逗子・葉山版【3月21日(金)号】
3月末で閉鎖になる逗子市交通安全協会

交通安全協会 逗子・葉山共に3月末、閉鎖 会員減少で資金難

 逗子市と葉山町の両交通安全協会が3月31日(月)を最後に閉鎖する。逗子、葉山ともに会員数の減少などから資金面で運営が厳しくなっていたことに加え、3月から運転免許更新時の手数料がキャッシュレス化したことによる収入源の消失が追い打ちをかけた。葉山は解散、逗子は組織を残し、ボランティア活動は続けていくとしている。

 交通安全協会は「交通の危険防止のため交通道徳の普及高揚を図り、交通秩序の確立と交通安全の実現に寄与する」ことを目的とした組織で、警察と連携してはいるが民間団体。県や市町からの補助はあるが、運営費の多くは入会、更新時の会費と収入証紙の販売、顔写真撮影の手数料などで賄っている。

 逗子安協の小林壽志会長によれば5年ほど前から会員減少が激しくなり、赤字運営で蓄えを取り崩してきたという。若い世代の車離れ、高齢者の免許返納などが進み、2024年の新規入会と更新は約600人。かつては倍の1200人だったこともあるという。約2年前に「もうやめるしかない」と判断し、県交通安全協会に相談したところ、「もう少し経営努力をしてほしい」と言われ、人件費などを見直し続けてきたが限界に達した。キャッシュレス化を理由に閉鎖する協会が多い中、逗子に関しては直接的な要因ではないという。

 葉山も会員減少は同様で23年度の新規入会は1275人だったが、ピークだった1996年ごろは約3700人と約3倍だったという。加藤清会長は「続けたい気持ちはあっても、キャッシュレス化により収入がなくなれば、どうしようもない」と胸の内を語った。

逗子はボランティア継続

 逗子安協は解散はせず、ボランティアとしての活動は続けていくという。小林会長は「交通指導員の活動や花火大会、市の行事の際の交通整理など命を守る活動をこれまでしてきた。免許更新の事務的なことはもうやむを得ないが、交通安全を守るボランティアは意地でも続ける」と気持ちを奮い立たせる。なかでも子どもたちの意識向上にもつながる「交通安全ポスターコンクール」はぜひ残したいと強調した。

※『生成AI』とは、テキスト、画像、音声などを自律的に生成できるAI技術の総称

県内市町村 生成AI 約6割が利用 逗子、葉山は導入せず

 人工知能(AI)を用いて文章や画像を作成する生成AIが世界的に普及する中、業務に導入する自治体も増えてきている。神奈川県内33市町村のうち、導入済が12市町村で実証実験中を合わせ6割近い19市町村が生成AIを利用していることが、タウンニュース社の独自アンケート調査で明らかになった。逗子市と葉山町はともに未導入だ。

 同調査では1月1日現在の生成AIの導入状況や活用事例、効果、課題などについて県内の33市町村に聞いた。導入済と回答したのは36・3%にあたる12市町村。実証実験中を合わせると19市町村(57・5%)が生成AIを利用していた。

議事録要約などに活用

 利用するすべての自治体が「効果があった」と回答。具体的には「業務の時間短縮」をほぼすべての自治体があげた。

 活用事例として多かったのは「あいさつ文案の作成」「議事録の要約」「企画文書の作成」「アイデア出し」など。さらに、「市長の動画・音声生成AIを使い『市長アバター』を作成し、英語で行政情報や観光情報を発信する」(横須賀市)、「ビッグデータを使った数値予測や行動最適化」(横浜市)、「Excel関数、VBAなどのコードの生成」(平塚市)などもあった。

 課題は、セキュリティー面や生成AIが作成した内容の正確性などに対する懸念のほか、生成AIを使いこなす人材育成や技術習得など、「使う側」の問題が多くあがった。

 未導入の自治体で「検討中」と回答したのは8自治体で、うち3自治体は導入を予定していた。実証実験はしたものの導入には至らなかったのは2自治体。そのうちの1つ逗子市は「一度に入力できる文字数に制限があり、議事録の要約などに支障があった。今後も継続して検討する」と回答。大磯町は、「有効なものだとは思っているが、一般的なリスクを鑑みた。事業者の提案をもらいつつ、検討は継続していく」とした。

4自治体「予定なし」

 残る4自治体が検討も導入予定もなかった。葉山町は「利用範囲の明確化や、利用規則の制定などの検討が必要だと考えているが、専門知識不足や業務多忙で取り掛かれていない」としている。その他の未導入の自治体はいずれも「業務効率があがる便利な技術」という認識はある一方で、「導入費用」「セキュリティー」「技術面」「利用規約の策定」「専門知識を持つ職員がいない」などをハードルと捉えていた。

劇場用映画の優れた新人撮影監督に贈られる「三浦賞」を受賞した 北川 喜雄さん 葉山町堀内在住 42歳

挑戦続けるカメラマン

 ○...世界三大映画祭のひとつベネチア国際映画祭で銀獅子賞を獲得した『悪は存在しない』(2023年/濱口竜介監督)の冒頭シーンが、名だたるカメラマンから「トップカットにつきる」と評価され、今年1月に授賞式が行われた三浦賞の受賞につながった。「自分のやってきたことが認識され、うれしいというかありがたい」と笑顔を見せる。

 ○...青春時代を岡山県で過ごした。中学生の時、「好きな芸能人に会いたい」一心で役者になりたかった。高校時代にはオーディションを受け教育映画に出演。その現場で撮影の面白さにはまった。大阪芸大、東京芸大大学院で映画を学び、卒業後は商業映画のアシスタントを務める傍ら、自主映画でカメラマンとしてのキャリアを積んだ。

 ○...濱口監督とタッグを組んだ『ハッピーアワー』(15年)が国際的な評価を受けたことで、海外での仕事に興味を持ち、英語の勉強をしようと約2年間、アメリカ、カナダ、イギリスと渡り歩いた。帰国後、結婚を機に葉山へ移住した。一色海岸がお気に入り。葉山の自然を生かした映画をいつか撮りたいと思う。

 ○...撮影の師匠の「ねばならないを捨てよ」という言葉が、常に新しいチャレンジをさせてくれる。カメラ一筋でやってきたが、若い監督と組んでプロデューサー的な仕事も増えてきた。多くの情報が入る時代において、見た人の視点が変わるような「踊らされてるかもしれない、一歩引いて、もっと自由に物事考えて」といったメッセージを込めた作品を届けたい。
昨年は156人が参加した葉山マラソン=協会提供

葉山マラソン 初夏の南郷公園を駆ける 4月7日エントリー開始

 第50回葉山町民健康マラソン大会が5月11日(日)、南郷上ノ山公園で開催される。主催は三浦郡葉山町陸上競技協会。同大会は簡単なコースと距離で、初心者から経験者まで誰でも楽しめる。昨年の最高齢参加者は90歳だった。

 参加資格は葉山町在住・在勤・在学者で、小学生は保護者の承諾が必要。町外の人は、町民の推薦を受け、必要事項記入で申し込みできる。参加料は、小学生800円、中学生以上1200円(保険料含む)。

 大会は南郷上ノ山公園グラウンドと外周コースを使用し、小学生は1・5Km、中学生以上は3Kmを走る。参加者全員に参加賞とナンバーカードをプレゼント。また、完走者には記録証と完走賞が授与される。

 申し込みは同協会ウェブサイト上で4月7日(月)から11日(金)まで。先着順200人。申し込み完了メールを受信後、4月18日(金)までに参加料を振り込む。

 大会当日は、キッズチアや葉山御前太鼓の出演(予定)で、イベントを盛りあげる。

 (問)同協会ウェブサイト(http://www.hayamarikujo.info/)

告知のチラシ

自転車の基本、いま一度 22・23日高齢者向け教室

 自動車に依存しない生活を目指す「逗子 歩行者と自転車のまちを考える会」は3月22日(土)・23日(日)、逗子小学校(逗子市逗子)で「トモイクじてんしゃきょうしつ」を開催する。

 買い物、通院などで自転車を利用する高齢者が多いなか、「70歳以上の皆さんの久しぶりの自転車」と銘打ち、乗り方のコツ、基本的なルールを改めて学ぶコーナーを用意。電動アシスト自転車・三輪車・おりたたみ電動車いす(JOYカート)の試乗体験もできる。主催者は「広い校庭で乗り方のコツ、思い出してみませんか」と参加を呼び掛ける。

 午前11時から午後3時。参加費無料。動きやすい服装で、できれば自転車、ヘルメットを持参。無料貸し出しもあり。雨天中止。

 問い合わせは同会(白川さん)【携帯電話】090・1694・1207。

茶を点てる茶道部員

高校茶道部が点前披露 記念館が場を提供

 山口蓬春記念館(葉山町一色)で3月15日、逗子葉山高校茶道部による呈茶会が催された。同館では葉山町茶道連盟による呈茶会を定期的に開催しているが、高校生による会は昨年10月の横須賀高校に続き二度目。

 当日は1席約20分で5席設けられた。午前10時30分からの第1席には子どもを含む8人が参加。控室から下駄履きで庭を通り、茶室(桔梗の間)へ移動し、会がスタート。

 始めに部員により、茶菓子が配られ、茶器の説明や、学校紹介のあと、点前が披露された。子どもも大人の作法にならい、菓子と茶を楽しんだ。

 これまでは部外の人への振る舞いは文化祭しか機会がなかったという同部。2年生の柳原真和(まお)さんは「おいしいお茶を飲んでいただきたいと、気持ちを込めてお茶を点てた。部活では礼儀を学び、ものを丁寧に扱うようになったり、気遣いができるようなった」と活動の成果を語った。

 初めて茶会に参加した長谷屋詞葉(ことは)さん(8)は「お茶が飲めてお菓子も食べられて楽しかった」と笑顔を見せた。

 同館の加藤泰也館長は「文化部は日頃の努力の成果を披露する機会が少ないと思うので、当館での呈茶会が良い思い出になってもらえたらうれしい」と同会の開催目的を話した。

戦跡を調査する佐藤さん(左)

東京湾要塞研究家の佐藤さん 「戦跡」焦点のガイド本制作

 東京湾要塞研究家のデビット佐藤(本名=佐藤正弘/三浦市在住)さんが、旧日本軍が三浦半島に築いた砲台や陣地跡などの戦争遺跡(戦跡)を紹介するガイドブックの制作に取り掛かっている。明治初期から太平洋戦争終焉まで70年超の長きにわたる戦争のあゆみを戦跡に焦点を当てて伝えるもの。戦争の歴史とそこに至る経緯をガイド本を通して発信していく。発行費用の一部を賄うためのクラウドファンディング(CF)もスタートさせ、7月の完成をめざす。

 三浦半島に点在する戦跡を自分で歩いて見学することを想定しているが、いつでも見ることが可能な場所だけでなく、管理者への確認や申請が必要なもの、中には立ち入りが制限されているケースもあり、見どころと合わせて注意点などを盛り込んでいく。CFの目標額は50万円。支援者への返礼品として完成本の提供や佐藤さんが案内する戦跡ガイドツアーへの招待などを用意している。CFを通さない直接の応援も募っている。

 詳細はタウンニュース横須賀支社【電話】046・850・1290。

イベントのイメージチラシ

まちfes 葉山の魅力を再発見 3月29・30日、福祉文化会館

 葉山まちづくり協会が主催する「第23回まちfes葉山」が、3月15日から葉山町内で開催されている。今年のテーマは「葉山の宝さがし」。29日(土)・30日(日)には、葉山町福祉文化会館を舞台に、多彩なイベントが繰り広げられる。

 注目の企画は「葉山の宝マップ」。会場に用意された葉山町の大きな地図に、参加者がそれぞれの「葉山の宝」を表現していく参加型企画。お気に入りの場所や店、秘密のスポットなど、来場者それぞれの視点で葉山の魅力が再発見できる。

多彩な展示やワークショップ

 会場では環境・福祉・芸術・歴史など、様々な分野で活動する団体による展示やワークショップも多数開催される。▽葉山の11の田んぼの10年前と今▽紙漉きワークショップ▽葉山芸術祭の32年間▽日影茶屋・永楽家の貴重なヴィンテージ品▽田んぼの1年間をテーマにした展示など。

 その他にも絵画作品、メダカの水槽、絵屏風、俳句や手仕事の作品、写真の展示や、郷土史の紹介など、盛りだくさんの内容だ。また、葉山3世代遊び場マップ、日本防災士会神奈川県支部葉山、葉山町赤十字奉仕団などの団体も参加する。フードガーデンでは葉山自慢の味が楽しめる。

映画上映やコンサート

 29日には、子どもの人権を考える映画2作品を上映。午後1時30分から、子どもたちの居場所「川崎市こども夢パーク」を舞台にしたドキュメンタリー『ゆめぱの時間〜やってみたいがいっぱいある』。3時30分からは、公立校のユニークな校長たちの挑戦を描いた『夢みる公立校長先生〜子どもファーストな公立学校の作り方』を上映する。料金は大人500円、18歳以下無料。

 午後6時からは、葉山在住のピアニスト、エッガーみゆきさんや、社会人ピアニストのケビン本橋さんらによるピアノコンサート。

 30日は午後3時から紙芝居ミュージカル『地球オペラ』を上演。生命誕生から人類までつながる地球創生神話を大きな紙芝居から飛び出すように音楽と踊りで表現する。

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葉中吹奏楽部、リハ公開 3月22日午後7時

 葉山中学校吹奏楽部は3月23日(日)に葉山町福祉文化会館大ホールで行う第2回定期演奏会を前に、前日の22日(土)午後7時からリハーサルを公開する。

 同部は現在、3年生13人・2年生23人・1年生24人の計60人で活動。昨年8月に出場した神奈川県吹奏楽コンクールでは中学生A部門で金賞を受賞した。

 一昨年はB部門で金賞を受賞し、その年度末に行われた初めての定期演奏会では座席が足りなくなるほど盛況だった。今年も混雑が予想され、ホールに入れなかった場合はロビーでの立ち見となる。

 そこで同部は少しで多くの人に演奏を聞いてもらおうと、プログラムの3部の通し稽古を一般公開する。曲は『Sing Sing Sing』『コパカバーナ』『ジャパニーズグラフィティXII』ほか。

 開場は午後6時45分。

 (問)同中学校【電話】046・875・1346

イエローチョーク作戦のイメージ=葉山町提供

葉山町 黄色チョークで町きれいに ペットの放置ふん対策

 葉山町は路上に放置された犬や猫のふんを減らすとともに、ペットの飼い主のマナー向上を目的に「イエローチョーク作戦」を3月3日から開始した。

 同作戦は放置されたふんの周囲をイエローチョークで囲み、発見日時を記載。日を改めてまだ残っていた際は再度日時を、除去されていた時は確認した日時と合わせて「なし」と記載する。

 葉山町には2024年3月末時点で2438頭の犬が登録されており、町にはかねてから路上に放置された犬のふんに対する苦情も寄せられていた。そうした中、23年9月に行われたペット防災セミナーで、参加者から「イエローチョーク作戦」のアイデアが提案され、今回の実施となった。

 作戦への参加希望者は町役場3階の環境課に「葉山町イエローチョーク作戦参加届出書」を提出。同課でイエローチョークを受け取り、各自で作戦を実施する。実施場所は道路のみ。3月17日時点で13人が届け出をしている。

 町の担当者は「イエローチョーク作戦が、飼い主のマナー向上と地域の美化につながることを期待している」と話している。

 問い合わせは葉山町環境課【電話】046・876・1111(内線451・452)。

ヴェルニー公園に設置されている小栗上野介忠順の胸像

「大河」決定に歓迎ムード 横須賀の小栗上野介忠順

 2027年に放送されるNHK大河ドラマ「逆賊の幕臣」が3日に発表され、主人公が横須賀製鉄所(横須賀造船所)の建設に尽力した江戸時代の幕臣、小栗上野介(こうずけのすけ)忠順(ただまさ)(1827-68)に決まった。日本の近代化と横須賀発展の礎を築いた一方で、これまで功績に光が当たる機会は少なく、歴史研究家や観光関係者からは「小栗の偉業を全国に広めるまたとない機会。放送が待ち遠しい」と期待感が広がっている。

 小栗は1860年に日米修好通商条約批准書交換のため使節団として渡米。帰国後は外国奉行や勘定奉行などの要職を歴任し、横須賀製鉄所建設に携わった。27年は生誕200年に当たる。

 軍政の改革やフランス語学校の設立など日本の近代化に大きく貢献したが、大政奉還後に官軍との徹底抗戦を主張。隠居先の上野国権田村(現群馬県倉渕町)でとらえられて処刑され、明治新政府の成立後は「逆賊」のレッテルを貼られた。

 小栗が発案し、フランス人技師のヴェルニーが実現した横須賀製鉄所は日本初の近代艦船造船所として知られ、横須賀が軍港都市として発展していく上で重要な役割を果たした。小栗にスポットが当たることについて、横須賀開国史研究会会長で郷土史家の山本詔一さん(75)は「ようやくという思い。これまで正当な評価がなされていなかったが、横須賀の郷土史を語る上でも欠かせない人物」と評価。

 22年には北条義時を主人公とする「鎌倉殿の13人」が放送され、翌年1月まで鶴岡八幡宮境内に開館していた大河ドラマ館には期間中で30万人を超える入場者があった。横須賀市でも小栗にひもづく観光キャンペーンなどが今後具体化するとみられ、観光活性化や誘客促進への期待感も高まる。

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スライドを使い証言する福島さん(前列右)と西さん

葉山中 「戦争の事もっと知りたい」 被爆者による証言授業

 葉山町立葉山中学校(森岡孝校長)で3月14日、2年生170人を対象にした原爆被災者による証言授業が行われた。3年時の広島への修学旅行を前に、生徒に戦争のことを学んでもらおうと企画された。証言を聞く前に、生徒たちが事前に「戦時中の教育」「被爆経験の継承」などをテーマに学習した内容の発表も行われた。

 証言したのは神奈川県原爆被災者の会葉山支部の福島富子さん(80)と西純子さん(81)。

 福島さんは生後7カ月のとき長崎で被爆。当時の記憶はないが4歳の時に被曝を知られないように、おばの家に預けられたこと、東日本大震災による福島原発事故を機に語り部としての活動を始めたことなどを語った。昨年ノーベル平和賞を受賞した日本原水爆被害者団体協議会(被団協)のオスロでの授賞式に同行した話も披露した。

 西さんは広島で2歳の時に被爆。母親が書き残した手記をもとに、ひどい火傷を負った兄がどのように亡くなったかや、自身も医者に見放されたが、母の手厚い看病のもと一命を取り留めたことなどを語った。

 福島さんは「いま日本は平和で戦争が身近ではないが、世界には辛い目にあっている子どもがたくさんいる。授業を通して平和のために自分たちで考えて頑張ろうと思ってほしい」と語った。

 授業を受け荒本萌心(もこ)さんは「話を聞いてもっと知りたい、調べたいと思った」と気持ちを新たにした。

昨年のライトアップ

今年も夜桜楽しんで 29・30日 台山緑地で

 逗子市商工会青年部が中心となり、台山緑地(逗子市沼間)で桜の植樹活動を行う花咲計画推進協議会(眞下力会長)は3月29日(土)・30日(日)、桜のライトアップを行う。今年で5回目。時間は午後7時から8時ごろ。能登半島地震被災地や山林火災で被害を受けた大船渡市へのチャリティーとして、おでん屋台や飲み物を用意。開花状況や天候により開催期間の変更の可能性あり。

 同協議会は市民の憩いの場を作ろうと、30年以上前から植樹に取り組んでおり、これまでに175本の桜を植えてきた。

フォトコン開催

 商工会では「逗子の桜 フォトコンテスト」を開催する。審査対象は逗子市内の桜の写真。フェイスブックやX(旧ツイッター)、インスタグラムに「#zushisakura2025」と付けて投稿。募集期間は4月20日(日)まで。

 (問)市商工会事務局(小牧さん)【電話】046・873・2774/同協議会(眞下会長)【携帯電話】090・2496・0907

田野倉さんの作品を手にする長谷川静さん(右)と夫の忠弘さん

亡き仲間、作品展示で偲ぶ 田野倉富夫さん回顧展

 亡くなった仲間が描いた作品をゆかりのある人たちに見てもらい、故人との思い出話に花を咲かせたい――。そうした思いから、手作りエッセイ集を発行してきた「マグノリアの会」が3月28日(金)〜30日(日)、逗子文化プラザホール1階ギャラリーで「田野倉富夫回顧展」を開催する。

 同会は逗子市桜山在住の長谷川静さん(79)が目の病気によって視力が低下し、読める本が少なくなったことを機に、「自分たちで文字の大きな本を作ろう」と、逗子、葉山に住む知り合いに声をかけ2013年に活動を始めた。21年10月に100号を迎えるまで毎月発行。その後は季刊となったが会員の減少、高齢化を受け、昨年秋に休刊するまで述べ112号まで発行してきた。

活動的な元教諭

 田野倉富夫さんは昨年2月、81歳で亡くなった同会の創刊メンバー。回顧展では田野倉さんが第15号から描いてきたエッセイ集の表紙絵原画のほか、提供を受けた個人が所有していた作品など約100点を展示。表紙の絵は毎号のテーマに合わせ描いたのもので風景、建物、浮世絵、仏像などその題材は多ジャンルにわたる。

 同氏は小坪小学校などで教鞭をとった元教諭。現役引退後、「マグノリアの会」の活動以外にも、市民劇団の美術担当、健康マージャンクラブの講師、障害者施設でのボランティアなど精力的に取り組んだ。16年には自宅を改装し、自身が長年描きためた水彩画や、収集してきた絵画、小物などを展示する「世界一小さな美術館」をオープンさせた。

 長谷川さんは「先生は教育者で活動的で、お酒が好きな人でした。先生を知る多くの人に来ていただいて、交流を深める場になればと思います」と来場を呼び掛ける。

 時間は期間中午前10時から午後4時。

 (問)マグノリアの会(長谷川さん)【携帯電話】090・7054・3348

逗子の磯を遊びつくそう 参加申し込み3月31日から

 逗子市観光協会などが主催する逗子海岸保全活用事業「ワッショイ!ずしかいがん」の第12回逗子海岸磯あそびが4月29日(火)、逗子海岸西側「不如帰(ほととぎす)の碑」付近で開催される。参加申し込みは3月31日(月)午前8時30分から開始。

 主催者は「みんなで逗子の磯を探検し、観察してみましょう」と参加を呼び掛ける。

 当日は小坪漁業協同組合も参加するため、普段であれば「密漁」になってしまうウニの持ち帰りなども特別にできる。

 時間は午前11時から午後1時(荒天中止)。対象は一人で岩場の移動ができる人(小学生以下は保護者同伴)。定員100人(先着順。当日受付なし)。参加費300円(傷害保険ほか)。当日の持ち物はつま先とかかとを保護できる靴(ビーチサンダルは不可)、帽子、着替え、バケツなど。ごみは各自持ち帰ること。逗子海岸ロードオアシス駐車場(有料)、駐輪場あり。

 申し込みは、代表者氏名、年齢、住所、メールアドレス、電話番号、同行者氏名、年齢を観光協会ウェブサイト「逗子旅」の申込フォームへ。

 問い合わせは同観光協会【電話】046・873・1111(内線286)。

地元ラッパーらが審査員

ラップコンテスト リアルな思い、声にしたい 3月23日 決勝大会

 ラップコンテストで入賞経験のある、逗子市在住のマイクラおかん(本名:下崎真世)さんが主催する「ココロラップコンテスト」の決勝大会が3月23日(日)、逗子文化プラザさざなみホールで行われる。

 時間は午後1時から4時(0時30分開場)。

 昨年12月から2月末までに応募のあった108組から10組が決勝の舞台に進み、日常で感じるリアルな思いをラップのリズムに乗せる。

 決勝大会の入場は無料。要事前申し込み(ココロラップ入場チケットで検索)。先着120人。もし満席の場合でもオンライン配信(1000円)もあり。

 当日は会場前に応募者全員のlyric(詩)がパネルにして展示される。「みんなで作り上げたイベントだということを伝えたい」とおかんさん。

 問い合わせはマイクラおかんさん【携帯電話】090・4281・5763。

春を告げる緑のカーテン 葉山・真名瀬漁港で

 葉山町の真名瀬漁港で春の風物詩、ワカメ干しが始まっている=写真。撮影した3月10日は初日。3月終わりごろまで晴れた日に行われるという。朝、収穫して茹でたワカメを、張り巡らせたロープに着けられた洗濯ばさみに、一枚一枚丁寧に干していくと、見事な緑色のカーテンが完成した。

 地元漁師の高野博さん(78)によれば、獲れたワカメは注文の客でいっぱいのため、市場に出回ることはほぼないという。午前中に漁港に行けば、直接買うことができることもある。「袋を小分けにして冷凍にしておけば、1年くらいはもつ。味噌汁やうどん、そばの具など好みで楽しんで」と話した。

逗子銀座通りで商店街の街路灯設置を祝うパレード〈昭和28年〉

なつかしの昭和時代 鎌倉・逗子・葉山の写真集

 全国各地のなつかしの風景を振り返る写真集を手掛けている「いき出版」(新潟県長岡市)は3月30日(日)、昭和元年から100年の節目を記念した『写真が語る 鎌倉・逗子・葉山の100年』を発売する。

 2014年の『鎌倉・逗子・葉山の昭和』の続編。新たに写真の提供を呼びかけ、110人から寄せられた数千枚の中から600枚を厳選収録した。昭和30年前後のカラー写真は貴重であり、女性の服装や屋外看板などから時代の空気と息吹を感じることができる。

 A4判上製本264頁で9990円(税込)。限定1500部。各地域の書店で受付中。問い合わせは同社【電話】0258・89・6555。

三浦半島ブルワリーガイド 個性派ビール飲み比べ 横浜市大生が制作

 かながわ信用金庫ほかで組織する「三浦半島地域活性化協議会」は、新しい観光コンテンツとして開発した「三浦半島のブルワリーをめぐる旅」のガイドブックを制作した=写真。

 「地ビール」とも呼ばれるクラフトビールが活況を見せていることに着目し、三浦半島に点在するブルワリーをつないで訪れるツアーを企画。2月に実施したモニターツアーは、募集開始後すぐに定員に達するなど人気を博した。同協議会では定番化を検討しており、合わせて個人の来訪を促す狙いでガイドブックも用意した。

 同協議会に参加する横浜市立大学の学生サークル「三浦半島研究会」のメンバーが取材・編集を担当。5つのブルワリーを訪問して商品の特徴や背景にあるストーリーをまとめた。ガイドブックはかながわ信金、横須賀市観光協会のホームページから入手できる。

約半年PR大使を務めた「ウタ」

PR大使「ウタ」へ感謝状 野毛山動物園で離任式

 昨年10月から赤い羽根共同募金運動のPR大使を務めていた、野毛山動物園=横浜市西区=のホンドタヌキ「ウタ」の離任式が3月12日に行われ、神奈川県共同募金会の中島孝夫常務理事から、同園の田村理恵園長に感謝状が渡された。ウタにはあまおう、清見オレンジ、デコポン、鹿肉ジャーキーなどの食べ物が贈られた。

 昨年10月から今年3月までの県全体の募金目標額が12億円のところ、3月12日現在の募金実績額は9億5500万円強。また、ウタのPR大使期間中、同園の管理事務所で1回500円以上の寄付をした人にコラボピンバッジを渡し、ピンバッチ389個分、19万9381円が寄付された。

3〜5月号の表紙

文化芸術情報を一冊に 県内イベントを紹介

 神奈川県は、県内の魅力的な文化芸術イベント情報をまとめた冊子、「イベントカレンダー」の3月〜5月号をこのほど発行した。

 文化芸術の魅力で人を引き付け、地域のにぎわいをつくり出すマグネット・カルチャー(マグカル)の取組みを推進している県が発行する冊子で、毎号、県内文化施設の公演や展示情報などがカレンダー形式で紹介されている。今号の特集はピアニストで、初代マグカル大使を務める熊本マリさんのインタビューや、音楽やダンス、大道芸などが自由に発表できる空間「マグカル解放区」を紹介。チケットが当たるプレゼントも実施している。冊子は県内各文化施設や一部の商業施設、自治体等で無料で受け取ることができる。

星座にまつわるエトセトラ 「春はあけぼの」

 「枕草子」の冒頭は「春はあけぼの。やうやう白くなりゆく〜」。曙とはほのぼのと夜が明け始める頃のこと。ギリシャ神話にはこの曙の女神エオスがいます。彼女は太陽神ヘリオスと月の女神セレネとはきょうだいです。エオスは二頭立ての馬車を御し、兄ヘリオスを先導しながら天空を駆けて行きます。するとだんだん夜が明けてくるのです。星の神アストライオスとの間に、北風ボレアス、南風ノトス、西風ゼピュロス、東風エウロスら、風の神々を産みましたが、恋多き奔放な女神には多くの恋人がいたそうです。ローマ神話のアウロラ(Aurōra)に相当します。オーロラはこの女神の名前からガリレオ・ガリレイが名付けたと言われています。女神アウロラは地上の生き物に夜明けや希望をもたらす神。彼女が夜の闇を追い払い、この世に光を与えてくれていると信じられていました。