川崎区・幸区版【3月14日(金)号】
証書を手にする認証者と川崎市長(正面中央)

福祉・かわさき基準(KIS) 5社6製品、新たに認証 市長「世界へ向け、活躍を」

 高齢者や障がい者の人々の豊かな暮らしや自立につながる製品「かわさき基準(KIS)認証福祉製品」の2024年度の認証式が3月4日、川崎フロンティアビルで行われ、5社6製品が新たに認定を受けた。

 同制度は、08年に創設。自立支援を中心とした8つの理念に適合しているか判断の上、1製品につき約3つの福祉施設で1カ月程、モニターテストを実施後、専門家の意見も踏まえて認証に至る。これまで295製品が認証を受けた。

 式典では、福田紀彦市長が「川崎は近年、バイオ、ウェルフェア、環境とさまざまな分野に力を入れ、大きく躍進してきた。市内の技術力は誇れるものがある。ぜひ世界に向けて、活躍して欲しい」とエールを送った。

 猫型などのコミュニケーションロボット製品で認証されたトレンドマスター(株)の中田敦代表取締役は「もともと子ども用に販売していたが、リアリティーあるかわいさに、大人が購入したのを見たのが、制作のヒントだった」と高齢者向けに考えるきっかけを話してくれた。

 市の担当者は「福祉の場をサポートできるだけでなく、企業の収益向上や事業拡大にもつながるので、これまでの製品も含め、PRなど支援をしていきたい」と語った。

 式典では、コントラバス奏者の大西雄二さんによる演奏も行われた。大西さんは、人工膀胱を増設した「オストメイト」であり、今回認証された(株)アズリボンの「Wzipお出かけ快適パンツ」の使用モニター。「感謝を伝えたい」と演奏を申しての出演となり、式に花を添えた。

 今年度、認証された企業は次の通り。

 ファシリティジャポン(株)の「FACIL,iti」=東京都千代田区=、トレンドマスター(株)の「なでなでねこちゃんEX エレガンス」「なごみケーションにゃんこ ぬくもり」=中原区=、ダブル技研(株)の「食事介助ロボット Obi」=座間市=、(株)スマートスタートの「REAXION」=東京都千代田区=、(株)アズリボンの「Wzipお出かけ快適パンツ」=横浜市都筑区

(上)メッセージを手書きする飯田選手(下)「〇〇さんへ」から始まるメッセージ

川崎BT 「飯田遼シート」大好評 ひとり親家庭の招待企画

 プロバスケットボールBリーグ1部の川崎ブレイブサンダースが始めた「ひとり親家庭招待企画」が好評だ。飯田遼選手の発案で始まり、等々力アリーナでのホームゲームに招待した家族はまもなく100人を超える。選手からの手紙を添えた「お土産」もあり、招待された家族からは様々な感謝の言葉が寄せられている。

 企画の名は「飯田遼シート」。飯田選手は以前から「様々な事情で観戦に来ることが難しい人たちを招待したい」と考えていたという。他のプロスポーツの実績を調べ、クラブスタッフのアドバイスもふまえ、18歳以下の子どもがいる市内在住のひとり親家庭を招待する企画を発案した。

 クラブのメインスポンサー「ミツトヨ」も飯田選手の思いに共感。同社がチケット代を支援し、当事者への呼びかけと応募の窓口対応は、ひとり親家庭の支援策を実施する川崎市が協力。昨年11月から企画が始まり、3月5日の試合までに計26組85人を招待してきた。

 観戦を楽しんでもらうためにメガホンや選手名入りタオルなどの「お土産」も用意。飯田選手からのメッセージカードも同封する。「本当は家族のみなさんと歓談したり記念撮影をしたりしたいけれど、難しいので、せめて手紙だけでも」と飯田選手。試合前に招待した家族あてに一枚一枚、メッセージを考えて手書きしているという。

 観戦した感想も、クラブに続々と寄せられている。思春期で親子の関係性が難しくなっていた息子と観戦し、帰宅後、息子から「今日はありがとう!」と言われて「泣きそうだった」という人。帰宅後に飯田選手の手紙を見つけ、心のこもった文面に感動し、「心にしみて感無量だった。宝物にする」と思いを寄せた人もいる。

 多摩区の女性は、子ども3人と観戦。かねて女性はBリーグに興味があったが、実際の試合に来るのは初めてだった。「めちゃくちゃ楽しみました。近くの席の人が応援の仕方も教えてくれて、飯田選手がシュートを打つたびに家族で盛り上がった。ぜひまた行きたい」と満面の笑みで話していた。

舞台「かわさきドリームミュージカル『太田どうかんと夢の城』」で演出を務める 草間 湖奈美さん 幸区下平間在住 40歳

情熱を力に、夢を追う

 ○…幸区のイベントで地域教育会議の人と知り合ったのがきっかけだった。俳優だった経歴を伝えると、あっという間に話が進んで舞台の演出を務めることに。間近に迫った公演に向けて、アドバイスを送る忙しい日々だ。「演者の表現したい気持ちを尊重しつつ、その人の持っている力を引き出せるように努めている。大変なことも多いが、演者がだんだん上達していくのが嬉しい」と指導に熱が入る。

 ○…埼玉県の入間市生まれ。芸術や文化に関心の高い両親の下で育った。幼い頃にテレビで見た高校演劇の全国大会に憧れを抱き、演劇の道へ。20代の頃には演劇の聖地・下北沢で、バンドマンたちと下積み生活を経験し、夢を語り合った。舞台に立てない時は、衣装や荷物を運ぶような裏方仕事もこなしたという。「当時は海外を転々としながら、その場その場で演劇をして暮らしていきたいなんて思っていたかな」と振り返る。その瞳はいまだに輝きを失っていない。

 ○…転機となったのは子育て。それまで演劇に傾けていたエネルギーのすべてを、2人の子どもに注いだ。「子どもたちには自分が本当に何をやりたいか、つきつめてほしい。そのきっかけとなる選択肢を、親としてなるべく多く示してあげたい」。持てる力のすべてを出すスタイルは、若い頃から変わらない。

 ○…大の映画好きで、コメディーやロマンス、SFなどジャンルを問わずなんでも観る。「今でも時間があると1日に2本は観るけど、若い頃には1日で7本観たこともあった」と昔を懐かしむ。現在は、俳優の夢を追いかけ、子どもを育てた経験を活かして、自身を演劇教育ファシリテーターと名乗り、演劇を学校教育に取り入れる活動にもいそしむ。

チラシを手に加入を呼びかけ

川崎・臨港消防団長 「団員募集チラシ活用を」 中山区長を訪問

 消防団員確保に向け、村上健二川崎消防団長と清水潔臨港消防団長が3月5日、川崎区役所を訪問。転入者にアピールしてもらいたいと県立大師高生美術部部員が作成した募集チラシを中山健一区長に手渡した。区では転入者向けに防災マップなどを差し込んだ「ウェルカムセット」にチラシを封入してPRを図る。

 チラシはA4サイズで川崎区の地図に消防署や出張所があしらわれている。若い消防団員のイラストも描かれ「キミもこの街のヒーローに」「この手で守れるものがある」とのメッセージが添えられている。

 両団長は「大変というイメージがあるかもしれないが、働き方に合わせて訓練している人もいる」とし「大勢の方に入っていただきたい」と期待を込めた。

 両消防署によると同日時点の団員数は川崎が定員160人に対して116人、臨港が定員138人に対して104人。

経験談を伝える小川さん

戦争経験者小川さん 「生き残った者の義務」 川崎市平和館で講演

 川崎市平和館で3月8日、「戦後80年 川崎大空襲記録展 戦時下の市民生活と川崎大空襲」と題した企画展が始まり、戦争経験者の小川一夫さん(94)が講演した。

 小川さんは80年前の4月15日夜、自宅があった稲毛神社近くの宮本町(現在の川崎中央郵便局周辺)で被災。神社の生木が燃える光景を目の当たりにし、燃え盛る炎と火の粉が降りかかる中、足が不自由な母と姉をリヤカーに乗せ、父と近くの広場まで避難。翌朝戻ると自宅は焼失し、思い出の家族写真や先祖の位牌も失った。その後も深刻な食料不足に直面し、一夫さんの一家6人で、手のひら一杯だけの米や甘藷(さつまいも)などで生きながらえた困窮さを、涙ながらに伝えた。

 今も当時を思い出し身がすくむ思いに悩まされる小川さん。90歳を過ぎ、語り部をする理由を「無念の死を遂げた人たちに代わって、真実を語り続けることが生き残った者の義務」と語った。

企画展は5月6日まで

 平和学習に取り組んだ東橘中学校の生徒も登壇し、広島を訪れ、現地で聞いた話を発表。御田光さん(15)は「国や考え方が違っても相手の視点に立ち理解することが大切」と話し、松倉朱音さん(15)は「平和が当たり前ではなく、危機感をもち次世代に伝えていきたい」と思いを込めた。

 今回の企画展では当時の白黒写真をAIや証言を基にカラー化したパネルなどを展示。5月6日(火)まで開催されている。

“熱い”製造現場を見られる機会

JFEで工場見学会 3月29日、30日

 鉄の製造現場を身近に感じてもらおうと、JFEスチール東日本製鉄所(京浜地区)は春休み工場見学会を3月29日(土)と30日(日)に開催する。

 見学会は小川町の「靴のヒカリ前」に集合。現地到着後、溶鉱炉や圧延工場などを見てまわる。

 小学生以上(小学生は保護者同伴)が対象。各日とも午前の部(10時から0時30分)と午後の部(1時30分から4時)の2部制。定員は各回50人。費用は無料。参加希望者、詳細の問い合わせは、3月27日(木)までにJFEスチール東日本製鉄所京浜地区見学チーム【電話】044・322・1114。受付時間は平日午前9時30分から午後4時。

技術に関して意見交換する参加者と出展者

ニッチな技術に興味津々 市産振で展示会

 川崎市はニッチな技術を集めた展示会「くっつかためる展」を3月5日、市産業振興会館(幸区堀川町)で開催。市内外の中小企業17社が参加。自社の製品技術をPRした。

 「ニッチな技術」は、特定の市場に需要があるとされる。会場には、接合・接着・溶接技術等の「くっつける」と、焼結・成型技術等の「かためる」技術を持った中小企業が出展。訪れた人との商談やビジネス交流を熱心に行っていた。

ユニークさに惹かれ参加

 かわさきマイスターも輩出した株式会社仙崎鐵工所の沼りえ代表取締役は、テーマのユニークさに惹かれ、技術者と一緒に初参加し「技術者同士だからこそ分かり合える話もある。ニッチな会話で交流していたりと刺激をもらいました」と参加した喜びを語った。

 市によるとこの日は、企業や行政、支援関係者、学生など、計189人が来場した。

あいさつする加藤理事長

川崎ドッジボール連盟 大会拡大に意欲 加藤理事長

 川崎ドッジボール連盟の新年会が2月22日、中原区の中華料理店「宝珍桜」で行われた。同連盟に所属するチームの監督、コーチのほか、関係者ら35人が出席。新年度に向けて気持ちを新たにしていた。

 同連盟によると、新年度は5月6日に春の大会を実施するほか、城南杯と秋の大会を予定しているという。あいさつに立った加藤勉理事長は「優勝を目指して頑張っていただきたい」とエールを送った。その後の本紙の取材で、加藤理事長は、鶴見区や大田区など近隣チームから参加の希望があれば、門戸を開きたい考えを示した。

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6年ぶりに子ども相撲も開催

読者プレゼント 大相撲川崎場所へご招待 4月24日 とどろきアリーナ

 4月24日(木)、とどろきアリーナで行われる大相撲川崎場所の招待券(3階席)を本紙読者5組10名様にプレゼント。

 人気力士との写真撮影会、相撲の禁じ手を面白おかしく紹介する初切(しょっきり)など、巡業ならではの企画が盛りだくさん。幕内の取組、迫力ある横綱の土俵入りも楽しめる。応募は住所、氏名、【電話】、本紙の感想を書いて、〒211―0042中原区下新城3の14の7タウンニュース社「大相撲係」にはがきかメール(kawasaki@townnews.jp)で。3月20日(木)必着。

※当選者に招待券を発送します。

武部副大臣(左から5人目)に要望書を手渡す協会関係者と顧問議員団

LPガス協会 国に空調の早期設置要望 小中学校体育館へ

 公益社団法人神奈川県LPガス協会川崎北支部(中嶋千治支部長)、川崎南支部(岩瀬友伸支部長)は3月5日、川崎市LP協会顧問議員団と共に文部科学省を訪れ、川崎市立小学校・中学校体育館の空調設備の早期設置に関する要望書を武部新副大臣に手渡した。

 今回、両支部が提出した要望の内容は学校施設環境改善交付金の補助に対し「7000万円の算定対象上限の引き上げ」、地方交付税の「交付団体2分の1、不交付団体7分の2補助を、災害対応の観点から区別なく同等の対応を求める」の2点。

 要望の背景には、市立小中学校の体育館の空調設備の設置率、断熱室率が低いことにある。2024年9月1日時点で、市立小中学校体育館の空調設備の平均設置率は1・8%、断熱化改修や遮熱塗装等が行われた平均断熱室率は18・7%。両支部ではこれが不十分であるとし、自立型電源を備えたガスエンジン・ヒートポンプ・エアコンの設置が熱中症予防と災害対策の両面で有意義だと考えていることから、以前から空調設備の導入促進を訴えてきた。

 川崎市議会でも「公立学校施設への空調設備の整備促進を求める決議」を昨年12月議会で全会一致で可決。市も次年度に「全校への空調設備の導入に向けて整備内容やスケジュール等の検討を進めていく」とする一方で、計画案では3年で15校の整備となっていることから、今回の要望を行った。

 関係者によると武部副大臣は「地方自治体が主体となって考えるべき」と両支部長に返答したという。両支部長は「学校現場から声が上がっている。引き続き、空調と自立型電源の提案をしていきたい」と話した。

優勝した宮前クラブ

宮前クラブが制す JFE杯バレーボール

 JFEカップ・ママさんバレーボール大会がこのほど、JFE水江体育館(川崎区水江町)で開催された。

 大会には10チームが参加し、トーナメント戦で勝敗を競った。結果は次の通り。▽優勝=宮前クラブ▽準優勝は台町▽3位=Daisy、まどか。

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演説する田中県議

治安対策で成果 田中県議が強調

 幸区選出の田中徳一郎県議(自民)は2月27日、川崎フロンティアビル(川崎区駅前本町)で開かれた支援者の集まりで県政報告を行った。

 田中氏は自らの提案で川崎駅東口繁華街などでの「ぼったくり」に対し、6月から取り締まりを強化する県迷惑行為防止条例改正にこぎつけた実績を強調した。

 防災対策では、自身の議会質問がきっかけとなり、防災ヘリの導入が実現したことを報告。これまで補助金を出し、県西部などの出動要請に応じてもらっていた川崎市や横浜市への「補助金の継続もお願いした」とも述べた。

優勝を喜ぶ本田さん(左)と署のメンバー

川崎署が35年振りⅤ 県警柔道・剣道大会で

 川崎警察署(川崎区日進町)は2月10日、神奈川県警察学校で行われた「神奈川県警察柔道・剣道大会」柔道の部A組で優勝を果たした。同署が頂点に立ったのは1989年以来35年振り。

 58回目となる同大会では、県内の54署がA・B・Cの3つの組に分かれ、1チーム5人の団体制でトーナメント戦を行った。同署は藤沢署、神奈川署、横須賀署と戦って勝ち進み、決勝で伊勢佐木署と対決。5人を戦い終えた時点で勝敗が並び、試合は一度戦い終えた選手が再度出場する代表戦までもつれた。結果は判定勝ちとなり、接戦を見事に制して優勝旗を手にした。

 監督を務めたのは警務係の本田和嘉さん(49)。中学生の頃から柔道を始め、県警の柔道特別訓練員を10年務めた経験もある。「今回は学生時代に全国大会などで活躍した実力者がそろったので、優勝が狙えると思っていた」と振り返る。練習ではケガのないようチームマネジメントに努めながら、他署のチームや機動隊と一緒にトレーニングに励み、強度を高めた。

 「決勝戦では加藤署長が円陣に加わって士気を高めてくれた。おかげでメンバーの気持ちが一つになったと思う。このチームワークを今後の治安維持につなげていきたい」と力を込めた。

練習に励む出演者ら

道灌(どうかん)題材のミュージカル 幸区の一般市民が出演

 室町時代の武将・太田道灌の伝承をアレンジした舞台「かわさきドリームミュージカル 太田どうかんと夢の城」が3月22日(土)・23日(日)、幸市民館大ホールで開催される。

 幸区に住む一般市民が出演する同舞台。演出を務める草間湖奈美さん=人物風土記で紹介=は「ポジティブな内容に生まれ変わった物語と、中高生の吹奏楽の演奏が見どころ」と話す。

感謝状が贈られた森さん(中央左)、根本さんと加納支店長

川崎署 SNS型投資詐欺、防ぐ 銀行員に感謝状

 川崎警察署(加藤和男署長)が3月4日、SNS型の投資詐欺を未然に防いだことに対し、みずほ銀行川崎支店の行員2人に感謝状を贈呈した。

 表彰を受けたのは、森千賀さんと根本久美子さん。1月22日に高齢者男性がSNSで知り合った人物に現金を振り込もうとしたが「振込先がわからない」と窓口に相談。対応した行員が携帯電話でのやりとりや、詳しく話を聞くと、詐欺の疑いがあると判明。警察に連絡し、振込を阻止した。

 森さんは「大切な預金を守れてよかった」と話し、根本さんは「異変を感じ、被害を防げてよかった」と語った。

コーヒーとクッキーを「召し上がって」

B型事業所利用者 「おいしかったね」励みに 駅前カフェで就労体験

 障害者の就労支援に取り組むNPO法人「エミフル」(千葉裕明理事長)の利用者が川崎駅地下街「アゼリア」の「KAWASAKI Craft Beer Stand by Tokaido Beer」で平日の日中、就労体験を行っている。コーヒーの提供に加え、3月から麦芽粕をリメイクしたクッキーの販売も開始。やりがいを感じながら店頭に立つ。

 同法人は「楽しく、いろんなことにチャレンジ」をモットーに、就労継続支援B型事業所を設立し、生産、清掃、販売など、さまざまな就労支援活動に取り組む。「きれいなカフェで働きたい」という利用者の思いを知った同店を運営する(株)岩田屋の岩澤克政社長が「ならば、うちの店を活用して」と機会を提供したのがきっかけだ。同店はクラフトビールを提供するが日中はカフェとしても営業する。

 店頭での仕事は接客、清掃、コーヒーとお菓子の販売で利用者の一人は「コーヒーがおいしかったといわれ、嬉しかった」と笑顔を見せる。別の女性利用者は「お母さんに働く姿を見てもらいたい」とも語る。

 麦芽粕利用のクッキーは、岩田屋が運営するクラフトビール1号店「東海道BEER川崎宿工場」(川崎区本町)のビール醸造の際に出る麦芽粕を使用。エミフル関係者は「3、4年前から同店の麦芽粕を利用し、商品開発に取り組んでいた」と説明。パンやブラウニーなどにも挑戦する中でクッキーに行きついた。現在はイートイン形式だが、テイクアウトができるようにする予定。コーヒーもブレンドに加え、「豆こねくと」(中原区)のオリジナルコーヒーを提供する。

 店頭に立つのは午前10時から午後4時。問い合わせは【電話】070・5076・1030。

文化祭で交流深める 中高生の作品展示等

 川崎市教育委員会は3月22日(土)・23日(日)、川崎市教育文化会館1階イベントホール(川崎区富士見)で「第3回かわさき春の文化祭」を開催。時間は両日とも午前10時から午後3時。

 おおむね中学生から25歳までの若い世代に対し、学校以外の場所で作品発表や交流の場を提供する。市内の高校生・中学生や個人の作品展示、映像上映等が行われる。

 他にも筆文字や気功整体、ストラップ作りや尿素と洗剤で雪を作る体験など、誰もが楽しめるバラエティー豊かなコーナーが盛りだくさん。

 入場無料。申し込み不要。体験コーナーは別途材料費が必要。詳細・問い合わせは同所【電話】044・233・6361。

かばち家大福さん

社会人落語家が勢ぞろい 23日 かわさき宿交流館で

 かわさき落語倶楽部主催の「第13回かわらく寄席」が3月23日(日)、東海道かわさき宿交流館(川崎区本町)で開かれる。

 出演者と演目は、喜楽亭笑吉「湯屋番」、かばち家大福「八五郎出世」等。開場は午後1時(整理券配布は午後0時30分)、開演は1時30分で、定員は100名(先着順)。木戸銭無料。

 詳細・問い合わせは喜楽亭笑吉さん【携帯電話】090・4619・8675へ。

川崎駅前で呼びかける渡部議長

地域連合 「賃上げで好循環を」 2つの駅で街頭運動

 川崎地域連合は2月27日、JR川崎駅と武蔵溝ノ口駅で街頭運動を実施した。全国各地で行われる「連合アクション」に合わせて、県内最大の労働団体「連合神奈川」の9つの地域連合が一斉に行ったもの。

 春闘の一環として、継続的な賃上げと、取引の適正化を求めて行われた同キャンペーン。JR川崎駅東口であいさつにたった渡部賢三議長は、「103万円の壁」やガソリンのトリガー条項の撤廃をアピール。昨今の物価高にも触れ、「賃金を1500円まで引き上げ、消費を生み、企業が潤うという好循環を生みたい」と力を込めた。

 当日は「賃金引上げには価格転嫁がカギ!」「みんなでつくろう! 賃上げがあたりまえの社会」などの文言が書かれたチラシ入りのポケットティッシュを、両駅で合計1万2千個配布した。

3〜5月号の表紙

文化芸術情報を一冊に 県内イベントを紹介

 神奈川県は、県内の魅力的な文化芸術イベント情報をまとめた冊子、「イベントカレンダー」の3月〜5月号をこのほど発行した。

 文化芸術の魅力で人を引き付け、地域のにぎわいをつくり出すマグネット・カルチャー(マグカル)の取組みを推進している県が発行する冊子で、毎号、県内文化施設の公演や展示情報などがカレンダー形式で紹介されている。今号の特集はピアニストで、初代マグカル大使を務める熊本マリさんのインタビューや、音楽やダンス、大道芸などが自由に発表できる空間「マグカル解放区」を紹介。チケットが当たるプレゼントも実施している。冊子は県内各文化施設や一部の商業施設、自治体等で無料で受け取ることができる。

商店街を彩るこいのぼり

銀柳街 こいのぼり募集中 4月10日まで

 川崎銀柳街商業協同組合(吉澤慶太理事長)は4月10日(木)午後5時まで、家庭で不要になったこいのぼりを募集している。

 同商店街では、日本の伝統文化を継承する目的で4月下旬から5月下旬にかけ、こいのぼりを商店街アーケードに飾り付ける取り組みを数年前から行っている。吉澤理事長は「ご家庭で出すことのなくなったこいのぼりを銀柳街で泳がせてみませんか」と呼びかける。

 寄贈は同商店街事務所へ直接持参するか宅配。送付先は〒210―0007川崎区駅前本町3の7。送料は譲渡者が負担する。持参する場合は事務所に電話で事前連絡が必要。持参の人には商店街オリジナルのギンちゃんサイダー2本と、ギンちゃんあめを全員にプレゼントする。

 問い合わせは、同商店街事務所【電話】044・233・1666。

「声」を受けたメッセージを発信する市長

子ども・若者の声募集箱 使いやすくリニューアル 福田市長の動画も配信

 川崎市内の子どもや若者からの声を集める市の「募集箱」が、このほどリニューアルされた。市の公式ホームページ内から市の「かわさきしこどもページ」に移設され、福田紀彦市長からのメッセージ動画も加わった。

 リニューアルされたのは「子ども・若者の”声”募集箱」。市内在住か在学、在勤の小学校4年生〜18歳までの子どもや若者が、市や地域に関する要望や意見を投稿できる。若い世代の意見を市政に生かすため2022年12月に試験的に始まり、23年9月から本格実施となった。

 「募集箱」はこれまで市のホームページ上にあったが、「場所がわかりにくい」「(ページに)明るい色を使って」などの声が寄せられていたため、今年2月から子どもに関することや学校関連の情報をまとめた「かわさきしこどもページ」へ移設。さらにこの取り組みを身近に感じてもらえるよう、これまで文章で掲載していた福田市長のメッセージを、市長自らが声で届ける動画として随時、掲載する。

 動画第1弾は、高津区の小学4年生から寄せられた「ごみ拾い活動を増やして」という声へのメッセージ。市長は昨年11月に同区で開催した「車座集会」で「ポイ捨てのないきれいなまちづくり」について市民と意見交換したことを紹介。日ごろ地域の美化活動を担う人々の存在に改めて気づかされたと話し、「みなさんもぜひ地域で参加を」と呼びかけている。

 「募集箱」には、23年度は347通402件、24年度は昨年12月末までで310通327件の声が寄せられた。「学校の体育館の雨漏りがひどいので直してほしい」「GIGA端末を家に持ち帰る回数を減らして」など学校現場の生の声や、「いじめを受けています。助けて」といったSOSも寄せられている。

学用品を受け取る子どもたち=市提供

能登半島の被災地支援 川崎市 児童生徒157人に学用品

 川崎市はこのほど令和6年能登半島地震の被災地で支援を必要としている児童・生徒がいる世帯向けに、体操服や国語辞典などの学用品計約1500点を、現地の支援団体を通して支援した。

 昨年1月の能登半島地震を受け、市では地震の直後から被災地支援のための寄付金を受け付けている。これまでに232件、計約4945万円(2月14日現在)の寄付が寄せられた。

 この寄付金を活用し、市の各部署が被災地の需要を探りながらさまざまな形で支援を続けている。今回は石川県の支援団体「NPO制服バンク石川」がウェブサイト上で被災地の児童・生徒への学用品の支援を求めていたことから、昨年5月に市の担当者がNPOにコンタクトを取った。

 その上でNPOが被災世帯に必要な学用品を聞き取り、服のサイズなども含めた具体的な情報を市に共有。児童・生徒157人分の学用品1474点(計約288万円相当)を市が購入し、NPOに送付した。

 内訳は体操服(上下)190点、ポロシャツ474点、スクールソックス310点、習字セット63点、国語辞典94点など。3月2日に金沢市の石川県立武道館で対象世帯に学用品が配布されたほか、遠方の世帯には郵送などで届けられた。

 学用品を受け取った被災者からは「家の再建が見通せない。今回の支援は大変ありがたい」といった感謝の声や、「自宅が全壊して子どもが転校するので負担が大きく、(支援は)助かる」という切実な声が寄せられた。市の担当者は「現地の団体との連携によって、被災者一人一人が本当に必要としているものをお届けできたと思う」と話している。

ボードを作った国語科の片岡教諭

GO!GO!!フロンターレ

職員室前で試合結果を発信中

 幸区の塚越中学校(渡辺修宏校長)が川崎フロンターレに特化した手作りボードを制作し、試合結果を発信している。

 手がけているのは、国語科の片岡達弥教諭(26)。サッカー好きの片岡教諭は、2年前から作成を始めた。以来毎試合の結果はもちろん、勝敗や試合の内容に関する一言コメント、試合の度に変動するリーグの順位までを網羅。順位の上げ下げを示す矢印のマグネットまで手作りというから驚きだ。

 置かれているのが職員室前というのもポイントの一つ。質問や相談にやって来る生徒の目に、必ず触れる場所だ。片岡教諭は「サッカーに興味を持つきっかけや入口になればと思って始めた。スタジアムに足を運ぶまでいかなくても、ボードを見ることで、フロンターレが身近な存在になると思う」と話す。

 昨年の卒業生の中には、毎試合の結果や分析をA4用紙にびっしり書いてボードに貼るほど、熱心なファンの生徒もいたという。生徒の興味や関心をさらに伸ばす、自己実現の場にもなっている様子だ。片岡教諭は「生徒の中でフロンターレが話題になってくれたら嬉しい」とほほえむ。