さがみはら緑区版【5月29日(木)号】
矢部代表(左)と多胡さん(中央)が鈴木教育長に受賞を報告した

おはなしゆめふうせん 文科大臣表彰を受賞 長年の読み聞かせが評価

 城山地区を中心に活動する読み聞かせのボランティア団体・おはなしゆめふうせん(矢部裕子代表)が、令和7年度子供の読書活動優秀実践団体として、文部科学大臣表彰を受賞した。矢部代表は「これまでの頑張りが認められてうれしい」と喜びを語る。

 同表彰は子どもが積極的に読書活動を行えるよう、特色ある優れた実践を行っている団体などを表彰するもの。

 おはなしゆめふうせんは、城山町民大学の読み聞かせ初級講座の受講生が中心となり2001年4月に設立。読み聞かせを通して「おはなしのたねまきをして、おはなしを聞く楽しさ、本を読む楽しさ」を伝えている。現在は、広田小、広陵小、湘南小や地域の保育園などで読み聞かせを行い、公民館のイベントなどにも参加している。団体としては初の受賞で、矢部代表は「表彰を知った方からたくさん連絡をいただいた。どれだけ多くの人に支えられてきたかを実感している」と感謝の思いを口にする。

信頼関係が大事

 現在の会員は14人。読み聞かせ活動のほか、月に1回の定例会では打ち合わせや練習に励んでいる。団体設立のきっかけとなった講座のテキストを今でも使っており、呼吸法やアクセント、発声、早口言葉の練習などは今でも続けている。

 読み聞かせの際は、「信頼関係が大事」と矢部代表。「子どもたちから読み聞かせのおばさんが来ると面白いねと言ってもらえたら聞いてもらえるようになる」と話す。そのために大事にしていることが「本選び」と言うのは同会の多胡弘子さん。「学校で読み聞かせをする朝の15分のために、3〜4時間探すこともありますよ」と笑顔を見せる。読む本は季節感、絵のタッチ、教科書との比較など、いろいろな観点で選ぶが「今日は興味を持って聞いてもらえたから、明日もうまくいくとはならないのが難しいところ」と話す。

受賞は激励

 5月22日には鈴木英之教育長に受賞報告を行った。鈴木教育長は「24年間の活動が評価され私も光栄に思っている。今の子どもたちは読書の機会が少なくなっている。活動を通して子どもたちに良い影響を与えてくれたら」と期待を寄せた。

 矢部代表は「今回の受賞はもっと頑張れという激励の意味もあると捉えている。本との出会いは人との出会いでもある。より子どもたちがつながっていく一助になるよう活動していきたい」と意欲を見せた。

登壇した選手たちと槻舘代表(左)

3人制バスケ 女子プロチームが発足 五輪選手育成、世界目指す

 相模原市を拠点とする3ⅹ3(スリーエックススリー)(3人制バスケ)の女子プロチームが発足した。5月14日、けやき会館で行われたお披露目式で、チームを運営する3X3グローバルゲームス(株)(東京都)の槻舘雄太代表は「目標は世界一と五輪選手育成」と意気込みを語った。

 チーム名は「WIND WINGS(ウィンド ウィングス)」。キャプテンの岡明日香選手(30)、小島百花選手(22)、金廣萌美選手(33)、長牛姫菜乃選手(24)、松原裕美選手(26)が所属する。コーチは元Bリーグ選手の山梨歩さんが務める。

 市内在住、在勤の金廣選手は「相模原の思いを胸に、自分の得意なひたむきな努力をして相模原に貢献していきたい」とアピールした。

 運営する3X3グローバルゲームス(株)は3人制バスケの大会の主催・運営を行っている。槻舘代表は南区で建築会社を経営。同社専務の高橋洋介さんと共に一昨年、さがみはらフェスタで3ⅹ3の世界リーグ「3BL」を招致し開催するなど、競技の発展に尽力している。

 槻舘代表は「相模原からオリンピック選手を育て、世界の舞台で活躍する選手を街から輩出し、相模原を世界に届く都市へと押し上げていきたい」と熱く語る。

海外参戦で高ポイント

 3ⅹ3は東京2020オリンピックから正式種目に採用され、日本女子は5位入賞、さらに今年3月に行われたアジア杯では準優勝を収めるなどの実績がある。

 日本代表選手に選出されるためには、大会の規模や成績に応じて付与されるFIBA(国際バスケットボール連盟)の個人ランキングポイントが必要となる。国内より海外の大会の方が「圧倒的にポイントが付く」傾向にあるという。

 槻舘代表は「日本女子バスケのレベルは高い一方で世界ランキングは14位と低い。それは世界に出るチームが少ないため」と分析。「海外の大会に積極的に参戦して、ポイントを獲得する。日本女子の3ⅹ3界をリードしたい」と語る。

 同チームは今後、7月から11月にかけて、新たに発足する国内リーグ「RBL」の参戦や日本バスケットボール協会の公式戦への出場を予定。来季から本格的に海外ツアー参戦を目指す。

相模原市美術協会の会長を務める 吉田 留美さん 中央区在住 73歳

やるならトコトン

 ○…今年で節目の80回目となる一般公募展「さがみ美術展」の開催に向け、会長として音頭を取る。前年踏襲の運営ではなく新しいことに積極的に取り組む。今年から中学生も作品を出品できるようにし、初の「ジュニア賞」を設けた。「会員が高齢で少しずつ辞めていく。魅力ある美術展にして若い人を育てていかなきゃ」。熱を込めた言葉に決意をにじませる。

 ○…自身がさがみ美術展への出品を通して実力を伸ばした。プロの画家ではなく、西門でブティックを営む経営者だった。絵を描き始めたのは子育てがひと段落した頃。ほとんど独学だったため、美術展で受ける講評が助けになった。2023年には「日展」に初応募。入選を果たした。「協会に恩返ししなきゃと常々思っている。会長を打診されたときはすぐ引き受けた」

 ○…「仕事や人生のストレスと違って、絵を描くストレスはいいストレス。楽しい」。イメージ通りの色がなかなか出ないときもあるが、「自分で悩んでやるのが面白い」。ブティック経営時代に日々多くの洋服を見る中で養った、繊細な色彩感覚が今に生きている。絵と同じ時期に始めたもう一つの趣味がウォーキング。毎朝6時から1時間ほど歩く。「やり出したらずっと続ける。好きなことだけはやめない」

 ○…退職前は仕事が忙しく協会の手伝いを満足にできなかったが、会員はいつも優しく迎え入れてくれた。仕事と絵の両立ができたのは協会の支えがあったからだった。「苦しくて絵を辞めてしまう人もいる。働き盛りの人がいたら積極的に声掛けをして助けたい」。80年にわたって相模原の文化の芽を育んできた先人たちの思いを引き継ぎ、協会をさらに発展させようと奮闘している。

パネル展示スペース

相模原市内のロケ地を紹介する展示が市役所で開催中 菅田将暉ら出演俳優のサイン色紙も

 相模原市役所本庁舎1階ロビーで6月6日(金)まで、「さがみはらフィルムコミッション」のパネル展示が開催されている。展示では映画、ドラマ作品のパネルに加え、出演者のサイン色紙も公開されている。

 「さがみはらフィルムコミッション」は映像を通して相模原市を市内外に広く発信するため、市内でのテレビ番組、CM、映画などのロケーション撮影を支援する非営利組織。2002年に緑区(旧藤野町)に「藤野フィルムコミッション」が設立されたあと、05年に「相模原フィルム・コミッション」(以下FC)が設立。その後市町合併に伴い両者が合併し、今年20周年を迎えた。

 FC担当者によると24年度に市内で撮影された作品数は映画13、ドラマ、バラエティ番組、旅番組などのテレビ番組は63、CM6、ミュージックビデオなどその他の作品が15。「年々、増えてきている」という。

街と自然、両方を撮影できる

 増加傾向の理由を同担当者は「最大の魅力は街と山、自然という異なる風景の両方を撮影できること」とし、圏央道のIC開通で東京方面からのアクセスがよくなったことも理由に挙げる。

 菅田将暉さん主演、宮藤官九郎さん脚本の映画『サンセット・サンライズ』(25年1月公開)では、緑区の青野原オートキャンプ場がロケ地に。24年放送のドラマ『下山メシ』(テレビ東京)では、主演の志田未来さんが陣馬山、石老山を実際に登山。映画『はたらく細胞』(24年公開)では阿部サダヲさんがトイレに駆け込むシーンが相模原ギオンスタジアムで撮影されている。

 今後も第78回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品の映画『ルノワール』(6月20日公開)、坂口健太郎さん、渡辺謙さん出演の映画『盤上の向日葵』(10月31日公開)など、市内で撮影された話題作が公開予定だ。

ロケ地マップをWEB公開中

 FCの公式サイト(下記にリンクあり)では、どこでどの作品が撮影されたかを記した「さがみはらロケ地マップ」を公開していて、今後も随時情報更新される。

エキストラ登録とロケ地を募集中

 FC公式サイトでエキストラ登録をすると、映画やテレビドラマに出演できる可能性がある。対象は相模原市在住・在勤・在学者で、健康で体力に自信のある人。年齢・性別不問。

 また、自宅や庭、店舗や会社などの敷地内をロケ撮影のために提供できる人も募集している。詳しくはFCの公式サイトで確認を。

メタバース・オフィスの画面

相模原市 DX活用し採用強化 メタバースオフィスを導入

 行政・民間を問わず人材不足が深刻な課題となっている中、相模原市は人材獲得に向けて、職員採用に関する取り組みを強化している。今年3月には、インターネット上の仮想空間「メタバース」を活用した新しい採用情報サイト「メタバース・オフィス」を開設した。情報発信の強化と採用活動のDX化を図ることがねらい。

政令市で初の試み

 市の採用活動について担当者は「民間と同様、雇用の流動化や受験者数の減少もあり、人材確保は課題となっている」と話す。若い世代への情報発信強化やDX化の観点を踏まえ、メタバースを活用したサイトの開設に至った。ペーパーレスの新しい採用情報サイトの開設は、政令市では初の試みという。

 メタバース・オフィスでは、インターネット上の仮想空間に設置された2D空間から、説明会や採用試験などの最新の情報が発信される。市の庁舎をリアルに再現した3D空間では、利用者が庁舎内を自由に見学できるほか、空間内に設置された動画などを見て働き方をシミュレーションすることも可能。3D画像によるフロアの再現は、サイトを開発した「株式会社ネオキャリア」では全国初の試み。

 利用者がメタバース上でアバターを介して職員や他の利用者と交流することもできる。現在は月に一度職員が常駐し、気軽に質問できる機会を設けている。市の担当者は「まだ始まったばかりで数は多くないが質問は来ている。運用していく中で回数や方法を検討していく」と話している。

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大槻新議長

相模原市議会 新議長に大槻和弘氏(自民) 副議長には西家氏を選出

 相模原市議会定例会第1回臨時会議が5月21日に開かれ、大槻和弘氏(69/自民)が議長に選出された。副議長には西家克己氏(61/公明)が就いた。任期は2027年4月29日まで。

 51代目の議長に就任した大槻氏は南区御園在住。2007年の市議会議員選挙で初当選。4期目で、総務委員会や議会運営委員会の委員長、監査委員などを歴任してきた。大槻新議長は「市民に一層開かれた議会を目指し、更なる議会改革とともに議会の機能強化にも積極的に取り組んでいきます」と話した。

 副議長の西家氏は中央区向陽町在住。11年の市議選で初めて議席を確保し現在4期目。民生委員会や環境経済委員会の委員長などを務めてきた。「議長を補佐申し上げ、円滑なる議会運営と、72万市民のために、歴史と伝統ある相模原市議会の更なる発展に向けて尽力して参ります」とした。

委員会

 この日は常任・特別・議会運営委員会の今年度の構成も決まった。

 各委員会の所属議員は以下の通り(敬称略、◎は委員長、〇は副委員長)

常任委員会

▼総務委員会

◎大八木聡・〇関根雅吾郎・羽生田学・谷川ヒロシ・小林たかみち・大槻和弘・桜井はるな・加藤明徳・中村昌治

▼民生委員会

◎岡本浩三・〇須田毅・今宮ゆうき・西田悠人・折笠正治・野元好美・仁科なつ美・森繁之・大崎秀治

▼市民環境経済委員会

◎山口恒・〇鈴木晃地・中村忠辰・五十嵐千代・南波秀樹・佐藤尚史・栗原大・鈴木秀成・寺田弘子

▼建設委員会

◎萩生田康治・〇長谷川くみ子・岩井大・三須城太郎・石川達・後田博美・渡部俊明・古内明・臼井貴彦

▼こども文教委員会

◎松浦千鶴子・〇保々富美子・務川慧・こさわ隆宏・榎本揚助・秋本仁・大沢洋子・西家克己・阿部善博

特別委員会

▼子どもと高齢者などの支援に関する特別委員会

◎森繁之・〇務川慧・松浦千鶴子・鈴木晃地・大八木聡・五十嵐千代・岡本浩三・栗原大・阿部善博

▼基地対策特別委員会

◎折笠正治・〇石川達・山口恒・萩生田康治・長谷川くみ子・後田博美・桜井はるな・寺田弘子 ※欠員1名

▼大都市制度に関する特別委員会

◎秋本仁・〇南波秀樹・羽生田学・小林たかみち・三須城太郎・榎本揚助・仁科なつ美・古内明

▼新たなまちづくりに関する特別委員会

◎谷川ヒロシ・〇こさわ隆宏・保々富美子・佐藤尚史・渡部俊明・臼井貴彦・鈴木秀成・加藤明徳・中村昌治

▼防災・減災の推進に関する特別委員会

◎中村忠辰・〇西田悠人・今宮ゆうき・岩井大・野元好美・関根雅吾郎・大沢洋子・大崎秀治・須田毅

議会運営委員会

◎佐藤尚史・〇南波秀樹・岩井大・三須城太郎・榎本揚助・萩生田康治・秋本仁・野元好美・岡本浩三・桜井はるな・中村昌治

昨年開催時の様子

さがみ美術展 市民の絵画ずらり 6月20日から24日まで

 市民から公募した日本画・洋画作品を多数展示する「第80回さがみ美術展」が6月20日(金)から24日(火)まで、相模原市民ギャラリー(JR相模原駅セレオ4階)で開催される。午前10時から午後5時(最終日は4時)。入場無料。相模原市美術協会(吉田留美会長=人物風土記で紹介)主催。

 市民の作品を展示し、文化の芽を育むことを目的に開催する同展。期間中の22日(日)は、同会の80周年を記念したオカリナ演奏を予定している(午後1時から1時半)。

 吉田会長は「今年は80周年という記念すべき年。先人たちの熱い想いを受け継ぎ未来につなぎたい」と話している。

ロビーで演奏を披露する、ネパール民族音楽グループ「バンチャパリワール」のメンバー

あじさい会館でフェス ステージやボラ体験など

 多目的な福祉活動拠点、市立あじさい会館(中央区富士見)で6月8日(日)、「あじさいフェス in SAGAMIHARA 2025」が開催される。午前10時から午後5時まで。

 来年で会館45周年を迎える同館が、周年記念のプレイベントとして企画。福祉ボランティア団体や趣味サークル、音楽教室など17団体が参加し日頃の活動の成果を披露する。ワークショップや演奏会も。

 担当者は「幅広い世代の人たちに足を運んでほしい」と来場を呼び掛ける。詳細は同館【電話】042・759・3963。

【参加団体】咲楽民謡サークル/岳公吟道会/三津よし会/峰晴会/花苑会/吟心会/バンチャパリワール/相模原市障害者地域作業所等連絡協議会/NPO法人いごこちよか/NPO法人相模原市難聴者協会・土の会/相模原市録音奉仕会ひばり/相模原誘導グループささの会/特定非営利活動法人相模原ボランティア協会/ほっとけ〜き/二四彩の会/紫陽花書道会/相模原市社会福祉協議会

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地鎮祭の様子。前列右から4人目が赤間理事長

2施設建替で安全祈願 相模福祉村

 社会福祉法人相模福祉村(中央区田名)は5月8日、障害者支援施設「たんぽぽの家」(同)と特別養護老人ホーム「柴胡苑」(同)の建て替え工事の地鎮祭を行った。

 当日は赤間源太郎理事長をはじめ、工事関係者らおよそ40人が出席。工事の無事と安全が祈願され、土地に感謝を捧げながら新たな門出を祝った。

 たんぽぽの家と柴胡苑は、鉄骨造3階建て(A棟)と木造平屋建て(B棟)の2棟に生まれ変わる。A棟は2026年10月、B棟は28年1月の竣工を予定している。

 なお、同法人は緑区で児童養護施設「メレ・オハナ」の建設も進めている。26年2月竣工予定。

キャリア教育の推進について話す藤田教授(左)と原晋教授

キャリア教育 発展段階へ 相模原市 多様性絡め議論も

 市内の小中学校に通う児童・生徒のキャリア教育充実へ向けた取り組みを議論する「相模原市キャリア教育推進委員会」が5月16日、市民会館で行われた。調査活動やパンフレットを用いた発信活動の強化について話し合われた。

 市が推進するキャリア教育の取り組みは、2020年に発表された「第2次相模原市教育振興計画」に基づき同年に始動。相模原市が目指す人物像「共に認め合い 現在(いま)と未来を創る人」を掲げ、小中学生が将来、社会的・職業的な自立をするために必要な資質や能力を学校教育内で育むことを目的としている。昨年度までに土台作り、共有・協働をテーマに段階を踏み、義務教育9年間の学びを深める「小中一貫教育」の導入や、地域と学校が連携・協働して教育活動の充実を図る「コミュニティ・スクール」の設置、中学生の「職場体験支援事業」の充実などを推し進めてきた。

 今年度から「改善・充実」をテーマに取り組む発展段階に入る。市がキャリア教育において重視する資質や能力の児童・生徒への浸透度をアンケートなどで調査する「アウトカム評価」を進める。合わせて、同委員会と協働している地域の人に理解を深めてもらおうと、パンフレットを作成し発信を強化していくという。

 この日の協議会では、近年教育現場でも求められている「多様性」とキャリア教育を絡めた議論も行われた。同委員の藤田晃之教授(筑波大学人間系)は「児童・生徒が障害のある人や外国籍の人などと垣根なく接する機会を設けることが将来活躍できる人物を育てることになる」などと話した。

閉鎖される銀河アリーナ

アイススケート場 「民設民営」案を検討へ 有望候補地は相模原麻溝公園

 淵野辺公園にある銀河アリーナの閉鎖に伴い、民間アイススケート場の実現可能性を検討している相模原市はこのほど、民間事業者に委託していた調査の最終報告を発表した。民間による独立採算型の事業としては実現が難しいとされる中、官民連携の手法のうち「民設民営」の事業スキームである「PFI方式」や「負担付寄付」の実現可能性が高いことが分かった。有望整備候補地としては相模原麻溝公園が抽出された。市は結果を踏まえて対応を検討する。

 開設から30年以上が経過し老朽化が進んでいる銀河アリーナは、運営費用に加え施設維持のために多額の改修費用を要することから、2027年3月末で運営を終了することが決まっている。

 市民や団体から存続や新たなスケート場の設置を求める声が上がる中、2月に発表された調査の中間報告で、敷地規模の条件や法令上の制約に加え、独立採算型の事業としては実現のハードルが高いことが示されていた。

 調査は24年9月から25年3月にかけて、市が委託した民間事業者「PwCアドバイザリー合同会社」が実施した。

 最終報告では、民間の力を活用しながら公共施設として整備・運営する「官民連携手法」のうち、法令上の制約や民間事業者へのヒアリングの結果を踏まえ、実現可能性が高い事業手法が2つに絞られた。民間が建設後、所有権を市に移転し、民間の責任で運営するPFI(BTOコンセッション)と、民間が建設後に市に建物を寄付し、行政の管理代行という立場で運営する手法(負担付寄付+指定管理者制度)で、両手法とも同様の運営は可能だが、リスク分担や法的な手続きの面で違いがある。

 有望整備候補地としては相模原麻溝公園(南区)が抽出された。立地や敷地規模の条件に加えて▽利用者の意向▽民間事業者の見解▽市の政策への寄与▽市の関与・負担▽スケジュール▽法令などの制約――の6つの観点から候補地を分析した結果、市街化調整区域ではあるが比較的敷地条件での制約が少ないことなどから同公園の評価に至ったとしている。また、地権者などへのヒアリングや法令確認の結果、民間施設として法令上整備・運営が可能な敷地は抽出できなかったことが明らかになった。

事業者ヒアリング「参画意向あり」

 事業参画に関心を示した複数の民間事業者に実施したヒアリング調査によると、官民連携で整備する場合、契約から開設までのスケジュールは2年半〜3年半程度。ヒアリング回答者の事業への参画意向は高く、条件が合えば提案を検討したいと答えたという。

 市スポーツ施設課は「調査結果を踏まえ、市の対応方針を検討する」としている。

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屋台村が設置されるのはふれあいの杜さがみ湖のすぐ隣り。現在工事が進む

緑区NPO 飲食店起業家を支援 相模湖 「初年度無償で」

入居者募集

 相模湖近くで飲食店をはじめてみませんか―。NPO法人ふれあい自然塾(緑区西橋本)は7月に開所する「屋台村」の入居者を募集している。飲食店の開業を志す人が対象で、初年度の費用は無償という。

 同法人は「自然と人とのふれあいを通じて情操教育の向上に寄与する」ことを目的に自然生活体験事業などを展開してきた。一方、昨年はまちづくり支援事業として緑区与瀬にサービス付き高齢者向け住宅「ふれあいの杜さがみ湖」をオープン。今回の飲食店起業家支援もその一環という。「初期投資を低く抑えられる環境を提供することで、これから飲食店を始めようとしている人を支援したい。飲食店がにぎわうことで地域を活性化できれば」と担当者は話す。

調理設備付帯

 出店場所はふれあいの杜さがみ湖の隣り。付帯設備は冷蔵庫、コンロ、テーブル、椅子等。契約は原則最長3年間で出店に際しては審査がある。費用は実費負担の水道光熱費を除き、初年度は無償となる。それ以降の更新は条件の見直しあり。

 同法人は5月中旬より出店希望者との個別説明を開始。出店は7月15日を予定している。「チャレンジ精神で応募をしていただきたいです」。問い合わせは【電話】042・774・8690((株)アルプス技研経営企画部経営企画・IR課)。

川柳募集

 タウンニュース相模原支社では毎月月末号に掲載される「タケシの万能川柳」の川柳を募集しています。投句いただいた作品は毎日新聞「仲畑流万能川柳」などでおなじみの水野タケシさんが選句します。応募方法は枠内に。
岡村三郎氏

参院選 無所属・岡村氏 出馬へ 75歳、相模原の会社社長

 参院選神奈川選挙区(改選定数4)に自動車部品製造会社社長の岡村三郎氏(75)が無所属で立候補すると表明した。

 岡村氏は輸入半導体商社を経て1994年、相模原市に「オーエス精工」を設立し、現在も社長を務める。5月21日の会見で「今の国会議員は世の中を変えられない。EUのようにペットを飛行機内に持ち込めるようにしたい」と述べた。

陳謝する水野氏

参院選 立民・水野氏が不出馬表明 パワハラ報道で陳謝

 今夏の参院選神奈川選挙区からの出馬を表明していた立憲民主党の水野素子参議院議員が5月21日、立候補辞退の会見を開いた。

 週刊誌でパワハラ疑惑が報じられた水野氏。「不快な思いをされた方に深くお詫びする」と陳謝する一方で、「事実誤認や誇張がある」とも述べた。今後については「今は残りの任期を全力で全うしたい」とした。

サックス奏者の鈴木健太さん

サックスで映画音楽 6月20日 津久井中央公民館

 津久井中央公民館(中野633の1)で、『映画音楽コンサート〜サックスで聴く映画音楽〜』が6月20日(金)に開催される。

 世代を超えた交流を目的に企画されるコンサート。前回好評を博したサックス奏者・鈴木健太さん率いるバンドが出演。映画音楽の魅力的な世界を届ける。

 公演は午後6時30分開場、7時開演。同館としては初の夜間帯での公演となる。担当者は、「これまで曜日や時間帯が合わず参加できなかった方々にもぜひ来てもらいたい」と説明する。多くの住民に文化活動に参加する機会を広げたいという新たな試みになる。

 チケットは500円。高校生以下は無料。同館窓口で販売中。なお、駐車場には限りがあるため、公共交通機関の利用を呼び掛けている。

 詳細、問い合わせは同館【電話】042・784・3211。

ちから米穀の代表取締役、山下力氏

米価格高騰 相模原の米穀店が語る「異常事態」の深層 複雑に絡み合う問題と未来への提言

 記録的な米価格の高騰が続く中、江藤拓前農林水産省大臣が「米は買ったことがない」発言で事実上更迭され、小泉進次郎元環境相が5月21日、新農相に就任した。「コメ担当大臣」を自認する小泉農相が「6月初旬にも5kgあたり2000円台で店頭に」と発言するなど、米価格に多くの国民からの注目が集まっている。

 そこで相模原市内で古くから米穀店を営む3店舗に取材した。

高騰の原因と対応の不備

 米価格高騰は単一の原因でなく、複数の要因が絡み合って生じている。ちから米穀(中央区矢部)の代表取締役・山下力氏は「この高騰は昨年の収穫量が少なかったことが発端」と話す。例年より少ない米を農協、民間の卸売業者が取り合う形となり、相場を押し上げ、さらに市場の投機的な動きも価格を釣り上げた一因と山下氏は分析する。ライスショップきくや(緑区東橋本)の代表、大貫喜久雄氏は「猛暑、円安によるインバウンド客の急増で、米の消費量が増えたことも高騰の原因ではないか」と指摘する。

 備蓄米について山下氏は、精米工場の人手不足や労働時間制限、トラック不足により、生産された米がスムーズに市場に供給されず、小規模な米穀店にはほとんど届かなかったという。河本精米店(中央区淵野辺)の店主・河本修一氏は、「トラックがない、精米工場がない」と語り、物流インフラの脆弱性が品薄感と価格上昇を助長していると分析する。

綱渡りの経営と消費者の混乱

 河本氏は、昨年同時期の仕入れ価格と比較し、「大体2.5倍くらいになっている。1俵(60kg)1万4000円くらいだった米が5万円」と仕入れ価格の異常な高騰を証言する。1俵を精米すると約54kgになるため、1kgあたり926円、5kgなら4630円に達する。仕入れ費用だけでこの金額では、消費税や経費、利益を上乗せすると、店頭価格が大幅に上昇するのは避けられない。

 一方、世間には「もともと米の価格は安すぎた」「農家が儲からないから廃業者が出ている」との声もある。山下氏は「以前は農家の利益が少なく、農機具の購入をためらったり、儲からないから後継ぎが出ない話を聞いた」と、農家が厳しい状況にあったことを認める。

 大貫氏は米の適正価格を「理想は5kgで3500円ぐらい」と見積もる。「3000円台なら農家の人たちも生産を続けられるし、我々小売業者も売りやすい」と話し、「今は主食を麺類やパンに切り替える人も少なくなく、消費者の米離れが心配」と心情を吐露する。

業界の分岐点と消費者の選択

 山下氏や河本氏によると、業界内では昨春から米の生産量が低下し、現在の米価格の高騰を見越していたという。生産量の低下は酷暑による高温障害の影響が大きいが、減反政策による銘柄米の種子不足などの構造的な問題も影響している。河本氏は、「高温障害が続くから、これから先も2、3年はこの状態が続くだろう」と見通す。

 外国産米の輸入が増加する可能性も高い。山下氏は大手スーパーが「アメリカ産の米を仕入れて価格を下げている」と話し、海外で栽培された日本の品種に近い米も品質向上していると一定の評価をしている。「いい意味でも悪い意味でも、今が日本の米にとって分岐点」だと山下氏は語る。

 大貫氏はこの高騰が続けば、「最終的に日本の米が減っていく原因になるんじゃないか」と警鐘を鳴らしつつ、今後の政策や市場の動向が価格に与える影響に注目していると話した。

橋本公園前をスタートし、二本松交差点付近をパレード走行する選手たち

緑区を舞台に熱戦 ツアー・オブ・ジャパン

 国内最大規模の自転車ロードレース「ツアー・オブ・ジャパン」の相模原ステージが5月24日に行われ、スタート地点の橋本公園周辺や沿道が多くの観客でにぎわった。

 橋本公園から津久井街道をパレード走行し、旧小倉橋を超えたところからリアルスタートした選手たち。串川橋交差点から周回コースに入り、フィニッシュ地点の鳥居原ふれあいの館を目指し、激しいアタック合戦が繰り広げられた。

 ステージ優勝は、少人数のスプリントを制したベンジャミ・プラデス・レヴェルテル選手(VC福岡)。全ステージを終え、個人総合時間賞はJCL TEAM UKYOのアレッサンドロ・ファンチェル選手だった。

会場の様子(青友会提供)

青野原 マルシェで魅力発信 6月8日 長野諏訪神社

 自然豊かな青野原の魅力を発信する「第3回青野原マルシェ」が6月8日(日)、長野諏訪神社(青野原2967)で開催される。午前10時から午後3時まで、小雨決行。青友会主催。

 会場では地元の採れたて新鮮野菜や菊芋商品、手作り雑貨や工芸品、唐揚げ、パン、焼き菓子、鮎の塩焼き、コーヒーなどの飲食ブース、マッサージコーナーも登場。

 「たくさんの人に足を運んでもらい、青野原を知ってほしい」と担当者は話す。問い合わせは、イベントのInstagram(https://www.instagram.com/aonoharamarche/#)で。

過去のイベント風景(楽団提供)

音楽で心と体を癒す  「とことん懐メロ」 10周年記念公演

 明治から昭和の唱歌や抒情歌、歌謡曲などの懐メロを中心に生演奏のイベントを実施する「とことん懐メロ歌謡楽団」が今年6月で創立10周年を迎え、6月3日(火)に杜のホールはしもと(橋本駅北口ミウィ橋本内)で「10周年記念公演」を開催する。午後1時開演(0時40分開場)。

 音楽の力で心と体を癒し、脳と免疫力の活性化を図ることを目的に活動を続けている同楽団。会長の深澤要さんは「今回は相模原アコーディオンユニット・ルアンの友情出演もあり、楽しいひとときを過ごしていただけると思います。みんなで歌って、元気・健康・笑顔で人生100年時代を楽しく迎えましょう」と来場を呼び掛ける。

 定員200人(要事前予約)、参加費1000円(当日払い)。問い合わせ・予約申し込みは、あい場さん【携帯電話】080・4733・3120。