海老名・座間・綾瀬版【1月17日(金)号】
3月に開通する上郷河原口線について利便性などを説明する内野市長

海老名市年頭会見 「まちづくり第2ステージ」 予算編成 過去最大の見込

 海老名市が1月8日に会見を開き、内野優市長が今後の事業構想を語った。駅周辺の道路整備や土地区画整理を進め、高齢者の移動支援では近隣市との連携に意欲を見せた。

 次年度予算の見通しは一般会計が前年度比16%増で過去最大の590億円程度とし、市税収入も同7%増を見込む。

 「まちづくり第2ステージ本格始動」として内野市長が示したひとつが、厚木駅近くの中新田丸田地区土地区画整理事業。6・6ヘクタールに住宅や商業施設、公園が広がる構想で、次年度から道路や下水道の整備が始まる。民間の建物などができるのは2027年度の見込み。海老名SAの隣で計画中の大谷・杉久保地区公園整備事業は用地交渉に、翌年度には設計に入る。SAとも連携し、南部地域の拠点となる公園整備を目指す。また文化会館や商工会館、総合福祉会館、図書館の一帯は「文化交流拠点」として既存施設の機能を集約し、交流を促進する施設整備を図る。

 現在14万人の人口は増加中で、市はピークを2038年の15万人と推計する。待機児童対策として市役所南側の芝生広場に公設民営の保育所を建設し、さらに別の保育所を作る構想もあるとした。社家地区には木造風の(仮称)「障がい者ケアセンター」を建設、わかば会館(中新田)の生活介護事業を移す。

 市長は自筆の「つながり」の揮ごうを示して近隣市などとの連携を強調した。今後大和・座間・綾瀬・海老名の4市で消防の通信指令事務の共同運用を予定しているが、高齢者向け移動支援事業の「えび〜くる」も周辺市への拡大を検討。各市に対しトップの意見を下部に浸透させる「スピード感」を求めた。

 昨年5月に児童39人が熱中症で搬送されたが、酷暑や災害対策を見すえ次年度中に全小中学校体育館に空調を設置。また気温湿度を自動観測して学校や市民に情報提供する機器を導入する。教育面では「フルインクルーシブ教育」を推進。外国籍児童などとのやりとりを助けるため言葉を翻訳して字幕表示する機器を2校に導入する。

「突破」の文字について説明する佐藤市長(右は北川副市長)=1月9日座間市役所

座間市佐藤市長 「困難を突破する」 年頭会見で抱負語る

 座間市の佐藤弥斗市長が9日、年頭の記者会見を開き、2025年の抱負として『突破』の二文字を披露した。2期目最初で自身としては5度目となる予算編成の状況も説明し、「就任以来最も厳しい予算編成」と現状を語った。

 過去に『共創』、『邁進』、『共育』としたためた書初めの二文字に、今年は『突破』を選んだ。「20枚以上書いた」という書を掲げた佐藤市長は、「困難を突破して変革をとげて成長していく」と、思いを語った。25年度予算編成の財源不足や待機児童の解消、公共施設の大規模改修や再編、中学校給食の全員喫食に向けた調整などを「困難」にあげた。

 査定が大詰めを迎えている予算編成では、現時点で15億7千万円の財源不足が生じており、1月7日に市長を本部長とする健全財政戦略本部を設置。副市長以下の部局長に既存事業の廃止も含めたスクラップ・アンド・ビルドやデジタル化による経費削減のほか、特定財源の確保なども指示した。同本部の設置は6年ぶりで、佐藤市政では初。財政担当者は「人件費や扶助費、建設費の増加で収支不足が膨らんでいる」とした。

 こうしたなか4月からの新年度には、子育て支援では産後ケア事業の拡充(宿泊含む拠点増)や、保育では小規模保育施設の新設(増設等含む)、教育では(仮称)学校再編計画の策定(25年度から2年がかり)、地球温暖化対策として再生可能エネルギーの導入促進、公共資産の管理では市保有施設を良質な状態で次世代へ引き継ぐ「ファシリティマネジメント」などに取り組むことを明らかにした。

 いずれも既存重点事業の拡充だが、佐藤市長は「困難を乗り越えてさらに進化させるので市民の皆様の理解と協力をお願いしたい」と話した。25年度当初予算案は2月17日に発表する。

勝負の1年に

 佐藤市長は昨秋の市長選で、自民系が推す元市議会議長をダブルスコアを超える大差で退け再選を果たした。

 議会対応では引き続き不安要素を抱えるが、昨年12月には元市幹部の北川秀幸氏(65)を新たな副市長に起用するなど、2期目に向けて行政運営の基盤を固めた。

 迎えた1月、これまでの年頭会見で佐藤市長は、行政運営の基本姿勢を書初めの文字に表現してきたが、今年の目標に選んだ文字は『突破』。

 堂々と見える筆致で、止めや払いを強調する二文字からは、3万票超の得票で市民の負託を得た自信のようなものが発露していた。

 一方で、2期目の市政運営では県内でも高水準といわれる職員の人件費や扶助費の増加、公共施設の老朽化対策、都市計画道路の整備など、行財政運営を取り巻く環境には複数の大きな課題を抱えている。

 1期目には「結局は何もできていない」との厳しい評価もあった。こうしたなか、自ら標榜する「日本一元気で楽しいまち」を市民にどう実感してもらえるか。今年はそんなことも問われる1年になりそうだ。

1月25日に座間市の鈴鹿長宿自治会館で「昭和カフェ」を開く 佐藤 専二さん 座間市入谷西在住 78歳

ご一緒に、懐かしの昭和へ

 ○…「カフェ」の来場者が囲むのは、昭和の映画やドラマ、そして懐メロ。映像に見入ったままの人もいれば口ずさむ人、会話も盛り上がりをみせる。「家にこもるより交流したほうが人は元気になれるんです。黙って座っているだけでもいい。絶対に懐かしいから」といざなう。集いの場を作って定期的に開き、5年目になる。

 ○…秋田県出身で、小学生の頃は図工や理科が得意で、親に与えられたおもちゃは、動く仕組みを知りたくてひたすら分解した。時には鉱石ラジオも組み立てクラシックに耳を傾けた。工業高校を卒業後は好きな分野に引き寄せられ、日本ビクター大和工場に入社。CDやDVDなどオーディオ開発の最先端で働き、いくつかの特許取得に関わった。

 ○…当時に比べ、今はスマホで多くが事足りる時代。「何もなかった時代から、ラジオにテレビ、多くのものが生まれた。なくなるのもまた当然」と達観する。59歳で退職するまでは、地元の人づきあいを妻に任せきりだった。入谷地区は神社や自治会など人の交流が活発。「趣味もない、歌も芸もできない私みたいな者は、どこに行ったらいいだろう」。考えたあげくに思いついたのは居場所づくり。撮りためた昔のビデオなどを再編集し、皆で楽しむイベントを始めた。

 ○…5回目を終えた頃にコロナ禍が到来、参加者が高齢という事もあり、来場者が減少。そのころ自身も大病となり、胃を切除するなど計4回の手術を経験した。乗り越えられたのは「自宅で経験できない感動を提供したい」という主催者の気概。重たい機材が肩腰にくるが、次回は大型プロジェクターと手作り100インチスクリーンを持ち込む。元「技師」の腕の見せどころだ。

左から蓮野さん、石田さん、八木さん、小屋敷さん

地元の若手コンサート 入場無料・1月19日

 若い芽&若葉のコンサートが1月19日(日)に綾瀬市のオーエンス文化会館で開催される。

 午後1時開演。八木真智子さん(海老名市在住)、石田真亜沙さん(同)、蓮野ゆいさん(綾瀬市在住)、小屋敷梨花さん(同)が、モーツァルトやショパンなどの名曲を披露する。

 (問)同文化会館【電話】0467・77・1131

四隅に塩を置き、団子の棒が取り囲む

座間市 「いろり」囲みこんがり 相武台神社のどんど焼き

 相武台神社で1月11日にどんど焼きが行われ、親子連れなどが炎を囲んで団子を差し伸べた。

 他の地域は野原などに積み上げて焼くが、同神社では昭和30年代から専用の「いろり」を使う。

 普段はついているふたを開き、四隅に清めの塩を置き、お飾りを中へ。丁寧にプラスチックや金具を取り除いてから、年男や年女による「火入れ式」が行われた。

 炎が落ち着いた後、300人以上の参拝者が顔を伏せながらいろりを囲み、焼きたての団子をほお張り、振る舞われた豚汁に息を吹いていた。

 来場した座間市在住の女性は「普段は子どもの遊び場で登校班の集合場所。毎年お正月らしい事が自宅ではできないから嬉しい」。氏子委員会の本多公治会長(79)は「年々参加者が増えている。続けてきて良かった」と話した。

昭和30年代の特急券も(寄贈品の一部)

鉄道の歴史伝えたい 海老名市の歯科医

 海老名市中央のベル歯科医院に、このほど市内在住の患者から鉄道切符のコレクションが寄贈された。

 同院の鈴木彰院長(64)は模型や撮影などもたしなむ鉄道ファン。院内には小田急線の路線図や車両につけるヘッドマークなどを展示、地方のローカル鉄道の写真コンクールを主催するなど、患者の間でもその熱意が知られていた。

 寄贈された切符は100枚ほどあり、昭和30年代にさかのぼる古いもの。厚みがあり各駅の改札で入れたハサミの形も様々で、金額が10円、20円の近距離から小田急線のロマンスカー「きんとき号」の特急券、新幹線ができる前の東京〜大阪間の特急「富士」なども。鈴木院長は「切符ごとに解説を添えて歴史を紹介したい。来院した人と共通の趣味で語り合えたら」と話している。

座間で1月25日 昭和カフェ

 「昭和カフェ」が1月25日(土)に座間市の鈴鹿長宿自治会館 (入谷西2の49の7)で開かれる。

 入場無料で時間は午前10時から。
昭和初期からの懐かしい映画館などの映像を見ながら、楽しく語り合うイベント。

 元音響関連の技師、佐藤専二さん=人物風土記で紹介=が企画した。「語り合わず黙って見ているだけでも大丈夫です」と佐藤さん。

 (問)佐藤代表【電話】046・256・1965

ビバ・ラ・ムジカオーケストラ

ビバ・ラ・ムジカ演奏会 1月26日に海老名市で

 ビバ・ラ・ムジカオーケストラの第9回定期演奏会が1月26日(日)に、海老名市文化会館大ホールで開かれる。

 同楽団は、2013年設立。約30人の団員が「あなたの街の小さなオーケストラ」を合言葉に高齢者施設の訪問演奏をはじめ、座間市や綾瀬市などで地域に根差した活動を展開している。

 演奏会では、シューベルトの交響曲第8番「ザ・グレイト」第1楽章やモーツァルトの歌劇「魔笛」より序曲、「オペラ座の怪人」メドレーなどの楽曲を披露する。

 午後3時30分開演(開場午後3時)。入場無料、車いす席の用意もある(要事前連絡)。

 (問)同オーケストラ【メール】info_viva_la_musica@yahoo.co.jp

エベリーくんと触れ合う駅利用者

110番の日に合わせて 海老名署 適正利用を呼び掛け

 海老名警察署(今中隆洋署長)は、1月10日に小田急海老名駅中央改札口で「110番の日キャンペーン」を実施した。

 当日は、海老名署員や同署キャラクター「エベリーくん」に加え、県警OBなどで組織する警親会会員も参加。駅利用者に110番の適正利用を呼び掛けながら、啓発チラシやトートバッグを配った。

 このキャンペーンを企画した久保香菜子地域課長は「子ども達が喜んでいる姿を見て、やってよかったと思った。この取り組みが110番の適正利用の啓発につながればうれしい」と話した。

人工木材に焼き付けた絵柄

海老名の小学生デザイン 駅ベンチで魅力発信

 小田急線海老名駅西口改札付近に「海老名の魅力ベンチ」がこのほどお目見えした。人工木材でできたベンチの背もたれ部分に、七重の塔やいちご、えび〜にゃ、ロマンスカー、ポニーなど海老名の名物が焼きつけられている。

 海老名市のシティプロモーション課が市内で初めて設置したもので、絵柄のデザインは、市内の小学生によるもの。毎年夏休みの宿題で「海老名の好きなところ」をテーマにしたポスターを募っており、海老名サービスエリアやららぽーとで展示されている。

 今年は市内13校から集まった501作品の中から、絵柄の一部を採用。より多くの人に見てもらい、SNSなどを通じて話題になればと改札近くに設置したという。

ひまわりの形が特徴

県コンクールで優秀賞 座間市の洋菓子店ポエム

 第31回県菓子コンクールで洋菓子店ポエム(座間市入谷東・安西賢一代表)の「ざまSUNたると」が観光みやげ品の部で優秀賞に選ばれた。

 座間市では、2020年の「ひまわりまつり」がコロナ禍の影響で中止になり、その代替行事として「咲かせよう‼座間のひまわりプロジェクト」を企画。市内10団体が秋〜冬にヒマワリを咲かせた。商品はこの取り組みを記憶に留めようと考案した。ひまわりの種を使い、花をイメージした形になっている。

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特殊詐欺のバイトで使う隠語

「闇バイト、抜けられない」 綾瀬高校 取調べ警官が語る

 綾瀬高校で1月9日に闇バイトから身を守るための講演が開かれ、取調べなどを担当した大和署生活安全課の松本大輔さんが注意を呼び掛けた。

 スクリーンには闇バイトで使われる隠語が登場。「UD」(受け子・出し子)や「案件」(強盗や大麻取引など)、「アイス」(覚せい剤)といった単語を実際のSNSの投稿画面を見せながら紹介。さらに個人情報を握られる実行犯や逮捕後に家族を心配する被疑者の声など「スマホを通じて管理され、抜け出せなくなる」流れを説明した。

 生徒の一人は「テレビで見たことはあるが、こういう事なのかと分かった」「警察の人の話だと、より身近に感じる」と話していた。

耕作放棄地対策食育兼ねて 大物とれたよ

 海老名市立社家小学校の5・6年生が12月に同小学校西側の畑で大根の収穫を体験した。

 耕作放棄地対策と食育を組み合わせた初の試みで、市農業委員が同校に呼び掛けて実現した。青少年健全育成連絡協議会会員や農業委員などが3カ月間かけ世話をした畑に約160人の児童が来場=写真。歓声を上げながら大振りの大根を引き抜き「おでんやみそ汁にしたい」と話していた。

聴く&体験する 国際交流フェス 1月26日・座間で

 座間市国際交流フェスティバルが、1月26日(日)に旭小学校で開かれる。午後1時30分から4時。入場無料。

 会場では、米海軍勤務者の子どもによる和太鼓演奏や中国にルーツを持つ子どもの二胡演奏など、国際色豊かな演目が盛りだくさん。ステージ後には、民族楽器の体験会や交流ゲームもある。

 (問)市国際交流協会【電話】046・251・9000