海老名・座間・綾瀬版【2月28日(金)号】
V字になって現れた溝(=綾瀬市生涯学習課提供)

綾瀬市寺尾 中尾遺跡 奈良平安期の溝現れる 区分けや農業か 用途不明

 綾瀬市寺尾本町の中尾遺跡で、同遺跡では初となる奈良平安期の「溝」が見つかった。用途や全体の規模は不明。市では他の調査結果とともに、3月8日に報告会を開く。

 調査は宅地造成の一環で一昨年から昨年にかけて行われ、その断面から溝の幅は2mほどと分かった。全体の長さや詳細な年代は不明だが、離れた場所でも同様の溝が見つかり、続いている可能性もある。一帯は見晴らしがよく、中尾遺跡では縄文期の住居跡も見つかった。奈良・平安時代の遺構は初で、市生涯学習課では「驚いている。農業用の溝か、屋敷と畑を分ける溝なのか、調査が進めば手がかりが出るかもしれない」と話す。

 綾瀬市地域は奈良時代に「高座郡」の一部だった。741年の聖武天皇の詔により建てられた相模国分寺(海老名市)にも近く、中尾遺跡のある「寺尾」の由来も同寺に関連するのではという見方もある。

 市内では他にも奈良・平安時代の遺物が約70カ所で見つかっている。綾瀬西高校敷地の宮久保遺跡では、庶民が使わない貴重な奈良三彩小壺や「高坐」と墨書きした土器、また天平5年(733年)の荷札の木簡が見つかった。目久尻川をはさんだ城山公園の早川城山遺跡でも奈良三彩小壺が見つかっており、いずれも中央政府との関わりをうかがわせる。

 平安時代後期になると、後に鎌倉幕府の御家人となった渋谷氏の荘園となった。城山公園の早川城は当時の状況や言い伝えなどから渋谷氏ゆかりとされ、物見塚や曲輪などが見つかっている。

 報告会では中尾遺跡を含む近年の調査結果について紹介し、現地で調査に携わった(株)アーク・フィールドワークシステムの吉岡秀範さんが講演する。会場は中央公民館、時間は午後1時30分から。先着50人で、申し込みは同課【電話】0467・70・5637。

海老名市予算案 開発と人口増を反映 過去最大「超積極」編成

 海老名市が2月21日に2025年度の予算案を発表した。「つながりを力に、未来のまちづくり」をテーマにした一般会計は、前年度比16・6%増の593億円余りで、特別会計などを含めた総額は約891億円とした。いずれも4年連続の増額で過去最大。2月25日に市議会定例会に提案された。

 内野優市長(6期目)は施政方針で「まちづくり第2ステージにふさわしい超積極予算」と表現。中新田丸田地区土地区画整理事業などを通じた協調性ある開発や、公共施設再編、交通利便性向上への意欲を示した。

 一般会計の市税収入は前年度比6・8%増の約272億円余りで、子育て世代の人口増や企業業績回復で伸びる見込み。地方譲与税や交付金は5・2%減の約48億円、市債は建設事業が増えることもあり前年度比93・4%増の44億円を発行。基金から約13億円を繰り入れ財源を確保した。

 歳出では、最も大きい扶助費が子育て支援施設型給付費等の増で前年度比15・3%増の169億円。人件費は人事院勧告による見直しで同6・6%増の93億円、普通建設事業費は土地区画整理事業や大谷・杉久保地区の大規模公園整備推進を盛り込み、まちを新たに形作る事業が目立つ。(仮称)障がい者ケアセンター建設、4市間の消防通信指令システム構築なども含め前年比124・8%増の約77億円を見込む。

 主な新規・継続事業は次の通り。▽登別市との姉妹都市協定締結10周年記念式典の実施(160万円)▽待機児童解消のため、市役所南側の敷地内に保育所を整備(1300万円)▽(仮称)障がい者ケアセンターの建設(13億8千万円)▽中新田丸田地区土地区画整理事業の推進(10億8800万円)▽(仮称)大谷杉久保地区公園整備推進(6億4200万円)▽今泉小学校校舎増築(4400万円)▽座間市・綾瀬市・大和市と消防通信指令業務を共同運用するための整備(21億7千万円)▽小中学校体育館の利便性向上のため「スマートキーボックス」を導入(970万円)

海老名市役所で展示中の「つるし雛」を制作した団体で講師を務める 藤谷 怜子さん 海老名市東柏ケ谷在住 76歳

針と糸でつながる

 ○…海老名市役所のエントランスホールを彩るつるし雛。自身が教える「さくらキルトクラブ」と、もう一つの団体「あかね会」で力を合わせて作った。展示される約100本の飾りは、1本作るのに約2年間かかるという。ひと針ひと針「可愛くなれ」と願いをこめ、やっと完成した時の喜びはひとしお。作り手によって一つひとつに個性が表れ、「見ていて飽きない」とほほ笑む。

 ○…栃木県旧喜連川町出身。川や田んぼに囲まれた地で、魚をとり、花を摘んで遊んだ。中学生時代は部活でソフトボールに打ち込み、家では母から編み物を教わりながら、手袋や靴下を作っていた。高校卒業後は地元のニッティングスクールで学んだ。自動車関連メーカーに就職し、その後結婚した。20代の頃に海老名に移り住んだ。

 ○…50代に差し掛かかった時期に、夫が台湾へ転勤。同行するも最初は言葉も分からず、もともと「端っこ好き」という内気な性格も相まって買い物もひと苦労だった。いつしか「誰かにやってもらうのを待つのではなく、自分から前に出よう」と殻をやぶり、友達も増えた。「あっという間の3年間。行って良かった」と笑顔で振り返る。帰国後は地域活動に積極的に参加するようになり、その中でつるし雛作りに出会った。

 ○…2人の子が独立した今は、散歩を兼ねたスポーツジム通いも趣味で、ここでも新しい友ができる。つるし雛作りも講師として教えるというより友達同士で、赤い糸でつながってゆく雛のよう。いずれも目標は「現状維持」で「仲間と長く楽しくやっていければ」。人の交流が濃密な海老名を愛し、緑が豊かな目久尻川沿いがお気に入りスポット。故郷・喜連川の景色にも重なり、桜が待ち遠しい。

東西結ぶ上郷河原口線 海老名市 3月6日に開通

 海老名市めぐみ町で2016年から工事が進められていた市道「上郷河原口線」が3月6日に開通する。

「市立図書館前」交差点から相模線の線路下を通し、海老名駅の東西を結ぶ。渋滞緩和や防災機能の強化が見込まれる。

事例を発表した佐藤代表

カエルワークスが優秀賞 「三方良し」取り組み評価

 福祉業界の先進的な取り組みを表彰する「かながわ福祉サービス大賞」の事例発表会がこのほど、横浜市で開かれ、座間市の就労継続支援B型事業所「カエルワークス」(佐藤洋行代表)が優秀賞を受賞した。

 同賞は地域共生社会の推進に向けて福祉関連団体などの実践事例を共有しようと、(公社)かながわ福祉サービス振興会が主催。12回目となる今回は「三方良し」をテーマに28事業所から応募があり、一次選考を通過した8事業所が発表した。

 同事業所は昨年4月から座間市と連携し、違法な持ち去り行為に対するパトロールを兼ねて資源物の回収に取り組んでいる。定期的に座間市内のごみ集積所を回り、リユース可能な衣類などを選別して回収し、市に対して買い取り代金を支払っている。

 発表会では、市の歳入向上や併設のリユースショップ「カエルファクトリー」で販売事業に携わる同事業所利用者の工賃還元など、これまでの取り組みを発表した。

 審査員からは「歳入や工賃だけでなく、市民サービスの向上にもつながり、取り組みが広く普及することで地域共生社会づくりにもつながる」と評価を受けた。

 佐藤代表は優秀賞の受賞を喜ぶ一方で、「福祉と経済の融合で福祉業界も持続可能な考え方が求めれていると思います。取り組みを始めてから収益的にはまだまだですが、今後大きな流れにしていきたい」と話した。

 同事業所では食品ロス削減の観点から、家庭で余った加工食品や菓子、規格外野菜の買取りを3月から始めるという。

学習まんがを贈呈する雨宮本部長(右)

SOMPOケア 「介護職」を憧れに 海老名市に児童図書寄贈

 子どもたちに介護職を知ってもらおうと、SOMPOケア株式会社(本社/東京都品川区)が2月19日、海老名市に学習まんが「大研究!笑顔をつなぐ!介護の仕事」を16冊寄贈した。

 同社は介護職に対するイメージを変えて、憧れる職業にしてもらおうと、昨年11月から全国の小学校や図書館に学習まんがの寄贈に取り組んでいる。

 贈呈式では、同社の神奈川静岡本部の雨宮潤美本部長が出席し、内野優市長に学習まんがを手渡した。雨宮本部長は寄贈について「子どもたちに介護職を知ってもらい、興味を持つきっかけになれば」と話していた。

 学習まんがについて同市は、小学校13校と市立図書館に配架するほか、同社のウェブサイト(タイトル名で検索)では無料で公開されている。

色とりどりの飾りがつるされている

つるし雛 降るように 3月3日まで展示

 約100本のつるし雛が、海老名市役所1階のエントランスホールを彩っている。

 つるし雛とは、布で作られた縁起物の飾りを赤い紐に結び、連ならせたもの。同市東柏ケ谷を拠点に活動する手芸サークル「さくらキルトクラブ」と「あかね会」が作成した。より近くで飾りを見てもらおうと、フロアに設置した骨組みにつるす展示方法にした。

 さくらキルトクラブで講師を務める藤谷怜子さん(76)=人物風土記で紹介=は「かわいくなればと思いながら作った。見た方の気持ちが穏やかになってくれれば嬉しい」と話している。展示期間は3月3日(月)まで。

橘川佳彦市長=市提供写真

綾瀬市2025年度予算案 子育て、地域活性に重点 2大イベント開催見送り

 綾瀬市は、2月25日に開会した市議会定例会に前年度比13・8%増の368億1千万円となる2025年度一般会計予算案を提出した。特別会計などを含む予算全体は574億2900万円で過去最大となった。

 一般会計の歳入は、国が実施する定額減税の終了や企業の増益で市民税が7億6千万円増。家屋の新築や新規設備投資などにより固定資産税も2億5千万円の増となり、市税全体では前年度比7・6%増の140億8千万円を見込んだ。

 市債は、海老名市や座間市、大和市と進めている4市共同消防指令システムの更新や市庁舎の改修に伴い、10億3千万円増えた。

 歳出では、児童手当の受給対象年齢の拡大などにより扶助費が前年度比12・5%増、人件費も8・0%増で義務的経費は前年度より15億6千万円増える。

 普通建設事業費は、市庁舎の改修や南部ふれあい会館の空調設備改修などにより、15億5千万円の増額となった。不足分は財政調整基金から7億2千万円を取り崩した。

 就任から約7カ月で初めて編成した予算について橘川佳彦市長は「今見えている課題だけでなく、これから顕在化するであろう課題に対しても検討を重ねた施策を立案し、重点的に予算を配分した」としている。

 育てる・稼ぐ・支える・地域医療の充実の4つをテーマに、子育て・教育支援、地域活性、市民サービスの充実などに重点を置いた。

 予算案には熱中症のリスクなどを背景に「再構築する必要がる」とし、あやせ大納涼祭と綾瀬ベースサイドフェスティバルの計上はなく、今年度の開催が見送られる。道の駅関連の予算計上もなかった。

 主な事業は次の通り。▽AI型オンライン学習ドリル・授業支援ソフトの導入【新規】/1207万円(児童・生徒の理解度に合わせた問題の出題や解説など。9月導入予定)▽中心市街地の活性化【継続】/718万円(民間事業者からの事業提案等を収集し、事業展開を検討)▽地域公共交通の再構築【新規】/3490万円(AIを活用したデマンド型交通の実証実験とコミュニティバスの運行見直し)▽病院誘致に向けた地域医療の実態調査【新規】/790万円(国や県、医療機関へ誘致を働きかける根拠資料を作成)

栗原神社で焚き上げ 3月8日と9日に人形を受付

 座間市栗原中央の栗原神社(山本俊昭宮司)で3月8日(土)と9日(日)の2日間、お焚き上げ人形の受付を行う。

 午前9時から午後1時まで境内で受付。初穂料は3〜5千円(個数による)。羽子板可、ガラス不可。

 お焚き上げは3月15日(土)の午前8時30分から。

 (問)氏子総代長の大矢一則さん【携帯電話】090・8688・5169

ざまパトに寄贈する有山会長

座間青安連の志、次世代へ 3月で解散 運営費を寄贈

 座間地区青少年交通安全連絡協議会(有山晴夫会長)が3月31日で解散することになり、運営費など30万5千円を青パトでの見回りなどを続ける「ざまパト」(守屋朋龍代表)に寄贈した。

 同会は15年ほど前から活動を始め、県道51号沿いに防犯カメラを設置し、小学生に反射キーホルダーを贈るなど啓発を続けてきた。県の青安連の解散などを背景に、座間もいったん終止符を打つことになり「やる気ある若手を支援しよう」と運営費寄贈を決めた。2月17日の寄贈式では佐々木進署長にも啓発の反射板を贈った。守屋さんは「伝統ある会の志を引き継ぐ思い。救命機器の購入や運営費等に活用させて頂きたい」と語った。

全国選抜大会に出場する海老名リトルシニア

2年連続6度目の選抜へ 海老名リトルシニア

 中学硬式野球チームの海老名リトルシニア(飯塚良二監督)が、3月25日から大阪府で開かれるJA共済杯第31回日本リトルシニア全国選抜大会に出場する。

 同チームは昨年10月の関東連盟秋季大会でベスト16入りの成績を収め、関東代表に選出。2年連続6度目となる全国選抜大会の出場を決めた。チーム状態について飯塚監督は「走攻守すべてにおいて発展途上」といい、「全国大会では強豪チームと戦うことで、個々の選手がレベルアップするきっかけにしてほしい」と話す。

 全国大会のチーム目標は「ベスト8以上」で、投手の岩田大輝さん(海老名・柏ケ谷中2年)は「自分の持っている力をすべて出し切りたい」、内野手の出野達也さん(同・大谷中2年)は「1試合でも多く勝ち上がれるよう、チームに貢献する活躍をしたい」と全力プレーを誓った。

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県大会で優勝した選手(上段左から)又村さん、高田さん、田中さん、(下段左から)古橋さん、櫻井さん

トランポリン 県大会で上位独占 5選手が優勝

 第39回神奈川県トランポリン大会が2月2日に厚木市荻野運動公園体育館で行われ、海老名市社家で活動するアストレアスポーツクラブ(音成眞紀子代表)に所属する5選手が優勝、9選手が入賞する活躍を見せた。

 同大会には幼稚園児や一般など300人近くの選手が出場し、年齢や技の難易度によって分けられた11のクラスで演技の完成度を競った。

 指導者の音成代表は「大会出場を決めてから選手たちは真摯に練習に取り組んでいた。自分の演技を出し切ったことを評価したい」とたたえていた。

 同クラブの各クラス入賞者は次の通り。▽園児年中以下クラス/2位・三栖結月さん▽園児年長クラス/優勝・古橋穂乃果さん、3位・山本二瑚さん▽小学1・2年生クラス/3位・三栖陽人さん▽小学3・4年生クラス女子/優勝・櫻井優さん▽小学3・4年生クラス男子/2位・三栖春真さん、3位・山内壱翔さん▽小学5・6年生クラス男子/2位・重田優翔さん▽Cクラス女子/優勝・高田 恵那さん▽Cクラス男子/2位・金子颯杜さん▽Bクラス女子/優勝・又村翠月さん▽Aクラス女子/優勝・田中陽笑さん、2位・山田ちひろさん、3位・山田ゆいさん