町田版【7月17日(木)号】
贈られた賞状を掲げる井上さん

市内学校運営・井上さん 「深めた職業教育」に評価 先ごろ、文科省から表彰

 町田デザイン&建築専門学校(森野)の理事長を務める井上博行さんが先ごろ、専修学校教育に長く従事し功労が顕著などとして文部科学省から表彰された。専修学校制度の発足50周年を記念し、各都道府県の教育功労者が表彰を受けたもので、井上さんは「支えてきてくれた多くの皆さまのおかげでこのような賞をいただけたと思う」と話している。

 専修学校は実践的な職業教育、専門的な技術を学ぶ教育機関として1976年に定められた学校制度。大学などとは異なる「学び舎」として、各分野のスペシャリストを育成する役割を担っている。文科省は今回、その発足50周年を記念して専修学校教育に長く従事し功労が顕著だったなどとして全国の80人を称え、都内で先日表彰式を開いた。

 東京都の教育功労者として表彰された井上さんは78年に町田デザイン&建築専門学校の前身となる学校を創設。デザインや建設などに関する学び舎として、各時代に合わせた教育を提供しこれまで1万5千人を超える卒業生を社会に送り出してきた。

 「教育を通じて地域に貢献することを考えてきた。このような賞をいただけたのは支えてきてくれた多くの皆さまのおかげと思う」と井上さん。「生徒一人ひとりの能力に合わせた教育を提供することを心がけてきた」と話している。

「養成所のよう」

 町田市で生まれ育った井上さんは高校卒業後、都内の建設会社に勤務。実績を残し20代で独立すると、自身が育てた社員らが力をつけ、独立していく姿を見て、「うちは養成所のよう」と考えたことが、教育業界に目を向けるきっかけになったという。

 一方で教育者として影響を受けたのが、市内を拠点とする学園の創立者である2人の存在。玉川学園を生んだ小原國芳氏、桜美林学園を創立した清水安三氏について、それぞれの知人から両者の教育に対する強い思いを知り、「2人の覚悟を学び、私もそのようでなければいけないと考えることになりましたね」

これからは

 現在、健康寿命延伸に貢献する人材育成を目指す新しい学び舎の設立準備を多摩市で進めているという井上さん。これからの専修学校の在り方について、「生徒が高卒者中心だった頃から、今は人生100年時代となり、社会人のリカレント教育などを担っていく必要があると考えている」と話している。

野津田町山田さん 高校軟式・始球式に登板 ろう学校選手「女子に光を」

 野津田町在住で東京都内ろう学校高等部の野球部に所属する山田茉耶さん=上写真=が7月19日(土)、全国高等学校軟式野球選手権大会・都大会開会式で始球式の投手役を務める。生まれつき聴覚障害のある山田さん。「この機会を女子選手の大会出場が認められるきっかけにつなげられれば」と話している。

 生まれてすぐ聴覚障害であることが判明。聴覚を補助する器具「人工内耳」を使用し生活している山田さん。幼稚園から町田市内のろう学校に通い、その小学部で学ぶなか出会ったのが野球だったという。「みんながやるから」と何気なく始めた競技だったものの、ボールが当たり、身体に青あざができることがあっても、グローブでボールを捕る楽しさに魅了されていった。友だちと一緒に白球を追う魅力にも触れながら、中等部でも続け、初の公式戦では同じろう学校のチームと対戦し11対0と大差をつけられてしまったものの、バットにボールが当たったことにみなで喜び、うまくボールを捕ることができると仲間からは歓声があがったという。「当時はピッチャーかキャッチャーを務めることが多かった。とにかく楽しかったです」と振り返る。

 そして、進学した杉並区にあるろう学校高等部でも野球部に入部。規定で女子選手は東京都高野連主催の公式戦には出場できないが、男子メンバーに交じり練習に取り組み、高野連主催の試合ではベンチに入り、シートノックの補助やスコア管理などの仲間を支える役割をこの2年間担ってきた。

「全力で」

 そんななか先月、始球式への参加依頼があったと聞いた。「驚いたが、挑戦しようと決めた。私がマウンドに立つことが女子選手の公式戦出場を認めてもらうことにつながるのではという思いもあった」と山田さん。以来、始球式の練習を始めたが、「ピッチャーは中学以来で不安もある。全力を尽くしたい」と笑顔をみせる。

 山田さんを見守ってきた母親の奈巳さんは「茉耶は野球に取り組む時は昔から人一倍、声を出しみんなを励ましてきた。現在のチームでは選手の一人として扱ってもらっているのがうれしい」と大役を担うことが決まった娘について話す。

19日 世田谷で

 都軟式野球大会の開会式は19日、世田谷区の駒沢公園硬式野球場で開かれる。山田さんが所属する東京都立中央ろう学校は昨年までメンバーが足りずに他校との合同チームとして出場することが続いてきたが、今年は単独チームとして参加できるといい、山田さんは「史上最強チーム。試合が楽しみです」と最後の夏を前に、意気込んでいる。

「認知症」啓発ラン 参加者募る

 認知症への理解を深め、安心して暮らせる街を目指す啓発イベント「RUN伴」(らんとも)が10月5日(日)、町田市内で行われる=写真(過去開催の様子)。

 認知症当事者や家族、支援者らがタスキをつないで走ることで、認知症への理解を呼びかける全国的な催し。主催のRUN伴まちだ2025実行委員会が、現在参加ランナーを募集している。今年は市内5エリアにコースを拡大。各所からゴール地点の「町田シバヒロ」を目指す。またゴール地点では、親子向けイベント「レインボーピクニック」も同時開催。

 参加費は1500円(Tシャツのみ購入は1千円)。申込は8月15日(金)までに専用の申込フォーム(https://ws.formzu.net/fgen/S142752169/)から。シバヒロでのイベント参加は無料。問い合わせは実行委員会・国弘さんasaminmin5k2@gmail.comまで。

桜美林で見るシェイクスピア プロデューサー鷹野さんに聞く

 桜美林芸術文化ホール(本町田)で8月3日(日)、世界的な劇作家・シェイクスピアの不朽の名作「マクベス」が上演される。企画は国内でシェイクスピアの魅力を広める演劇ユニット「イエローヘルメッツ」。観客の意見を反映させる試演会形式で、7月31日(木)には学生限定の無料公開稽古も行う。本公演をプロデュースする俳優の鷹野梨恵子さん=写真=に話を聞いた。

―「日本でシェイクスピアを流行らせる!」をモットーにしているそうですが、きっかけは?

 私が小学生の時、子ども向けの演劇を通じて、シェイクスピアを知り好きになりました。作品のおもしろさはもちろん、身近にある感動を多くの人と共有したいという思いで、このモットーを掲げています。

―なぜ演劇の道へ?

 ドイツへバレエ留学した際、自由に生きる同世代の姿に衝撃を受け、「自分が本当にやりたいことは何だろう」と考えました。その時に思い出したのが、子どもの頃に見たシェイクスピアの舞台です。あの舞台に立ちたいと強く思い、バレエの基礎に芝居を加えれば、演劇の舞台に立てると考えました。

―今回の『マクベス』を上演する上での工夫した点は?

 イエローヘルメッツ作品の大きな特徴ですが、シェイクスピアの戯曲の「言葉の多さ」を整理し、物語の筋道がお客様に伝わりやすくなるように工夫しています。物語を木に例え、葉(言葉)に隠れがちな幹や枝(ストーリー)を見やすくします。原作の魅力はそのままに、独白を複数人による対話形式(割り台詞)に再構成。これにより登場人物の葛藤や心の変化を分かりやすくしています。

―将来、表現の世界を目指す次世代へのメッセージをお願いします。

 学生の皆さんには、大人たちが、みんなで束になって一つの作品を真剣に作り上げようとするエネルギーを目の当たりにして、何か刺激を受け取ってもらえたらうれしいです。本気でがんばることは、決して格好悪いことではありません。また、演劇に限らず、創作活動で培われるクリエイティビティは、どんな仕事においても、新しい発想を生み出したり、物事を前に進めたりする力になるはずです。私たちの稽古や舞台が、皆さんの視野を広げる一つのきっかけになれたら幸いです。

親子で楽しむものづくり 来月、市内2カ所で開催

 親子で楽しめる体験イベント「ものづくりチャレンジ大作戦」が8月10日(日)に開催される。会場は子どもセンターまあち(中町)と、町田第一中学校(中町)の2カ所(一部オンライン開催)。主催は一般社団法人ものづくり文化振興協会。

 木工や革細工、電子工作、プログラミングなど多彩な体験ブースがあり、地域の大学や企業が講師となり幼児から大人まで幅広く参加できる。

 事前申込制で7月28日(月)正午まで公式サイトで受付(一部有料、先着順)。(問)【携帯電話】080・5236・2822へ。

高橋さん(左)と澤崎さん

日本を代表するテノールが町田に 高橋未来子&澤崎一了デュオコンサート開催

 藤原歌劇団本公演などの大舞台でしばしば主役を歌い絶賛を浴びる大物テノール・澤崎一了さんが7月29日(火)、久々に町田に登場する。主催は町田イタリア歌劇団。

 共演はメゾソプラノの大器・高橋未来子さん。藤原歌劇団ほか、大舞台で活躍する逸材で、高橋さん、澤崎さん共に2千名の会場で歌う一流歌手だ。今回の公演では、オペラ「カルメン」のハイライト、オペラ「カヴァレリア・ルスティカーナ」のハイライトなどが披露される。「ピンと張り詰めた声量豊かな美声が188席の会場に響き渡る事でしょう。火花散る生の歌声の醍醐味を味わえるコンサートになる事必至です」と、町田イタリア歌劇団を率いる柴田素光さん。同歌劇団のモットーである『オペラは声で勝負』が実感出来る公演とし、「感動200%、必聴のコンサートとなりますのでお早目のご予約をお勧め致します」と呼びかけている。

 町田市民フォーラム3階ホールで午後2時開演(1時30分開場)。チケット3千円。予約は柴田さん【電話】090・1734・8116へ。

生徒らに指導を行う田丸さん

第三中生徒 短編創作に挑戦 作家・田丸さんが授業

 ショートショート作家の田丸雅智さんによる「超ショートショート講座」がこのほど、町田第三中学校の体育館で開かれた。対象は中学1年生。小説の中でも特に短い形式であるショートショートの創作を通じて、発想力と表現力を育む授業となった。

 講座では田丸さんの指導のもと、生徒らがワークシートを活用して「不思議な言葉」を作り出す課題に挑戦。日常にはないアイデアをひねり出すため、生徒らは頭を悩ませつつも熱心に作品づくりに取り組んだ。発表の時間には次々と手が挙がり、個性あふれる作品が披露された。田丸さんは「生徒の皆さんは活発に発言してくれた。発想に富んでいて、とても面白い回だった」と振り返った。

 田丸さんは「誰でも書ける」をモットーに、全国各地で小学生からシニアまでを対象とした創作講座を行っている。今回のように、限られた時間内でアイデアの発想から作品完成までを導くプログラムが各地で好評を博している。

<PR>
【LINE読者限定プレゼント】
【LINE読者限定プレゼント】
  毎月15名様に抽選で『Amazonギフト券1,000円分』をプレゼント!ギフト券以外のプレゼントもあるかも!是非チェックしてみてください。 (続きを読む)