海老名市役所で展示中の「つるし雛」を制作した団体で講師を務める 藤谷 怜子さん 海老名市東柏ケ谷在住 76歳
針と糸でつながる
○…海老名市役所のエントランスホールを彩るつるし雛。自身が教える「さくらキルトクラブ」と、もう一つの団体「あかね会」で力を合わせて作った。展示される約100本の飾りは、1本作るのに約2年間かかるという。ひと針ひと針「可愛くなれ」と願いをこめ、やっと完成した時の喜びはひとしお。作り手によって一つひとつに個性が表れ、「見ていて飽きない」とほほ笑む。
○…栃木県旧喜連川町出身。川や田んぼに囲まれた地で、魚をとり、花を摘んで遊んだ。中学生時代は部活でソフトボールに打ち込み、家では母から編み物を教わりながら、手袋や靴下を作っていた。高校卒業後は地元のニッティングスクールで学んだ。自動車関連メーカーに就職し、その後結婚した。20代の頃に海老名に移り住んだ。
○…50代に差し掛かかった時期に、夫が台湾へ転勤。同行するも最初は言葉も分からず、もともと「端っこ好き」という内気な性格も相まって買い物もひと苦労だった。いつしか「誰かにやってもらうのを待つのではなく、自分から前に出よう」と殻をやぶり、友達も増えた。「あっという間の3年間。行って良かった」と笑顔で振り返る。帰国後は地域活動に積極的に参加するようになり、その中でつるし雛作りに出会った。
○…2人の子が独立した今は、散歩を兼ねたスポーツジム通いも趣味で、ここでも新しい友ができる。つるし雛作りも講師として教えるというより友達同士で、赤い糸でつながってゆく雛のよう。いずれも目標は「現状維持」で「仲間と長く楽しくやっていければ」。人の交流が濃密な海老名を愛し、緑が豊かな目久尻川沿いがお気に入りスポット。故郷・喜連川の景色にも重なり、桜が待ち遠しい。
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