町田版【4月3日(木)号】
高ヶ坂にオープンするジモティースポット(同提供供)

譲り合いスポット 高ヶ坂に 不用品など 4日にオープン

 地域住民らが不要品をゆずりあう拠点「ジモティースポット町田」があす4日、高ヶ坂にオープンする。町田市と不用品ゆずりあいのサイトを運営する「ジモティー」との連携事業で、市の担当者は「これまで市民が不要になった物は、買取価格がつかず有料での処分となっていた。地域でのリユース文化を広げていければ」と話す。

 ジモティースポットは関東や中部地方で拡大している。町田近くでは八王子や日野両市のほか、今月、相模原市にも誕生。従来なら粗大ごみなどとして廃棄される不要品を地域内で循環させる官民連携型のリユース拠点として注目を集め、昨年10月に名古屋市に開設された「ジモティースポット名古屋」ではオープンから3カ月で約100トンのごみ減量を達成したという。

 高ヶ坂に誕生するジモティースポット町田も他スポット同様、不要品を処分したい人は予約なしで持ち込むことが可能で、譲り受けを望む人は「ジモティー」のサイト上で希望の品を検索し、品物によっては有料で入手する仕組みとなる。

 持ち込めるのは家具や家電、子供用品のほか、レジャー用品、衣類、本など幅広く、破損や目立つ汚れ、臭いがあるもの、冷蔵庫・冷凍庫などのリサイクル家電、大型家具は対象外になるという。

調査も

 町田市はこれまでも、粗大ごみとして回収した品の中から再利用可能なものを修理・再生し、「リユースショップまちエコ」(下小山田町)で販売してきた。

 そんななか、23年度にジモティーを運営する株式会社ジモティーと協定を締結し、今回のジモティースポット開設に至ったのはリユース促進を更に図っていきたい考えから。ごみ削減と地域コミュニティの活性化を図ることができる事業として進め、持ち込まれる品物の量やリユース率、市外からの持ち込みの有無などを調査していくという。

4日から販売開始

 「ジモティースポット町田」の所在地は高ヶ坂7の5の1で、営業時間は午前10時から午後6時まで。年末年始を除き無休で、駐車場は5台分完備されている。現在は持ち込みのみ受け付けており、オープンする4日からは販売も開始される予定だ。

賞状を前に笑顔をみせる安藤さん

原町田企業 障害者生かし最高評価 一社主催の経営大賞獲得

 原町田を拠点に重度障害者への訪問介護事業などにあたる株式会社障碍社が先ごろ、人を生かし優れた業績を収めている企業を表彰する「人を生かす経営大賞」の最高評価となる大賞を得た。障害者の雇用率が20%を超え、2005年の創業以来、19期連続で増収したことなどが評価された。

 人を生かす経営大賞は東京都内の中小企業らが名を連ねる一般社団法人が主催するもので、今回で3回目。過去には製造会社や子育ての支援を行う企業らが大賞に選ばれている。

 障碍社は「どんな障害があっても自分らしく暮らす」ことをサービスの根幹に掲げ、重度障害者への訪問介護事業などを展開。定年制度なしで無期雇用社員の比率が100%のなか、障害者の雇用率は20%を超え、創業以来、毎年増収を果たしている。

 自身も重度の身体障害者である安藤信哉さん=中面/人物風土記で紹介=は「評価を受け、うれしい。特別なことをしてきたつもりはない。人に恵まれ、運がよかったのだと考えている」と話している。

 障碍社の事業は拡大中だ。障害者が働く就労継続支援B型事業所の運営にも着手し、現在は発達障害の子どもが通う放課後等デイサービス事業所にも関わっている。海外展開も視野に入れているといい、「障害者を守る存在とみなすことなく、主となり企業を発展させていく人材としてとらえてきた」と安藤さんは振り返っている。

「証明したい」

 一方で、重度障害者がより自由に町田で働くことができるようにすることや知的・精神障害者が施設に入らず地域で生活できるように呼びかけていきたい考えもあるといい、安藤さんは「障害者雇用が増えれば、企業成果が上がるということを当社が証明し、広めていければと思う」と意気込んでいる。

「人を生かす経営」が評価された原町田の企業代表を務める 安藤 信哉さん 原町田在住 51歳

障害あっても望むことを

 ○…バイク事故で四肢麻痺となった自分が受けたいと考える福祉サービスを提供する会社。このたび評価を受け、うれしく思う。原町田を拠点に重度障害者への訪問介護事業などにあたり、今年で20年。障害者が仕事に主となり向き合うことができる会社をつくりあげ、毎年増収してきた。「特別なことはしてこなかった」が受賞にあたっての率直な感想。「運が良かった。人に恵まれてきたと思っています」

 ○…事業は拡大している。就労継続支援B型事業に関わり、発達障害のある子どもが通う放課後等デイサービスの運営にも携わるように。事業を広めるなか創業以来変わらないのはどんな障害があっても望む暮らしができるように応援すること。この目標をぶれずに追求し続けてきたからこそ、同じ志しをもった仲間が集まってくれていると考える。会社が成長し続けている理由だ。

 ○…災害対策として始めたキャンプが息抜きとなっている。いざという時を想定し、普段と異なる経験をできるものとしてテント生活を経験するうちに仲間と火を囲むことを楽しむように。キャンプグッズ集めにものめり込み、「今週末も高校時代の仲間と行くんですよ」と笑顔。幼い頃はガキ大将。仲間と憎まれ口を言い合う時間が何よりも楽しい。

 ○…バイク事故は高校3年の時。絶望のなか生き続ける意味を考えた。暗闇のなかあらわれたのが社長という職業。中学の頃、金持ちになれるからと憧れた道だが、大学で「経営者は社会を変えていくもの」ということを学び、みんなを幸せにするのが会社の役割ということを知った。未だ、障害者への偏見がある社会。全ての人が幸せに暮らせるよう社長として、世の中を変えていきたい考えだ。

多くの会員らが参加した講演

若手経営者ら「接遇」学ぶ  JC例会でマナー講師が講演

 「伝説のマナー講師」としてテレビやユーチューブへ数多く出演する平林都さんによる講演が先月、レンブラントホテル東京町田(原町田)で行われた。一般社団法人町田青年会議所(町田JC)の例会内で開催されたもので、コミュニケーションの向上をテーマにした講演が行われた。

 講演で平林さんは、自身の経験も交えながら人との接し方や、コミュニケーションの重要性、出会った人に笑顔になってもらうための「接遇」の大切さについて解説。参加者らはメモを取るなど、聞き入った。

つながり生まれた

 一方、講演を取りまとめた町田JC拡大委員会・西井貴哉委員長は、例会参加者に向けた感謝の意を表し、「例会を通じて、地域経済の活性化や相互のつながりを生むきっかけが生まれた。青年会議所運動に賛同し、一緒に活動する仲間を増やす一助となることを願っている」と話した。また今後の活動について、「地域の皆様とのつながりを深め、共に町田をより良い地域へと発展させていきたいと考えている」と話している。

伊藤さん

4人の逸材が町田に集結 三縄みどり門下生コンサート開催

 東京藝術大学ほかで優秀な門下生を数多く輩出している高名なソプラノ歌手・三縄みどりさんの門下生4人が4月9日(水)、町田に集結し初コンサートを開催する。会場は町田市民フォーラム3階ホール。

 出演は東京藝術大学卒業後、歌手・ボイストレーナーとして活躍中のソプラノ唐沢萌加さん、東京藝術大学大学院首席修了、日伊声楽コンコルソ第3位の実力派ソプラノ鈴木美郷さん、東京藝術大学及び大学院修了で特待生として二期会マスタークラスに進み既に活躍中のソプラノ河向来実さん、東京藝術大学卒業後シチリアで研鑽を積み帰国したメゾソプラノの逸材・伊藤名佳子さん。今回は「春」と「出会い」をテーマに日本歌曲、イタリア歌曲、フランス歌曲、オペラアリア、二重唱などを披露する。「この機会に優秀な若手歌手達の歌声を存分にご堪能下さい」と主催者。午後2時30分開演(2時開場)で3千円。(問)柴田さん【携帯電話】090・1734・8116。

浄水器を寄贈した町田中RC会員ら

町田中RCがタイ訪問 小学校に浄水器寄贈 先月 現地で交流

 奉仕団体「東京町田・中ロータリークラブ(RC・藤原聡会長)」は先ごろ、タイの東北部の農村地帯にあるローイエットを訪問し、貧困地域にある小学校に浄水器を寄贈した。この寄贈により、現地の子どもたちは衛生的で安全な飲料水を利用できるようになる。

 今回の取り組みは、町田・中RCの設立45周年記念事業として実施されたもの。国際RCでは「2030年までに水と衛生面による死者をなくそう」という目標が掲げられており、その達成に向けて浄水器を寄贈する活動を継続していくとして、タイのローイエットRCおよびノンケームRCと3者でフェローシップを締結した。

 藤原会長は「1万人にきれいな水を届けたいという思いで活動をしている。子どもたちにきれいな水を届けることが、私たちの使命であると感じている」と話した。原康之会長エレクトは「世界平和の一助としての活動の意義を改めて感じた。今後も国境を越えたクラブ間の友情を築いていきたい」としている。

協定を締結した桜美林大学の堀潔副学長(左)と横浜富士見丘学園の永川理事長

桜美林大 横浜の高校と協定締結 教育活動充実へ

 常盤町の桜美林大学は先ごろ、横浜市旭区の横浜富士見丘学園高等学校と教育活動の充実を図るための連携協定を締結した。

 高校生を対象に2019年から、体験型キャリア支援プログラムである「ディスカバ・プログラム」を提供している桜美林大。社会問題やマーケティングなどの指導にあたり、2024年度は約3万人が参加しているが、富士見丘学園高校は協定締結をきっかけに、そのプログラムの参加促進を強化。「総合的な探求の時間」に桜美林大の知見を取り入れ、生徒の進路選択に生かしていきたいとしている。

 また、大学の教員に授業や講演を行ってもらうことも視野に入れているといい、「大学でどんな学びができるかなどを知ってもらう機会になる。プログラムについてもっと生徒に知ってほしい」と富士見丘学園高校の担当者。加えて、「もう一つ学校があるような感覚で学んでくれれば」と期待を寄せている。

 一方、桜美林大の担当者は「大学が持っているリソースを、高校に提供していきたい。若い人の育成につながれば」と話している。

立民 都議選公認に東氏 町田市議 今夏に向け

 立憲民主党は先ごろ、今夏に行われる東京都議会議員選挙の公認候補予定者を発表し、町田市は市議会議員の東友美氏=写真=の名前が挙がった。東氏は東京農業大学農学部を卒業後、製薬会社などを経て、2018年に町田市議会議員に初当選。現在、2期目で男女のいずれにも属さない性同一性を指す「Xジェンダー」であることを公表している。41歳。

<PR>
『Amazonギフト券1,000円分』など読者プレゼントはこちら
『Amazonギフト券1,000円分』など読者プレゼントはこちら
メール版タウンニュース、タウンニュース for LINEの読者それぞれ毎月15名様に抽選で『Amazonギフト券1,000円分』をプレゼントします。ギフト券の進... (続きを読む)

小野路で篠笛コンサート 4月26日 マルシェも

 小野路町の集会場などになっているヨリドコ小野路宿周辺で4月26日(土)、篠笛コンサートが開かれる。竹林で行われるもので、当日はヨリドコ小野路宿の庭で竹関連のワークショップや商品販売などを行うマルシェも開催される。コンサートは午後1時から1時40分。篠笛ユニット「ヤマクマヤ」が出演。予約が1500円、当日は1700円。小学生から学生は予約700円、当日800円。マルシェは午前11時から、午後3時30分まで開かれるという。

 この竹林で聴く篠笛コンサートの詳細はヨリドコ小野路宿のHPなどから。

薬師池公園で春フェア さまざまな催し 12日から

 野津田町の町田薬師池公園四季彩の杜で4月12日(土)から、さまざまな催しが行われる春フェアが開かれる。

5月6日まで

 およそ330種類、約1700株のぼたんなどを楽しめる「ぼたん・しゃくやくまつり」や、地元産の農畜産物・加工品などを手に入れることができる青空市場「ファーマーズマーケット」のほか、芝生のうえで映画鑑賞する「ナイトピクニックシネマ」などが予定されている。春フェアは5月6日(祝)まで。

 各種イベントの詳細は主催する町田市観光コンベンション協会のホームページなどで。

市内サクラ満開に 本町田や市街地でも

 町田市内のサクラが街を彩っている。

 本町田の菅原神社ではソメイヨシノが満開=3月28日撮影=となり、その可憐な姿を残そうとスマートフォンなどで撮影する人たちが足を運んでいる。神社の池田豊彦宮司は「当神社では2月のウメから、河津桜と来て、最後にソメイヨシノが咲く。例年だと4月初旬ぐらいまで楽しめる。お立ち寄りいただければ」と話している。

 また、町田駅近くの中心市街地を走る「原町田大通り」沿いのしだれ桜=下写真=が満開に。「ピンクの滝」のように咲き誇る様子に立ち止まって見入る通行人らの姿が見られている。一方、市内ではサクラの開花に合わせてさまざまなイベントが行われた。

<PR>
【LINE読者限定プレゼント】
【LINE読者限定プレゼント】
毎月15名様に抽選で『Amazonギフト券1,000円分』をプレゼント!ギフト券以外のプレゼントもあるかも!是非チェックしてみてください。 (続きを読む)

12日市民ホール 認知症テーマ社会社会派舞台

 認知症の母を介護した実体験をもとに描かれた社会派舞台『生きる』が4月12日(土)、町田市民ホールで上演される。

 「オレたちひょうきん族」の「懺悔の神様」で知られたブッチー武者さんによる劇団ZANGEによる公演。原案はブッチーさんで、脚本・演出をコント山口君と竹田君の山口弘和さんが務める。元おニャン子クラブの新田恵利さんが特別サポーターとして開演前にあいさつする。

 昼公演あいさつ午後1時、開演午後1時20分。夜公演あいさつ5時、開演5時20分。全席自由で料金は5000円。問い合わせは【電話】03・6903・7895。

公演チラシ

若手音楽家ら生演奏 4月26日 玉川学園で

 作曲家の古曽志洋子さんが主宰する若手音楽家グループ「アンサンブル・ヴァリエ」による「街の小さなコンサート60」が4月26日(土)、開催される。

 会場は玉川学園前駅北口すぐの玉川学園コミュニティセンターホールで午後2時から。入場料は1000円。

 出演はユーフォニアムの芹川侑樹さん、ピアノの末松茂敏さん・滝まりなさん、ヴァイオリンの中一乃さん、コントラバス小笠原茅乃さん、ソプラノの麻生千穂さん。企画構成・話は古曽志さんが務める。

 プログラムは、M.ラヴェル「ハバネラ形式の小品」、山田耕筰「からたちの花」、G.ヴェルディ 歌劇『リゴレット』より「慕わしき人の名は」ほか、古曽志さん作曲の楽曲など全6曲を披露。「1時間ほどの肩のこらないコンサート。音楽好きな方、音楽家を目指す方、どなたにも満足していただけるもの」と古曽志さんは話す。

要予約

 席に限りがあるため来場は予約のうえ。問合せは古曽志さん【携帯電話】090・2165・4564。1995年から行っているこの公演は、間近で「上質な音楽」を楽しめると人気を集めている。

玉川大学の学生ら(写真上)と中学部生徒ら

玉川学園生が町田市と連携 ごみ分別啓発に貢献

 学校法人玉川学園が町田市との連携事業として、市民へのごみ分別の周知・啓発に取り組んだ。市が2026年度から始める容器包装プラスチックの分別収集を前に、市民の意識向上を目的として行われたもの。

 町田市環境資源部環境政策課の依頼を受け、玉川大学の芸術学部と工学部の学生有志がワークショップや施設見学を重ねながら、ポスター、チラシのデザイン、PR動画の制作を担当したほか、ごみ分別を楽しく学べる体験ゲーム「もぐら叩きdeまちだReプラチャレンジ」も考案。制作を担った学生は「小さい子から大人まで楽しめるものができたと思う。クイズ形式なので、学んでもらう機会なればうれしい」と語った。

 また、リチウムイオン電池によるごみ処理施設内の火災防止に向けた啓発活動にも玉川学園中学部の生徒たちが参加。ポスターや周知啓発キャラクターの制作を通じて、安全なごみ処理の重要性を伝えた。

 中学部の生徒からは「ポスターの背景や色遣いに注意した」「分別するときに一目でわかるように心がけた」という声が上がった。

催しで成果発表

 一方、先ごろ町田市役所で行われた催し「まちだEco to(いーこと)フェスタ」では、これまで事業で取り組まれた制作物が展示され、学生・生徒らが自ら紹介し、ステージ上で取り組みに込めた思いや制作過程をプレゼンテーションした。

 同イベント内で玉川学園は、木の輪で学びの場を広げるTamagawa Mokurin Projectのブースも出店。キャンパス内で剪定した木材を利用した箸づくりのワークショップを開催し、来場した親子連れなどが制作に励む姿が見られた。

ホトケノザ

町田天満宮 宮司 池田泉 宮司の徒然 其の149

彷徨う日本語

 五月の節句に健康長寿を願って湯船に浮かべる「菖蒲(しょうぶ)」はイモ科。花は茎の途中にガマの穂を小さくしたような地味な花穂をつける。葉の成分に効能があり、香りも良いのでアロマ効果もある。一方菖蒲園の菖蒲は「花菖蒲」。アヤメ科で湯に浮かべても効能はなく、香りも良くない。ところが、おそらく葉がよく似ているというだけの理由で花菖蒲と名付けられた。幼い頃から、5月5日には父が庭で刈った菖蒲が湯に浮かべられていたが、ずっと花はいつ咲くのだろうかと思っていた。何年経っても咲かないのが当たり前だと知ったのは社会人になってからだった。ここで言いたいのはどちらにも「菖蒲」という字を充てたこと。日本語が難解なのはこれを「あやめ」とも読むこと。あやめは綾目とも書くように、花弁の付け根に網目状の模様がある。しかしショウブやカキツバタには模様がない。なのにこの仲間は総じてアヤメと呼ばれてしまう。同様のことは「紅葉(もみじ)」にも言える。モミジとカエデの区別がしばしば話題になるが、そもそもモミジはカエデ属の一部。だから全てをカエデと言って間違いではない。〇〇モミジという固有名があればモミジだというだけ。ところがこれも「紅葉(こうよう)」という自然現象がややこしくする。「紅葉の紅葉」と書いたらあなたはどう読むか?七草粥の一つ「ホトケノザ」は二種類ある。一つは丈も大きくて目立つ雑草で、無毒だが美味しくはない。粥に入れるホトケノザは小鬼田平子(コオニタビラコ)のことで、新暦正月の頃には地面に貼りついていて素人にはなかなか見つけられない。旧暦の行事を新暦にあてはめると、凡そ一ヶ月早いのだから七草は揃わないのは当たり前。菖蒲も七草も今は採るものではなく買う物になっているから、生産者を信じていれば安心だが、日本の良き風習なのだから、本当の菖蒲やホトケノザ知っておいても損はないと思う。

 日本人は残念ながら混乱を招くまでに言葉遊びをしてしまい、海外の言語も吸収して異形の物に変化しつつある。加えて合理性を好むあまりに氾濫する略号、AV AKB SKE DV IS TPP ATMetc...、文字の読み方を無視したキラキラネーム、難解なパソコン用語、若者が発信する略語に造語、パズドラ、外タレ、スマホ、ガラケー、クソゲー、艦コレ、アキバ、ボイパ、壁ドン、アゴくい、エモい、バズる、...。全てが混じりあって破壊が止まらない。かつて一流企業にいらっしゃったおじさまが、「そのデータをハードにしてくれない?」などとのたまうと「印刷してくれ」って言えんのかー!と心で叫ぶ。

 守るべき日本語や美しい日本語は、文学作品や辞書の中にしか存在しなくなるのもそう遠くはないのかも。日本の伝統や文化、正しい言語はきっちり遺しておきたい。日本を訪れた外国人が間違った日本語を土産にしてほしくない。