影響で地域の湧き水が枯渇しつつあったとんぼ池を当時の児童らが心配し、ふるさと大道村に井戸を掘ることを提案した。千葉まで出向いて専門家から井戸の掘削技術を学び、2年もの歳月をかけて完成させた。

 現在も、とんぼ池は子どもたちや地域住民の憩いの場として親しまれ続けている。

「大道っ子」の歌 元教員が作詞・作曲

 大道小学校には、校歌のほかに「大道っ子マーチ」という歌がある。同校元教員の野村進さんが作詞・作曲を手がけた。運動会の入場行進で使用できて、演奏しやすく、児童たちが歌いやすい曲があったらという思いから作曲した。曲が完成してから約30年が経つ。

 元気で遊びが好きな「大道っ子」らしさが詰まった歌。歌詞の頭文字に「だいどうしょうがっこう」が入っているなど、細やかな工夫が感じられる歌詞となっている。

 「大道っ子マーチ」は80周年式典でも全校児童により歌われ、野村さんが指揮を務めた。野村さんは「作曲してから30年以上経った今でも、児童たちが元気に歌ってくれていて、非常にうれしい」と話した。

映像を見せながら装置を解説する金子会長(右)

中原自治会 会館に太陽光発電設備 市の補助金で蓄電池も

 磯子区の中原自治会(金子善政会長)はこのほど、災害時の非常用電源などとして活用するために自治会館に太陽光発電設備を導入した。横浜市の自治会町内会館脱炭素化推進事業補助金を活用したもので、蓄電池もあわせて設置した。

 脱炭素化や災害時の活用を想定し、数年前から太陽光発電設備の導入を検討していた同自治会。自治会町内会館の脱炭素化を進めるためにLED照明器具やエアコン、断熱窓・太陽光発電設備・蓄電池を対象に購入代金などを市が補助する同補助金をきっかけに本格的に検討し、申請、工事などを進めていた。その結果、自治会館の屋根に440Wのパネル15枚、会館横に蓄電池(容量6・6kWh)を設置。自治会で消費される電気を賄うとともに、余剰電力は売電していく。

 昨年12月14日に開かれた太陽光発電設備完成式(通電式)には自治会員や高橋功区長、市職員らが出席した。市によると同補助金の申請数は全体で436件。そのうち太陽光発電設備と蓄電池をあわせた内容は7件で、磯子区、金沢区では他にはない取り組みだという。

 金子会長は「横浜市が温室効果ガス排出ゼロを目指す2050年に、子どもたちが安心して暮らせる地球にできるかどうかは、私たち大人に責任がある。自治会館をきっかけに、地球環境のことを真剣に考えていきたい」と話した。

各地で消防出初式 金沢7日、磯子11日に

 新春恒例の消防出初式が、横浜市内各地で開催される。

 金沢区では1月7日(火)午前9時15分から10時30分に開催する。第一部は金沢公会堂で式典が開かれ、表彰や消防音楽隊の演奏を実施する。10時からの第二部は泥亀公園に会場を移し、消防総合訓練や一斉放水などが披露される。

 磯子区は1月11日(土)、杉田臨海緑地で実施する。午後1時30分から3時30分。2時までは式典で、消防功労者表彰を実施。その後、車両分列行進や消防総合訓練、一斉放水を行い、終了後には消防車両展示や子ども防火衣着装体験などのコーナーも設けられる。

 どちらも入場無料。問い合わせは金沢消防署【電話】045・781・0119、磯子消防署【電話】045・753・0119。

 また、1月12日(日)には横浜赤レンガ倉庫イベント広場や象の鼻パーク周辺で「横浜消防出初式2025」も開催される。午前10時から午後3時まで。小雨決行。

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初夏に園路で出会ったアオダイショウ

金沢動物園のヘビ 金沢動物園 干支コラム

 令和7年は巳年。金沢動物園では身近ないきもの館で、アオダイショウ・シマヘビ・ジムグリという日本産のヘビを飼育しています。冬の間は冬眠しているためほとんど動きませんが、園内では1月5日(日)まで巳年にちなんだ撮影スポットの設置や、1月13日(月・祝)までヘビに関するパネル展示を行ったりしています。記念撮影をして楽しみつつ、ヘビについて知るきっかけにしていただけましたら幸いです。

 暖かい季節でお客様が少ない日には、園路を悠々と蛇行している野生のヘビと出会うことがあります。緑豊かな金沢動物園の園内にはアオダイショウ、シマヘビ、ジムグリの他、ニホンマムシ、ヤマカガシなど本州に生息する8種のヘビすべてが生息しています。出会ったときは驚かさないようにそっと見守ってくださいね。こちらから驚かさなければおとなしい生き物ですし、観察するのも楽しいものです。

 ※毒のあるヘビ、気性の荒いヘビも中にはいますので、種類がわからない場合は近づき過ぎないようにお気を付けください。

■金沢動物園【電話】045・783・9100/金沢区釜利谷東5の15の1、元日は休園日