港南区・栄区版【4月10日(木)号】
AI語り部に質問する児童

港南区の平和祈念館 「AI語り部」、児童に初披露 県が開発 戦争体験継承へ

 港南区大久保にある「かながわ平和祈念館」で3月25日、人工知能を活用した「AI語り部システム」の初めての体験会が約20人の児童に対して行われた。同システムは県が戦争体験を後世に伝える活動を行ってきた「語り部」の減少を受けて開発されたもの。

 これまで学校や町内会などの地域団体に対して、語り部を多く派遣したきた県の福祉子どもみらい局。戦後80年を迎えようとするなかで課題となっていた「語り部の減少」の解決策として「AI語り部システム」を開発した。同システムは事前に収録した戦争体験談の中から質問の回答に適した映像をAIが選択。本人がその場にいなくても質疑応答をすることができる。約130個の回答が用意されている。

 今回は、13歳の時に長崎市内で被爆した横浜市在住の西岡洋(93歳)さんによる体験談を2日間かけて収録。質問に沿った内容の回答をシステムが選択して、画面越しの西岡さんが語る仕組みになっている。

質問に適した回答

 体験会当日は、大型のモニターで戦時中のことを語る西岡さんの姿を30分ほど放映。「原爆投下の瞬間は周囲が光で包まれたと思ったら4、5秒後に爆風が来た」、「自宅に帰ったら窓ガラスが粉々になって、全てが壁に突き刺さっていた」など、当事者だからこそのエピソードが語られた。

 その後はAI語り部が児童たちからの質問に沿った回答映像を放映。戦争中に欲しかった物について尋ねられた際には、「無いのが当たり前だったので、あまり物を欲しなかった。卵焼きが好きだったので卵が欲しいとは思った」とモニターに映る西岡さんが答えた。それからは、「亡くなった人を見て、怖くなかったのか」など多くの質問を受けたが、全て1秒ほどで質問に沿った内容を話していた。体験会に参加した児童は「戦時中の暮らしの大変さを学ぶことができた」と話した。

 会場で様子を見守っていた西岡さんは「すごい技術だと思う。戦争体験者は減ってきているので、生き残っている我々が後世に情報を残していきたい。そのなかでAI語り部を活用して欲しい」とシステムの活用に期待を込めた。

学習に活用

 今後、AI語り部システムは県内小学校をはじめとした教育機関で行われる平和学習などでの活用を想定している。また、かながわ平和祈念館での常設展示も検討されている。県の担当者は「戦争体験を継承することで平和の尊さを感じてもらえれば。今後は別の語り部の方々にもご協力いただいて、多くの体験談を収録していきたい」と方針を明かした。

横浜市 「情報登録」で高齢者支援 孤独死などに備える

 横浜市は、身寄りのない高齢者などへの支援として、本人が緊急連絡先などの情報を事前に登録する制度を初めて導入する。スマートフォンでの電子登録を基本にしつつも、市内全区に1カ所ずつ入力支援窓口を整備する。

 市では2040年に3人に1人が高齢者になるとともに、総世帯に占める高齢単独世帯と高齢夫婦世帯の合計が3割を超える見込みだ。

 こうした背景を踏まえ、市は孤独死などの万が一に備え、希望する65歳以上の高齢者を対象に葬儀会社との契約や遺言の有無、緊急連絡先、エンディングノートの保管場所などを市のシステムに事前登録する仕組みを今年度中に導入する。病院や警察、消防などの関係機関からの問い合わせに各区役所が、システムに登録された情報を伝え、円滑な対応を取れるようにすることが狙い。

 情報登録はスマートフォンやパソコンなどで登録者本人が入力することを市はイメージしているが、不得意な人もいることを踏まえ、各区に1カ所の入力支援窓口を設置する。これとは別に、身寄りのない高齢者らが抱える将来への不安や悩みを相談する対面、電話対応が可能な窓口を今年度中に市内に開設する。

横須賀式参考に

 市が参考にしたのが横須賀市の「終活情報登録伝達事業」だ。年齢や所得などの利用制限はなく計11項目の情報を登録するもの。18年5月から実施しており、登録者は25年4月2日時点で1054人となっている。遺体が自宅で発見されたと警察から連絡があり、緊急連絡先や、これまでの相談経過を伝えたこともあるという。横須賀市担当者は「関係機関からも好評。引き取り手の無い遺体を減らすためには必要」と重要性を語る。

「尊厳ある最期のため」

 横浜市は現在、各自治体の先行事例を参考に登録項目の選定や入力支援窓口の設置場所などを検討しており、2026年1月の導入開始を目指す。市担当者は「65歳以上の高齢者は登録が可能です。尊厳のある最期を迎えるため、本人の意志を支援につなげられれば」と話す。

3月21日付で栄警察署長に就任した 塩田 信之さん 桂町在勤 59歳

皆の記憶に残る署長へ

 ○…第一交通機動隊や外国人の不法滞在などを取り締まる外事警察官などを歴任して、栄警察署長に就任。区の印象については「いたち川を散歩していた時、すれ違う人たちが毎回あいさつをしてくれた。歴代署長たちから『住民が温かい街』と聞いていたが、本当だった」と笑顔で語る。署長就任に対しての意気込みを「区民の安全を守ることに全力を注ぎたい」と力を込めて語った。

 ○…白バイに憧れたのがきっかけで警察官の道へ。交番勤務などを経験し、警察学校の授業で興味を持った外事警察官として20代を過ごす。30代の時に設置された警察官への苦情に対応する部署での日々が印象に残っている。「2001年ごろは『警察改革』と言って、不祥事防止などに注力していた」と振り返る。1日中、苦情を聞き続けたが「警察が変わる時期に貢献できたのは嬉しかった」と胸を張る。

 ○…趣味はキャンプ。子どもの時に父に連れられたのがきっかけで、結婚後も家族で相模原市のキャンプ場などによく出かけた。キャンプの魅力を「火を囲んでご飯を食べると仲良くなれるところ」と力説し、「これまでどの部署に行っても仲間を誘って、キャンプに行ってきた」と振り返る。署長に就任し、遠出する機会は減るが「自然の多い栄区を満喫したい」と笑みを浮かべる

 ○…「若い時に親しみやすく接してくれた先輩の『先を見据えて学び続けるべき』という言葉が今でも記憶に残っている。私も皆さんの記憶に残る人でありたい」と理想の署長像を明かした。そのために「まずは署内を歩いて、署員と話すようにしている」とコミュニケーションに力を入れる。今後も署員と連携を取りながら、区内の安全のために奔走する。

点検商法に関する速報値 分電盤が前年同期比31倍

 横浜市消費生活総合センターに寄せられた点検商法に関する相談のうち、分電盤に関するものが前年度同期比31倍(2月末時点)で急増していることが分かった。

 点検商法とは「無料で点検をする」と言って訪問し、「見つかった不具合を修理する」との名目で工事契約を結ぶ手法。中には不具合がないのに「修理が必要」と嘘をついて工事契約を結ぼうとする業者もおり、警察も注意を呼びかけている。

 同センターによると2024年4月から2025年2月までの間に776件の「点検商法によって工事契約を持ちかけられた」との相談があり、その内の93件が分電盤に関するものだった。前年度同期は3件だったことから、今年度に入り、大幅に増加している。

 その理由について、同センター担当者は「分電盤は集合住宅にもあるからではないか」と話す。従来点検商法は屋根やリフォームなど高額で建物全体に関わるものが多かった。しかし、こうした工事は一軒家のみが対象。そこで、悪質な業者が対象を広げるため集合住宅でも個人で工事契約できる分電盤を狙った可能性があるという。

 電気工事の資格を持たない人が点検や工事を行うケースもあると指摘されている。

法律用い誤解生む

 また、分電盤の点検は法令で定められていることも、トラブル増加の要因になっている。分電盤などに関わる点検は電力会社などが4年に1回以上の頻度で行う法律が存在。点検を持ちかけられた人がこうした「法律に定められた点検」と誤解した結果、業者を信用し契約を結んでしまうケースがある。

 同センターは「法律に定められた点検は書面で事前に通知をして行われる。電話や訪問で点検日時を知らせることはない」と注意を促す。また、正規の点検では作業員が身分証を携帯しており、不審な業者でないか確認することができるという。「不審な業者から点検の申し出があった時は電力会社に確認をとることが重要」と呼びかけている。

 なお、点検商法に関する相談の全体数も前年度同期比36・9%の増加。分電盤のほか、給湯器の点検も増加している。

記者会見で抱負を語る南さん

ウスイ親会社「イエリスタHD」 イメージキャラに南明奈さん

 神奈川県下で不動産事業を手掛けるウスイホームホールディングス株式会社の親会社である株式会社イエリスタホールディングス(木部浩一代表)は4月3日に横浜市内で記者会見を開き、同HDのイメージキャラクターにタレントの南明奈さんが就任したことを発表した。南さんは横浜市出身で現在は子育て真っ最中。ファミリー層へのアピール力もあるとされ、起用された。南さんは「地元企業のキャラになれてうれしい。神奈川県の良さや住み心地を伝えていければ」と抱負を話した。

 同HDはウスイグループと県西エリアで事業展開しているハートグループ(茅ヶ崎市・島崎亮代表)の持ち株会社として昨年設立。ウスイが県東部を得意としていることから、両社で県内全体をカバーし総合不動産として県内ナンバーワンを目指している。

 業務効率や認知度向上を目的に今年5月中下旬を目途に、みなとみらいにオフィスを開設する予定。主に富裕層や国内投資家を対象にした「ウェルスマネジメント部」を新設し、収益物件やリゾート地などの紹介を手掛けていくという。

最初に投稿された写真

栄区役所 インスタグラムを開設 魅力を発信

 栄区役所は3月28日、インスタグラム(アカウント名「横浜市栄区役所」)を開設した。居住促進の取り組みの一環だという。

 市内の区役所でインスタグラムを開設するのは8区目。これまでX(旧ツイッター)のアカウントは存在していたが、インスタグラムはなかった。

 4月5日時点で投稿されている画像には全て栄区いたち川マスコットのタッチーくんが登場。運用している区政推進課によると、今後は区内の魅力スポット情報や「タッチーくんの日常」を投稿していくという。投稿頻度は週1回を目標としている。また、開設日はタッチーくんの「誕生日」に合わせた。

 開設目的は居住促進。区が掲げる「住みたい・住み続けたい栄区」をPRする内容を投稿し、区内外の人の目に止まることを期待している。

指紋の検出をする参加者

上永谷駅前コミハ 科学捜査・親子で体験

 上永谷駅前地域ケアプラザ・上永谷駅前コミュニティハウスで4月5日、元警察関係職員で港南区の街のアドバイザーである久保雅信さんによる「子ども科学捜査体験講座」が行われた。

 当日は20人以上の親子が参加。指紋の検出や血痕の鑑定など、警察官が行う捜査方法を実際に体験した。前半で行われた指紋の検出では、鳥の羽で作られた筆とアルミの粉、青い光の出るライトを使用。参加者は自らの指紋を付着させたコップにアルミの粉を付けて指紋を採取。粉を付けすぎると指紋が見えにくくなるため、参加者たちは真剣に取り組んだ。

 その後に行われた血痕の鑑定では、ルミノール液という液体と、動物の血液の結晶を使用。暗い場所で刃物に血液の結晶を付着させてルミノール液に浸したことで、刃物が青白く発光。参加者は驚きの声をあげた。参加した小学2年生の児童は「指紋の採取が難しかったけど、初めての体験で楽しかった」と満足気に話した。

左から松永区長、三原会長、家田昌利栄消防署長

上郷西連合 2年間無火災で表彰

 栄区の上郷西連合町会(三原一郎会長)は3月1日をもって2年間の連続無火災を達成し、3月21日、栄区役所で「市民防災の日」栄区推進委員会委員長の松永朋美区長から表彰を受けた。

 横浜市は「市民防災の日」事業として世帯数ごとに期間を設け、所定の期間火災が起こらなかった地域を表彰している。同会は3279世帯のため5000世帯未満の基準である2年間で表彰対象となった。

 松永区長から賞状を受け取った三原会長は「先月は笠間連合町内会自治会(指田弘会長)が無火災表彰を受けた。2カ月連続で表彰の対象となり嬉しい。地域の住人も今回の表彰を喜んでいる」との感想。また、岩手県大船渡市で発生した林野火災に触れ「上郷西も森が多い地域。山火事には特に気を付けなければいけない」と話し、「来年、再来年も無火災を続けたい」と語った。

 松永区長は「この冬は火災が多かった。(連続無火災達成)は防火意識の高さがあるから。区としても防火に努めていく」と地域を称えた。

 なお、同会は3年間継続すると消防局長表彰、4年間で市長表彰の対象になる。

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設置が簡易な、おもり式の感震ブレーカー

横浜市 通電火災対策を加速  感震ブレーカー普及促進

 大規模地震の発生が危惧される中、必要性を指摘されているのが「通電火災」(電気に起因した出火)の対策だ。そこで市は地震火災対策として、大きな揺れを感知すると自動的に電気を遮断する装置「感震ブレーカー」の設置普及を進めている。

 大規模地震時における火災の発生状況を見ると、阪神・淡路大震災では85件(61%)、東日本大震災では71件(65%)を電気関係が占めている。このような通電火災を防ぐために、避難時にはブレーカーを落とすように呼び掛けられてきた。ただし被害状況によっては、ブレーカーの切断が困難な状況も想定される。そこで通電火災の防止効果が期待できるとして、注目されるのが感震ブレーカーだ。

 同装置の必要性については、1995年に発生した兵庫県南部地震の後から、防災関係者の中でも叫ばれてきた。横浜市でも2013年7月、導入のための補助金制度を創設。しかし全国的に普及は進まず、内閣府が2022年に行った「防災に関する世論調査」では、設置しているとの回答は5・2%(参考値)に留まった。

 市は、昨年の元日に発生した能登半島地震の被害状況を受け、普及対策を加速。それまで木造密集地域に限定していた感震ブレーカーの購入・設置費用の補助対象を、2024年度から全市域に拡大した。ただし申請できるのは自治会・町内会やマンションの管理組合単位で、個人の申込みは重点対策地域と対策地域のみだった。その結果、24年度は自治会・町内会から2437件、個人から610件と、合計3047件の申請があった。

補助割合を拡大

 25年度はさらなる普及をにらみ、約1億7千万円の予算を計上。全ての市域で個人世帯での申込みを可能にする。また、これまで導入費用の50%で最大2000円だった補助を、重点対策地域においては、100%まで引き上げる。

 市担当者は「補助金については6月初旬から申請を受け付ける予定です。簡易的な感震ブレーカーもありますので、ぜひ設置を検討いただきたい」と話している。

国産材を活用した厚木・伊勢原店

神奈川スバル(株) 国産材でSDGsに貢献 飛騨市産の家具を初導入

 神奈川スバル(株)(本社横浜市港北区・中村亜人代表取締役社長)はこのほど、1月にリニューアルオープンした厚木・伊勢原店=伊勢原市高森=に岐阜県飛騨市の国産材を使った木製家具を初めて導入した。

 車の点検などの待ち時間を「ゆっくり過ごしてほしい」と同社では10年ほど前からショールームのリニューアルなどに併せてカフェコーナーを設置。これまでは市販の木目調の家具を導入していたが、国産材を有効活用することで自然を守りながら維持し、地球温暖化防止へもつながる取り組みを推進する飛騨産業(株)の想いに共感。同市産のブナ材のテーブルやイスなど約40点を導入した。「少しでも二酸化炭素削減につながる活動ができれば」と担当者。同社では今後も、店舗の改装時などに県産材を含めた国産材の家具を取り入れていく方針。

「インパクトある心に残る作品です」と柏木さん

ダンサー・柏木みどりさん 好評のカルメンを一新

 大船在住のジャズダンサー・柏木みどりさんの公演が5月15日(木)、鎌倉芸術館で開催される。

 柏木さんは、15歳で日舞・柏木流の名取に。タレントや松竹女優を経てジャズダンサーとなり、ジャズ・モダン・日舞などを組み合わせた独自の世界を表現してきた。

 今回は、人気作の「魔性の女 カルメン」の振り付けを一新。新作の「結ばれない恋の糸は」は、バイオリンと和楽器による「竜馬四重奏」の生演奏と共に披露する。

 午後7時開演。前売5千円。購入は同館【フリーダイヤル】0120・1192・40。

10組20人を招待

 公演に読者を招待。氏名・住所を添え、〒251―0021藤沢市鵠沼神明5の13の19の2階タウンニュース「柏木さん」係へ。4月16日(水)必着。招待券は主催より発送。

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横浜市 地域防犯力向上へ補助金 町内会に上限20万円

 横浜市は、住民一人ひとりの防犯意識や地域の防犯力を高めることを目的とした「地域の防犯力向上緊急補助金」制度を4月から開始する。

 対象は、自治会町内会や地区連合町内会が実施する、地域の防犯力向上に向けた公益的な取組。防犯パトロールの実施や活動に必要な物品の購入、防犯啓発グッズの作成・購入、センサーライトや防犯カメラの整備や設置、防犯講座の開催などに対して補助金が支給される。

 補助率は10分の9、上限額は1団体あたり20万円。団体内で取組の内容を決め、実施後に申請、請求する(1団体につき申請は1回)。取組と申請の受付期間は2025年4月1日(火)から10月31日(金)まで。請求書の最終提出期限は12月26日(金)。

 昨今、「闇バイト」による強盗事件などが各地で発生している。自助・共助・公助を組み合わせた社会全体での防犯対策の強化が求められている。市の担当者は「必要な対策は地域ごとに異なる。団体内で話し合い、決めることで、地域の防犯力向上への自主的な活動の推進やコミュニティの活性化につながれば」と話す。

 市のホームページでは、神奈川県警察公式アプリやNPO法人神奈川県防犯セキュリティ協会のホームページなど、取組の参考となる防犯関連情報を紹介している。

 問い合わせは、4月1日から開設する防犯緊急補助金受付センター【フリーダイヤル】045・550・5125まで(土日祝除く午前9時から午後5時)。

大会を支えるボランティア(提供=横浜マラソン組織委員会)

横浜マラソン 大会支えるボランティア募集 家族での参加も

 10月26日に行われる「横浜マラソン2025」のボランティア募集が4月9日に始まる。

 ボランティアは大会前日、当日にランナーや応援者への案内、誘導を行う。今回は大会当日の集合場所の選択肢を増やし、アクセスしやすいように工夫。小学生・中学生とその保護者が一緒に参加できる「ファミリーボランティア」を新設し、幅広い層に参加してもらうようにした。活動に不安がある人向けに、研修やリーダーを目指す人向けの茶話会(ミーティング)を充実させる予定。募集人数はリーダー600人、メンバー2600人。

 募集期間は6月30日(団体、ファミリーは9月頃)までで、ボランティアウェアやキャップなどが支給される。申し込みは大会公式サイトから。参加ランナー募集も9日から始まる。問い合わせは事務局【電話】045・651・0666。



笹で熱湯のしぶきを集まった人に飛ばす神職

永谷天満宮(横浜市港南区) 「湯立神楽」で無病息災 宮司「今年は良い年になる」

 港南区の永谷天満宮で3月25日、熱湯に渦を作り、上がった湯玉(水中の気泡)で無病息災や五穀豊穣を願う「湯立神楽」が行われた。

 藤沢市重要無形民俗文化財となっているこの行事は、約800年前に京都の石清水八幡宮から鶴岡八幡宮に伝わったとされる。永谷天満宮では2020年に復活。以降、毎年春季例祭に合わせて行われている。

 当日は川辺浩司宮司の解説の下で神事が行われ、約100人が参加。湯に渦を作る「掻湯」で湯玉が登ると、集まった人から「上がってる、上がってる」と歓声聞かれた。川辺宮司は「きっちりと上がった。良い年になる」と話している。

  

米国関税引き上げで横浜市が特別経営相談窓口

 米国の関税引き上げに伴い、横浜市は経営への影響が懸念される市内中小企業を対象にした「特別経営相談窓口」を4月4日に設置した。

 公益財団法人横浜企業経営支援財団(IDEC横浜)は経営全般、市経済局金融課は融資制度、横浜市信用保証協会は信用保証に関する相談に応じる。

 また、今年度、売上や利益率の減少を受ける中小企業向けの融資メニューも新設している。

 問い合わせはIDEC横浜(平日午前9時〜午後5時)【電話】045・225・3711。

桜木町駅前でチラシを配布する協会のメンバーら

「自閉症の特性を知って」 啓発デー、横浜市自閉症協会が企画

 国連が定めた「世界自閉症啓発デー」の4月2日、一般社団法人横浜市自閉症協会(事務局・中区、平下和子会長)が桜木町駅前で啓発イベントを行った。

 同協会は市内で自閉スペクトラム症がある人や家族の支援、啓発活動などを行っている。毎年、啓発デーに合わせてイベントを行っており、今回は当事者を含む約15人と中区のマスコットキャラクター「スウィンギー」が自閉スペクトラム症のシンボルカラーであるブルーのジャンパーなどを着て、市と同協会が作成した啓発チラシを配布した。チラシには「ひとりごとを声に出すことで自分の考えを整理したり、ストレスの高まりを鎮めている」といった自閉スペクトラム症の特性が書かれており、「あたたかく見守ってください」とのメッセージが添えられた。

 自閉スペクトラム症の当事者5人とともに参加した港南区上永谷の生活介護事業所「おもろ」の横山健太郎所長は「最近は自治会の行事に声をかけていただくなど、あたたかい目で接してくださる方が増えている」と話した。

 同協会の平下会長は「足を止めてチラシを受け取ってくれた方が多くて良かった。また、当事者が参加したことも意義がある」と喜んだ。

ブルーライトアップも

 横浜市は4月2日から8日までの「発達障害啓発週間」に合わせ、自閉スペクトラム症を含む発達障害に関する普及啓発を行っている。

 市役所1階などでは、市内4カ所の地域療育センターと横浜市総合リハビリテーションセンターに通う子どもたちがブルーの画用紙に描いた絵を「ブルーフラッグ」として展示。市役所では7日正午まで展示している。

 観光スポットなどをブルーにライトアップする企画も実施しており、市庁舎や横浜スタジアムが青い光に包まれている。

ポーズを決めるなつぽい選手  【プロフィール】1995年7月15日、横浜市都筑区出身。3歳からタレント活動を始め、2015年5月31日に19歳で「万喜なつみ」としてプロレスデビュー。2020年10月からリングネームを「なつぽい」に改め、2021年1月、スターダムに入団。2023年4月にはCDデビューも果たすなどリングの内外で活躍。2025年5月31日には大田区総合体育館でデビュー10周年を記念した興行「なつ&さおりー 来たよ。来たね。10周年。〜うちらの足跡〜」を安納サオリ選手とともにプロデュースする。

横浜「注目の人」インタビュー 都筑区出身 女子プロレス「スターダム」 なつぽい選手 プロレスの「プ」の字も知らない…から「リングの妖精」へ

 女子プロレス団体「スターダム」に所属するなつぽい選手(29)は横浜市都筑区出身。リング上での華麗なファイトはもちろん、SNSで発信するメークやファッションも注目を集め、新たなファン層を広げている。スターダムは4月27日に横浜アリーナでビッグマッチを行う。地元での大一番を前に「リングの妖精」の異名を持つなつぽい選手に話を聞いた。(取材=2025年3月)

◇ ◇ ◇

――プロレスラーになったきっかけを教えてください。

「3歳から芸能事務所に所属して、アイドルとして活動していたこともありました。プロレスラーになるきっかけは、スカウトされたことです。最初はプロレスの『プ』の字も分からなくてお断りしました。レスラーになる前は、プロレスというと、ジャガー横田さんや北斗晶さんのイメージが強かったです。でも、スターダムの試合を見て、入場からコスチュームまでみんなキラキラしていて、かわいくてきれいだと感じました。私は芸能界でみんなに見られるお仕事を目指していましたが、プロレスはリングを囲む360度、何千人もの観客が集中してリング上の1人、2人のことをずっと見ている。それがうらやましいと思うようになり、自分も出たい、そっち側に行きたいという気持ちになりました」

――都筑区で生まれ育ちましたが、どのような思い出がありますか。

「子どもの頃からバトントワリングに打ち込んでいて、12年間続けていました。毎朝、お父さんとセンター南駅付近を走ったり、悩んだ時も1人で走っていました。この前もセンター南駅あたりに行って、お店や建物が増えていて楽しかったですね。今でも実家には月に2、3回は帰っています。家族はとても仲が良くて、先日もたこ焼きパーティーをしました」

――仲の良さが伝わってきます。

「実は姉が先にスカウトされていて、後に妹がプロレスラーになっていたという(笑)。家族はビッグマッチの時にはいつも応援に来てくれます。ただ、私の親友は1度も見に来てくれなくて、理由を聞いたら、私がやられているところを見るのが怖いというので。デビュー10周年を迎えるので、1回は見に来てほしいと思っています」

――リングネームの由来を教えてください。

「中学生ぐらいの時、当時流行っていた『mixi』の中で『〜ぽん』という人が多くて、ちょっと変えて『ぽい』にしたら、みんながそう呼んでくれるようになりました」

――バトントワリングをやっていたことはどのようにプロレスにつながっていますか。

「いっぱいあって、バトンで培ったアクロバティックな動きはリングですごく役立っています。手をつかない側転を得意としていて、それで相手の技をかわすこともできます。一番の必殺技が『フェアリアル・ギフト』という、トップロープから側宙で踏み切ってダイビングプレスする技です。やっぱりこれもバトンで培ったものだと思います」

――バトントワリングとプロレスで共通する部分はありますか。

「バトンもプロレスも自分との戦いみたいなところがあって、常に戦い続けなければいけないっていうところはすごく似ています。両方を経験して、忍耐力とか根性みたいなところとかは、人よりも強いと思います」

――忍耐力や根性はどのような場面で発揮されますか。

「私は小さくて、やられることも多くて、『もうここでやめようかな』と思う時もあるんですけど、今やめたら終わっちゃうし、お客さんに勇気を与えることができないまま終わっていいのかなって思って立ち上がります。相手と打ち合うこともあり、本当に痛い中でも『お客さんが盛り上がっていて、今やめちゃダメだ』という気持ちで耐えています。そこは本当に気合ですね」

――会場のファンの声援はどのように力になっていますか。

「やられている時に『なつぽい!』と歓声が湧き上がることがあって、すごく嬉しかったです。アニメみたいに力が湧く瞬間があるので、声援はすごくありがたいです」

――プロレスを知らない人のために、どのようなことをされていますか。

「SNSの投稿はプロレスラーというより、美容などの内容が多く、若い子たちに『この子プロレスラーなの?』と思ってもらえるように意識しています。プロレスの動画は、YouTubeに上がっていると思うので、それとのギャップを見せられたらと思っています。SNSの美容の投稿で私を知った人たちが試合を見に来てくれることもあります。動画で試合を見て、実際見に来てくれる子が増えていて、イベントで中学生の女の子が『プロレスラーになりたい』って言いに来てくれたこともあります。夢を与える存在になれているのかなと思うとすごくうれしいですね」

――数多くのプロレス団体がある中で「スターダム」の特長や見どころを教えてください。

「スターダムには、新人を含めて約40人の選手がいます。これだけ多くの選手がいても、一人ひとりは個性が違って、知らずに見に行っても、推しが1人できると思います。上に行きたいという気持ちの子が多いので、プロレスのパフォーマンスはもちろん、SNSでも意識が高いというのを感じますね。人数が多い分、ストーリーがあるので、友情やライバル関係が見られるのも魅力だと思います」

――「リングの妖精」というキャッチフレーズですね。

「デビュー当時からこのキャッチフレーズです。妖精ってちょっといたずらっぽい、小悪魔みたいな感じがあり、小さくても華麗でピョンピョン飛び回るようなイメージです。『リングの妖精といえばなつぽい』と思われるように10年間やってきました」

――4月27日は横浜アリーナで大会です。

「横浜アリーナは憧れの場所です。私の対戦カードは決まっていませんが、あの大舞台で、たくさんの人に見てもらえるっていうのは本当にうれしいです」

――今後の目標を教えてください。

「まずは都筑区の自分の母校を訪れたいです。そこで子どもたちに夢を与えられたらいいですね」